JPS6329607B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、左右の竪ロールのロール周速度を変
えてエツジングを行い、左右ロールにおける圧延
速度の差を利用して材料のキヤンバーを修正する
ようにしたエツジヤーによるキヤンバー修正方法
に関する。

従来行われてきた圧延材料のキヤンバー修正方
法としては、水平圧延により生じたキヤンバー量
を測定し、この測定量に基いて次回の水平圧延
パスにおける左右ロールのギヤツプを調整する方
法（レベリング調整）、次回の水平圧延パスに
おける噛込み位置をサイドガイドで調整する方
法、ロールベンデイング量の調整により端伸
び、あるいは中伸びを生じさせる方法などがあ
る。

しかし前述の第１の方法は、ギヤツプ調整量が
約100ミクロン以下であり、一般に左右圧下スク
リユーのクラツチ噛合を行うため、ギヤツプ調整
量が段階的（例えば30，60，90ミクロン）となり
且つ調整に時間がかゝつた。また左右のロールギ
ヤツプを変えて圧延するため圧延後の板厚が左右
で異なる結果となり歩留の低下を招く。また第２
の方法は、噛込位置を変えるだけでは修正効果が
極めて少なく、且つサイドガイドの設定に熟練を
要し時間もかゝつた。また第３の方法は、本来ロ
ールベンデイングが板クラウンを一定の形状以内
に治めることを目的としているため、圧延途中で
板クラウンが変化するとその後の板形状が不良と
なり易く実用に供し得ない。また第１の方法と同
様板厚の左右偏差を生じ歩留低下となる、などの
欠点があつた。

本発明は、従来のキヤンバー修正方法における
欠点を解消するためになしたもので、エツジヤー
の左右の竪ロールのロール周速度を変え、異周速
圧延することを特徴とするエツジヤーによるキヤ
ンバー修正方法に係わるものであり、従来の方法
における左右板厚偏差の発生、板クラウンの比率
の変更などに煩わされることなく、容易に材料の
キヤンバーの修正を行い得、また水平圧延を組み
合わせることにより、板形状の良好なキヤンバー
のない圧板板を得ることができるなどの利点を有
するものである。

以下本発明の原理を説明し、次いで実施例を図
面を参照しつゝ説明する。第１図に示すごとく、
エツジヤーの左右の竪ロール１，２に異なるロー
ル周速度v₁，v₂（但しv₁＞v₂）を与えて真直な材
料３を矢印ａ方向に圧延すると、材料３は破線で
示すごとくv₂側（低速側）にわん曲して出てく
る。従つて第２図に破線で示すようにエツジヤー
入側にキヤンバー（横曲り）のある材料４を、異
なるロール周速度v₁，v₂（但しv₁＞v₂）を有する
竪ロール１，２により異周速圧延すると、材料４
は低速のロール２側へキヤンバーを生じて入側形
状を修正し、出側では真直な材料がでてくる。

本発明は前述の圧延現象を利用して材料のキヤ
ンバー（横曲り）を修正するものであるが、異周
速圧延時に従来の等周速圧延の場合と同様、第３
図に示すドツグボーン５，６を発生する。従つて
矩形断面の製品を得るためには異周速圧延後に水
平圧延を行うが、異周速圧延により発生するドツ
グボーン量は材料４の左右端で異なるので、この
材料を水平圧延して矩形の断面形状を得た場合、
左右の伸び量が異なり再びキヤンバーを発生する
結果となる。従つて異周速圧延の際は、水平圧延
後のキヤンバー量がゼロ、或いは目標値になるよ
うにキヤンバーの修正量を設定し、これに見合つ
たロール周速差を付与する。キヤンバーのない矩
形断面の材料を得るための一般的なプロセスを第
４図に示す。すなわち、まず最初にキヤンバー量
を検出し７、次いでエツジヤーの左右ロールの周
速差演算し８、次いでエツジヤーによる異周速圧
延を行い９、最後に水平圧延を行う１０。

しかし本発明の主旨は第４図のプロセスの全て
を必要とするものではなく、中心的技術はエツジ
ングの際に左右のロール間に周速差を付与して異
周速圧延を行うことにより材料のキヤンバーを修
正する点にある。

またエツジヤーの異周速圧延においては、材料
の長手方向のキヤンバーの分布状態に応じてロー
ル周速を変更、あるいは等速にするなどは当然で
ある。すなわち先端のみ横曲りしている場合
は、その部分のみ異周速圧延しそれ以外は等速圧
延する、材料全体が同一の曲率で横曲りしてい
る場合は、異周速度固定圧延をする、曲率が異
なる場合は、曲率に対応してそれぞれ周速度の差
を変更するなどである。すなわちキヤンバー量に
対応してロール周速差を設定すればよいので、き
めの細かい修正を連続的に行うことができ、圧延
作業の生産性を向上させることができる。

次に本発明の実施例を第５図ないし第７図に示
す。第５図は竪ロール１，２を用いて材料４を矢
印ａ方向にエツジングした後、水平ロール１１，
１２を用いて水平圧延するもので、ホツトストリ
ツプ・ミルなどに最適であり、リバース圧延する
厚板ミルの圧延パスの一部としても適用できる。

第６図は水平ロール１１，１２を用いて材料４
を矢印ａ方向に水平圧延後、竪ロール１，２を用
いてエツジングするもので、リバース圧延する厚
板ミルに最適である。エツジングと水平圧延の順
序については、一般的にはエツジングをした後に
水平圧延に噛み込ませた方が良く、水平圧延後エ
ツジヤーに噛み込ませる場合は噛み込み不良を生
じ易い傾向がある。従つてこの場合は、竪ロール
開度を必要開度より大き目にセツトし、噛み込後
閉め込むか、あるいは竪ロール開度を必要開度に
設定したまゝエツジヤーの中心を移動するなどの
工夫が必要である。

第７図は、第５図と第６図の配置を組み合わせ
たもので、２組の竪ロール１，２，１３，１４の
間に水平ロール１１，１２を配置したものであ
る。この配置はリバース圧延する厚板ミルに適用
すると便利である。

なお本発明は前述の実施例にのみ限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更を加え得ることは勿論である。

本発明のエツジヤーによるキヤンバー修正方法
は前述の構成を有するので、次の優れた効果を発
揮する。

(i) 左右の竪ロールのロール周速度を変え、異周
速圧延を行うので、従来の左右ギヤツプ調整方
法における左右板厚偏差の発生、またロールベ
ンデイング調整方法における板クラウン比率の
変更などに煩わされることなく、容易にキヤン
バーの修正ができ、板形状の良好なキヤンバー
のない材料を得るとができる。

(ii) キヤンバー量に対応してきめの細かいキヤン
バー修正が可能であり、キヤンバー修正量の設
定を連続的に行うことができるので、生産性が
高い。

(iii) 異周速圧延と水平圧延とを組み合わせること
により、キヤンバーの修正と板の平面形状の矩
形化とを同時に行うことができるので、サイド
クロツプ、エンドクロツプの損失を減少させる
ことができる。従つて圧延作業の歩留りを向上
させ省エネルギ、省資源に貢献することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明の原理を示す説明
図、第３図はドツグボーンの発生状況を示す説明
図、第４図はキヤンバーのない矩形断面材料を得
るための一般的なプロセスを示すブロツク図、第
５図ないし第７図は本発明の方法を適用した装置
の実施例を示す平面図である。 図中、１，２，１３，１４は竪ロール、４はキ
ヤンバーのある材料、１１，１２は水平ロール、
v₁，v₂はロール周速度である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ エツジヤーの左右の竪ロールのロール周速度
   を変え、異周速圧延することを特徴とするエツジ
   ヤーによるキヤンバー修正方法。 ２ エツジヤーの左右の竪ロールに、材料のキヤ
   ンバー量に基いて設定したロール周速差を付与し
   てエツジングを行い、次いで水平圧延することを
   特徴とするエツジヤーによるキヤンバー修正方
   法。