JPS63295780A - ゴム補強用スチ−ルワイヤ複合コ−ド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、軽量で、かつスチールワイヤの優れた剪断強
度を保有し、改良された複合特性を示すゴム補強用スチ
ールワイヤ複合コードに関する。

〔従来の技術〕

従来、直径約０．１５〜０．４０ｍｍ程度にまで、高度
に伸線加工された高炭素鋼線を、適宜その素線径、素線
数、撚りピッチなどを選択して撚り合わせることによっ
て得られるスチールワイヤまたはスチール繊維コード等
（以下、スチールワイヤと総称する）をゴムの補強材と
して使用したコードは、工業用ベルトやタイヤなどに広
く使用されている。

このスチールワイヤは、非金属繊維、たとえば炭素繊維
、アラミド繊維、全芳香族ポリエステル系繊維などに比
較して、曲げ剛性や剪断力に優れており、強い曲げおよ
び圧縮変形を繰り返し受ける工業用ベルトやタイヤなど
の製品の性能を著しく向上させる。しかしこのスチール
ワイヤは、本質的に比重が大きく、工業用ベルトやタイ
ヤなどの製品の重さを大きくする欠点があり、たとえば
高速化や省エネルギーなどの要求に対して不利であった
。

特開昭５８−１９４６０４号公報には、ポリアミドやポ
リエステルなどの合成繊維モノフィラメントを芯とし、
その外周に３〜５本のスチールワイヤに配置した複合コ
ードが提案されているが、この提案は、芯材として設け
た上記有機モノフィラントの緩衝性によって、スチール
ワイヤの結節強度を改善しようとするものである。しか
しながら、上記ポリアミドやポリエステルなどの合成繊
維モノフィラメントは、引張強度、弾性率がスチールワ
イヤに比べてはるかに小さく、ゴム補強剤としての機能
は殆ど期待することができず、材料の軽量化に役立つも
のではない。

また特開昭６０−１２４５０６号公報には、複撚り構造
の芯ストランド部に炭素繊維からなるコアを配置し、外
側がスチールワイヤからなる補強コードが提案されてい
る。しかし、この補強コードは、スチールワイヤ相互間
のフレッティング摩耗を炭素繊維、すなわちグラファイ
トとしての潤滑作用によって防止しようとするもので、
コードの複撚り構造に特徴があり、コードに占める炭素
繊維の量は極めて少ない。また、ワイヤーストランドの
凹凸が芯材の炭素繊維を局部的に変形させるため、応力
集中が起こり易く、芯材の耐久性が低下し、この炭素繊
維をゴム補強のために利用したものではなかった。

すなわち、これらの従来の非金属繊維をスチールワイヤ
と併用したゴム補強用コードはいずれも、スチールワイ
ヤの優れた力学的性質をそのまま維持１発揮せしめると
共に、軽量化を図ることを意図して、非金属繊維を利用
しようとするものではなかった。ましてや、非金属繊維
をスチールワイヤと複合一体化し、非金属繊維の強度特
性をも同時にゴム補強用スチールワイヤ複合コード（以
下、ゴム補強用コードと云う）に反映させようとするも
のではなかった。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、スチールワイヤの優れた力学的性質を
そのまま維持、発揮せしめ、かつ高強度の非金属繊維と
スチールワイヤとの強度物性が複合一体化した、軽量で
、改良された補強特性を示すゴム補強用コードを提供す
るにある。

〔発明の構成〕

このような本発明の目的は、３．０以下の比重、７．０
００〜３１，０００　Ｋｇｆ／鵡請２の引張弾性率およ
び１゜２〜４．２ｚの破断伸度を有する非金属、高強度
繊維を芯材とし、この芯材の外周にスチールワイヤが体
積分率で当該複合コードの０．２５〜０．７２の範囲内
を占めるように層状に配置してなるゴム補強用コードに
よって達成することができる。

本発明に使用するスチールワイヤは、金属間化合物のＦ
ｅ、Ｃが繊維軸方向に配向、配列して繊維軸方向に高い
強度を発現すると同時に、これと垂直な方向にはフェラ
イト相の金属結合に起因する高い強度を発現し、非金属
繊維に比較して高度の曲げおよび圧縮変形に対する強度
（剪断強度）を示す繊維である。

本発明のゴム補強用コードは、その外側にスチールワイ
ヤを層状に配置することによって、該ゴム補強用コード
に曲げおよび／または圧縮変形が加えられたときに高い
強度を発現させ、該ゴム補強用コードの芯部に高強度、
高弾性率の非金属繊維を配置することによって、該ゴム
補強用コードの軽量化を図った複合構造を存する。

そして、本発明のゴム補強用コードを構成する高強度非
金属繊維は、その比重が３．０以下であることが必要で
あり、比重が３．０を越える繊維を使用すると、本発明
の目的とする、スチールワイヤの優れた力学的性質を維
持、保有しながら、ゴム補強用コードの軽量化を図るこ
とが困難になる。

また、該非金属繊維は、その引張弾性率が７．０００〜
３１，０００　Ｋｇｆ／ｍｍｚ、好ましくハ９ｏｏｏ〜
２５．０００　Ｋｇｆ／ｍｍｚ（Ｄ範Ｗ内Ｔ：、破！伸
度カ１．２〜４．２χ、好ましくは１．７〜３．０χの
範囲内であることが必要である。すなわち、非金属繊維
の引張弾性率が７，０００　Ｋｇｆ／ｖｌｌ麟２よりも
小さくなると、スチールワイヤの優れた物性、たとえば
剛性をゴム補強用コードに反映させ難くなるし、３１．
０００Ｋｇｆ／ｆｆ１ｆｆｌ！ヨリモ大キクナルト、芯
材トシての靭性が低下し、得られるゴム補強用コードが
曲げ変形に対して折れ易くなるので好ましくない。また
、破断伸度が１．２％よりも小さくなると、ゴム補強用
コード全体を変形させた場合に、芯材が先行して破断し
、非金属繊維からなる芯材とスチールワイヤとの複合構
造特性が有効に発揮されなくなるし、４．２χを越える
と、スチールワイヤの破断が先行し、同様に芯材とスチ
ールワイヤとの複合構造特性が有効に発揮されなくなる
から好ましくない。

換言すると、芯材を構成する非金属繊維の引張弾性率と
破断伸度が前記の範囲外になると、本発明のゴム補強用
コードを構成する芯材の高強度非金属繊維とその外側に
設置したスチールコードとの応力−歪曲特性のズレが著
しくなり、複合構造としたメリットが発揮され難くなる
のである。

上記引張弾性率および破断伸度を満足する高強度非金属
繊維としては、アクリル（ＰＡＮ）系炭素繊維、アラミ
ド繊維、全芳香族ポリエステル系繊維を例示することが
でき、これらの繊維は樹脂を含浸したものであってもよ
い。

本発明のゴム補強用コードに占めるスチールワイヤ素線
は、体積分率（Ｖｆ）　１？　０．２５〜０．７２、好
ましくは０．３０〜０．６４の範囲内であることが必要
である。スチールワイヤの占める体積分率（Ｖｆ）が０
．２よりも小さくなると、本発明のゴム補強用コードの
断面形状を円形形状にした場合、その外周にスチールワ
イヤを隙間なく配列するための、多数本のスチールワイ
ヤを必要とし、該スチールワイヤ素線か細くなればなる
ほど製作が困難になり、かつコストアンプが大きくなる
し、他方、０．７２を越えると、ゴム補強用コードの軽
量化が困難になるから好ましくない。

本発明のゴム補強用コードの断面形状を図１に示す。図
中、１はプラスメッキされたスチールワイヤであり、２
は非金属高強力繊維またはこれに樹脂を含浸したもので
、２の周りに１が層状（単Ｎ）に並べられている。コー
ドの形状は、実質的に円形である（真円である必要はな
いが）ことが好ましい。コードの外周に層状に配置され
るスチールワイヤは、線径が０．１０〜０゜４　ｍｍの
フィラメントを５〜３０本、好ましくは８〜２７本用い
て構成するのがよい。

本発明のゴム補強用コードを構成するゴムとしては、公
知の各種ゴムおよびその配合物が使用され、特に限定さ
れるものではない。

〔実施例〕

以下、実施例および比較例により、本発明の効果につい
て、具体的に説明する。

実施例１〜５、比較例１〜２ ゴム補強用コードを構成する芯材として、表１に示した
種類、トークルデニール（ｄ）、比重、弾性率（Ｋｇｆ
／ｍｍ”）　、破断強度（Ｋｇｆ）　、破断伸度（Ｘ）
を有する有する高強度非金属繊維を用い、また、該芯材
の外周に配置するスチールワイヤとして、同じく表１に
示す素線径（ｍｍ）、素線数（木）、体積分率（χ）、
弾性率（Ｋｇｆ／１ＩＩＩＩＩｚ）、破断強度（Ｋｇｆ
）　、破断伸度（Ｘ）を有するスチールワイヤを使用し
、それぞれゴム補強用コードを作成した。

なお、実施例および比較例会てにおいて、次の組成、す
なわち、天然ゴム１００重量部、カーボンブラック　（
）ＩＡＦ）　５０重量部、亜鉛華８．０重量部、アロマ
チックオイル４．０ｍ１部、硫黄６゜０重量部、ナフテ
ン酸コバルト２．０重量部、加硫促進剤（ＯＢＳ）　０
．８重量部を有する同一のゴム配合物を使用した。

これらのゴム補強用コードについて、破断強度（Ｋｇｆ
）　、破断伸び（χ）、強力利用率（χ）、スチールワ
イヤ単独で補強した同一強度を有するコードに対する重
量比（χ）を測定し、表１に示す結果を得た。

また、図２に実施例１　（曲ＮＩＡ１）と比較例１（曲
線２）のゴム補強用コードの応力−歪曲線図をそれぞれ
対比して示した。

なお、実施例１の芯材は樹脂含浸炭素繊維であり、スチ
ールワイヤの撚りピッチは１４ｍｍである。実施例３の
スチールワイヤは、コードの撚り安定性を増加させるた
めにラッピングワイヤを施した。

ゴム補強用コードの破断強度は、多段切れした場合（比
較例１〜２）は、その最高強度の値を表示した。また、
コード破断伸度は、すべての繊維が破断した時点の伸度
を示す。

図に示すように、比較例１のゴム補強用コードは、スチ
ールワイヤと芯材のアラミド繊維が別々に破断し、まず
スチールワイヤが破断した後にアラミド繊維が破断する
二段切れを生じており、複合化していないことを示し、
最高強度も８５　Ｋｇｆに過ぎなかった。これに対して
、実施例１のゴム補強用コードは、二段切れは全く認め
られず、スチールワイヤと芯材の非金属繊維は一体に複
合化しており、強度も１５０　Ｋｇｆで、２倍近いこと
が判る。

そして、実施例２〜５のゴム補強用コードは、図の実施
例１の応カー歪み曲線１と同様のカーブになったが、比
較例２は、図の比較例１の応カー歪み曲線２と同様のカ
ーブとなり、二段切れの破断を生じた。

比較例３は１８００ｄの炭素繊維の周囲に、１×４　Ｘ
ｏ、１５構造のワイヤストランドを配置したものである
が、体積分率が高く、かつ同一強度でのワイヤとの重量
卵入きく、軽量化には硬化が小さい。

〔発明の効果〕

本発明になるゴム補強用コードは、芯材として、特定の
物性を有する非金属繊維を使用することによって、スチ
ールワイヤ単独を補強繊維とするゴム補強用コードと同
等の性能を維持し、しかもコード単体で、同一強度で対
比して、約３０〜４０χもの軽量化をはかることができ
る。

しかも図に示した応カー歪み曲線（Ｓ−Ｓカーブ）から
判る通り、芯材の非金属繊維とスチールワイヤは、一体
に複合化した構造を形成している。

したがって、本発明のゴム補強用コードと同様に、タイ
ヤやベノ（トまたは航空機等ｑプ春補−強用としての用
途にはもちろんのこと、その他の多くの用途に展開し、
用途の拡大を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図１は本発明のゴム補強用スチールワイヤ複合コードの
１例を示す模式断面図、図２は本発明の１実施例によっ
て得られたゴム補強用スチールワイヤ複合コードと従来
のゴム補強用スチールコードの応カー歪み曲線を示す図
である。 １・・・スチールワイヤ、２・・・非金属高強力繊維ま
たはそれに樹脂を含浸したもの、曲線１・・・本発明の
ゴム補強用スチールワイヤ複合コードの応カー歪み曲線
、曲線２・・・従来のゴム補強用スチールコードの応カ
ー歪み曲線。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. ３．０以下の比重、７，０００〜３１，０００Ｋｇｆ／
   ｍｍ＾２の引張弾性率および１．２〜４．２％の破断伸
   度を有する非金属、高強度繊維を芯材とし、この芯材の
   外周に体積分率で当該複合コードの０．２５〜０．７２
   の範囲内を占める量のスチールワイヤを層状に配置して
   なるゴム補強用スチールワイヤ複合コード。