JPS6330546B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は荷箱の上昇、停止及び降下をそれぞれ
制御するダンプカーの荷箱昇降用切換弁に関する
ものである。

一般にダンプ製造メーカーはシヤシメーカーよ
り提供されたシヤシに荷箱を搭載するとともに荷
箱を昇降させる油圧シリンダ及び油圧シリンダの
伸縮を制御する切換弁などを取付けることによつ
てダンプカーを完成している。

ところで、ダンプ用シヤシにはシヤシメーカー
側においてダンプ用操作レバーが取付けられてい
るのが一般的で、この取付もシヤシメーカーによ
つて切換え方向が逆になつていることもあり、こ
の場合ダンプ用操作レバーと切換弁とを伝達部材
にて連絡するときには、第５図に示すように途中
にベルクランクを介装することになる。

ベルクランクを途中介装した伝達部材を設けた
ものでは、例えば荷箱を上昇させてシヤシフレー
ム上の油圧機器などの保守点検などを行うとき
に、作業者が不用意にベルクランクに触れると、
切換弁が下げ位置に切換わつてしまい、突然荷箱
が降下して人身事故を誘発させることになる。

本発明は操作レバーの切換位置が逆の場合でも
スプールの取付方向を逆にすることによつてベル
クランクの無い伝達部材でもつて操作レバーと切
換弁とを連絡して前記問題を解決したものであ
る。

以下本発明の一実施例を図面について説明する
と、本発明の切換弁は油圧ポンプＰ及びオイルタ
ンクＴと、荷箱昇降用の油圧シリンダＣとを接続
する油圧回路中に介装されるもので、ブロツク状
の弁本体１と、この弁本体１の長手方向の略中心
部に穿設した案内孔２に摺動自在に嵌挿されるス
プール弁３とで主に構成されている。前記弁本体
１はその中央に第１弁室４が、その前後の対称位
置には第２弁室５及び第３弁室６が、さらに第２
弁室５及び第３弁室６の外側の対称位置には第４
弁室７及び第５弁室８がそれぞれ設けられてい
る。

第１弁室２と第２弁室３間には互に連通する第
１弁孔９が、第１弁室４と第３弁室６間には互に
連通する第２弁孔１０が、第２弁室５と第４弁室
７間には互に連通する第３弁孔１１が、さらに第
３弁室６と第５弁室８間には互に連通する第４弁
孔１２がそれぞれ穿設され、前記各弁孔９，１
０，１１，１２はスプール弁３と同径で形成され
ている。前記第１弁室４の一側には第１流路１３
を介して油圧ポンプＰと連通する第１連絡口１４
が穿設され、その他側には第２流路１５を介して
油圧シリンダＣと連通する第２連絡口１６が穿設
されている。

前記第２弁室５及び第３弁室６の一側には第３
流路１６及び第４流路１７を介してオイルタンク
Ｔと連絡する第１排出口１８及び第２排出口１９
がそれぞれ穿設されている。

前記第４弁室７と第５弁室８の他側には第５流
路２０及び第６流路２１を介して油圧シリンダＣ
と連絡する第１流通口２２及び第２流通口２３が
それぞれ穿設されている。

前記スプール弁３は、先部及び基部に第１大径
部３ａ及び第２大径部３ｂがそれぞれ形成され、
これらは案内孔２に摺動自在に嵌合され、第１図
に示すように油圧ポンプＰからの作動油をオイル
タンクＴに還流させる中立位置では第１大径部３
ａは第３弁孔１１に嵌合するとともに第２大径部
３ｂは第２弁孔１０及び第４弁孔１２に嵌合す
る。又第２図に示すように油圧ポンプＰからの作
動油を油圧シリンダＣへ流入させる上げ位置で
は、第１大径部３ａは第１弁孔９及び第３弁孔１
１に嵌合するとともに第２大径部３ｂは第２弁孔
１０及び第４弁孔１２に嵌合する。さらに第３図
に示すように油圧シリンダＣからの作動油をオイ
ルタンクＴに排出させる下げ位置では、第２大径
部３ｂのみが第２弁孔１０及び第４弁孔１２に嵌
合する。

尚、スプール弁３の前端には運転室内に設けら
れる操作レバー２４に連絡するプツシユプルワイ
ヤーなどの伝達部材２５を結合させる結合部２６
が設けられ、スプール弁３は前方及び後方より弁
本体１内の案内孔２内に嵌挿させ得るようになつ
ている。

２７は第２連絡口１６と油圧シリンダＣとを連
絡する第２流路１５の途中に設けたチエツク弁
で、このチエツク弁２７は油圧シリンダＣからの
作動油を吐出口１６へ流出させるのを防止する。

なお、第２流路１５は第２連絡口１６に一端を
接続しているが、第２連絡口１６をなくして第２
流路１５を直接第１流路１３に接続しても同様の
効果を有するものである。

本発明は以上の構成で、ダンプ用シヤシに取付
けられている操作レバー２４が、前方への切換え
が下げ位置で、後方への切換えが上げ位置となる
取付状態の場合には、第１図に示すように結合部
２６が前方に位置するように弁本体１の案内孔２
へスプール弁３を前方から挿入する。

しかして第１図に示すように操作レバー２４を
中立位置に操作すると、油圧ポンプＰからの作動
油は、第１流路１３、第１弁室４、第２弁室５及
び第３流路１６を通つてオイルタンクＴに還流す
る。次に操作レバー２４を第２図の後方の上げ位
置に操作すると、第１排出口１８及び第２排出口
１９と共にスプール弁３により遮断されるため、
油圧ポンプＰの作動油は第１流路１３、第１弁室
４及び第２流路１５を通つて油圧シリンダＣ内に
流入し、油圧シリンダＣを伸長させて荷箱をダン
プさせる。

又操作レバー２４を第３図に示す前方の下げ位
置に操作すると、油圧シリンダＣの作動油は第５
流路２０、第４弁室７、第２弁室５及び第３流路
１６を通つてオイルタンクＴに排出され、これに
より油圧シリンダＣが縮小して荷箱は降下する。
ところでダンプ用シヤシに取付けられている操作
レバー２４が前方位置が上げで、後方位置が下げ
となるように取付けられたものでは、第４図に示
すようにスプール弁３を、結合部２６が後方に位
置するように弁本体１の案内孔２に嵌挿させる。
第４図に示す操作レバー２４を前記とは逆の前方
の上げ位置に操作すると、油圧ポンプＰの作動油
は第１流路１３、第１弁室４及び第２流路１５を
通つて油圧シリンダＣ内に流入し、又操作レバー
２４を中立位置に操作すると、油圧ポンプＰの作
動油は第１流路１３、第１弁室４、第３弁室６及
び第４流路１７を通つてオイルタンクＴに流入す
る。さらに操作レバー２４を後方の下げ位置に操
作すると、油圧シリンダＣの作動油は第６流路２
１、第５弁室８、第３弁室６及び第４流路１７を
通つてオイルタンクＴに流入する。

本発明は以上の如く、荷箱上げ位置と荷箱下げ
位置とが逆になるように操作レバーが取付けられ
たダンプ用シヤシを使用する場合でも、スプール
弁の取付方向を逆にするだけで、操作レバーとス
プール弁とはベルクランクの無い伝達部材でもつ
て連絡でき、これにより荷箱を上昇させてシヤシ
フレーム上の油圧機器などの保守点検を行う場合
でも、直接触れて切換弁を切換える部材が無く、
安心して作業を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図及び第４図は本発明の
切換弁を示す断面図で、第１図な中立位置を、第
２図は上げ位置を、第３図は下げ位置をそれぞれ
示し、第４図は操作レバーの取付が逆となる場合
の上げ位置を示す。第５図は従来の切換弁を示す
断面図である。 １は弁本体、３はスプール弁、４は第１弁室、
５は第２弁室、６は第３弁室、７は第４弁室、８
は第５弁室、１８は第１排出口、１９は第２排出
口、２２は第１流通口、２３は第２流通口、２７
はチエツク弁、Ｐはポンプ、Ｔはタンク、Ｃは油
圧シリンダ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 油圧ポンプ及びオイルタンクと、油圧シリン
   ダとを接続する油圧回路中に介装される弁本体内
   に嵌挿したスプール弁の摺動操作により、油圧ポ
   ンプからの圧力油を油圧シリンダに供給し得る供
   給位置と、油圧シリンダ内の作動油をオイルタン
   クに排出させる排出位置と、油圧ポンプとオイル
   タンクとを短絡させる中立位置とに切換制御する
   ようにしたダンプカーの荷箱昇降用切換弁におい
   て、前記弁本体は中央に第１弁室を、その前後対
   称位置に第２弁室及び第３弁室を、さらに第２弁
   室及び第３弁室の外側の対称位置に第４弁室及び
   第５弁室をそれぞれ設け、前記第１弁室には前記
   油圧ポンプ及び前記油圧シリンダに連絡する連絡
   口を設け、又前記第２弁室及び第３弁室には前記
   オイルタンクに連絡する第１排出口及び第２排出
   口を設け、さらに前記第４弁室及び第５弁室には
   前記油圧シリンダに連絡する第１流通口及び第２
   流通口を設け、前記吐出口と前記油圧シリンダと
   を連絡する流路の途中には前記油圧シリンダから
   の作動油を吐出口へ流出させるのを防止するチエ
   ツク弁を介装し、前記スプール弁は弁本体内へ前
   方及び後方より嵌挿させ得るようにしたダンプカ
   ーの荷箱昇降用切換弁。