JPS6213354Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高周波加熱装置における高周波発生装
置の冷却に関するもので、効率よく冷却するとと
もに騒音を低減し、使い勝手のよい高周波加熱装
置を提供するものである。

従来の高周波発生装置の冷却方式としては、シ
ロツコフアンを用いたもの、プロペラフアンを使
用したものに大別できるが、シロツコフアンを使
用した場合、フアンの周辺にハウジングを使用し
なければならず価格高となる。また最近高周波発
生装置の冷却だけでなく、高周波発生装置の近傍
に高圧トランス等の電気部品も装置し、併せて冷
却しようとする構成をとつているが、この場合シ
ロツコフアンであると冷却風が集中しすぎるた
め、経済的でかつ冷却面積の広いプロペラフアン
を使用することが多くなつてきた。

しかしながらプロペラフアンを使用した場合、
高周波加熱装置の本体内では各種部品がところ狭
しと配設されているため空気の流れに乱れが生じ
騒音が大きくなるとともに冷却効率も低下する欠
点があつた。また上記欠点をなくするためプロペ
ラフアンの周辺部にオリフイスを設けた取付具に
プロペラフアンのモータを取付けた商品も開発さ
れているが、この場合取付具にモータを取付ける
ため、その強度を十分にとる必要がある。したが
つて取付空間が大きくなり高周波加熱装置全体が
大きくなるとともに、強度上金属板で形成される
ため高周波発生装置、高圧トランス等の近傍に装
置することがきわめて困難であり、騒音の点では
改善できたとしても冷却の面ではかえつて悪くな
る結果をまねいていた。

そこで本考案は上記従来例の欠点を簡単な構成
で解決するものであり、以下図面を参照し本考案
の一実施例について説明する。高周波加熱装置本
体の前面には加熱室１の前面開口部を開閉するド
ア２と、タイマツマミ３、調理スイツチ４、等を
装置している制御板５等があり、加熱室１の略中
央底面には被加熱物を回転駆動するいわゆるター
ンテーブル６が装置されている。一方高周波発生
装置であるマグネトロン７は加熱室上板８を延長
した部分に装置され、マグネトロン７と加熱室１
とは導波管９により結合され、この導波管を介し
て加熱室に高周波を給電する構成である。

次に冷却系統について説明すると、本体裏板１
０に設けられたパンチング孔１１から流入した空
気はフアンモータ１２を冷却し、プロペラフアン
１３によりマグネトロン７、高圧トランス１４に
吹きつけ冷却する。マグネトロン７を冷却した空
気はエアーガイド１５を通り加熱室１内に入り加
熱中に生じる蒸気を排出する。一方トランス１４
を冷却した空気は本体底板１６に設けられたパン
チング孔１７を通じて外部に排出され、マグネト
ロン７、トランス１４を冷却するとともに周辺の
雰囲気温度を低下させている。

次にフアンモータ１２にオリフイス１８を取付
けた実施例を第４図で説明する。モータ１２の取
付孔１９に非磁性板で形成されたオリフイス取付
板２０とモータ取付板２１をビス２２ナツト２３
で締付ける。取付板２０に非磁性板を使用する理
由は、磁性板の場合、モータ１２の鉄芯に流れる
磁気が磁性板を通り漏洩磁束が多くなりモータ効
率が低下するためである。次にモータ１２の回転
軸２４のマグネトロン７に接近した部分にプロペ
ラフアン１３を装置し、その後オリフイス取付板
２０にオリフイス１８がビス２６締めされる。

なお第２図においてプーリ２５とウオームギヤ
２７のプーリ２８とはベルト２９により回転力が
伝達され、ウオームギヤ２７の出力軸のプーリ３
０と加熱室底壁のプーリ３１もベルト３２により
結合されターンテーブル６を回転駆動している。

以上説明したように本考案はプロペラフアンの
円周部の風の流れが層流となつて流れるオリフイ
スをコンパクトに取付可能となつたため下記のよ
うな効果が期待できる。

(1) 風の流れが層流となるため渦ができないとと
もにオリフイスから出た空気がプロペラフアン
円周部から逆流することが少なくなり、冷却効
率が大巾に向上する。実験ではマグネトロンで
18deg高圧トランスで21degの温度減少が得ら
れた。

(2) 冷却効率がよいのでマグネトロン、高圧トラ
ンス等の電気容量を小形化できる。

(3) 空気の渦流による騒音がなくなり、静かな高
周波加熱装置とすることができ、夜中の静かな
時でも運転できる使い勝手のよいものとなる。

(4) プロペラフアンの円周部にオリフイスをつけ
ているため、サービス時にあやまつてフアンの
近くに手がいつたとしてもオリフイスで保護さ
れているので安全である。また輸送時の衝撃に
おいても従来例ではフアンが近傍の固定物に瞬
時に当たつてフアンが折れ、冷却効率が極度に
低下したり騒音の原因となつていたが、本考案
ではオリフイスが当たりオリフイス取付板を金
属性で多少の弾性を有するステンレスSUS３０
４等を使用していればオリフイス取付板が緩衝
材となり、また後述の防振ゴムで衝撃が緩和さ
れフアンは折れることはない。なお輸送中の衝
撃等でフアンが大きく振動するのはモータの振
動が本体に伝たわらないようにモータ取付板に
防振ゴムを入れているためである。

(5) 製造、作業時においても、部品単体を組合せ
てユニツト化でき、その際フアンの中心とオリ
フイスの中心を合わせてからビス締めできるの
で作業性がよい。

(6) フアンモータの鉄芯にオリフイスをつけてい
るため、きわめてコンパクトにでき、各種電気
部品を装着している狭い所でも取付けることが
可能となる。特にマグネトロン、高圧トランス
等の高圧部品の近傍でもオリフイスを合成樹脂
で形成すれば電気絶縁で問題となることはな
く。またきわめて近接して装着することができ
るため冷却効果を大きくすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す高周波加熱装
置の要部の斜視図、第２図は同側面図、第３図は
同上面図、第４図は同要部のモータ部分の分解斜
視図である。 １……加熱室、７……マグネトロン、１０……
本体裏板、１１……パンチング孔、１２……フア
ンモータ、１３……プロペラフアン、１４……高
圧トランス、１５……エアーガイド、１６……本
体底板、１７……パンチング孔、１８……オリフ
イス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体内に食品を加熱調理する加熱室と、加熱室
   内に高周波を放射する高周波発生装置と、前記高
   周波発生装置を冷却し、かつ加熱室の空気を排出
   するプロペラフアンと、前記空気を流入させる吸
   気口と、前記プロペラフアンの外周辺部に設けた
   オリフイスとを有し、前記オリフイスを樹脂で構
   成し、前記オリフイスをプロペラフアンモータの
   鉄芯に非磁性体で弾性を有する取付板を介して装
   着することを特徴とする高周波加熱装置。