JPS5850540Y2 - 磁気テ−プカセット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁気テープカセットに関するものである。

最近、テープレコーダ、特にカセットテレコと称するも
のは、゛−複合機能化され、マイクロフォンが内蔵され
ているものが主流を占めるようになってきた。

このようなテープレコーダを使って録音する場合、テー
プレコーダから生じる騒音のみならず、磁気テープカセ
ットから生じる騒音をも同時に録音してしまう不具合が
生じる。

磁気テープカセットから生じる騒音の殆どは機械音であ
り、非常に耳障りな再生音となる。

第１図は一般的な磁気テープカセットの一例を示してい
る。

図において、１，２はハウジング、３は磁気テープ、４
，５は磁気テープ３を巻取るリールを示している。

６，７はハウジング１または２の内面上に設けられた回
転軸、８，９は該回転軸６，７によって支えられたガイ
ドローラ、１０はパッドを示している。

磁気テープ３はガイドローラ８，９によって案内されて
リール４，５間を巻回走行する。

第２図はガイドローラ８または９の取付部分における拡
大部分断面図を示している。

図に示すように、一般的な磁気テープカセットにおいて
は、ハウジング１または２の内面に、回転軸６または７
を立設する受座１１を設け、該受座１１の上面に回転軸
６またはＩによって支えられたガイドローラ８または９
の下面を接触させる構造であった。

ところが、第１図及び第２図に示した従来の磁気テープ
カセットをマイクロフォン内蔵のテープレコーダに装着
して録音、再生をした場合、ガイドローラ８または９が
一回転する度毎に「カチ、カチ」という再生音が発生す
ることがあった。

本考案者等は、この再生異音の発生原因が、ガイドロー
ラ８または９に形成されたパリにあることを、実験によ
ってつきとめた。

すなわち、前述のガイドローラ、８および９は、通常、
第６図に示す如く、金型Ａ１ 、Ａ２、Ｂ１゜Ｂ２及び
中子Ｃによるプラスチック成形品として量産されるもの
である。

この場合、金型ＡＬＡ２及びＢ１ 、Ｂ２の内部に直接
形成された部分はその形状通りの成形となり、パリを発
生することはないが、金型Ａ１とＡ２、Ｂ１とＢ２が互
いに接合する部分イまたは金型Ａ２．Ｂ２と回転軸孔を
形成するための中子Ｃとの接合部分口には、どうしても
隙間が生じるため、これらの部分４２口で必ずパリを発
生する。

このため、従来の構造では、例えば第３図に示す如く、
軸孔８ａまたは９ａの端部に発生するバ’） ａ 、
ｂを皆無にすることは殆ど不可能である。

そこで従来は、ある程度のパリの発生を許容して量産性
を確保していた。

しかし、ガイドローラ８及び９が微小物であるのに加え
て、パリもきわめて微小なものであるから、設計上、パ
リ量を規定してみても、その管理が難しく、実際には許
容量を超えるパリ量を有するガイドローラまでが、その
まま磁気テープカセット内に組込まれていた。

このため、パリａまたはｂが受座１１の表面に接触し、
その接触音が前述の「カチ、カチ」という異音として再
生されるのである。

また、成形工程、アセンブル工程または輸送時にガイド
ローラ同志が接触し、パリａまたはｂが軸孔８ａまたは
９ａ側に倒れてしまうこともあり、このような場合にも
異音発生の原因となる。

更にパリ量やその倒れ込み量が激しいと、軸孔８ａまた
は９ａの内径が著しく変形し、ガイドローラ８または９
が回転軸６またはＩ上を円滑に回転するのを妨げる等の
不具合も発生する。

そこで本考案は、上述するパリによる再生異音の発生を
防止できるようにした磁気テープカセットを提供するこ
とを目的とする。

上記目的を達成するため、本考案に係る磁気テープカセ
ットは、磁気テープを案内するガイドローラと、酸ガイ
ドローラに対応してハウジング側に設けられ前記ガイド
ローラを支える回転軸を突設した受座との間に、前記回
転軸を通す前記ガイドローラの軸受の内周面及び外周面
よりは内側に位置する突起を介在させた磁気テープカセ
ットであって、前記突起を、前記ハウジングの前記受座
に一体に連設したことを特徴とする。

第４図は本考案に係る磁気テープカセットの要部拡大断
面図を示す。

図中、第１図及び第２図と同一の参照符号は同一性ある
構成部分を示している。

この実施例では、ガイドローラ８または９の中心部に形
成された軸受８ｂまたは９ｂの端面に、その内周面ハ及
び外周面二よりは内側となるように、環状の突起１２を
設け、該突起１２を介してガイドローラ８または９を受
座１１の表面に接触させである。

前記突起１２の軸方向の高さは、ガイドローラ８または
９に発生するパリより高くなるように定めである。

実験によると、突起１２の高さは０．２ｃｒｆＬあれば
充分であった。

なお、この実施例では、突起１２をガイドローラ８また
は９の軸方向の両端部に設けである。

第７図は上記実施例に示すガイドローラの金型成形を説
明する図である。

図示するように、上金型Ａ１．Ａ２、下金型Ｂ１．Ｂ２
及び中子Ｃを組合せて当該ガイドローラ８，９を成形す
る場合軸受８ｂ 、ｓｂの外周面の端縁部分に上金型Ａ
１とＡ２及び下金型Ｂ１とＢ２の間にそれぞれ接合部分
水が発生するので、この部分にはパリが発生する。

また軸受８ｂ及び９ｂの内周面の端縁部分に中子Ｃと金
型Ａ２及びＢ２との接合部分へ生じるので、この部分に
もパリが発生する。

しかるに第４図の実施例では、ガイドローラの軸受８ｂ
。

９ｂの内周面ハ及び外周面二よりは内側に、突起１２を
位置させであるので、軸受８ ｂ 、９ ｂの内周面ま
たは外周面の端縁の前記接合部分水、へにパリが発生し
ても、突起１２によって該パリが吸収される。

しかも、突起１２は第７図に示すように、下金型Ａ２ま
たはＢ２の内部に形成した型によって成形されるので、
突起１２にはパリが発生することがない。

このため、本考案によれば、パリによる種々の弊害を完
全になくすることが可能になる。

第５図は本考案に係る磁気テープカセットの他の実施例
における要部拡大断面図を示している。

この実施例では、前記突起１２はガイドローラ８または
９の軸受８ｂまたは９ｂの内周面及び外周面より内側に
位置するようにして、ハウジング１または２の受座１１
の表面に一体に連設しである。

この実施例の場合も、第４図の実施例の場合と同様に、
突起１２によってガイドローラ８または９をそのパリ量
以上に受座１１から浮かし、パリが受座１１の表面に接
触するのを防止することができるから、パリが受座１１
の表面に接触して発生する異音をなくすることができる
。

更にこの実施例の場合は、第４図の実施例に比べて、機
械的強度及び硬ｋＺＳ犬で、破損或いは摩耗等の生じに
くい突起１２を形成できる利点がある。

即ち第４図の実施例に示したように、ガイドローラ８ま
たは９に突起１２を連設する構造の場合、ガイドローラ
８及び９は無理抜き成形される関係上、柔らかいプラス
チック材料によって成形されるのが普通である。

このため、第４図の実施例の場合、突起１２も柔らかい
プラスチック材料によって成形されることとなり、機械
的強度が弱く、柔らかで、組立或いは輸送等の途中で破
損したり、受座１１との間の摺接運動によって、摩滅し
易いと言う問題点を内包する。

これに対して、第５図に示すように、ハウジング１また
は２の受座１１の表面に突起１２を一体に連設する構造
を取った場合は、ハウジング１及び２がガイドローラ８
及び９に比べて機械的強度の強い硬いプラスチック材料
によって成形されるのが普通であるため、突起１２の機
械的強度が大きくなり、破損または摩滅等に強い突起を
形成できる利点が得られるのである。

なお、第４図及び第５図に示した実施例では、突起１２
は円環状に形成しであるが、３〜４個の点状突起を軸ま
わりに点在させる構造を取ることも可能である。

以上詳説した如く、本考案は、磁気テープを案内するガ
イドローラと、該ガイドローラに対応してハウジング側
に設けられ前記ガイドローラを支える回転軸を突設した
受座との間に、前記回転軸を通す前記ガイドローラの軸
受の内周面及び外周面よりは内側に位置する突起を介在
させたから、該突起によってガイドローラをそのパリ量
以上に受座から浮かし、パリが受座の表面に接触するの
を防止することができる。

このため、パリが受座の表面に接触して発生する異音を
なくすることができる。

また、第５図の実施例に示したように、前記突起を前記
受座に一体に連設することにより、突起の機械的強度及
び硬度を増大させ、突起の破損、摩滅等を生じにくい高
信頼度の磁気テープカセットを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は磁気テープカセットの部分断面図、第２図は従
来の磁気テープカセットにおけるガイドローラ取付部分
の拡大断面図、第３図は従来のガイドローラの拡大断面
図、第４図は本考案に係る磁気テープカセットの要部拡
大断面図、第５図は同じく他の実施例における要部拡大
断面図、第６図は従来のガイドローラの金型成形状態を
示す図、第７図は本考案に係るガイドローラの金型成形
状態を示す図である。 １．２・・・・・・ハウジング、３・・・・・・磁気テ
ープ、４゜５・・・・・・リール、６，７・・・・・・
回転軸、８，９・・・・・・ガイドローラ、１０・・・
・・・パッド、１１・・・・・・受座、１２・・・・・
・突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気テープを案内するガイドローラと、該ガイドローラ
   に対応してハウジング側に設けられ前記ガイドローラを
   支える回転軸を突設した受座との間に、前記回転軸を通
   す前記ガイドローラの軸受の内周面及び外周面よりは内
   側に位置する突起を介在させた磁気テープカセットであ
   って、前記突起を、前記ハウジングの前記受座に一体、
   に連設したことを特徴とする磁気テープカセット。