JPS6332274Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、杆体と板体との結合を繰返すことに
よつて迅速に強固に形成することを特徴とした観
覧ベンチに関するものである。

「従来の技術」 従来の観覧ベンチは、座部を連続したものを予
め工場において生産し、現場に搬送して取付ける
か、或は現場打コンクリートによつて階段状に形
成し、その上に枕材等を敷設し、その上に座板を
取付ける等して構築していた。

「考案が解決しようとする問題点」 前記のような構成であると手数がかゝり、工期
も永くなり、資材も多く必要となつて自ずと高価
となるばかりでなく、長期の使用には接合部等が
腐蝕する等して強固にできない欠点があつた。

「問題点を解決するための手段」 そこで本考案は前記の欠点を解消するために提
案されたものであつて、法面の傾斜方向に、杆体
を一定の間隔に配設し、その杆体の上面で一定の
間隔に、上面が水平の突起を形成し、その上面に
はナツトを埋設し、そして上下の突起間と略同幅
を有する板体の一側に、上下の突起間の高さの差
の高さを有する垂直部を設け、板体の垂直部寄り
の両側上面に凹部を設け、その側部に切欠部を設
け、そのように形成した板体の垂直部側を突起上
に載置し、他側を下段の板体の垂直部上に載置
し、板体の凹部に座金を載置し、その座金よりボ
ルトを挿通し、突起に埋設したナツトに螺合して
固着することを繰返して構築するものである。よ
つて本考案は迅速に施工でき、そして強固で安価
であつて長期の使用に耐え、前記の欠点を解消し
たものである。

その構造を図面について説明するに、１は観覧
席を構築しようとする法面である。２は、法面１
の傾斜方向で一定の間隔に設けられたコンクリー
ト製等による杆体であつて、一定の長さで、上面
の中央と下端に水平の突起３に設けられており、
その上面にナツト４が埋込まれているもので、こ
れを端部を互に突合せて直線状に配置する。５は
コンクリート製等による板体であつて、その幅は
上下の突起３，３間と略同じ幅であつて、その一
側には上方に向う垂直部６が設けられ、その高さ
は、上下の突起３，３の高さＨの差を有するもの
である。７は板体５の垂直部６寄りの両側上面に
設けた凹部で、その凹部７の側部に切欠部８が設
けられている。板体５，５はその突合せ部分を、
杆体２の突起３上に載置し、凹部７に座金９を嵌
合し、座金９の貫通孔１０にボルト１１を挿通
し、杆体２のナツト４に螺合し、板体５の他側
（垂直部６を設けた側と反対側）を下段の板体５
の垂直部６上に載置することを繰返して施工する
ものである。１２は階段ブロツクであつて、断面
逆Ｕ字状で、垂直部６の約２分の１の高さを有
し、板体５上で垂直部６に接して設けるもので、
必要によつて接着剤等により固着する。１３は基
礎である。

「作用」 本考案は前記のような構造であるので、法面１
の傾斜方向で適宜の間隔に杆体２を併列し、その
杆体２の突起３上に、板体５の端部を突合せて載
置し、凹部７に座金９を載置し、ボルト１１を座
金９の貫通孔１０より杆体２の突起３のナツト４
に螺合し、板体５の他側を下段の垂直部６上に載
置することを繰返すことによつて施工することが
できる。

「考案の効果」 本考案は杆体２と板体５を予め工場にて生産
し、現場に持込んで組立てるので、何等の技術を
要することなく容易で迅速にできるものである
し、杆体２と板体５とはボルト１１、ナツト４に
よつて一体化されているので、地震や振動によつ
て外れたりすることなく、雨水は板体５の表面を
流れて下方に流下し、板体５の裏側には浸入しな
いので、法面１を軟化させず、構築された観覧席
も強固であるし、外観も優美である。そして本考
案は腐蝕することがなく長期の使用に耐えるし、
安価にできる等の効果を奏する。

なお、板体５，５の突合せ凹部７において、ボ
ルト１１をナツト４に螺合したのちモルタルまた
はコンクリートを充填しておけばボルト１１の腐
蝕もなくなり、一層長期の使用に耐えることがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
その第１図は本考案の斜視図、第２図は側面図、
第３図は板体の接合部分を示した斜視図、第４図
はその拡大図、第５図は縦断側面図、第６図は杆
体の斜視図、第７図は板体の斜視図である。 １……法面、２……杆体、３……突起、４……
ナツト、５……板体、６……垂直部、７……凹
部、８……切欠部、９……座金、１１……ボルト
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 法面１の傾斜方向に、杆体２を一定の間隔に配
   設し、その杆体２の上面で一定の間隔に、上面が
   水平の突起３を形成し、その上面にはナツト４を
   埋設し、そして上下の突起３，３間と略同幅を有
   する板体５の一側に、上下の突起３，３間の高さ
   の差を有する垂直部６を設け、板体５の垂直部６
   寄りの両側上面に凹部７を設け、その側部に切欠
   部８を設け、その板体５の垂直部６を有する一側
   を突起３上に載置し、他側を下段の板体５の垂直
   部６上に載置し、板体５の凹部７に座金９を載置
   し、その座金９よりボルト１１を挿通し、突起３
   に埋込まれたナツト４に螺合して固着することを
   繰返して形成したことを特徴とした観覧ベンチ。