JPS6331288B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は複数枚の板材を一種のプレス成形によ
つて結合する板材の結合方法に関するもので、そ
の目的は、リベツト或はボルト・ナツト等の締結
具を用いることなく複数枚の板材を確実に固定す
ることができる板材の結合方法を提供するにあ
る。

以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。まず本発明の実施に際し用いられるプレスの
全体構成を示す第１図において、１はプレスの機
枠で、これの頭部２上にはポンチ用油圧シリンダ
３を固定し、下向きに突出する該油圧シリンダ３
のロツド３ａにはポンチホルダ４を取着してい
る。５はポンチホルダ４の下面に固定したポンチ
プレートで、その中央部にはポンチ６を取付けて
いる。７はポンチプレート５にガイドピン８を介
して上下動可能に支持した押え板で、中央部にポ
ンチ６が通る孔９を形成している。この押え板７
はポンチプレート５との間に介装した圧縮スプリ
ング１０により下方に付勢されて常には第１図に
示す最下降位置に押下げられている。一方、機枠
１のベツド１１下部には支柱１２を介してダイス
用油圧シリンダ１３が配設固定されており、上向
きに突出する該油圧シリンダ１３のロツド１３ａ
には連結板１４を取着している。そして、ベツド
１１に上下に貫通して形成した複数個のガイド孔
１５には、連結棒１６を挿通してその下端部を連
結板１４に固着している。１７は中央部にダイス
穴１８を上下に貫通して形成したダイスで、この
ダイス１７をベツド１１上に突出する連結棒１６
の上端部に取付け、以てダイス１７を油圧シリン
ダ１３により上下動させ得るように構成してい
る。１９はベツド１１上に固定したホルダプレー
トで、これの中央部には据込み台に相当する受棒
２０が固定されており、該受棒２０の上端部分は
ダイス１７のダイス穴１８内に嵌り込んでいる。
そして、ダイス１７が油圧シリンダ１３により押
上げられて第１図に示す最上昇位置にあるとき、
受棒２０の上端はダイス穴１８内に所定量没した
状態にある。２１はポンチ用及びダイス用の両油
圧シリンダ３，１３に圧力油を供給する油圧ポン
プで、これは供給する作動油の圧力を低圧及び高
圧に切換えることができる可変形のもので、その
切換えは制御装置２２によつて自動的に行われる
ようになつている。

次に上記構成のプレスを用いて複数枚の板材を
結合する手順につき説明する。接合すべき例えば
二枚の金属板材２３，２４を上下に重合わせて第
１図に示すようにダイス１７上に載置し、この状
態で油圧ポンプ２１を低圧側にて駆動してポンチ
用油圧シリンダ３のロツド３ａを下降させると、
まず押え板７が板材２３，２４に当接してこれら
を圧縮スプリング１０のばね力によりダイス１７
上に押圧固定する。尚、このときダイス用油圧シ
リンダ１３にも圧力油が供給されているため、ダ
イス１７が押え板７の押圧力により下降するよう
なことはなく、最上位置に保持される。さて、上
記のようにして押え板７が板材２３，２４に当接
すると、以後、ポンチ６が単独で下降を続けるよ
うになるため、両板材２３，２４はポンチ６によ
り絞られてダイス穴１１内に筒状に膨み出し、こ
れによつて両板材２３，２４に有底の筒部２５が
形成される（絞り工程，第２図参照）。そして、
筒部２５の底壁部が受棒２０に当接してポンチ６
の下降が止められたところで、ダイス用油圧シリ
ンダ１３の圧力油供給回路を切換えてそのロツド
１３ａを下降させる。これによりダイス１７が連
結棒１６により引下げられ、板材２３，２４の筒
部２５がダイス穴１８から抜出た状態になる（抜
出し工程，第３図参照）。この後、油圧ポンプ２
１を高圧側駆動に切換える。すると、ポンチ用油
圧シリンダ３が更に強くポンチ６を圧入するた
め、筒部２５の底壁部はポンチ６と受棒２０との
間で強く圧せられ、当該底壁部は展延されて全周
において横方向に拡がるようになり、この横拡に
より、筒部２５の周壁部下方が外方に膨出して、
下端側程径大なテーパ状をなす結合部２６が形成
される（据込み工程，第４図参照）。尚、押え板
７を押圧する圧縮スプリング１０のばね力は、第
３図のように筒部２５がダイス穴１８から抜出さ
れたとき、筒部２５の周壁部を変形させることが
ない程度に弱く且つ据込み工程時に第５図に示す
ように筒部２５の底壁部の展延により後方押出し
の如き状態となつて筒部２５の周壁部が伸長して
しまい有効なる結合部が形成されなくなるという
ような結果を生じさせないように板材２３，２４
を押えておくことができる程度に強く設定してお
くものである。耐して、上記結合部２６の形成
後、油圧ポンプ２１を低圧側駆動に切換え、そし
てポンチ用油圧シリンダ３の圧力油供給回路を切
換える。すると、ポンチ用油圧シリンダ３のロツ
ド３ａが上昇し、この上昇過程で押え板７は圧縮
スプリング１０のばね力により、板材２３，２４
の筒部２５をポンチ６から抜出すように作用し、
従つてポンチ６は結合された板材２３，２４を残
して上昇し元位置に戻る。然る後、ダイス用油圧
シリンダ１３の圧力油供給回路を切換えて、その
ロツド１３ａを上昇させ、ダイス１７を第１図に
示す元の最上昇位置に復帰させる。

以上のような本実施例の結合方法によれば、板
材２３，２４に有底筒状の筒部２５を絞り成形
し、そして筒部２５の底壁部を圧して展延させる
ことにより、筒部２５の周壁部下方を外方に膨出
して結合部２６を形成するようにしたので、両板
材２３，２４の結合に際し、孔或は切目等を形成
せずとも済み、結合部分の強度が大きく向上す
る。また上記のように孔或は切目等を形成せずと
もよいから、水洩れや空気洩れがあつてはならな
い容器の結合組立てにも好適する。しかも結合部
２６を形成する前工程で筒部２５はダイス穴１８
から抜出されるので、筒部２５の外周がダイス穴
１８内周と強く擦合つて擦過傷を生ずる等の虞れ
はほとんどなく、両板材２３，２４がカラー鋼板
等の表面処理鋼板であつても、その表面処理層が
損傷を受けるようなことはほとんどなく、発錆防
止対策を余り考慮せずともよくなる。また結合部
分を一点に設けた場合、筒部２５を真円筒状に成
形すれば、ここを支点に回動可能に結合すること
も可能であり、更には両板材２３，２４間にプラ
スチツクシート等を介装しておくことによつて電
気的絶縁状態に結合することもできる。

勿論、結合すべき板材は三枚以上であつてもよ
く、またポンチ４、ダイス１１、受棒２０を複数
組用意すれば、同時に複数個所で結合でき、しか
もポンチ４とダイス１１の一連の動作で結合を終
了するから、生産性に優れる。

本発明は以上説明したように、複数枚の板材を
一種のプレス成形によつて結合できるから、リベ
ツト或はボルト・ナツト等により結合するものと
は異なり、孔或は切目等を形成せずともよく、結
合部分の強度を強くすることができ、また容器等
の結合組立てにおいては結合部分で空気洩れや水
洩れが生じないように、気密且つ液密に結合でき
る板材の結合方法を提供し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は使用
するプレスの縦断面図、第２図乃至第４図は結合
工程順を示す縦断面図、第５図は押え板の作用を
説明するための断面図である。 図中、３はポンチ用油圧シリンダ、６はポン
チ、７は押え板、１３はダイス用油圧シリンダ、
１７はダイス、１８はダイス穴、２０は受棒（据
込み台）、２１は油圧ポンプ、２３，２４は板材、
２５は筒部、２６は結合部である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ダイスのダイス穴とポンチとの協働で複数枚
   の板材の重合わせ部分に有底の筒部を形成する絞
   り工程と、前記ポンチとダイスとを離すようにし
   て前記筒部を前記ダイス穴から抜出す抜出し工程
   と、前記ダイス穴から抜出された前記筒部の底壁
   部を据込み台により受け且つ上部を押え板により
   押圧した状態で前記ポンチと据込み台との間で筒
   部の底壁部を据込むことにより、上方への伸長が
   前記押え板で抑止されることに基づき当該底壁部
   の展延によつて筒部の周壁部下方を外方に膨出さ
   せて結合部を形成する据込み工程とから成る板材
   の結合方法。