JPS6331539Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来、機台上の一側に、脱殻装置をそのフイー
ドチエンが外側に位置するようにして搭載し、他
側に操縦席を設け、前記フイードチエンの始端近
傍と前処理装置の中間部との間に後部を中心とし
て上下傾動する殻稈搬送装置を配設して扱深さ調
節を行なうようにしたコンバインは既に知られて
いる。

しかし、前記既知のコンバインは前記前処理装
置の刈刃、掻込輪等を駆動する伝動装置が殻稈搬
送の障害になり、殻稈の搬送が不円滑になるばか
りでなくその姿勢が著しく乱れる等の問題点があ
つた。

本考案は走行装置を有する機台上の一側に、フ
イードチエンが外側に位置するように脱殻装置を
搭載し、他側に操縦席を設け、前記脱殻装置の前
方に前処理装置を設け、該前処理装置に軸支され
ていて相互に噛合した掻込輪の後部と前記フイー
ドチエンの始端部近傍との間に、後部を中心とし
て前部が上下傾動するように軸支されていて扱深
さ調節する殻稈搬送装置を配設したコンバインに
おいて、前記殻稈搬送装置の前面を前記掻込輪の
掻込部に対面させ、前記前処理装置を、前記脱殻
装置の前部に架設した横軸の保持筒に、伝動軸が
内装されたフレームパイプを介して上下傾動可能
に支承し、該フレームパイプを前記前処理装置の
中心より前記フイードチエンと反対側に偏位させ
て設け、このフレームパイプの下端にフイードチ
エンと反対側へ突出した伝動ケースを連設して該
伝動ケースにより刈刃及び操縦席側の掻込輪を駆
動するように構成することにより、前処理装置の
支持部材は勿論のこと刈刃及び掻込輪等の伝動装
置を前記殻稈搬送装置により形成される搬送経路
の操縦席側へ退避させ、更にフイードチエン側の
掻込輪を操縦席側で伝動ケースにより駆動される
掻込輪に従動させて刈取殻稈を円滑に稈長の如何
に拘らず整然と搬送することができるようにする
と共に前処理装置の駆動を確実に行ない得るよう
にして前述の問題点を解決した。

本考案の一実施例を図面について説明すると、
１は走行装置２を有する機台３上の一側寄りに搭
載した脱殻装置であつて、外側の扱口に沿つて挟
扼レールとフイードチエン４とからなる殻稈挟持
搬送体５を設け、機台３上の他側には操作盤６と
操縦席７とを設けてある。

８は左右一対の分草体９，９、殻稈引起枠１
０，１０、掻込輪１１，１１及び機幅の中央に設
けた中分草体１２及び機幅全体に亘る刈刃１３等
からなる前処理装置であつて、前処理枠１４の中
心線ａより前記フイードチエン４と反対側へＡだ
け偏位した部位に、斜め後方上方に向けて突設し
たフレームパイプ１５の上端は、脱殻装置１の前
面に突設したステー１６，１６によつて支承され
た保持筒１７に上下回動自在に支持されており、
上記保持筒１７内に収納されていてエンジンによ
り駆動される横軸１８は、一方でフレームパイプ
１５の上端のギヤケース内の傘歯車を介してフレ
ームパイプ１５内の伝動軸１９を駆動し、他方で
はギヤケース２０，２１及び中間軸２２を介して
前記殻稈引起枠１０，１０の背後からフイードチ
エン４の始端近傍にわたつて配設されている扱深
さ調節をも行なう殻稈搬送装置２３の原動スプロ
ケツトに動力を分配する。

また、前記殻稈搬送装置２３は前後方向の中間
軸２２を中心として第１図に矢印イで示す如く上
下傾動し、その搬送面は平面視で第２図に示すよ
うに前記左右一対の掻込輪１１，１１に直接対面
していて受継部より後部には図示してないが挟扼
杆を対設してある。

そして、前記フレームパイプ１５の下部には、
フイードチエン４と反対側（操縦席７側）に向け
て横長の伝動ケース２４を突設してあり、この伝
動ケース２４内のフレームパイプ１５寄りの傘歯
車２５はその側の掻込輪１１を軸１１′を介して
駆動し、中間の傘歯車２６はクランク軸２６′を
介して刈刃１３を駆動し、外側の傘歯車２７は軸
２７′とチエン２７″とを介してその側の殻稈引起
枠１０内の下方のスプロケツト１０′を駆動する。

また、伝動ケース２４側の殻稈引起枠１０の上
部のスプロケツト１０″は左右の殻稈引起枠１０，
１０の上部背面に連設されている伝動筐２８内の
チエン２８′を介してフイードチエン４側の殻稈
引起枠１０の上部のスプロケツトを駆動する。

前述の装置において、機体の各部を駆動しなが
ら機体を立毛殻稈中に進入させると、立毛殻稈は
分草体９，９及び中分草体１２により分草され、
次いで殻稈引起枠１０，１０の引起爪により引起
されてからその株元部を刈刃１３により刈取られ
る。

この刈取られた殻稈は掻込輪１１，１１により
その後部にある殻稈搬送装置２３の始端部に掻込
まれ、該殻稈搬送装置２３は掻込まれた殻稈を扱
深さ調節しながら挟持搬送して殻稈挟持搬送体５
の始端に継送するので、脱殻装置１により脱殻処
理される。

その際、フレームパイプ１５はフイードチエン
４と反対側へＡだけ偏位しており、掻込輪１１，
１１及び刈刃１３を駆動する伝動ケース２４は前
記フレームパイプ１５より更にフイードチエン４
と反対側へ突出しているので、掻込輪１１，１１
の掻出部から殻稈搬送装置２３の前面に沿う殻稈
搬送経路の始端部は広く形成されることとなり、
多量の雑草や藁屑が絡みついている株元部の移送
をスムーズに、かつ伝動装置に株元部が引掛かつ
て姿勢が乱れるのを防止しながら搬送することが
できる。

本考案は前述のように走行装置を有する機台上
の一側に、フイードチエンが外側に位置するよう
に脱殻装置を搭載し、他側に操縦席を設け、前記
脱殻装置の前方に前処理装置を設け、該前処理装
置に軸支されていて相互に噛合した掻込輪の後部
と前記フイードチエンの始端部近傍との間に、後
部を中心として前部が上下傾動するように軸支さ
れていて扱深さ調節する殻稈搬送装置を配設した
コンバインにおいて、前記殻稈搬送装置の前面を
前記掻込輪の掻込部に対面させ、前記前処理装置
を、前記脱殻装置の前部に架設した横軸の保持筒
に、伝動軸が内装されたフレームパイプを介して
上下傾動可能に支承し、該フレームパイプを前記
前処理装置の中心より前記フイードチエンと反対
側に偏位させて設け、このフレームパイプの下端
にフイードチエンと反対側へ突出した伝動ケース
を連設して該伝動ケースにより刈刃及び操縦席側
の掻込輪を駆動するように構成したので、前処理
装置８を上下傾動可能に支承するフレームパイプ
１５は勿論のこと掻込輪１１，１１及び刈刃１３
を駆動する伝動ケース２４は、前記掻込輪１１，
１１の掻込部の後部からフイードチエン４へ向か
つている殻稈搬送装置２３の搬送経路に対して反
対側にある操縦部側へ退避することとなり、刈取
殻稈の株元部が前記フレームパイプ１５及び伝動
ケース２４に衝突することがなく、整然とした姿
勢で搬送して脱殻装置１に供給することができ、
脱殻装置１に対して穂側が株元部より先に供給さ
れて稈が扱室内に抜き込まれたり、株元部が穂側
より先行してフイードチエンに継送されて稈切れ
を生じたりするのを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図はコンバインの側面図、第２図は同上平面
図、第３図は要部の平面図、第４図は伝動系統図
である。 １……脱殻装置、４……フイードチエン、５…
…殻稈挟持搬送体、８……前処理装置、１０……
殻稈引起装置、１１……掻込輪、１３…刈刃、１
５……フレームパイプ、２４……伝動ケース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行装置を有する機台上の一側に、フイードチ
   エンが外側に位置するように脱殻装置を搭載し、
   他側に操縦席を設け、前記脱殻装置の前方に前処
   理装置を設け、該前処理装置に軸支されていて相
   互に噛合した掻込輪の後部と前記フイードチエン
   の始端部近傍との間に、後部を中心として前部が
   上下傾動するように軸支されていて扱深さ調節す
   る殻稈搬送装置を配設したコンバインにおいて、
   前記殻稈搬送装置の前面を前記掻込輪の掻込部に
   対面させ、前記前処理装置を、前記脱殻装置の前
   部に架設した横軸の保持筒に、伝動軸が内装され
   たフレームパイプを介して上下傾動可能に支承
   し、該フレームパイプを前記前処理装置の中心よ
   り前記フイードチエンと反対側に偏位させて設
   け、このフレームパイプの下端にフイードチエン
   と反対側へ突出した伝動ケースを連設して該伝動
   ケースにより刈刃及び操縦席側の掻込輪を駆動す
   るように構成したことを特徴とするコンバインに
   おける殻稈搬送装置。