JPS6331261Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は磁気テープ保護用の開閉蓋を有するテ
ープカセツトに関するものである。

従来例の構成とその問題点 一般に磁気テープはその使用方法により、テー
プカセツトの形で使用されるものが大部分であ
る。特にビデオテープカセツトの場合、要求され
る条件のきびしさにより不使用時のときに磁気テ
ープをおおう蓋が設けられている。また近年で
は、小型VTRの開発により、テープカセツトも
小型薄形化が要求され、テープカセツトの構成、
剛性向上の開発が進められてきている。

従来、磁気テープ保護用の開閉蓋を有するテー
プカセツトとしては第１図〜第２図に示すものが
ある。すなわち上ハーフ１と下ハーフ２を組み合
わせる際に開閉蓋３の回動軸３ａ，３ｂを上ハー
フ１と下ハーフ２の組み合わせ部に回動可能に支
持するものである。しかしこの構成では、昨今の
小型化、薄形化において開閉蓋３を薄肉にすると
剛性が低下し取り扱い時に、開閉蓋３の前部３ｃ
が矢印Ａ方向へたわみ、開閉蓋３の両端が矢印Ｂ
方向、矢印Ｃ方向へ動きテープカセツト本体より
開閉蓋３がはずれるという問題が発生する。また
テープカセツト本体の落下時においても開閉蓋が
はずれるという問題がある。これを解消するため
に第３図〜第４図に示すように、開閉蓋３の回動
軸４において、上ハーフ１、下ハーフ２の厚みｔ
より若干長い軸部４ａを設け、軸部４ａの先端に
上ハーフ１に設けられた回動軸４の係合のための
切欠部１ａの径より大きいフランジ部４ｂを設け
てフランジ部４ｂがテープカセツト本体の内側の
壁に当接し、開閉蓋３の分解を防止する方法を提
案した。しかし、前述の方法によると第４図に示
すようにテープカセツト本体よりローデイングの
ためにある一定長さＬの位置にテープ５を引き出
す際、リール６にテープが最大に巻回されている
状態においては、テープ５が開閉蓋３の回動軸４
のフランジ部４ｂに接触し、テープ５の表面を傷
つけるという問題が発生することが考えられる。

考案の目的 本考案は上記欠点を解消するもであり、テープ
カセツトの組立後の開閉蓋の分解を防止すること
を目的とする。

考案の構成 本考案は、開閉蓋の回動軸と両ハーフの接合部
に形成された軸受部にストレート部とテーパー部
を設けるという簡単な構成により、更なる改良の
テープカセツトを提供するものである。

実施例の説明 以下本考案の一実施例について、図面を参照し
ながら説明する。第５図は本考案の実施例におけ
る両ハーフの接合部に形成された軸受部と開閉蓋
の回動軸の構成を示すものである。第５図におい
て、７は上ハーフで、下部に凸部７ａを有し、凸
部７ａの中央部付近にストレートな軸受部７ｂと
内側に広がるテーパー部７ｃをもつ軸受部７ｄが
設けられている。８は下ハーフであり、前記凸部
７ａと嵌合する凹部８ａを有し、前記がテーパー
部７ｃと相対向する位置に内側に広がるテーパー
部８ｂをもつ軸受部８ｃが設けられている。この
上ハーフ７の軸受部７ｄと下ハーフ８の軸受部８
ｃによりストレート部とテーパー部をもつ軸穴が
形成される。９は開閉蓋であり、軸受部７ｄ，８
ｃで形成される軸穴と係合可能なような突起部９
ａが設けられ、この突起部９ａにはフランジ部９
ｂさらにフランジ部９ｂの径および軸受部７ｂの
径より若干小さい径で内側へ突出したストレート
な軸部９ｃとさらにその前方にはストレートな軸
部９ｃの径より内側へ広がるテーパー状軸部９ｄ
が設けてあり、前記ストレートな軸部９ｃとテー
パー状軸部９ｄから形成されるテーパー部付軸部
９ｅの長さｌは、上ハーフ７、下ハーフ８の厚さ
ｔと同一かもしくは若干短かく構成されている。
第６図に示すように上ハーフ７の軸受部７ｄと下
ハーフ８によつて形成される部分に前記突起部９
ａのテーパー部付軸部９ｅを係合せしめることに
より外側にはずれようとする矢印Ｄ方向の動きに
対して、上ハーフ７の軸受部７ｄのテーパー部７
ｃとテーパー部付軸部９ｅのテーパー状軸部９ｄ
の形状による効果により開閉蓋９の分解を防止
し、上ハーフ７の軸受部７ｄのストレートな軸受
部７ｂとテーパー部付軸部９ｅのストレートな軸
部９ｃの係合により開閉蓋９の回動を容易にす
る。またテーパー部付軸部９ｅの長さｌが上ハー
フ７、下ハーフ８の厚さｔと同一か若干短かく構
成されているため、ローデイング時のテープパス
の際テープ１０に接することなくテープ１０の表
面を損傷することを防止できる。

考案の効果 以上本考案によると上ハーフ、下ハーフによつ
て形成されるテーパー部を備えた軸受部と開閉蓋
の回動軸をテーパー部付き軸にするという簡単な
構成により開閉蓋が容易に分解することなくまた
ローデイング時のテープパスの際テープ表面を損
傷することが防止でき、製品の品質面に大きな効
果をおよぼす。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のテープカセツトの斜視図、第２
図は同テープカセツトの下ハーフの断面図、第３
図は本考案者等が既に提案したテープカセツトの
要部斜視図、第４図は同テープカセツトの下ハー
フの要部断面図、第５図は本考案の一実施例にお
けるテープカセツトの要部斜視図、第６図は本考
案の一実施例におけるテープカセツトの下ハーフ
の要部断面図である。 ７……上ハーフ、７ｄ……軸受部、８……下ハ
ーフ、９……開閉蓋、９ｃ……ストレートな軸
部、９ｄ……テーパー状軸部、９ｅ……テーパー
部付軸部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部ケースを構成する上ハーフと、この上ハー
   フと接合部を介し、前記上ハーフと対となつて筐
   体を構成し、テープを巻回したリールを収納可能
   に設けた下ハーフと、上記両ハーフの接合部に形
   成された軸受部に回動可能に支持された軸部を有
   し、この軸部を中心に回動可能な開閉蓋とからな
   り、前記軸受部は前記筐体の外側へ形成されたス
   トレート部と内側へ広がるテーパー部を有し、前
   記軸部は軸受部のテーパー部と略等しい傾斜のテ
   ーパー部とストレート部分と係合可能なストレー
   ト軸部を備え、軸部の端部が軸受部より突出しな
   いように形成されたテープカセツト。