JPS6332113Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はプレス成型後の瓦素地を乾燥工程にお
いて水平姿勢で受承載置せしめる様にした瓦素地
の平乾燥用受台に関するものである。

最近ではプレス成型後の瓦素地は乾燥時の変形
を防止せしめるため、成型後の瓦素地を受台上に
水平姿勢にて載置せしめる様にした所謂平乾燥方
式が採用されているが、成型される瓦素地は形態
の変更や使用原料の変更による彎曲具合の調整に
よりその彎曲形状が種々変更されるのが常である
が、平乾燥に使用する受台をこれら瓦素地の変更
に対応せしめるには多数の種類の受台を保有しな
ければならず甚だ不経済であり、又その都度要す
る受台の取り替え作業も甚だ面倒なものであつ
た。

そこで同じ受台を使用しつつ瓦素地の彎曲形状
の変更に対応せしめる様にしたものとして実公昭
58−52267号公報に記載されている様な粘土瓦成
型素地の乾燥用受台が見受けられるも、かかる受
台は枠片の内側に一定間隔を設けて受具を載置さ
せ、瓦素地の下面の曲面形状に倣つて形成された
支持面を有する調節部材を前記受具に装着して成
るものであり、瓦素地の彎曲形状の変更に対応せ
しめるには予め所定の厚さに成形された調節部材
を受具の装着孔に嵌着せしめることにより行わし
めているが、調節部材による嵩上げ高さは夫々の
設定寸法により定められているため、種々変更さ
れる瓦素地の曲面形状に対応せしめるには多数の
種類の嵩上げ高さに対応する厚さに設定せしめた
調節部材を多数保有しなければならず甚だ不経済
であり、又多種類の中から最適な厚さの調節部材
を選択せしめるにも非常に手間を要する等の欠点
を有していた。

本考案はかかる欠点に鑑み、瓦素地の下面を受
承する受部材を台部上に所定間隔毎に配設せし
め、受部材の載置面には複数の嵌孔を貫設せし
め、一方ゴム等の弾性部材より成り上下両面を受
け面と成した調節部材を設け、該調節部材の外周
には受部材の嵌孔の周縁部に嵌合する溝部を周設
せしめ、調節部材の上面から溝部までの寸法と調
節部材の下面から溝部までの寸法とを異ならし
め、この調節部材を受部材の嵌孔に着脱自在に嵌
着せしめた瓦素地の平乾燥用受台を提供して上記
欠点を解消せんとしたものにして、以下本考案の
一実施例を図面に基づいて説明すると、 １は瓦素地Ｗの平乾燥用受台の本体であり、方
形枠状の台部２の上面に瓦素地Ｗの下面を３箇所
支持の状態で受承せしめる受部材３，３ａ…を所
定間隔毎に配設せしめ、該受部材３，３ａ…は薄
鉄板等により中空角棒状に折曲形成せしめ、受承
すべき瓦素地Ｗの下面に対応して所定高さに形成
せしめると共に、上面の載置面４，４ａ…を瓦素
地Ｗ下面の彎曲面に対応する彎曲状に形成せし
め、該載置面４，４ａ…には複数の嵌孔５，５ａ
…を貫設形成せしめている。

６はゴム等の弾性部材にて嵌孔５，５ａ…より
やや大径の円柱状に成形せしめた調節部材であ
り、該調節部材６の上下両面を瓦素地Ｗに対する
受け面７，８と成し、又調節部材６の外周部には
所定間隔を有せしめて嵌孔５，５ａ…に嵌合する
様に幅および径を対応せしめた２本の溝部９，１
０を周設せしめ、調節部材６の上面から上側の溝
部９までの寸法X₁と調節部材６の下面から下側
の溝部１０までの寸法X₂とを異ならしめる様に
溝部９，１０の形成位置を設定せしめ、該溝部
９，１０にて調節部材６を任意の嵌孔５，５ａ…
内に着脱自在に嵌着保持せしめる様に成し、又受
け面７，８の外周角部には夫々嵌合案内用の面取
部１１，１１ａを形成せしめている。

又本実施例においては嵌孔５，５ａ…周縁部に
おける受部材３，３ａ…の板厚を１mmと成し、こ
れに対応して溝部９，１０の幅および２本の溝部
９，１０間の間隔を夫々１mmに設定せしめると共
に、前記寸法X₁を１mm、寸法X₂を２mmに設定せ
しめ、２本の溝部９，１０の嵌め替えおよび上下
の受け面７，８の交換により調節部材６の載置面
４，４ａ…よりの突出高さを１mm、２mm、３mm、
４mmの４段階の変位に調節可能ならしめている。

次に本考案に係る瓦素地の平乾燥用受台の作用
について説明すると、乾燥されるべき瓦素地Ｗ下
面の彎曲に本体１の載置面４，４ａ…の受承高さ
を対応せしめるには、調節部材６を受部材３，３
ａ…における不足高さ位置に対応する嵌孔５，５
ａ…内に嵌着操作せしめることにより調節部材６
の受け面７により受承位置が嵩上げされ、かかる
状態において載置面４，４ａ…、受け面７にて瓦
素地Ｗは水平状態で受承されるのである。

そして調節部材６による嵩上げ高さは同一部材
において１mm、２mm、３mm、４mmの４段階に設定
可能であり、１mmの嵩上げを希望する場合は第３
図に図示する様に受け面７を受承面にして溝部９
を嵌孔５に嵌着せしめることにより調節され、又
第４図に図示する様に同じ姿勢で溝部１０にて嵌
着せしめれば３mmの嵩上げ状態となり、一方第５
図、第６図に図示する様に調節部材６を上下反転
せしめて受け面８を受承面にした状態で溝部１
０，９にて嵌着せしめれば夫々２mm、４mmの嵩上
げ状態となるのである。

要するに本考案は、瓦素地Ｗの下面を受承する
受部材３，３ａ…を台部２上に所定間隔毎に配設
せしめたので、受部材３，３ａ…の載置面４，４
ａ…にて乾燥すべき瓦素地Ｗを水平状態で安定良
く受承せしめることが出来、よつて瓦素地Ｗ自重
が特定箇所に集中的に作用することがなので乾燥
中における瓦素地Ｗの変形を防止出来、又受部材
３，３ａ…の載置面４，４ａ…には複数の嵌孔
５，５ａ…を貫設せしめ、一方ゴム等の弾性部材
より成り上下両面を受け面７，８と成した調節部
材６を設け、該調節部材６の外周には受部材３，
３ａ…の嵌孔５，５ａ…の周縁部に嵌合する溝部
９，１０を周設せしめたので、調節部材６を嵌孔
５，５ａ…に対し嵌着操作せしめるのみにて瓦素
地Ｗに対する受承位置を簡易に嵩上げ操作せしめ
て瓦素地Ｗの彎曲形状の変更に対応せしめること
が出来、又調節部材６の上面から溝部９までの寸
法X₁と調節部材６の下面から溝部１０までの寸
法X₂とを異ならしめ、この調節部材６を受部材
３，３ａ…の嵌孔に着脱自在に嵌着せしめたの
で、調節部材６の受承面を上下の受け面７，８に
切り替え操作せしめるのみにて同一の調節部材６
で受承位置の嵩上げ高さを数段階に設定調節せし
めることが出来、よつて従来の様に調節部材の嵩
上げ高さが１段階のものに比し調節部材６の保有
個数を大幅に減少せしめることが出来るため非常
に経済的であると共に、多数の調節部材６の内か
ら希望する嵩上げ高さのものを選択する手間を省
くことが出来、又数段階の嵩上げが可能であるに
も拘らず寸法X₁と寸法X₂を異ならしめて受け面
７，８を選択的に利用せしめることにより、溝部
９，１０の本数を少なく出来ると同時に調節部材
６自体の厚みを薄く設定せしめることが出来るの
である。

又実施例においては溝部９，１０を２本周設せ
しめ、溝部９，１０の幅および２本の溝部９，１
０間の間隔を夫々１mmに設定せしめ、調節部材６
の上面から上側の溝部９までの寸法X₁を１mm、
調節部材６の下面から下側の溝部１０までの寸法
X₂を２mmに設定せしめたので、溝部９，１０に
よる嵌着位置の切り替え、調節部材６の上下の受
け面７，８の切り替えにより、調節部材６の嵩上
げ高さを１mm、２mm、３mm、４mmの４段階に設定
せしめることが出来、よつて調節部材６の嵌着に
より何mm嵩上げされたかの確認も容易に一目瞭然
に行わしめることが出来る等その実用的効果甚だ
大なるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すものにして、第１
図は本考案に係る瓦素地の平乾燥用受台の斜視
図、第２図は同上断面図、第３図乃至第６図は調
節部材の嵌着状態の断面図である。 ３，３ａ……受部材、４，４ａ……載置面、
５，５ａ……嵌孔、６……調節部材、７，８……
受け面、９，１０……溝部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 瓦素地の下面を受承する受部材を台部上に所
   定間隔毎に配設せしめ、受部材の載置面には複
   数の嵌孔を貫設せしめ、一方ゴム等の弾性部材
   より成り上下両面を受け面と成した調節部材を
   設け、該調節部材の外周には受部材の嵌孔の周
   縁部に嵌合する溝部を周設せしめ、調節部材の
   上面から溝部までの寸法と調節部材の下面から
   溝部までの寸法とを異ならしめ、この調節部材
   を受部材の嵌孔に着脱自在に嵌着せしめたこと
   を特徴とする瓦素地の平乾燥用受台。 (2) 前記溝部は２本周設せしめ、溝部の幅および
   ２本の溝部間の間隔を夫々１mmに設定せしめ、
   調節部材の上面から上側の溝部までの寸法を１
   mm、調節部材の下面から下側の溝部までの寸法
   を２mmに設定せしめたことを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の瓦素地の平乾燥
   用受台。