JPS6332462Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は構造が簡単で小形かつ軽量にできるメ
カニカルシールに関するものである。本出願人は
この種のシール装置として、先に特開昭58−
68553号公報に示す軸封装置を提案している。

この軸封装置は弾性部材で製せられている密封
環の外周に設けられた略Ｖ字形の周溝に弾発力お
よび弾性を有する環を被着して、密封環を軸方向
に拡張するようにして密封性を確保するものであ
る。

本考案は前記弾発力および弾性を有する環の有
する力を更に有効に利用してシール機能を大きく
かつ安定させるようにしたものである。

本考案のメカニカルシールを例示図面により説
明する。

ケーシング１の内周部には止環２をはめる。シ
ヤフト３はケーシング及び止環を貫通する。ロー
ター４はシヤフト３に固定する。密封環５はパツ
キン６を介してローター４にはめる。密封環５の
側部には面７を設ける。

止環２は半部断面ほぼコの字形で、外筒８、側
壁９及び内筒１０より成る。パツキン１１は筒部
１２及び鍔部１３より成り、半部断面ほぼＬの字
形である。この筒部１２は内筒１０の外周にはめ
る。そして、パツキン１１の筒部１２の外周に略
テーパ状の押え環１５をはめて、パツキン１１の
筒部１２と止環２の内筒１０との間の流体漏洩を
確実に防止する。また、この筒部１２の外周に
は、押え環１５の外周面によつて傾斜面１４を設
けてある。鍔部１３の一端には従動リング１６を
固定する。すなわち、鍔部１３にはめた押環１７
に従動リング１６を固くはめて固定してある。鍔
部１３の背部はシヤフト３の軸線に対してほぼ垂
直なものとする。従動リング１６の側部の面７に
密接させて密封端面Ｓを構成させる。

傾斜面１４の外周部には弾性を利用した環１９
たとえばスプリング環をはめる。半部断面図上に
おいて、シヤフトの軸線となす角度は原則として
45度以下にする。

弾性を利用した環１９はその収縮力に基く軸方
向の分力により、押環１７、鍔部１３を介して従
動リング１６を軸方向へ押圧し、密封端面Ｓの密
接圧力の強さを強めて流体の流通量を制限する。

本考案メカニカルシールにおいては、パツキン
１１は半部断面ほぼＬの字形で形体が小さく、ま
た用いる弾性を利用した環をスプリング環の如く
形体の小さいものにしてあるので、全体として構
造が簡単で形体が小さく、軽量にできる。

また、弾性を利用した環１９は傾斜面１４とほ
ぼ垂直な面に接するようにしてあるので、軸方向
の移動距離を大きくとり得、かつ、環１９を直に
弾性材製のパツキン１１に接触させずに、摩擦力
の小さい押え環１５および押環１７に接触させて
いるので、環１９による収縮力が全周に亘つて均
一となり、従動リング１６に付与される圧縮力も
周方向に均一となり、極めて安定的なシール機能
を発揮することができ、更に作動を円滑ならしめ
ることができるのである。

本考案はこのようにして、所期の目的を達する
ことができたのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案メカニカルシールの実施例を示す
半部縦断面図である。 １……ケーシング、２……止環、３……シヤフ
ト、４……ローター、５……密封環、６……パツ
キン、７……面、８……外筒、９……側壁、１０
……内筒、１１……パツキン、１２……筒部、１
３……鍔部、１４……傾斜面、１５……押え環、
１６……従動リング、１７……押環、１８……
面、１９……弾性を利用した環、Ｓ……密封端
面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーシングにはめたところの半部断面ほぼコの
   字形の止環の内筒に、筒部と鍔部を有するところ
   の半部断面ほぼＬの字形を成すパツキンの筒部を
   はめ、鍔部の一側部には押環を介して従動リング
   を固定し、上記押環はパツキンの鍔部の背部を覆
   うとともにシヤフトの軸線に対してほぼ垂直とな
   るように形成されており、上記パツキンの筒部外
   周には押え環をはめて傾斜面を設けるとともにパ
   ツキンの筒部と止環の内筒との間からの流体漏洩
   を防止し、上記傾斜面には弾性を利用した環をは
   めこの弾性を利用した環の収縮力に基づく軸方向
   の分力を利用して、上記パツキンの鍔部を介し
   て、従動リングを軸方向へ押圧することを特徴と
   するメカニカルシール。