JPS6331879Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、複数の加工工程からなる生産ライ
ン、例えば自動車用ボデーの自動組立ライン等に
おけるトランスフア装置に関するものである。

（従来技術） 従来のシヤトル型トランスフア装置において
は、被加工物（以下、ワークという。）を水平方
向に移動させるトランスフアバーと、ワークを上
下動させるリフタとが共通して設けられ、すべて
の複数の加工工程が完了しなければ、トランスフ
アバーそれ自体をリフトアツプさせることができ
ない構造になつている。そのため、複数の加工工
程からなる自動生産ラインにおいて、必要により
あるひとつの加工工程、例えばワーク受けの切替
動作のみ行ないたい場合であつても、他のすべて
の加工工程が完了しなければ、ワーク受けの切替
動作を行なわせることができず、その分だけ生産
ラインにおけるサイクルタイムが長くなり、生産
性を低下させている。

また、従来のシヤトル型トランスフア装置にお
いては、リフタを作動させるリフタ用シリンダが
床面に直接据え付けられる構造となつていること
から、該リフタ用シリンダを据え付けるための基
礎工事が大掛りなものとなるとともに、トランス
フア装置そのものが大型化するという問題があ
る。

（考案の目的） 本考案は、上記の点に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、生産性を向上させ、リ
フタ用シリンダを床面に据え付けるための基礎工
事を不要にすることができる、トランスフア装置
を提供することにある。

（考案の構成） この目的を達成するため、本考案の特徴は、ア
クチユエータによる水平方向に移動するトランス
フアバーに、ワークを上下動させる複数のリフタ
を、トランスフアバーに配設した複数のリフタ用
シリンダによつて起立・傾倒させるように構成し
たことにある。

（作用） このような構成にすれば、複数の個々のリフタ
によつて各加工工程毎に独立してワークを上下動
させることができ、従来のように、トランスフア
バーそのものを上下動させなくて済む。したがつ
て、すべての加工工程の完了を待つことなく、任
意の加工工程を実施させることができる。なお、
トランスフアバーが移動する際、ワークを保持し
ないリフタは、他の加工工程に保持されたワーク
との干渉を避けるため、リフタ用シリンダによつ
て水平に傾倒させておくものとする。

（実施例） 以下に本考案の一実施例を図について説明す
る。第１図は、自動車用ボデーの自動組立加工ラ
インにおける溶接加工工程の一部を示すもので、
図示するように、ワーク（例えば、フロントフロ
アパンメンバ、サイドフロア、リインホースメン
トシートベルトアンカ）Ｗを各溶接加工工程順に
搬送されるトランスフア装置１は、複数の定盤２
の上に図中AA′方向に往復水平動可能に設けら
れ、前記定盤２の両側には溶接ロボツト３，３′
が配設されている。複数の定盤２同士は工程間連
結用プレート４により連結されている。

第１図のものの構造を、第２図および第３図に
基づいて詳しく説明すると、各定盤２のトランス
フア装置１を境とする両側には、ワーク受け５，
５′を有する位置決めクランプ６，６′と、該位置
決めクランプ６，６′を作動させるクランプ用シ
リンダ７，７′とが設けられ、定盤２の一側に設
けたワーク受け５′はワーク用位置決めピン８を
備えている。９はワーク受け５，５′の上にワー
クＷが位置決めされクランプされたことを検出す
るためのワーク検出用リミツトスイツチである。

１０は定盤２の上に図中矢印AA′で示す水平方
向に往復動可能に設けられたトランスフアバー、
１１はトランスフアバー１０に連結され該トラン
スフアバー１０を水平方向に往復動させる搬送用
シリンダ（アクチユエータ）であつて、トランス
フアバー１０の上には、ワークＷを保持するワー
ク受け部１２ａ，１２a′と、該ワーク受け部１２
ａ，１２a′を上下動させるリフト用シリンダ１２
ｂ，１２b′と、前記ワーク受け部１２ａ，１２
a′の上下動を円滑に案内するガイドシヤフト１２
ｃ，１２c′とからなる１対のリフタ１３，１３′
が設けられている。リフタ１３，１３′はトラン
スフアバー１０の上面に設置したリフタ用シリン
ダ１４，１４′により起立・傾倒可能に設けられ
ている。前記１対のリフタ１３，１３′およびリ
フタ用シリンダ１４，１４′は、トランスフアバ
ー１０の長手方向の所定位置（図外）にも設けら
れていて、複数の加工工程に対応できるようにな
つている。

１５はトランスフアバー１０の適当箇所に取り
付けたドグバーで、ドグバー１５は、定盤２の上
面の所定位置に設けた搬送位置検出用リミツトス
イツチ１６、および定盤２の搬送位置検出用リミ
ツトスイツチ１６よりも図中Ａ方向側に所定間隔
をあけて設けた搬送位置確認用リミツトスイツチ
１７に当接し得るように配設されている。１８は
定盤２の前記搬送用シリンダ１１のロツド部と対
応可能な位置に配設した搬送位置決め用ストツパ
で、このストツパ１８に搬送用シリンダ１１のロ
ツド部が当接し位置規制されることによつて、ト
ランスフアバー１０の次工程における搬送位置が
自動的に得られるようになつている。

上記構成のトランスフア装置の動作について述
べると、溶接ロボツト３，３′によるワークＷの
溶接が完了し、該溶接ロボツト３，３′が待機位
置まで戻ると、クランプ用シリンダ７，７′の作
動によつて位置決めクランプ６，６′によるワー
クＷのクランプが解除される。この後、起立状態
にあるリフタ１３，１３′のワーク受け部１２ａ，
１２a′が、リフタ用シリンダ１２ｂ，１２b′の作
動によつて上昇することにより、ワーク受け５，
５′に載置されたワークＷがリフトアツプされる。
ワークＷがリフトアツプされると、搬送用シリン
ダ１１の作動によつてトランスフアバー１０が矢
印Ａ方向に移動し、ワークＷが次工程に向けて搬
送される。

トランスフアバー１０が矢印Ａ方向に移動し、
ドグバー１５が搬送位置検出用リミツトスイツチ
１６を叩くと、その位置において搬送用シリンダ
１１を介してトランスフアバー１０の移動速度が
減少し、該シリンダ１１のロツド部が搬送位置決
め用ストツパ１８と当接し位置規制されることに
より、トランスフアバー１０が停止し位置決めさ
れる。トランスフアバー１０の次工程における搬
送位置での停止が、ドグバー１５と搬送位置確認
用リミツトスイツチ１７とにより確認されると、
リフト用シリンダ１２ｂ，１２b′の作動によりワ
ーク受け部１２ａ，１２a′が下降する。

ワーク受け部１２ａ，１２a′の下降により、ワ
ークＷは、次工程の定盤２に設けたワーク受け
５，５′の上に載置され、ついで、クランプ用シ
リンダ７，７′の作動によつて位置決めクランプ
６，６′によりワークＷがクランプされる。ワー
クＷのクランプをワーク検出用リミツトスイツチ
９の検出すると、これを受けて溶接ロボツト３，
３′がワークＷ側に前進し溶接を開始する。溶接
ロボツト３，３′が溶接を開始すると、リフタ用
シリンダ１４，１４′によつてリフタ１３，１
３′が傾倒してトランスフアバー１０と平行な水
平状態となる。

この後、搬送用シリンダ１１の作動によつてト
ランスフアバー１０が矢印A′方向へ移動し、ワ
ークＷを運び出した元の位置まで戻る。なお、移
動の際、リフタ１３，１３′は傾倒状態にあるの
で、ワークＷの最下部と干渉する虞はない。トラ
ンスフアバー１０が元の位置まで戻つて停止する
と、リフタ用シリンダ１４，１４′の作動によつ
てリフタ１３，１３′が起立状態に保持される。
トランスフアバー１０が元の位置に戻るまでに、
既に、図示しないワーク供給装置により、新たな
ワークＷがワーク受け５，５′の上に載せられ、
位置決めクランプ６，６′でクランプされる。こ
の新たなワークＷは溶接ロボツト３，３′により
溶接されることになるが、溶接完了後の動作は前
述したことと同じ動作が繰り返されることとな
る。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によれば、複数の加
工工程からなる生産ラインにおいて、すべての加
工工程の完了を待つことなく、希望する加工工程
を行なわせることができ、生産ラインにおけるサ
イクルタイムが短縮し、生産性が従来に比べて向
上する。また、リフタ用シリンダをトランスフア
バーに設置するように構成したので、該リフタ用
シリンダを床面に据え付けるための基礎工事が不
要となり、トランスフア装置そのものが小型化す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す平面図、第２
図は第１図のトランスフア装置を示す拡大平面
図、第３図は第２図の正面図である。 １……トランスフア装置、１０……トランスフ
アバー、１３，１３′……リフタ、１４，１４′…
…リフタ用シリンダ、Ｗ……ワーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アクチユエータにより水平方向に移動するトラ
   ンスフアバーと、該トランスフアバーに起立・傾
   倒可能に設けられ、被加工物を上下動させる複数
   のリフタと、前記トランスフアバーに配設され前
   記リフタを起立・傾倒させる複数のリフタ用シリ
   ンダとを備えることを特徴とするトランスフア装
   置。