JPH0754447Y2 - 床部材用脚キャップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本願は、床盤との間に通信ケーブルなどを配線できるよ
うに床盤上に敷設された床部材に用いられる脚キャップ
に関する。

従来の技術 従来、例えば鋼板から成る方形状の床パネルの四隅位置
に、床パネルに垂設され、中心部にねじ孔を有した取付
脚軸と、このねじ孔に螺合するねじ部を上部に有した可
動脚軸とから成る高さ調整可能な脚柱を配設して成る床
部材は公知であり、上記した床部材は、コンクリートか
ら成る床盤上に沿って多数敷設され、敷設された状態
で、床盤上から離反する脚柱は例えば工具などにより可
動脚軸を回動して全ての脚柱の下面が等しく床盤上に接
地するように高さ調整が行われ、このようにして床面を
構成したのち床パネルの表面にカーペットなどの表装板
が張設される。

また床面に緩衝作用を付与するために、脚柱、詳しくは
可動脚軸の下部に合成ゴムなどの弾性材から成る脚キャ
ップが取り付けられる。

考案が解決しようとする課題 ところで、床部材を床盤上に沿って多数敷設し、かつ、
床パネルの表面に表装板を張設して、床面を施工したの
ちにおいて、床面を歩行する際或いは運搬車が通行する
際の外部振動によって高さ調整された脚柱の可動脚軸が
緩んでその突出長さが変化して床面にガタ付きが発生す
る惧れがあり、このガタ付きは、工具などにより可動脚
軸を回動調整することによって解消できるが、床面の施
工後において、このような回動調整操作を行うことは困
難性を伴い極めて面倒である。

そこで本願は、上記した問題点を解決することも目的と
したものである。

課題を解決するための手段 本願は上記した目的を達成するために、脚柱の可動脚軸
の下部に嵌着する弾性材から成る脚キャップの上周縁
に、前記可動脚軸を螺合した前記脚柱の取付脚軸に嵌着
する延長部を一体に設けたことを特徴とするものであ
り、脚キャップは具体的には、接地部と、これから上方
に延びて可動脚軸の下部に嵌着する嵌合部と、この嵌合
部の上周縁から延びて前記取付脚軸の下部に嵌着する延
長部とを一体に有して成るものである。

作用 しかして、脚柱の最も短い状態で、コンクリートにより
仕上げられた床盤上に敷設されるが、脚キャップの延長
部が取付脚軸に嵌着してあるので、床部材の取扱い時に
可動脚軸が乱りに回転して脚柱の長さ寸法が変動するこ
とはない。

床部材を床盤上に敷設した状態で脚キャップが床盤上か
ら浮き上がる脚柱については、例えば工具などにより、
可動脚軸を回動操作して全ての脚キャップが床盤上に等
しく接地する。

このようにして回動操作された可動脚軸も亦、脚キャッ
プの延長部が取付脚軸に嵌着しているので乱りに緩むこ
とはない。

実施例 以下図面について本願の実施例を詳述すると、Ａは周縁
に側片を有した上下板の間に波形状に屈曲した中間材を
介在した鋼板から成る例えば一辺が500mmの正方形状の
床パネル（１）を、断面Ｌ字状の前後方向に長い鋼板か
ら成り、その前後位置に高さ調整可能な脚柱（２），
（２）を有した左右一対の支持部材（３），（３）の水
平片間に渡架して固着し、かつ、前記床パネル（１）の
４隅位置にアジャスト操作用の通孔（４）を配設して成
る床部材で、前記脚柱（３）は、支持部材（２）の水平
部の前後位置に開設した取付孔（５）に上端を嵌着して
支持部材（２）に一体に垂設され、中心にねじ孔（６）
を有する金属製の取付脚軸（７）と、この取付脚軸
（７）のねじ孔（６）に螺合するねじ部（８）を上部に
有した太径の可動脚軸（９）とから成り、前記ねじ部
（８）の上面には工具などにより回動操作される回動操
作部（10）を有している。（11）は前記回動脚軸（９）
の下部に嵌着する脚キャップを示し、該脚キャップ（1
1）は、合成ゴム等の弾性材料から成り、底面が湾曲状
に形成された接地部（11）ａと、それから上方に延びて
可動脚軸（９）の下部に嵌着する嵌合部（11）ｂと、こ
の嵌合部（11）ｂの上周縁から延びて、前記取付脚軸
（７）の下部に密嵌する延長部（11）ｃを一体に有して
成る。

しかして、このように構成された床部材Ａは、原則とし
て取付脚軸（７）にねじ部（８）を充分に螺入した脚柱
（３）の最も短い状態で、コンクリートにより仕上げら
れた床盤Ｂ上に敷設されるが、その敷設以前に外脚柱
（３）に脚キャップ（11）が嵌着され、その取付状態に
おいて、取付脚軸（７）と可動脚軸（９）は、脚キャッ
プ（11）により一体的に緊結されて、床部材Ａの取扱い
時に、可動脚軸（９）が乱りに回転して脚柱（３）の長
さに変動を与える惧れはない。このようにして、脚キャ
ップ（11）を各脚柱（３）に嵌着した状態で、多数の床
部材Ａが床盤Ｂ上に沿って敷設される。この敷設状態に
おいて、脚キャップ（11）が床盤Ｂ上から浮き上がる脚
柱（３）については、通孔（４）に工具を挿通し、これ
を回動操作部（10）に係合して回動操作し、可動脚軸
（９）の突出長さを可変して全ての脚キャップ（11）を
等しく床盤Ｂ上に接地する。

この場合、可動脚軸（９）の回動操作は重くなるが、回
動操作が不能とはならない。

考案の効果 以上のように本願によれば、脚キャップにより取付脚軸
と可動脚軸とが弾性的に一体化されるので、床部材の取
扱い中或いは施工後における床面に作用する外部振動に
よって可動脚軸が乱りに緩む惧れはなく、従って床部材
の取扱いに便利であると共に、長期においてガタ付きの
生じない床面を維持することができるなどの利点を有す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本願の実施例を示すもので、第１図は脚キャップ
の斜視図、第２図は脚キャップを備えた状態の床部材の
総体斜視図、第３図は脚キャップの嵌着状態を示す部分
断面図である。 図中、（１）は床パネル、（３）は脚柱、（７）は取付
脚軸、（９）は可動脚軸、（11）は脚キャップ、（11）
ａは接地部、（11）ｂは接合部、（11）ｃは延長部であ
る。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】脚柱の可動脚軸の下部に嵌着する弾性材か
   ら成る脚キャップの上周縁に、前記可動脚軸を螺合した
   前記脚柱の取付脚軸に嵌着する延長部を一体に設けたこ
   とを特徴とする床部材用脚キャップ。
2. 【請求項２】脚キャップが、接地部と、これから上方に
   延びて可動脚軸の下部に嵌着する嵌合部と、この嵌合部
   の上周縁から延びて前記取付脚軸の下部に嵌着する延長
   部とを一体に有して成る請求項１記載の床部材用脚キャ
   ップ。