JP4365465B2 - 金属板加工部材の接合方法及び接合装置 - Google Patents

金属板加工部材の接合方法及び接合装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属板加工部材の接合方法及び接合装置に関し、特に突合せ接合において、一方の金属板加工部材の平面に他方の金属板加工部材を切り起こしかしめ接合するために好適な金属板加工部材の接合方法及び接合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図16に示されるように、一方の金属板加工部材51の平面に他方の金属板加工部材52を垂直に突き合わせて接合する場合、通常ア−ク溶接、アプセット溶接又はフラッシュ溶接等で接合53している。
しかし、ア−ク溶接等による接合は熟練と工数を要し、時には接合部に熱歪や未溶接部を残したりするおそれがあり、接合強度のバラツキの大きいものである。
【0003】
この突合せ接合に替え、重ね接合で接合するには、図17に示すように、(1)一方部材61の接合端部をL形に曲げ加工し、(2)この曲げ加工部材61と他方の部材62とを接合ステ−ションに搬入し、(3)両部材を位置合わせして(組み合わせて)かしめ接合63またはリベット接合或いはスポット溶接する方法が採られることもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この接合方法では、曲げ加工のための装置の動作機構が複雑になる、両部材相互の位置合わせが容易ではない、曲げ加工部材の接合ステ−ションへの搬入時に設備・治具との干渉が生じ易く自動化が難しい、工数が多い等の不具合がある。
【0005】
これらの接合作業の自動化、標準化を目的に、本発明者らは、先に、特願平10−344267号において、一方の金属板加工部材の平面に他方の金属板加工部材を垂直に、簡易な設備・治具でスム−ズに優れた寸法精度で接合することを可能にする接合方法を提案した。
【0006】
本発明は、互いに突合せ接合される金属板加工部材の接合位置に折り曲げられて重ね合わされた一方の部材の引起し接合片にスプリングバック力が発生しないように構成された金属板加工部材の接合方法及び接合装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の金属板加工部材の接合方法は、互いに接合される金属板加工部材の一方に予め切り起こし接合片を起こすためのスリットを入れておき、両部材相互を位置合わせした状態で前記一方の部材の接合片を起こして両部材の被接合部を重ね、前記位置合わせ状態を保持しつつ両部材の被接合部を接合する金属板加工部材の接合方法において、互いに接合される金属板加工部材の一方が四角筒型であり、他方が前記四角筒型一端に垂直面で接合される部位を有する部材であり、この他方部材に前記筒型の金属板加工部材の内面内に納められる寸法の対向する二個の切り起こし接合片を起こすためのスリットを予め入れておき、両部材相互を位置合わせした状態で前記他方部材の二個の接合片を前記一方部材の筒型内に向け起こして筒型内面に重ね、前記位置合わせ状態を保持しつつ切り起こされた部材の二個の接合片が前記一方の部材の内面の二つの被接合部にそれぞれ平行して平坦化されるように前記二個の接合片と前記二つの被接合部とを内側及び外側から同時に挟圧すると共に、両者を外側からかしめ接合することを特徴とする。
【0010】
請求項記載の発明の金属板加工部材の接合装置は、請求項1に記載の金属板加工部材の接合方法に使用する接合装置であって、前記二個の接合片が重ね合わされる接合位置を接合両面から固定する昇降式ワーククランプ手段、一方部材の四角筒型内の軸線方向に前後進自在の他方部材の垂直面部位の前記二個の接合片の切り起こし手段、前記二個の接合片が重ね合わされた接合位置において一方部材の四角筒型内当接面に平行して前記二個の接合片が平坦化するように挟圧するための加圧手段及び接合位置において両部材を接合するためのかしめ手段から構成されており、前記二個の接合片が重ね合わされた接合位置において一方部材の四角筒型内当接面に平行して前記二個の接合片が平坦化するように挟圧するための加圧手段及び接合位置において両部材を接合するためのかしめ手段が、他方部材の垂直面部位の二個の接合片を起こしつつ一方部材の四角筒型内壁に押圧しながら挿入されるコアにかしめ接合用ダイスが取り付けられ、これと対置される前記昇降式ワーククランプ装置に、直接もしくはこれと連動する押圧装置に設けられた前記かしめ用ダイスに対するかしめ用パンチ及び前記コア表面に対する切り起こされた前記二個の接合片がそれぞれ平坦化するように挟圧する加圧子が取り付けられたプレス兼かしめガンであることを特徴とする構成である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の参考例及び実施の形態について説明する。
【0013】
(参考例)
図1の(イ)乃至図1の(ニ)は、本発明の金属板加工部材の接合方法の一参考例につき、前段の被接合両部材相互を位置合わせした状態で一方の部材の接合片を切り起こし、重ね合わせる工程の流れを順を追って示す斜視図である。
【0014】
図1において、1は位置決め治具を示し、位置決めスロット11を備えている。2はかしめ接合装置を示し、一端に上記スロット11に入出されるコア部21を有するフレーム22の他端に昇降式のかしめ用パンチ23が取り付けられ、これと対向するコア部21内側の位置にかしめ用ダイス(かしめ用ダイスは本図には現れていない)を取り付け、コア部21を前記スロット11に入出され得るようにフレーム22がコア部21の先端部付近に印した矢印方向に前進・後退移動させるための駆動部(図示せず)を設けてある。
【0015】
3は一方の金属板加工部材であり、上記スロット11の内幅に等幅の切り起こし接合片を作製するためのスリットsが予め入れてある。4は他方の金属加工部材であり、上記スロット11の内幅に等しい幅としてある。
【0016】
上記両金属板加工部材を接合するに際し、先ず、図1の(ロ)に示すように一方の部材3を位置決め治具1の背面に当接すると共にスロット11にスリットsを幅方向の両側及び下端において位置決めし、他方の部材4の先端をスロット11に位置決めする。これらの両部材3、4の個々の位置決めにより、両部材相互が位置合わせされる。
【0017】
この位置合わせ状態を保持しつつ、かしめ接合装置2を矢印方向に前進移動させ、図1の(ハ)に示すようにコア部21を位置決め治具のスロット11に挿入し接合片31を前側に曲げて他方部材4に重ねられる。
【0018】
他方の部材4の先端部に重ね合わせされた一方の部材3の接合片31は、図2に示すように、その根元部311から湾曲して折り曲げられるものであるので、該部311においてスプリングバック力が発生し、接合片31を矢印の方向に移動して重ね合わせを緩めるおそれがあり、重合部が緩んだ状態でかしめ接合を行うと十分な接合強度が得られないため、上記切り起こされた接合片31、就中その折り曲げられた根元部311が他方の部材4の先端部の端面及びこれに連なる壁面に沿ってこれに密着して折り曲げられ、接合片31が両部材の被接合部に平行して平坦化されるように両部材の被接合部をその両面から挟圧される。
上記折り曲げられた根元部311が湾曲して浮き上がり、切り起こされた接合片31に生じるスプリングバック力を消滅させるための挟圧手段は、図1の(ニ)に示されるように、かしめ接合装置2に油圧シリンダー等の加圧手段211を付設し、切り起こされた接合片31が重ね合わされた他方の部材4の裏面より当設される加圧治具212を用いて、上記両者間に強い加圧を負荷することにより、上記のように平坦化されてもよい。
【0019】
上記両部材の被接合部を挟圧する手段は、特に限定されるものではなく、上記の他、例えば、上記かしめ接合装置2のコア部21の入出方向の反対面から入出するプレス装置を用い、両部材3及び4の上記被接合部を強く挟圧し、接合片31の折り曲げられた根元部311が他方の部材4の先端部の端面及びこれに連なる壁面に沿ってこれに密着するように挟圧し、接合片31が両部材の被接合部に平行して平坦化されるものであってもよい。
【0020】
両部材3及び4の上記被接合部が挟圧され、接合片31が両部材の被接合部に平行して平坦化された後、かしめ用パンチ23を上昇させ重ね部がかしめ接合される。
このかしめ接合後、かしめ接合装置2を後退移動させ、接合した部材を位置決め治具1から脱出させて本発明による接合を完了する。
【0021】
図3は、上記かしめ接合時の状態を示し(図3において、23はかしめ用パンチ23、24はかしめ用ダイス)、図3の(イ)は、かしめ用パンチ23が上記重ね部に向かって上昇して行く過程を示し、図3の(ロ)は、深絞り過程を示し、図3の(ハ)は、かしめ用ダイス24のアンダーカット部において両部材3及び4がかしめられる過程を示し、図3の(ニ)は、かしめ用パンチ23が下降してかしめ接合された状態を示している。
【0022】
この場合、かしめ用ダイスに図4の(イ)及び図4の(ロ)に示すように、C型高剛性リング241で胴締めした割りダイス24を用いてもよく、この場合かしめ加圧力を低減することができる。
【0023】
本発明の上記参考例の金属板加工部材の接合方法によれば、予めスリットを入れた一定幅部分のスリット下端位置を根元とする曲げにより接合片を作製しているので、溶接法による突合せ接合のように溶接歪み等がなく、接合片の長さ寸法精度を高精度にできる。又、両部材のかしめ接合時、接合片の位置決め治具のスロットへの嵌合によって、かしめ接合に対し部材を安定に固定できる。従って、接合部の寸法精度や接合強度が高いレベルで得られる。
【0024】
本発明の上記参考例の金属板加工部材の接合方法においては、接合片の曲げ形成前に両部材相互の位置合わせを行っているので、曲げ加工を施した接合片を他方の部材端部に位置合わせを行う従来法に較べ、曲げ片の干渉無く位置合わせができるので位置合わせが容易であるばかりか位置合わせ精度が著しく向上する。又、両部材相互の位置合わせを行った状態(組み合わせた状態)で接合片を起こしているから、接合片を形成した後での両部材の組合せが不要であり、両部材の組合せと接合を場所を変えずに実施でき、組み合わせのための部材移動に伴う曲げ形成接合片の設備・治具への干渉を排除し得、動作の円滑化を図ることができ、生産性を高めることができる。
【0025】
更に、本発明の上記参考例の金属板加工部材の接合方法においては、重ね合わされた両部材の被接合部を、接合片の折り曲げられた根元部が他方の部材の先端部の端面及びこれに連なる内壁面に沿ってこれに密着するように挟圧し、接合片が両部材の被接合部に平行して平坦化されるものであるので、該部においてスプリングバック力が発生し、接合片を元の位置に戻ろうとして重ね合わせを緩めるおそれもなく、常に安定して高いレベルの接合部の寸法精度と高い接合強度を発現し得るものである。
【0026】
本発明の上記参考例の金属板加工部材の接合方法は、上述のように各部材の位置決め治具に対する位置合わせ→かしめ接合装置前進による接合部折り曲げ→プレス装置の作動による被接合部の挟圧→かしめ用パンチの作動によるかしめ接合→かしめ接合装置を後退移動させての接合部材の取出しという、一連の単純な工程によって実施できるものであるので、工程の自動化が容易である。
【0027】
本発明の金属板加工部材の接合方法における、被接合金属板加工部材は、金属板を加工して作製された部材であって、切り起こして接合片を作製できる板状部分を有するものであれば、特にその形状は限定されるものではなく、例えば、枚葉の金属板であってもよく、リップ付きC型鋼材や角パイプ等であってもよい。
(実施例)
以下に、本発明の金属板加工部材の接合方法として、平板状の金属板以外の金属板加工部材同士を接合する実施例を示す。
【0028】
図5は、本発明の金属板加工部材の接合方法により接合された部材の斜視図である。図6は、図5のVI−VI線における断面図を示すが、一方の金属板加工部材3は、図7に斜視図で示すハット型鋼であり、他方の金属板加工部材4は四角筒であって、ハット型鋼3のウエブ面にH型に切り込みsを入れて接合片31を二個切り起こし、これらの接合片31を、図6に示すように四角筒4の端部内の対向内面に重ね、各重ね部をかしめ接合している。
【0029】
本発明の金属板加工部材の接合方法及び接合装置を、上記ハット型鋼及び二本の四角筒からなる金属板加工部材が、図5に示される部材のように接合される実施の態様を以下に順を追って説明する。
図8及び図9に本発明の金属板加工部材の接合装置の作動状況を、本発明の金属板加工部材の接合方法の二つの主要工程について示している。
【0030】
(1)先ず、ハット型鋼のウエブ面に接合片31を形成するためのH型に切り込みsを入れ、二本の四角筒4の各々の端面に上記H型の切り込みs面が当接するように突き合わせ、上記接合片31が切り起こされて四角筒の筒内面の対向する二面に重ね合わされるように、図8の左端上部に描かれているワーククランプ装置10と対向して設けられた一方の固定ワーククランプ面に位置決めされる。
【0031】
(2)上記位置決めされた上記金属板加工部材からなる被接合部材(ワーク)は、可動側のワーククランプ装置10を油圧シリンダー等によって下降させ、四角筒4の外側からクランプされ、固定される。
上述のようにワーククランプ装置10によって外側からクランプされたワークを、図10にその上方に見える可動側のワーククランプ装置10と共に取り出して拡大斜視図で示す。
位置決め工程におけるワーククランプ圧力は、金属板加工部材の種類、サイズ等によって定められるものであって特に限定されるものではないが、好ましくはワークが大きく変形しない程度の圧力〔例えば、四角筒が40W×50H×0.5tの市販の一般構造用圧延鋼材(溶融亜鉛めっき品)からなる角パイプである場合、約500kgf/cm2 程度である〕である。またワーククランプの下死点を調整し、ワークが座屈・変形しないようにしている。
【0032】
(3)このようにワーククランプ装置10によって位置決めされたワークは、図9に示されるように、ハット型鋼3のウエブ面にH型に切り込みsを入れられた部分を両側に押し拡げ、これを貫通して四角筒4の軸線に沿って筒内に挿入されるかしめ接合装置2のコア部21によって、図6に示されるように四角筒4の筒内面の対向する二面に切り起こされた接合片31が重ね合わされる。
上記接合片31の切り起こし時に、四角筒4はワーククランプ装置10によって外側からクランプされ、固定されているので、接合片31の切り起こし部分、就中その根元部分311が盛り上がって部材3が破損する等の好ましくない変形は抑制される。
【0033】
上記コア部21の挿入による接合片31の曲げ加工においては、図11に示すようにコア先端を先細りテーパ面として接合片31、31の前進押し付け箇所を接合片先端に集中することが曲げ加工上有利である(接合片先端以外の接触箇所を少なくすることによってトータル曲げモーメントΣfhを最大にする。但し、fは押付け力、hは、接合片の根元から接触箇所までの長さ)。
又、コア先端を先細りテーパ面とする代わりに、図12に示すようにアール面とすることによって、コア先端と接合片との漸次的接触や接触抵抗の軽減により接合片表面の傷付きを防止する上でも有効である。
【0034】
(4)上記コアが接合片31を十分に切り起こした時点で、ワーククランプ装置10とコア部21の間にクランプされているワークに、上記ワーククランプ圧力を超える圧力(例えば、前記する四角筒が40W×50H×0.5tの市販の一般構造用圧延鋼材(溶融亜鉛めっき品)製角パイプである場合、約260kgf/cm2 程度である)が負荷され、接合片31の切り起こし部の根元部分311が他方の被接合部材4の端面及びこれに直交して連なる壁面に沿ってこれに密着するように挟圧され、接合片31の総てが、四角筒の筒内面の対向する二面に平行して平坦化される。
上記接合片32の平坦化の強い加圧によって、図13に示されるように、接合片32の切り起こし部分が元(内側)に戻ろうとする所謂スプリングバック力によって次工程のかしめ接合後にかしめ部を剥離しようとする力が生じることを防止する。
【0035】
一方、かしめ接合装置2においては、図8に示すように昇降式のかしめ用パンチ23を上側及び下側に取り付けたフレーム22に、これら上下のかしめ用パンチ23、23間中央を水平方向に延びるコア21を支持させ、フレーム22がガイドレール25上を油圧シリンダー251により前進・後退移動可能に搭載されており、コア21に上記各かしめ用パンチ23、23に対する各かしめ用ダイス24、24が各々対向する位置に取り付けられている。
【0036】
図8の符号10で示すワーククランプ装置においては、ワークをクランプする昇降式押え板12にかしめ用パンチ23挿入孔13がこれを貫通して穿設されており、押え板12の支持体14は、上記かしめ用パンチ23、かしめ用パンチ昇降装置245及びこれらを支持したフレーム22先端部を干渉させることなくスムーズに入出させ得るように支脚構造としてある。
【0037】
上述のように他方の被接合部材である角パイプの軸線に沿ってコアが挿入され、一方の被接合部材であるハット型鋼のウエブ面に設けられた接合片32が角パイプの端部の対向する二面に密着して重ねられ、所定位置に到達したとき、図8に示されるようにコア21に取り付けられたかしめ用ダイス24及びフレーム22に取り付けられているかしめ用パンチ23は、いずれもワーククランプ装置10によってクランプされた上記重ね合わされた被接合部材上に移動されており、かしめ用パンチ23、ワーク押え板12のかしめ用パンチ挿入孔13及びかしめ用ダイス24は一直線上に揃えられる。
【0038】
(5)かしめ接合装置のフレーム22中央部に埋め込まれたかしめ用ダイス24が上昇する。
図14は、かしめ用ダイス24、24の上下可動機構も示し、かしめ用ダイス24をコア部21のダイス挿入孔241に納めると共にかしめ用ダイスベース242にバネ243を装着し、楔式ロッド244を昇降装置245(油圧シリンダー、水圧シリンダー、空気圧シリンダー等)によって矢印方向移動させることによりかしめ用ダイス24、24をバネ243の圧縮反力のもとで同時に上下移動させるようにしてある。
【0039】
(6)フレーム22の上下に取り付けられたかしめ用パンチ23、23をかしめ用シリンダー26によって上下同時にかしめ用ダイス24、24に向かって押圧し、部材3の接合片31と角パイプ4の端部筒壁とをかしめ用ダイス24、24内に押し込んでかしめる。この被接合部材3及び4内面にかしめ絞り代に応じた突子が出現するので、コア21の後退移動時に上記突子を逃がすための溝246が設けられている。
かしめ手段及びその機作については、特に限定されるものではないが、例えば、先に図3(イ)〜図3(ニ)及び図4(イ)及び図4(ロ)に示した手段及びその機作が挙げられる。
【0040】
(7)かしめ用ガンによって上下同時にかしめ用パンチ23、23をかしめられた部材から引き離す。
(8)楔式ロッド244を元に戻してかしめ用ダイス24、24をフレーム中央部に戻す。
(9)かしめ接合装置2を四角筒4の筒内面から引き出す。
上記かしめ接合後は、図14に示すようにかしめ用ダイス24をバネ243の圧縮反力でかしめ箇所から離脱させるように、楔式ロッド244の操作により、かしめ用ダイス24、24を下り移動させると共にかしめ用パンチ23、23をかしめパンチ昇降装置の作動によりかしめ箇所から離脱させ、かしめ接合装置2の後退移動によりコア21を四角筒4の筒内面から引き出す。
上記かしめ接合装置2の前進・後退移動は、サーボモータや手動によって行うこともできる。
(10)ワーククランプ圧を解除して部材を取り出し、かしめ接合を完了する。
【0041】
本発明の金属板加工部材の接合方法によれば、上記実施例に示されるように、上下に二つのかしめ用パンチを取り付け、コアに上記二つのかしめ用パンチに対応する二つのかしめ用ダイスを取り付け、コアに上下双方から反対方向の実質的に等しい荷重を同時に作用させているから(かしめ接合の場合の荷重は数トン、後述の抵抗溶接の場合の荷重は数百kgf)、コアに曲げモーメントが作用することがなく、コアのフレームへの支持構造を簡易化できる。
【0043】
上記接合片の角パイプ端部内面への接合に際し、上記かしめ用パンチ及びかしめ用ダイスに替えて、溶接用電極を取り付け(溶接用電極をコアに、コア表面と電極表面とを面一にして埋め込み、コアに通電回路を内蔵させる。コア側電極は固定式とし、上下可動とする必要はない)、上記かしめ接合法に替え抵抗溶接法が使用されることも可能である。
【0044】
本発明の金属板加工部材の接合方法によれば、図1乃至図4に示した参考例において既述した金属板加工部材の接合方法の利点の外、(a)ハット型鋼等の一方の金属板加工部材のウエブ面の切り起こし接合片を四角筒型部材の端部内に嵌合させることにより接合強度を増大できる、(b)かしめ接合装置のコアに曲げモーメントが作用しないので、コアのフレームへの支持構造が簡易化でき、コアの低剛性化による軽量化を図ることができる、(c)各種用途に用いられる格子材をかしめ接合により製作でき、溶接接合での焼き鈍しに起因する易腐食性化、熱ひずみ、強度低下、部材表面のめっき層剥離や蒸発等のマイナス要素を回避できる、(d)コアの先端部にテーパ又はアールを付すことにより、切り起こし接合片の曲げ加工を効率的に実施でき、接合片表面の損傷をも防止することができる上、かしめ接合装置の前進・後退機構を小型化できる、等の利点がある。
【0045】
特に、本発明の金属板加工部材の接合方法によれば、図1乃至図4に示した参考例におけると同様に、重ね合わされた両部材の被接合部を、接合片の折り曲げられた根元部が他方の部材の先端部の端面及びこれに連なる内壁面に沿ってこれに密着するように挟圧し、接合片が両部材の被接合部に平行して平坦化されるものであるので、該部においてスプリングバック力が発生し、接合片が元の位置に戻ろうとして重ね合わせを緩めるおそれもなく、常に安定して高いレベルの接合部の寸法精度と高い接合強度を発現し得るものである。
【0046】
更に、本発明の金属板加工部材の接合方法は、上述のように各部材の位置決め治具に対する位置合わせ→かしめ装置コア部による部材接合部の折り曲げ→プレス装置の作動による被接合部の挟圧→かしめ用パンチの作動によるかしめ接合→かしめ接合装置を後退移動させての接合部材の取出しという、一連の単純な工程によって実施できるものであるので、工程の自動化が容易である。
【0047】
5乃至図15に示された実施例における金属板加工部材と接合条件は以下に示す通りである。
【0048】
(金属板加工部材)
角パイプ(一般構造用圧延鋼材、溶融亜鉛めっき品)寸法:幅50mm×高さ40mm×厚さ0.5mm
ハット型鋼(溶融亜鉛めっき品)寸法:高さ50mm×幅40mm×ハット幅12.5mm×厚さ1.2mm
ハット型鋼は、図6に示されるように、長さ19mm×幅46mmの接合片二個が上記角パイプの端面開口部の対向する二面に密着して挿入されるようにウエブ面にH型スリットが幅2mmで設けられた。
【0049】
(接合条件)
ワーククランプのクランプ圧力:50kgf/cm2
接合片の切り起こし部挿入力:2000kgf
接合片の切り起こし部挿入ストローク:200mm(角パイプ内に平面部分からなる切り起こし部分が60mm挿入された。)
接合片の平坦化のためのワーククランプのクランプ圧力:260kgf/cm2
かしめ用ダイス径及び深さ:6mmφ×0.8mm
かしめ用パンチ径及び突き量:4mmφ×1.8mm
かしめ用パンチ加圧力:3000kgf
【0050】
接合作業は極めてスム−ズであり、接合外観も良好であった。
上記金属板加工部材と接合条件によってかしめ接合された建築用パネルの接合部のかしめ1点当たりの強度は、JIS Z 3136及び同Z 3137に準拠して測定した引張剪断強度は、112kg、剥離強度は、52kgfと極めて高い接合強度を示した。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、一方の金属板加工部材の平面に他方の金属板加工部材を垂直に、かしめ接合により接合できる。
特に、接合部における垂直に折り曲げられた接合片、就中その根元部の平坦化によって、スプリングバック力が除去され、接合部の高い寸法精度と高い接合強度を発現し得るものである。
【0052】
又、両部材相互を位置合わせし、その位置合わせ状態を保持しつつ一方の部材の切り起こし接合片を起こして他方部材の接合面部位に重ね、その重ね箇所を接合しているから、一方の部材の切り起こし接合片を起こしたのちに両部材を接合する場合に較べ位置合わせが簡単である。又、切り起こし接合片をスリット下端位置での曲げにより形成しているから、その曲げ箇所を一定の位置に固定できて切り起こし接合片をばらつき無く形成できる。更に各部材の位置合わせ→かしめ接合装置の前進移動による一方部材のスリット間部分の押し曲げ→かしめ用パンチの作動によるかしめ接合→かしめ接合装置を後退移動させての接合部材の取り出しという、一連の単純な工程により実施できるから自動化が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属板加工部材の接合方法の一参考例を実施するための接合装置の作動状況を工程の順を追って示す斜視図である(イ)〜(ニ)。
【図2】図1の接合装置のコア部によって切り起こされる接合片に生じるスプリングバック力の説明図である。
【図3】図1の接合装置におけるかしめ用パンチ及びかしめ用ガンのかしめ接合の過程を示す一部切欠正面面である(イ)〜(ニ)。
【図4】図1の接合装置におけるかしめ用パンチ及びかしめ用ガンの他の例及びそのかしめ接合の過程を示す一部切欠正面面である(イ)〜(ロ)。
【図5】本発明の金属板加工部材の接合方法で接合した接合部材の一実施例を示す一部切欠斜視図である。
【図6】図5のVI−VI線における断面図である。
【図7】図5及び図6の加工部材の接合部材に用いられたハット型鋼からなる金属板加工部材を示す斜視図であり、予め接合片切り起こしのためのH型スリットが設けられている。
【図8】本発明の金属板加工部材の接合方法の一実施例(図5の接合部材の接合方法)を実施するための接合装置の作動の一状態を示す正面図である。
【図9】図8の接合装置の作動の他の状態を示す正面図である。
【図10】図8又は図9の接合装置のワーククランプ装置が被接合部材をクランプした状態を取り出して示す一部切欠斜視図である。
【図11】図8又は図9の接合装置のコア部先端の構造の一例とこれによって接合片が切り起こされる金属板加工部材との接触位置関係を示す一部切欠正面図である。
【図12】図11の接合装置のコア部先端の構造の他の例とこれによって接合片が切り起こされる金属板加工部材との接触位置関係を示す一部切欠正面図である。
【図13】図8又は図9の接合装置のコア部によって切り起こされる接合片に生じるスプリングバック力の説明図である。
【図14】図8又は図9の接合装置のコア部に設けられたかしめ用ダイスの上下可動機構を示す一部切欠正面図である。
【図15】図8又は図9の接合装置のコア部表面に設けられたかしめ突子逃がし用溝を示す一部切欠斜視図である。
【図16】アーク溶接等の溶接接合方法(従来法)によって接合された直交突合せ接合部材を示す斜視図である。
【図17】一方の金属板加工部材にL字状に曲げ加工を施した上、他方の金属板加工部材にかしめ接合等適宜方法(従来法)によって直交して接合された接合部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 位置決め治具
11 置決めスロット
10 ワーククランプ装置
12 押え板
13 かしめ用パンチ挿入孔
14 支持体(支脚)
2 かしめ接合装置
21 コア部
211 加圧手段
212 加圧治具
22 フレ−ム
23 かしめ用パンチ
24 かしめ用ダイス
241 C型高剛性リング
242 かしめ用ダイスベース
243 バネ
244 楔式ロッド
245 移動装置(油圧シリンダー等)
246 かしめ突子逃がし溝
25 ガイドレール
251 油圧シリンダー
26 かしめ用油圧シリンダー
3、4、51、52、61、62 金属板加工部材
31 接合片
311 根元部
s スリット
53 アーク溶接
63 かしめ接合

Claims (2)

  1. 互いに接合される金属板加工部材の一方に予め切り起こし接合片を起こすためのスリットを入れておき、両部材相互を位置合わせした状態で前記一方の部材の接合片を起こして両部材の被接合部を重ね、前記位置合わせ状態を保持しつつ両部材の被接合部を接合する金属板加工部材の接合方法において、
    互いに接合される金属板加工部材の一方が四角筒型であり、他方が前記四角筒型一端に垂直面で接合される部位を有する部材であり、この他方部材に前記筒型の金属板加工部材の内面内に納められる寸法の対向する二個の切り起こし接合片を起こすためのスリットを予め入れておき、両部材相互を位置合わせした状態で前記他方部材の二個の接合片を前記一方部材の筒型内に向け起こして筒型内面に重ね、前記位置合わせ状態を保持しつつ切り起こされた部材の二個の接合片が前記一方の部材の内面の二つの被接合部にそれぞれ平行して平坦化されるように前記二個の接合片と前記二つの被接合部とを内側及び外側から同時に挟圧すると共に、両者を外側からかしめ接合することを特徴とする金属板加工部材の接合方法。
  2. 請求項1に記載の金属板加工部材の接合方法に使用する接合装置であって、
    前記二個の接合片が重ね合わされる接合位置を接合両面から固定する昇降式ワーククランプ手段、一方部材の四角筒型内の軸線方向に前後進自在の他方部材の垂直面部位の前記二個の接合片の切り起こし手段、前記二個の接合片が重ね合わされた接合位置において一方部材の四角筒型内当接面に平行して前記二個の接合片が平坦化するように挟圧するための加圧手段及び接合位置において両部材を接合するためのかしめ手段から構成されており、
    前記二個の接合片が重ね合わされた接合位置において一方部材の四角筒型内当接面に平行して前記二個の接合片が平坦化するように挟圧するための加圧手段及び接合位置において両部材を接合するためのかしめ手段が、他方部材の垂直面部位の二個の接合片を起こしつつ一方部材の四角筒型内壁に押圧しながら挿入されるコアにかしめ接合用ダイスが取り付けられ、これと対置される前記昇降式ワーククランプ装置に、直接もしくはこれと連動する押圧装置に設けられた前記かしめ用ダイスに対するかしめ用パンチ及び前記コア表面に対する切り起こされた前記二個の接合片がそれぞれ平坦化するように挟圧する加圧子が取り付けられたプレス兼かしめガンであることを特徴とする金属板加工部材の接合装置。
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