JPH0531705A - 木材・無機化合物複合体の製造方法 - Google Patents

木材・無機化合物複合体の製造方法

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JPH0531705A
JPH0531705A JP21604791A JP21604791A JPH0531705A JP H0531705 A JPH0531705 A JP H0531705A JP 21604791 A JP21604791 A JP 21604791A JP 21604791 A JP21604791 A JP 21604791A JP H0531705 A JPH0531705 A JP H0531705A
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wood
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alcohol
impregnated
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Takashi Taniguchi
▲たかし▼ 谷口
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UNIVERSAL GIJUTSU KAIHATSU KEN
UNIVERSAL GIJUTSU KAIHATSU KENKYUSHO KK
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UNIVERSAL GIJUTSU KAIHATSU KEN
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 難燃性で耐腐朽性に優れ、虫による害にも強
く、かつ水による膨潤・収縮などの寸法変化が少ない木
材・無機化合物複合体を提供する。 【構成】 セルロース系材料に、水には不溶または低い
溶解度を示すが、セルロース系物質を膨潤させるアルコ
ールまたは有機溶剤には溶解する無機化合物を、アルコ
ールまたは有機溶剤の単独あるいはそれらを2種以上組
み合わせた溶媒に溶解させて無機化合物溶液を得、該無
機化合物溶液をセルロース系材料の空隙部分及び同材料
の構成構造体の繊維、フィブリルまたはミクロフィブリ
ル中に膨潤・含浸させた後、この無機化合物溶液を除去
する木材・無機化合物複合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セルロース系物質より
成る材料に無機化合物を含浸し、同材料の特徴を損なう
事なく、無機化合物の特徴を付与し、同材料を改良する
製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】セルロ
ース系材料は、古くより人類の最も身近な、入手し良い
ものとして、人間生活の多くの分野で、例えば建築・土
木材料、一般消耗品および紙として使用されてきた。し
かし、同材料は燃えるという点で、その利用に際して欠
点とされる場合が多々ある。また、生物材料の特徴とし
て、生分解性を有するがそのため腐朽菌や白アリ等の虫
害にあい、その利用に不都合を生ずる場合も少なくな
い。
【0003】そのため無機化合物を同材料中に共存さ
せ、その障害となる点を改良することがしばしば試みら
れてきた。そのような試みの一つとして、従来木材等材
料に無機化合物を溶解した水溶液を含浸して、その後、
水を乾燥除去する方法が一般に用いられている。また、
他の試みとしては最近二種類の水溶性無機化合物を相前
後して木材中に含浸させて、木材中で二種類の化合物を
反応させて、水に不溶性の化合物を析出せしめる方法が
考えられている。ところが前者の方法は、含浸させた無
機化合物が水溶性のため、後で使用中に木材等材料中よ
り無機化合物が溶け出るという問題点がある。また、後
者の方法は、二段階の含浸操作を行なうため、煩雑であ
りかつ大容積の材料の場合、材中央まで均一に含浸する
事が難しいという問題点がある。
【0004】また、古くは不揮発性の油類に無機化合物
を含浸させ、防腐性や防虫性を付与する方法が行なわれ
てきたが、木材が常に油状のもので覆われているため、
特殊な用途に限られて用いられてきた。
【0005】さらに近年、環境保全の観点から、上記し
たように木材に含浸した水溶性の無機化合物が使用中に
外的環境に溶出し自然環境を害する恐れが憂慮されてい
る。
【0006】以上のようなことから木材に無機化合物を
付与するよりよい方法の開発が強く望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、セルロ
ース系物質より成る材料に、水に不溶または難溶の無機
化合物を効果的に含浸させることにより、同材料の可燃
性、腐朽性、虫による害、水による膨潤・収縮などの欠
点を改良するのに適した木材・無機化合物複合体の製造
法を提供することにある。
【0008】本発明による木材・無機化合物の製造法
は、水には難溶または不溶であるが、セルロース系物質
を膨潤させるアルコールまたは有機溶剤に可溶な無機化
合物をセルロース系材料に含浸し、その後同溶媒を乾燥
・揮発等の方法で除去することにより、同材料の空隙部
分はもとより、同材料の構成要素(細胞壁,フィブリ
ル、ミクロフィブリルなど)内に無機化合物を存在せし
めることを特徴とする。
【0009】
【作用】セルロース系物質より成る材料として、木材、
木質材料(合板、繊維板、パーテクルボード、集成材
等)、木材複合体(木材と他材料との物理的または化学
的複合体)、紙・パルプおよび同製品(板紙、板紙製
品、紙容器、紙包装品、ダンボール、紙管など)、植物
繊維(綿などの種子繊維、亜麻・大麻・ラミー・黄麻・
コウゾ・ミツマタ・ガンピ・ケナフなどの靭皮繊維、マ
ニラ麻・ザイル麻などの葉繊維、米・麦・甘藷・トウモ
ロコシなどの農産物の茎稈や葦・エスパルト・アルンド
ナックスなどの茎稈などの茎繊維)およびこれらの製
品、竹および同製品、セルロース・エーテル(メチル・
セルロース、カルボオキシメチル・セルロース、アミノ
エチル・セルロースなど)およびセルロース・エステル
(アセチル・セルロース、プロピオン酸・セルロース、
リン酸セルロースなど)等のセルロース誘導体が使用で
きる。
【0010】セルロース系物質を膨潤させるアルコール
として、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピ
ルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、
アリルアルコール、シクロペンタノール、ベンジルアル
コール、フルフリルアルコールなどの一価アルコールや
エチレングリコール、プロピレングリコール、ヒドロベ
ンゾイン、シクロペンタンジオール、グリセリンなどの
多価アルコールがあり、セルロース系物質を膨潤させる
有機溶剤として、アセトン、エチルアセトン、ニトロベ
ンゼン、ジオキサン、エチレングリコール・モノエチル
エーテル、オレイン酸、吉草酸、プロピオン酸、酢酸、
ギ酸、酢酸メチル、酢酸エチル、n−ブチルアミン、ジ
n−ブチルアミン、トリnブチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、ピリジン、2−ピコリン、ピペ
リジン、モルホリン、ジメチルスルホオキシドなどを用
いることが出来る。
【0011】水に難溶または不溶であるが、アルコール
または有機溶剤に可溶な無機化合物として、アジ化鉛
(II){Pb(N3 2 }、塩化水銀(II){HgCl
2 }、塩化鉄 (III){FeCl3 }、塩化マンガン(I
I){MnCl2 }、塩化硫酸マグネシウムカリウム
{KMgClSO4 ・3H2 O}、塩化酸銀{AgCl
3 }、過塩素酸カルシウム{Ca(ClO4 2 }、
過酸化ストロンチウム{SrO2 ・8H2 O}、過酸化
マンガン{KMnO4 }、クロム酸カルシウム{CaC
rO4 ・2H2 O}、酸化塩化ビスマス (III){BiO
Cl}、酸化ガリウム(II){GaO}、酸化バリウム
{BaO}、酸化ランタン{La2 3 }、酸化ルテニ
ウム(VIII){RuO4 }、三酸化二ホウ素{B
2 3 }、三ヨウ化セシウム{CsI3 }、三硫化二砒
素{As2 3 }、臭化水銀(II){HgBr2 }、臭
化バリウム{BaBr2 }、臭化銅(II){CuB
2 }、臭化マグネシウム{MgBr2 ・6H2 O}、
硝酸アンモニウム{NH4 NO3 }、硝酸カルシウム
{Ca(NO3 2 }、硝酸銀{AgNO3 }、硝酸マ
グネシウム{Mg(NO3 2 ・6H2 O}、水酸化銅
(II){Cu(OH)2 }、炭酸水素ナトリウム{Na
HCO3 }、窒化二塩化リン{(PNCl2 n }、デ
カボラン{B1014}、テトラフルオロホウ酸アンモニ
ウム{NH4 BF4 }、テトラフルオロホウ酸カリウム
{KBF4 }、トリオクサラト鉄 (III)酸カリウム{K
3 [Fe(C2 4 3 ]・3H2 O}、フッ化銅(I
I){CuF2 ・2H2 O}、フルオロ硫酸カリウム
{KSO3 F}、ヘキサフロオルケイ酸カルシウム{C
a(SiF6 )}、ペルオキソホウ酸ナトリウム{Na
BO3 ・4H2 O}、メタケイ酸{H2 SiO3 }、硫
化マンガン(II){MnS}、硫化亜鉛{ZnS
4 }、硫酸カルシウム{CaSO4 ・2H2 O}、硫
酸ナトリウム{Na2 SO4 }、硫酸マグネシウム{M
gSO4 ・7H2 O}、硫酸マンガン{MnSO4 }、
リン酸マグネシウム{Mg3 (PO4 2 ・8H2 O}
などが利用出来る。
【0012】これらの操作は、通常室温(0℃−35℃)
で行なうが、必要に応じて使用する溶媒の沸点以下の範
囲で加温して行なうと溶解度が増加し、無機化合物の含
浸量が飛躍的に増加して、より効果的に行なうことが出
来る。
【0013】本製造法により得られるセルロース系材料
の無機化合物複合体は、例えば木材・無機化合物複合体
は、準不燃材料となりかつ水に対して高度の寸法安定性
を持つ材料となる。さらにこの材料は屋外環境で使用し
ても、含浸された無機化合物が溶出しないので、環境を
汚染することが無い。従って建築・土木分野、流通分
野、工業製品分野など幅広い分野での使用が期待され
る。
【0014】
【実施例】
(実施例1)ベイツガ材より、30×30×5mmの木口試片
および 300× 300×10mmの柾目試片を得た。そしてメチ
ルアルコールおよびエチルアルコールに酸化バリウム、
臭化バリウムおよび三酸化二ホウ素をそれぞれ溶解し、
それぞれの飽和溶液を作り、それらの無機化合物溶液に
上記試片を浸漬し、室温(20℃)で減圧含浸を一昼夜行
なった後、恒量に達するまで減圧乾燥を行なった。得ら
れた処理試片につき、含浸量、 JIS Z2103収縮率測定試
験および JIS A1321燃焼試験を無処理材と対比して行な
った。
【0015】ベイツガ無機化合物複合体の酸化バリウ
ム、臭化バリウムおよび三酸化二ホウ素の含浸量はそれ
ぞれ10、17および15wt%であった。それらの処理試片よ
り薄切片を得て、X線マイクロアナライザー(XMA)
により観察したところ、含浸された無機化合物のほとん
どが細胞壁内に存在することが確認された。また、収縮
率の測定結果より坑膨潤能(ASE)値を求めたとこ
ろ、酸化バリウム、臭化バリウムおよび三酸化二ホウ素
を含浸した試料で、それぞれ70、78および83%であり、
水に対する高い寸法安定性が確認された。さらにそれぞ
れの含浸処理試料について燃焼試験を行なったところ、
いずれの処理材も準不燃材料の基準を十分に満たすこと
が認められた。
【0016】(実施例2)ホワイトラワン材より、 JIS
Z2119腐朽性試験方法にもとづく試験片を得た。そして
メチルアルコールおよびエチルアルコールにテトラフル
オロホウ酸アンモニウム、テトラフルオロホウ酸カリウ
ムおよび三酸化二ホウ素をそれぞれ溶解し、それぞれの
室温での飽和溶液を得、上記試験片中にこの溶液をそれ
ぞれ減圧下で一昼夜含浸した後、恒量に達するまで減圧
乾燥を行なった。その後 JIS Z2119腐朽性試験を行なっ
たところ、いずれの含浸処理試料も、試験期間の範囲内
では重量減少などの変化はほとんど認められなかった。
【0017】(実施例3)12mm厚の広葉樹合板より、 J
IS A1321燃焼試験にもとづく試験片を得た。そしてヘキ
サフルオロケイ酸のメチルアルコール飽和溶液、メタケ
イ酸のエチルアルコール飽和溶液およびペルオキソホウ
酸ナトリウムのグリセリン飽和溶液を得、これらを実施
例1と同様の操作で上記試験片にそれぞれ含浸させて無
機化合物複合体として、燃焼試験を実施したところ、い
ずれの含浸処理試料も準不燃材料の基準を十分に満たす
ものであった。
【0018】(実施例4)1mm厚のけやき単板、1mm厚
の板紙およびセルロース濾紙(東洋濾紙No.3)より、
JIS A1322薄物難燃性試験法にもとづく試験片を得て、
これら試験片に硫酸マグネシウムのメチルアルコール飽
和溶液、リン酸マグネシウムのクエン酸アンモニウム水
飽和溶液、硝酸アンモニウムのアセトン飽和溶液、臭化
バリウムのピリジン飽和溶液およびアジ化鉛(II)の酢
酸飽和溶液を実施例1と同様な操作でそれぞれ含浸し、
無機化合物複合体を得て、難燃性試験を行なったとこ
ろ、いずれの含浸処理試料も難燃材料の基準を十分に満
たすものであった。
【0019】(実施例5)予め実施例1と同様な操作
で、メチルアルコールを用いて三酸化二ホウ素を含浸し
たシナノキ材の単板( 300× 300× 2.4mmおよび 300×
300× 3.0mm)を用い、構造用合板の日本農林規格に準
じて、 300× 300×12mmの5プライの構造用ト板を作製
した。得られた処理合板は無処理の同材単板を用いて同
様な方法で作製した合板と比べ、その外観に何等の変化
も認められなかった。この処理合板に構造用合板の日本
農林規格に準じた品質試験(接着力試験、含水率試験、
曲げ試験、および圧縮試験)を実施したところ、無処理
単板で作製した合板と比べ、その品質に差異は認められ
なかった。
【0020】また、処理合板の難燃性試験を行なったと
ころ、上記三酸化二ホウ素含浸単板で作製した合板は難
燃材料の基準を満たすものであった。さらに、表層とな
る単板のみに、無機化合物を含浸処理をした単板を用い
合板を作製し、得られた合板の難燃性試験を実施したと
ころ、この合板は難燃材料の基準を十分に満たすもので
あった。
【0021】次に、無処理シナノキ材の単板を用いて、
構造用合板の日本農林規格に準じて作製した合板に、実
施例1と同様な操作で、メチルアルコールを用いて三酸
化二ホウ素を含浸し、得られた含浸処理合板について、
前述と同様な品質試験および難燃性試験を実施したとこ
ろ、この合板は無処理の合板と同等またはそれ以上の品
質を有し、かつ難燃材料の基準を十分満たすものであっ
た。
【0022】(実施例6)予め実施例1と同様な操作
で、メチルアルコールを用いて三酸化二ホウ素を含浸し
たシナノキ材のパーチクルを用い、 JIS A5908に準じ
て、 300× 300×10mmのパーチクル・ボードを作製し
た。得られたボードは、同材の無処理のパーチクルを用
いて前述の操作で作製したボードと比べ、その外観に何
等の変化も認められなかった。このボードに JIS A5908
に基づく品質試験(含水率試験、曲げ試験、剥離抵抗試
験、および木ねじ保持力試験)を行なったところ、無処
理ボードのそれと比べ、その品質に差異は認められなか
った。また、同材料の難燃性試験を行なったところ、上
記三酸化二ホウ素含浸パーチクルで作製したボードは難
燃材料の基準を満たすものであった。
【0023】さらに、表層にのみ、含浸処理をしたパー
チクルを用い、前述と同じ方法でパーチクル・ボードを
作製、同ボードの難燃性試験を実施したところ、このボ
ードも難燃材料の基準を満たすものであった。
【0024】次に、無処理シナノキ材のパーチクルを用
いて、 JIS A5908に準じて作製したパーチクル・ボード
に、実施例1と同様な操作で、メチルアルコールを用い
て三酸化二ホウ素を含浸し、得られたボードについて、
前述と同様な品質試験ならびに難燃性試験を実施したと
ころ、このボードは通常のパーチクル・ボードと同等ま
たはそれ以上の品質を有し、かつ難燃材料の基準を十分
満たすものであった。
【0025】(実施例7)予め実施例1と同様な操作
で、エチルアルコールを用いて三酸化二ホウ素を含浸し
たポプラ材の解繊物(ファイバー)を用い、 JIS A5906
に準じて、 300×300×15mmの中比重ファイバー・ボー
ドを作製した。得られたボードは無処理の同材ファイバ
ーを用いて同様な方法で作製したボードと比べ、その外
観に何等の変化も認められなかった。このボードに JIS
A5906のファイバー・ボードの品質試験(含水率試験、
曲げ試験、吸水量試験および熱伝導率試験)を実施した
ところ、無処理ファイバーで作製したボードと比べ、そ
の品質に差異は認められなかった。また、同材料の難燃
性試験を行なったところ、上記三酸化二ホウ素含浸ファ
イバーで作製したボードは難燃材料の基準を満たすもの
であった。
【0026】さらに、表層のみに、含浸処理したファイ
バーを用い作製した中比重ファイバー・ボードを得て、
難燃性試験を実施したところ、このボードも難燃材料の
基準を満たすものであった。
【0027】次に、無処理ポプラ材のファイバーを用い
て、 JIS A5906に準じて作製したファイバー・ボード
に、実施例1と同様な操作で、エチルアルコールを用い
て三酸化二ホウ素を含浸し、得られたボードについて、
前述と同様な品質試験および難燃性試験を実施したとこ
ろ、このボードは通常のファイバー・ボードと同等また
はそれ以上の品質を有し、かつ難燃材料の基準を十分満
たすものであった。
【0028】(実施例8)予め実施例1と同様な操作
で、メチルアルコールを用いて三酸化二ホウ素を含浸し
た米ツガ材の挽材(ラミナ, 500× 200×20mm)を用
い、集成材の日本農林規格に準じて、 500× 200× 300
mmの集成材を作製した。得られた集成材は無処理の同材
ラミナを用いて同様な方法で作製した集成材と比べ、そ
の外観に何等の変化も認められなかった。この集成材に
日本農林規格の集成材に準じた品質試験(含水率試験、
浸漬剥離試験、ブロックせん断試験および曲げ試験)を
実施したところ、無処理ラミナで作製した集成材と比
べ、その品質に差異は認められなかった。また、同材料
の難燃性試験を行なったところ、上記三酸化二ホウ素含
浸ラミナで作製した集成材は難燃材料の基準を満たすも
のであった。
【0029】さらに、表層のみに、含浸処理をしたラミ
ナを用いて作製した集成材を得て、難燃性試験を実施し
たところ、この集成材は難燃材料の基準を満たすもので
あった。
【0030】次に、無処理米ツガ材のラミナを用いて、
集成材の日本農林規格に準じて作製した集成材に、実施
例1と同様な操作で、メチルアルコールを用いて三酸化
二ホウ素を含浸し、得られた集成材について、前述と同
様な品質試験および難燃性試験を実施したところ、この
集成材は無処理の集成材と同等またはそれ以上の品質を
有し、かつ難燃材料の基準を十分満たすものであった。
【0031】(実施例9)予め実施例1と同様な操作
で、エチルアルコールを用いて三酸化二ホウ素を含浸し
たスギ材の単板( 600× 300×3mm)を用い、単板積層
材の日本農林規格に準じて、 600× 300×15mmの単板積
層材(LVL)を作製した。得られた単板積層材は無処
理の同材単板を用いて同様な方法で作製した単板積層材
と比べ、その外観に何等の変化も認められなかった。こ
の単板積層材に日本農林規格の単板積層材に準じた品質
試験(含水率試験、曲げ試験および接着性能試験)を実
施したところ、無処理単板で作製した単板積層材と比
べ、その品質に差異は認められなかった。また、同材料
の難燃性試験を行なったところ、上記三酸化二ホウ素含
浸単板で作製した単板積層材は難燃材料の基準を満たす
ものであった。
【0032】さらに、表層のみに、含浸処理をした単板
を用いて作製した単板積層材を得て、難燃性試験を実施
したところ、この単板積層材は難燃材料の基準を満たす
ものであった。
【0033】次に、無処理米スギ材の単板を用いて、単
板積層材の日本農林規格に準じて作製した単板積層材
に、実施例1と同様な操作で、エチルアルコールを用い
て三酸化二ホウ素を含浸し、得られた単板積層材につい
て、前述と同様な品質試験および難燃性試験を実施した
ところ、この単板積層材は無処理の集成材と同等または
それ以上の品質を有し、かつ難燃材料の基準を十分満た
すものであった。
【0034】
【発明の効果】このように本発明によれば、木材等のセ
ルロース系材料を難燃性で耐腐朽性に優れ、かつ水によ
る寸法変化の少ない木材・無機化合物複合材に改良する
ことができ、さらに合板とした場合、表層となる単板に
のみ本発明法により改良した複合材を使用すれば、難燃
性の合板が得られ、かつこれら複合材から含浸物が環境
に溶出しないので建築や土木分野等で環境汚染のない材
料として極めて有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース系材料に、水には不溶または
    低い溶解度を示すが、セルロース系物質を膨潤させるア
    ルコールまたは有機溶剤には溶解する無機化合物を、ア
    ルコールまたは有機溶剤の単独あるいはそれらを2種以
    上組み合わせた溶媒に溶解させて無機化合物溶液を得、
    該無機化合物溶液をセルロース系材料の空隙部分、及び
    同材料の構成構造体の繊維、フィブリルまたはミクロフ
    ィブリル中に膨潤・含浸させた後、この無機化合物溶液
    を除去することを特徴とする木材・無機化合物複合体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 アルコールまたは有機溶剤の単独あるい
    は2種以上組み合わせた溶媒に水を50%以下の量で共存
    させることにより、含浸量を制御する請求項1記載の木
    材・無機化合物複合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルコールまたは有機溶剤に溶解する無
    機化合物と、水に溶解する無機化合物を共存させること
    により、それぞれの無機化合物の性能を付与した複合体
    を得る請求項2記載の木材・無機化合物複合体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 無機化合物を2種類以上を合わせ用いる
    ことにより、複合体の性能をより向上させる請求項1,
    2又は3記載の木材・無機化合物複合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 適宜室温より使用する溶媒の沸点以下の
    温度範囲で加温することにより、使用する無機化合物の
    溶媒への溶解度を増加させてより効果的に無機化合物を
    含浸させる請求項1,2,3又は4記載の木材・無機化
    合物複合体の製造方法。
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