JPS6330886Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は高周波加熱装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来の例えば第１図に示す高周波加熱装置はマ
イクロ波を発生するマグネトロン１と、前記マグ
ネトロン１を発振させるためのトランス２と、ダ
イオードやコンデンサ等のその他の電気部品と、
上記電気部品の冷却を主目的とするフアン３と、
その中で被加熱物を加熱する加熱室と、前記マグ
ネトロン１で発生したマイクロ波を加熱室に伝送
するための導波管４と、被加熱物を出し入れする
ためのドア５と、加熱時間および加熱出力の設定
と前記ドア５の開閉を行なうための操作パネル６
と、前記フアン３からの冷却風の一部を前記加熱
室に導くエアガイド７と、前記加熱室の換気を行
なう前記加熱室の上壁を形成する上板８に設けた
排気孔８−ａと、排気ガイドＡ９と、排気ガイド
Ｂ１０と、前記電気部品等をとりつける底板１１
と、装置の外殻を形成するボデー１２とから構成
されている。前記ボデー１２は排気孔１３を有
し、前記加熱室の排気孔８−ａからボデー１２の
排気孔１３までの通路は、前記排気ガイドＡ９
と、前記排気ガイドＢ１０と、前記上板８と前記
ボデー１２によつて形成されている。前記排気ガ
イドＡ９は角形に切り抜いた挿入孔９−ａを有し
上板８にスポツト溶接により固定されている。前
記排気ガイドＢは挿入部１０−ａを有し、挿入部
１０−ａを前記挿入孔９−ａに挿入した状態で前
記上板にネジ１４により固定されている。第２図
と第３図と第４図にその構成を示す。第２図は前
記従来例の高周波加熱装置の排気ガイドＡと排気
ガイドＢの組み合わせ状態を示す平面図、第３図
は第２図のＡ−Ａ矢視図、第４図は第３図のＢ−
Ｂ矢視図である。組立作業の容易性のため、前記
挿入孔９−ａは前記挿入部の断面より大きくし、
挿入をスムーズに出来るようにしている。従つて
前記ネジ１２に締め付けた状態においても前記排
気ガイドＢ１０の挿入部側の端ではがたつきを生
じている。

一方、高周波加熱装置は一般に1KWから2KW
程度の大きな電力を低電圧から高電圧に変換する
トランスを用い、そのトランスや発振器の冷却の
ためにフアンを必要とする。また被加熱物に供給
する全エネルギーの過大は火災等の不安全に直結
する為、マイクロ波出力の変動は小さく設計され
なければならない。上記変動の一要因である電源
電圧の変動、によるマイクロ波出力の変動を抑え
るために前記トランスは磁気漏洩型のものを一般
に使用している。さらにマイクロ波の漏洩を防止
するためドアの内部にはその防止構造を有してお
りドア全体が重いものになつている。またコスト
面の要求から加熱室等の構成要素の材料は極力薄
いものを用い、材質は鉄が多く用いられている。

以上の従来例の構成により、トランス等からの
漏洩磁束による鉄板の振動の発生、フアンの回転
による振動の発生、ドア開閉による振動の発生等
によりがたつきを有する構成要素が有ればその部
分で振動音が発生することは明白である。従つて
上記従来例の高周波加熱装置においては、前記排
気ガイドＡと前記排気ガイドＢの組み合わせ部に
おいて振動音を発生するという欠点を有してい
た。

考案の目的 本考案は上記従来の欠点を解消するもので、不
要な振動音を防止することにより品位の高い高周
波加熱装置を提供することを目的とする。

考案の構成 上記目的を達するため、本考案の高周波加熱装
置は、排気孔を有する加熱室と、本体部と当たり
部と挿入孔とにより構成され前記加熱室の外壁に
設けた排気ガイドＡと、挿入部を有し前記加熱室
の外壁に設けた排気ガイドＢとを備え、前記排気
ガイドＡの本体部と当たり部は断面Ｌ字状につな
がり、挿入孔はこのＬ字状のコーナー部近傍に少
なくとも前記当たり部にかかるように設けられ、
この挿入孔は前記断面上の最大開口幅ｌ、前記当
たり部の内側から前記本体部にかかつたこの挿入
孔の端までの距離ｍの寸法を有し、前記排気ガイ
ドＢに設けられた挿入部は厚みｔの寸法を有し、
前記ｌ，ｍ，ｔの寸法関係をｌ＞ｔ＞ｍとし、前
記挿入部を前記挿入孔に挿入し、前記挿入部の厚
みｔの方向を前記本体部の長手方向に一致する方
向へ前記排気ガイドＢ又は前記排気ガイドＡを回
転移動した状態で固定する構成であり、前記排気
ガイドＢの挿入部の厚みｔと前記排気ガイドＡの
挿入孔の寸法ｍとのｔ＞ｍなる寸法関係によりが
たつきを防ぎ、不要な振動音を防止し、前記厚み
ｔと前記排気ガイドＡの挿入孔の寸法ｌとのｌ＞
ｔなる寸法関係と前記排気ガイドＡの本体部と当
たり部とのＬ字形状とにより組立て作業が非常に
容易に行なえるという効果を有するものである。

実施例の説明 以下、本考案の一実施例について、図面に基づ
いて説明する。

第５図において１はマイクロ波を発生するマグ
ネトロン、２は前記マグネトロンを動作させるた
めの高電圧を発生するトランス、３は前記マグネ
トロン１と前記トランス２とダイオードやコンデ
ンサ等のその他の電気部品とを冷却するためのフ
アンである。４は前記マグネトロン１で発生した
マイクロ波を加熱室に伝送するための導波管、５
は被加熱物を出し入れするためのドア、６は加熱
時間および加熱出力の設定と前記ドア５の開閉を
行なうための操作パネル、７は前記フアン３から
の冷却風の一部を前記加熱室に導くエアガイドで
ある。８は加熱室の上壁を形成する上板であり前
記加熱室の換気を行なうため排気孔８−ａを有し
ている。前記上板８には排気ガイドＡ９をスポツ
ト溶接により設けており、排気ガイドＢ１０の挿
入部１０−ａを前記排気ガイドＡ９の挿入孔に挿
入しネジにより前記排気ガイドＢ１０を前記上板
８に固定している。前記排気ガイドＡ９と排気ガ
イドＢ１０と前記上板８と装置の外殻であるボデ
ー１２とにより前記排気孔８−ａから前記ボデー
１２に設けた排気孔１３までの排気通路を形成し
ている。１１は電気部品等をとりつける底板であ
る。

第６図は本考案の一実施例である第５図に示す
高周波加熱装置の前記排気ガイドＡと前記排気ガ
イドＢの組み合わせた状態の要部断面図、第７図
は同装置の排気ガイドＡと排気ガイドＢの組み合
わせる直前の状態の要部断面図である。第６図と
第７図とにおいて前記排気ガイドＡ９と本体部９
−ｂと当たり部９−ｃと挿入孔９−ａとにより構
成され、前記排気ガイドＢ−１０は挿入部１０−
ａを有している。前記排気ガイドＡ９の本体部９
−ｂと当たり部９−ｃはＬ字状につながり、前記
挿入孔９−ａはこのＬ字状のコーナー部に設けて
いる。この構成は金属板に角穴を設けてＬ字状に
折り曲げる加工によつて得ている。

前記挿入孔９−ａは最大開口幅ｌ、前記当たり
部９−ｃの内側から前記本体部９−ｂにかかつた
この挿入孔９−ａの端までの距離ｍの寸法を有
し、前記排気ガイドＢ１０の挿入部１０−ａは厚
みｔの寸法を有している。前記厚みｔの寸法は金
属板で構成する前記排気ガイドＢ１０の一部を絞
り加工することにより得ている。前記ｌ，ｍ，ｔ
の寸法はｌ＞ｔ＞ｍの関係に構成し、第７図の矢
印Ｃの方向へ前記排気ガイドＢ１０を移動するこ
とにより前記挿入部１０−ａを前記挿入孔９−ａ
に挿入し、矢印Ｄの方向へ前記排気ガイドＢ１０
を回転し、第６図に示す状態にして、ネジにより
前記上板８に固定している。

以下上記構成における作用について説明する。

前記排気ガイドＢ１０の挿入部１０−ａの厚み
ｔと前記排気ガイドＡの挿入孔の寸法ｍとのｔ＞
ｍの寸法関係により前記排気ガイドＡの本体部９
−ｂが前記排気ガイドＢ１０の挿入部１０−ａに
くい込み、がたつきがなくなる。又、前記排気ガ
イドＡの本体部９−ｂと当たり部９−ｃとのＬ字
形状と、前記挿入部１０−ａと前記挿入孔９−ａ
の寸法ｔおよびｌのｌ＞ｔなる寸法関係とによつ
て、組み立て時に前記排気ガイドＢ１０の挿入部
１０−ａの先端を前記排気ガイドＡ１０の本体部
９−ｂに当ててこの本体部９−ｂに沿つて滑らせ
てゆくと自然に前記挿入部１０−ａが挿入孔９−
ａにはまり込む。さらに前記排気ガイドＡ９の当
たり部９−ｃと前記排気ガイドＢ１０とが重なり
合うため隙間がほとんどなくなる。

このように本実施例によれば、排気ガイドＡと
排気ガイドＢとの組み合わせ部におけるがたつき
をなくし不要な振動音を防止できるとともに組立
て作業において排気ガイドＢの挿入部を排気ガイ
ドＡの挿入孔に非常に容易に挿入でき作業性が向
上し、また排気ガイドＡと排気ガイドＢの隙間が
ほとんどなくなるので加熱室からの水蒸気や油を
多く含んだ排気が電気部品の方へまわり込まず品
質が良くなるという効果を有する。

考案の効果 以上のように本考案によれば次の効果を得るこ
とができる。

(1) 排気ガイド部のがたつきの防止により不要な
振動音がなくなり品位の高い高周波加熱装置を
提供できる。

(2) 単純な動作によつて排気ガイドの挿入部の挿
入ができ、組立て作業性が大幅に向上する。

(3) 排気ガイド部の隙間がほとんどなくなるので
品質が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高周波加熱装置の分解斜視図、
第２図は同装置の要部平面図、第３図は同装置の
第２図におけるＡ−Ａ矢視図、第４図は同装置の
第３図におけるＢ−Ｂ矢視図、第５図は本考案の
一実施例である高周波加熱装置のボデーを取り除
いた外観斜視図、第６図は同装置の要部断面図、
第７図は同装置の主要構成部品の寸法関係を示す
一部断面平面図である。 １……マグネトロン、２……トランス、３……
フアン、４……導波管、５……ドア、６……操作
パネル、７……エアーガイド、８……上板、８−
ａ……排気孔、９……排気ガイドＡ、９−ａ……
挿入孔、９−ｂ……本体部、９−ｃ……当たり
部、１０……排気ガイドＢ、１０−ａ……挿入
部、１１……底板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排気孔を有する加熱室と、本体部と当たり部と
   挿入孔とにより構成されかつ前記加熱室の外壁に
   設けられた排気ガイドＡと、挿入部を有し前記加
   熱室の外壁に設けられた排気ガイドＢとを備え、
   前記排気ガイドＡの本体部と当たり部はＬ字状に
   つながり、前記挿入孔はこのＬ字状のコーナー部
   近傍に少なくとも前記当たり部にかかるように設
   けられ、この挿入孔は最大開口幅ｌ、前記当たり
   部の内側から前記本体部にかかつたこの挿入孔の
   端までの距離ｍの寸法を有し、前記排気ガイドＢ
   に設けられた挿入部は厚みｔの寸法を有し、前記
   ｌ，ｍ，ｔの寸法関係をｌ＞ｔ＞ｍとし、前記挿
   入部を前記挿入孔に挿入し、前記挿入部の厚みｔ
   の方向を前記本体部の長手方向に一致する方向へ
   前記排気ガイドＢ又は前記排気ガイドＡを回転移
   動した状態で固定する構成とした高周波加熱装
   置。