JPS63297613A

JPS63297613A - 吊橋用ケ−ブルワイヤ

Info

Publication number: JPS63297613A
Application number: JP13204887A
Authority: JP
Inventors: 落合　憲二; 隆弘山根; 川口　康信; 宮川　祐行; 林　伊三男
Original assignee: Kobe Steel Ltd; Kuboko Paint Co Ltd
Current assignee: Kobe Steel Ltd; Kuboko Paint Co Ltd
Priority date: 1987-05-28
Filing date: 1987-05-28
Publication date: 1988-12-05

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は吊橋用ケーブルワイヤに関するもので、さらに
詳しくは、特に長大吊橋に使用する防錆処理、即ち、白
錆防止処理層を有する吊橋用ケーブルワイヤに関する。

［従来技術］現在、例えば、本州四国連絡橋の長大吊橋の建設が行な
われており、また、計画されているが、これらの長大吊
橋は殆ど海上橋であり、架設時にケーブル素線を順次引
き出して行くため、メインケーブルを完成させるまでに
１〜２年程度の時日が経過する。さらに、ケーブル完成
後にケーブル全体はワイヤラッピングや多層の塗装を施
し、防蝕に万全を期しているが、ここに至るまでに、即
ち、ケーブル素線の引き出しから架設工事中、さらに、
メインケーブルの防蝕工事までの３〜５年間ケーブル素
線は、海上に暴された状態に置かれている。

この間、１次防錆処理は不可欠であり、従来はクロム酸
系の処理が行なわれていたが、公害、環境破壊を引き起
こすので、このような公害を無くするために、タンニン
酸系被覆組成物（特公昭５５−０１８７８６号公報）、
水ガラス系被覆組成物（特公昭５５−０３０５９３号公
報）或いは何機＋無機複合型波頂組成物（特公昭６１−
０５５２８１号公報）等が使用されている。

しかし、タンニン酸系被覆組成物は倉庫内等の雨水に濡
れないような状態では比較的に防錆効果があるが、ケー
ブル架設工事中の屋外の情況では雨水に暴され、特に紫
外線に弱いので比較的短時間で白錆が発生するという問
題がある。

また、　　ガラス系被覆組成物では組成物中のカリウム
が水に溶解し易く、乾燥時に溶解したカリウムが再結晶
し、白化生成物を作り、これが白錆と見誤るという問題
がある。

また、￥″ｒａ＋無機複合型被覆組成物は有機ポリマー
の持つ造膜性、柔軟性の特性と無機ポリマーの持つ耐擦
傷性、１侯性の特性を併せ有するもので、特に長大吊橋
めっき鋼線の白錆防止処理として優れているが、ケーブ
ル素線を平行に束ねるストランド加工時やケーブル架設
工事中におけるケーブル引き出し時にローラー、ガイド
等に接触し、塗膜の一部が剥離するという問題が指摘さ
れている。

従って、吊橋の平行線ケーブル用素線は高い張力の鋼線
に充分厚い亜鉛めっきを施し、さらに、ケーブル架設工
事中に被覆層が脱落しない密着力と数年間の海上におけ
る潮風を含んだ屋外条件で亜鉛の腐蝕を防止できる防錆
力とを兼備した防錆被覆が要求されている。

［発明が解決しようとする問題点］本発明は上記に説明したような従来吊橋用の素線の防錆
処理被覆の種々の問題点に鑑み、本発明者が鋭意研究を
行ない、検討を重ねた結果、ケーブルの架設工事中に被
覆層が脱落しない密着力の優れた、屋外条件で少なくと
も数年間に亙って亜鉛の腐蝕を防止する被覆層を有する
吊橋用ケーブルワイヤを開発したのである。

［問題点を解決するための手段］本発明に係る吊橋用ケーブルワイヤの特徴とするところ
は、抗張力１６０　ｋｇｆ／ｍｍ！以上の硬鋼線に、付
着１３００ｇ／ｍ″以上の溶融亜鉛めっき層を設け、さ
らにその上にアクリル系有機合成樹脂９０〜９９ｗｔ％
、ＺｒＳｉＯ２１−１０ｗｔ％よりなる組成物層を付着
ｍ５〜１５ｇ／ｍ”設けたことにある。

本発明に係る吊橋用ケーブルワイヤについて、以下詳細
に説明する。

本発明に係る吊橋用ケーブルワイヤの構造は、第１図に
示すように、硬鋼線１の上に溶融亜鉛めっき層２を有し
、その上に、アクリル系有機合成樹脂とＺｒ５ｉＯｔと
の組成物３を有する二重構造の防錆被覆を設けたもので
ある。

本発明に係る吊橋用ケーブルワイヤの硬鋼線としては、
ＪＩＳ　　Ｇ３５０２（ピアノ線材）に規定されている
５ＷＲＳ７７Ｂ相当の線材を使用し、そして、この線材
を熱間圧延、熱処理、冷間伸線で所定の線径にした後、
最終的に１６０　ｋｇｆ／　ｍｍ”以上の抗張力、伸び
４．０％以上の特性を持たせたものである。

溶融亜鉛めっき層は、通常の手段で設けることができ、
付着量は３００ｇ／ｍ”以上とする必要があり、吊橋の
耐用年数を考慮すると３００ｇ／ｍ″未満の付Ｗｆｆｌ
では防蝕上不充分である。よって、亜鉛めっき付着量は
３００　ｇ／ｍ’以上とする。

アクリル系有機合成樹脂とＺｒ５ｉＯｔの組成物層につ
いては、先ず、アクリル系有機合成樹脂はこの組成物層
の主成分であり、被覆として形成された際には、亜鉛め
っき層との密着力を確保し、水分等の通過を抑制し、亜
鉛めっき表面への接触を防ぐ遮蔽膜の作用を行なうもの
である。これには、アクリル樹脂およびアクリル樹脂と
他の樹脂とを共重合させた物や混合した物を使用できる
。

他の樹脂としては、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、塩化
ビニリデン系、ブタジェン系、スチレン系、アクリロニ
トリロ系、エチレンイミド系、不飽和ポリエステル系、
アルキド系等の樹脂が使用できる。

しかして、このようなアクリル系有機合成樹脂単独では
、乾燥性、密着力、耐衝撃性や曲げ加工性が劣るので、
メラミン樹脂やブロックイソシアネート樹脂を架橋用樹
脂として併用することが有効である。

そして、アクリル系有機合成樹脂は９０ｗｔ％未満では
被膜の硬度が高くなり、亜鉛めっき層との密着力が低下
し、衝撃や曲げ加工に対し被膜の一部が脱落し易くなり
、結果として防錆力ら低下する。また、９９ｖｔ％を越
えると被膜中の無機質成分が少なくなり、被膜の硬度が
劣り、被膜の耐擦偏性が劣り、ワイヤ表面が擦られる可
能性の高い吊橋用ケーブルワイヤに使用するには不適当
となる。また、長期間の防錆を得るためには膜厚をＩＯ
μｍ程度は必要である。

また、Ｚｒ５ｉＯｔを含有させるのは、主として形成さ
れる被膜の防錆ツノ向上と適度の被膜硬度を確保するた
めであり、Ｓ　Ｉ　Ｏｔのみの無機質分単独では被膜層
の耐擦傷性に劣り、Ｚｒを含有することにより耐蝕性と
亜鉛めっき表面との密着力とを共に向上できるものであ
る。そして、Ｚ　ｒ　Ｓ　ｉＯｔが１ｗｔ％未満では形
成される被膜の硬度が低下し、耐擦傷性が劣り、結果と
してケーブル架設後の防錆力を低下させることになり、
また、１０ｗｔ％を越えると形成される被膜自体が脆く
なり、被膜の密着性を低下させ、さらには高価となる。

そして、アクリル系有機合成樹脂とＺｒ５ｉＯｔの組成
物層を硬鋼線の亜鉛めっき層の上に形成する場合には、
この組成物を２０〜３０％になるような水溶液とするの
がよく、この濃度が２０％未満では一回の塗布で所定の
被膜量を得ることば困難であり、また、３０％を越える
と水溶液の安定性が劣り作業性が悪くなる。

このような組成物の水溶液を硬ｇ４線の亜鉛めっき届の
上に塗布し、加熱乾燥すると透明に近い光沢のあろ被膜
を形成することができる。

本発明に係る吊橋用ケーブルは亜鉛めっき層の防蝕を目
的としたものであり、一部にでも無処理部があってはな
らないので、処理被膜の存在が目視することができるの
が良く、従って、上記アクリル系有機合成樹脂とＺｒ５
ｉＯｔの組成物溶液に適当な顔料を少量添加して被膜を
着色するのが好ましく、このような顔料としては一般に
使用されている各種の顔料で、添加量は被膜が着色され
る程度で、できるだけ少量に抑えるのがよく、多量に添
加すると被膜の耐蝕性に悪影響をおよぼす。

このアクリル系有機合成樹脂とＺｒ５ｉＯ，の組成物溶
液は、硬鋼線の亜鉛めっき層の上に塗布、乾燥し、５〜
１５ｇ／ｍ″の付着量とする。

この付′ｒＪｍが５ｇ／ｍ”未満ではケーブル索線間の
摩擦疵やケーブル架設工事中の当たり疵等で被膜がＩｆ
！ｉ傷し、充分な防錆性能を発揮することができず、ま
た、付着量と防錆能力は比例して増加するが、この防錆
被膜のケーブル防蝕被覆の亜鉛めっき層の防蝕作用を行
なわせるためには、１５ｇ／ｍ′で充分であり、１５ｇ
／ｍ”を越えると密着ツノの低下を招来し、素線径が大
きくなりケーブル全体の径にも影響を与える。

次に、本発明に係る吊橋用ケーブルワイヤの製造方法の
１例を説明すると、先ず、硬鋼線に亜鉛めっきを施し、
脱脂、中和、水洗、ブラッシング等により表面を清浄に
した後、アクリル系有機合成樹脂とＺｒ５ｉＯｔ組成物
の水溶液をスプレー、浸漬またはフローコートで塗布し
、速やかに温度が２００〜４００℃の雰囲気で乾燥する
。因に、被膜の温度は１７０〜２２０℃まで上昇させる
のがよい。

［実　施　例］本発明に係る吊橋用ケーブルワイヤの実施例を説明する
。

実施例５＋ｎｍφの硬鋼線（ＪＩＳ　　ＳＷＩ’ｔＳ７７［３
）に溶融亜鉛めっきを３５０ｇ／ｍ”の付着量にめっき
を行ない、第１表に示すそれぞれの組成物を塗布（浸漬
、フローコート等）し、乾燥して第１表に示す防錆被膜
を設けた。

第１表に防錆被膜の特性を示す。なお、第１表において
Ｎ００１〜Ｎｏ、３、Ｎｏ、７は比較例、Ｎｏ。

４〜Ｎｏ、６は本発明に係る吊橋用ケーブルワイヤであ
る。

第１表の防錆被膜の特性は、次の方法により評価した。

・防錆被膜の密着性試験Ｒ＝５ｍｍのコーナーに沿って試験線を曲げ、その曲げ
部分に枯骨セロファンテープを貼り密着さ仕た後剥離し
、防錆被膜の剥離面積を」、１べた。

Ｏ・・・被膜の剥離がない。

△・・・１〜５％の被膜剥離がある。

×・・・５％以上の被膜剥離がある。

・防錆被膜の耐蝕性試験（ＪＩＳ　　Ｚ２３７１）塩水噴霧試験と湿潤試験によ
る。

Ｏ・・・白錆発生なし。

△・・・１〜ｌＯ％の白錆発生。

×・・・１０％以上の白錆発生。

［発明の効果］以上説明したように、本発明に係る吊橋用ケーブルワイ
ヤは上記の構成であるから、長大吊橋に使用するケーブ
ルの鋼線の白錆発生を防止することができるという優れ
た効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る吊橋用ケーブルの概略断面図であ
る。１・・硬鋼線、２・・溶融亜鉛めっき層、３・・アクリ
ル系有機合成樹脂＋Ｚｒ５ｉＯｔ組成物層。才１図

Claims

【特許請求の範囲】

抗張力１６０ｋｇｆ／ｍｍ＾２以上の硬鋼線に、付着量
３００ｇ／ｍ＾２以上の溶融亜鉛めっき層を設け、さら
にその上にアクリル系有機合成樹脂９０〜９９ｗｔ％、
ＺｒＳｉＯ＿２１〜１０ｗｔ％よりなる組成物層を付着
量５〜１５ｇ／ｍ＾２設けたことを特徴とする吊橋用ケ
ーブルワイヤ。