JPS63315202A - 経木の柔軟化法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野）この発明は、経木を柔軟化する方
法に関する。

（従来の技術）木材を紙のように薄く広く削って作られ
る経木（ないし突板）は、天然の木目の美しさを持って
おり、包装材料や、合板表面に貼る化粧材として従来使
われている。

（発明が解決しようとする問題点）この経木の欠点は、
紙や布と違って柔軟性に欠け、折り曲げるとすぐに割れ
てしまうことである。このため、利用範囲が前述のよう
に極めて制限されていた。

経木か柔軟化できれば、壁紙や衣類のようなものにまで
利用範囲を広げることが可能になる。

このため、この発明は、経木を柔軟化する方法を得るこ
とを目的とする。

（問題点を解決するための手段）木材の細胞は、長手方
向に並んでいるセルロースと、セルロースを互いに結合
しているリグニンとヘミセルロースからなっている。こ
の発明では、まず、経木を水酸化ナトリウム、炭酸ナト
リウム等のアルカリ性溶液に浸漬し、木材中のリグニン
とヘミセルロースをできるだけ溶出させる。このような
処理を施した経木はよい柔軟性を示すが、時間がたつと
柔軟性が失われる。これは、経木が乾燥して、含まれて
いる水分が減少するためである。

もともと、木材は水分を収着して膨潤すると、柔軟化す
る性質がある。これは、水が木材を構成している高分子
の分子鎖間に入って分子間の結合を弱め、外力が加わっ
たときに分子鎖相互のずれによる変形が容易になるため
と考えられる。そこで、経木をいつまでも膨潤状態に保
つため、この発明では、アルカリ溶液に浸けた後、経木
にグリセリンのような湿潤剤を収着させる。こうするこ
とにより、経木が湿潤剤の働きでいつも水分を保持し、
いつまでも柔軟性を失わない。グリセリンを収着させる
には、経木をグリセリンの水溶液に浸漬すればよく、該
水溶液にエタノールを交ぜるとグリセリンの浸透を促進
させることができる。

湿潤剤としては、グリセリンの外に、プロピレングリコ
ール、１．３−ブチレングリコール、ソルビット、ジグ
リセリン等の多価アルコールが使える。

（効果）この発明によれば、簡単な処理工程で、経木を
柔軟に、すなわち、折り曲げても割れにくくすることが
できる。

（実施例）テストピースとして縦１０ｃｍ、横９ｃｍ、
厚さ０．１５〜０．２０ｍｍの杉材の経木をいくつか用
怠し、これらを、２種類の溶液（アルカリ性溶液とグリ
セリン溶液）の一方または両方に浸漬し、乾燥後、折り
曲げたときの割れ具合から柔軟性を評価した。結果を表
１に示す。この表から分かるように、経木をアルカリ性
溶液またはグリセリン溶液のいずれか一方に漬けただけ
ては不十分てあり（比較例１〜４）、実施例１．２のよ
うに両方の処理をした場合によい結果が得られた。

表１ 溶液Ｂ：グリセリン１１エタノール１、水３の容積比か
らなる溶液 温度はＡ、Ｂとも５０〜８０°Ｃ （２）溶液Ａで処理したときは後で経木を水洗いした。

（３）○：柔軟性良好　△：柔軟性普通　×：柔軟性不
良（処理前と変化がない）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、経木をアルカリ性溶液に浸けて木材成分中のリグニ
   ンとヘミセルロースを溶出させ、次いで、経木にグリセ
   リン等の湿潤剤を収着させることを特徴とする経木の柔
   軟化法。