JPS6330299Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、花材が挿し込まれる花留め筒を花
器の中に所定の配列状態に保持するために用いら
れる花留め装置に関する。

〔従来の技術〕

生け花の或る流派（例えば、嵯峨御流の嵯峨荘
厳華）において、各花態に合わせて花器の中に所
定本数の花留め筒を並べ、その筒に花材を挿し込
むという生け花様式がある。

その花留め筒は、例えば第８図において符号２
で示すように各々の高さを異にしたものが使用さ
れている。

問題はこれらの花留め筒２を数本まとめて花器
１の中にいかにして立てるかである。一般には数
本の花留め筒２を紐の類でひとまとめに束ねてい
るが、これでは面倒である。

そこで、花器１の中に入る支持台を用意し、こ
れに数本の花留め筒２の下端を着脱自在に連結合
することが公知である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、従来の花留め筒支持台は、花態の多様
化に対応するためには多種類を用意せざるを得な
かつた。異種類の支持台どうしを連継合する手段
もみられなかつた。

その為、現実には花態の多様化に対応し切れ
ず、完全な対応を図るには支持台を多種類要して
頗る煩わしいうえに、経済的負担も大であつた。

また、花器の中に花留め筒支持台が個々に分離
して入れられるため、花を生けた使用状態で傾倒
するなどの問題が予測された。

本考案はかかる従来の不具合を解消するために
提案されたものである。

本考案の目的は、必要最小限の構成部材で花態
の多様化に対応し切れる花留め装置を得るにあ
る。

本考案の目的は、花を生けた使用状態で不測に
傾倒することのない花留め装置を得るにある。

本考案の目的は、異種類の花留め支持台が花態
に応じて順次合理的に継ぎ合わせて行け、この継
ぎ合わせ手段が不使用時にも邪魔にならない花留
め装置を得るにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は高さの異なる多数本の花留め筒２と、
２個一組の円板形支持台３と、ひとつの鳩尾形支
持台４とを構成部材とする。

そして、形状が異なる２種類の支持台３，４
は、花態に応じてそれぞれ単独で使用できるし、
同時に併用でき、それぞれの上面にいくつかの花
留め筒２が抜き差し自在に連結できる。

２種類の支持台３，４は互いに継ぎ合わすこと
ができる。その継ぎ合わせ手段として、円板形支
持台３の台本体３ａの円周側面３ｂには、対向位
置に継合溝１０をそれぞれ設けてあり、鳩尾形支
持台４の台本体４ａの凹んだ両円弧側面４ｂに
は、継合腕９が突設されている。

しかるときは、鳩尾形台本体４ａの円弧側面４
ｂに円板形台本体３ａの円周側面３ｂの一部を沿
わせて、継合腕９を継合溝１０に抜き差し自在に
嵌係合することができるようにしたものである。

〔考案の効果〕

本考案によれば、花留め筒２を支持する台部材
が一組の円板形支持台３とひとつの鳩尾形支持台
４の僅か三部材であり、形状的には２種類で足り
る。にもかかわらず、これら２種類の支持台３，
４を単独で使用してもよいし、継ぎ合わせ使用す
ることもできる。したがつて、低コストで安価に
提供できるものでありながらも、必要最小限の構
成部材で以て複雑な花態の多様化によく対応し切
れる。

使用に際しても、各支持台３，４には高さの異
なる各花留め筒２の下端を単に差し込むだけでよ
い。しかも、両支持台３，４の継ぎ合わせに際し
ては、円板形支持台３の円周側面３ｂを鳩尾形支
持台４の凹んだ円弧側面４ｂに接合し、この状態
で円板形台本体３ａの継合溝１０に鳩尾形台本体
４ａから突設の継合腕９を抜き差し自在に嵌係合
するだけでよい。したがつて、使い勝手がよく、
両支持台３，４を継ぎ合わせた花生け状態におい
てこれらが傾倒することもよく防止できる。

継合溝１０は円板形台本体３ａの円周側面３ｂ
に設け、とくに継合腕９は鳩尾形台本体４ａの凹
んだ円弧側面４ｂから突設してあるので、不使用
時に両支持台３，４を又は鳩尾形支持台４これ単
独を収納保管する際にも、前記継合腕９が台本体
４ａの横外側方に大きく突出せず円弧側面４ａ内
にあるから、他物に引つ掛かつたり、邪魔になる
ことがなくコンパクトに納めることができる。

〔実施例〕

第８図ないし第１０図において、１は花器、２
は花材８が挿し込まれる花留め筒である。

花留め筒２は有底状のプラスチツク成形品から
なり、高さを異にする同径ものが多数本用意され
る。

第２図において、各花留め筒２の下端には筒径
よりも細い支持軸部２ａを有する。この支持軸部
２ａの周面にはリブ２ｂを縦方向に設けてある。

第２図において、３はプラスチツク製の円板形
支持台であり、第３図において、４は同じくプラ
スチツク製の鳩尾形支持台である。

円板形支持台３はこれの台本体３ａの上面に花
留め筒２の支持軸部２ａが嵌係合する筒保持部５
を所定の配列で凹設してある。鳩尾形支持台４に
も、その台本体４ａの上面に同一径、同一形状の
筒保持部６を凹設してある。

これら両支持台３，４は互いに継ぎ合わせ可能
である。その具体的な継ぎ合わせ手段としては、
第３図に示すごとく鳩尾形支持台４において、台
本体４ａの左右の凹んだ各円弧側面４ｂ，４ｂか
ら先端に上向き突起７，７を有する平板形状の継
合腕９，９をそれぞれ突設する。一方、第１図お
よび第２図に示すごとく円板形支持台３におい
て、台本体３ａの円周側面３ｂ上の底寄りに継合
溝１０，１０を相対向させて設ける。

そして、両支持台３，４を連結するに際して
は、第５図に示すごとく鳩尾形台本体４ａの円弧
側面４ｂに円板形台本体３ａの円周側面３ｂの一
部を合致させ、次に第６図に示すごとく継合溝１
０に継合腕９を嵌係合することにより、一組の円
板形支持台３，３が中間に鳩尾形支持台４をはさ
んだ状態で同一平面上にほぼ隙間なく継ぎ合わす
ことができるものとした。

例えば、第８図に示すような第１の花器１に、
または第９図に示すような第２の花器１に花を生
けるには、花器１の丸い口形状に合つた円板形支
持台３を主として用いる。このさい、その台本体
３ａは花器１の内底に水平に置き、所定の花態に
応じて所定高さの花留め筒２を所定本数だけその
筒保持部５に順に差し込み固定して行つて並べ立
てる。次に、各花留め筒２に花材８を順次挿し込
むことになる。

また、第１０図に示すような第３の花器１を用
いる場合は、花態に応じて２個一組の円板形支持
台３と１個の鳩尾形支持台４とを使う。即ち、花
器１の内底に一組の円板形支持台３，３を左右に
並べるとともに、その間に鳩尾形支持台４を配置
し、鳩尾形台本体４ａから突設した左右の継合腕
９，９を両隣りの円板形台本体３ａ，３ａの各継
合溝１０，１０にそれぞれ嵌め込み、これら台本
体３ａ，４ａどうしを継ぎ合わす。その後は前述
したと同じ要領で花留め筒２を各台本体３ａ，４
ａの筒保持部５，６に順次立ち並べて行つて所定
の花態に合つた配列状態にし、各花留め筒２の中
に花材８を挿し込むことになる。

〔別実施例〕

各支持台３，４の筒保持部５，６としては上記
の凹形状に代えて、第７図に示すごとく凸形状に
形成し、これに花留め筒２の下端を抜き差し可能
に差し込むようにしたものであつてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の構成部材である
花留め筒と、円板形支持台とを示しており、第１
図は円板形支持台に花留め筒を差し込んだ状態で
の縦断面図、第２図はそれらの斜視図である。第
３図および第４図は本考案の構成部材のひとつで
ある鳩尾形支持台を示しており、第３図は斜視
図、第４図はその縦断面図である。第５図は円板
形支持台と鳩尾形支持台とを組み合わせた状態で
の平面図、第６図は第５図における−線断面
図である。第７図は本考案の別実施例を示す縦断
面図である。第８図ないし第１０図はいずれも本
考案が対象とする花器にそれぞれ花を生けた使用
状態を例示す正面図である。 １……花器、２……花留め筒、３……円板形支
持台、３ａ……円板形支持台の台本体、３ｂ……
円板形支持台の円周側面、４……鳩尾形支持台、
４ａ……鳩尾形支持台の台本体、４ｂ……鳩尾形
支持台の円弧側面、５……円板形支持台の筒保持
部、６……鳩尾形支持台の筒保持部、８……花
材、９……継合腕、１０……継合溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 高さの異なる同径の多数本の花留め筒２と、 円板形の台本体３ａの上面に花留め筒２の下端
   が抜き差し自在に差し込み固定できるいくつかの
   筒保持部５を有し、花器１の中に出し入れされる
   一組の円板形支持台３と、 鳩尾形の台本体４ａの上面に花留め筒２の下端
   が抜き差し自在に差し込み固定できるいくつかの
   筒保持部６を有し、花器１の中に出し入れされる
   鳩尾形支持台４と、 円板形台本体３ａの円周側面３ｂには、対向位
   置に継合溝１０がそれぞれ設けられており、 鳩尾形台本体４ａの凹形状の両円弧側面４ｂに
   は、前記継合溝１０に抜き差し自在に嵌係合する
   継合腕９がそれぞれ突設されていることを特徴と
   する花留め装置。