JP3118958B2 - ゴム物品補強用複合コード - Google Patents
ゴム物品補強用複合コードInfo
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- Mechanical Engineering (AREA)
- Textile Engineering (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種乗物用タイヤやコ
ンベアベルトなどゴム物品の補強のためにゴム中に埋設
して用いられるコード、中でも有機繊維コードと金属フ
ィラメントを組合わせて成る複合コードに関する。
ンベアベルトなどゴム物品の補強のためにゴム中に埋設
して用いられるコード、中でも有機繊維コードと金属フ
ィラメントを組合わせて成る複合コードに関する。
【0002】
【従来の技術】乗物用タイヤの中でも自動車用タイヤ
は、高速耐久性、操縦安定性、省燃費性等の観点から現
在では金属、ナイロン、ポリエステルなどのコードを主
たる補強材にしたラジアルタイヤが広く普及してきてい
る。ここで用いられる金属コードは、炭素を0.65〜
0.85%含有するピアノ線材(JIS G3502)
を素材にして直径1〜2mm前後でその表面にブラス(C
u−Zn)めっきを施し、その後、0.1〜0.4mm径
まで伸線加工して得られる引張り強さが250〜340
Kgf/mm2 のフィラメントを数乃至数十本撚り合わせて製
造される。なお、ブラスめっき層は、ゴムとの接着性を
良くする目的で設けられる。
は、高速耐久性、操縦安定性、省燃費性等の観点から現
在では金属、ナイロン、ポリエステルなどのコードを主
たる補強材にしたラジアルタイヤが広く普及してきてい
る。ここで用いられる金属コードは、炭素を0.65〜
0.85%含有するピアノ線材(JIS G3502)
を素材にして直径1〜2mm前後でその表面にブラス(C
u−Zn)めっきを施し、その後、0.1〜0.4mm径
まで伸線加工して得られる引張り強さが250〜340
Kgf/mm2 のフィラメントを数乃至数十本撚り合わせて製
造される。なお、ブラスめっき層は、ゴムとの接着性を
良くする目的で設けられる。
【0003】一方、乗物用タイヤの中でも航空機用タイ
ヤや二輪車用タイヤは、弾性変形能がよく、柔軟性に富
むことが要求されることから、ナイロンコードやケブラ
ー(デュポン社製商品名)コードなどによる補強を行っ
ており、金属コードや金属フィラメントを使用するには
至っていなかった。
ヤや二輪車用タイヤは、弾性変形能がよく、柔軟性に富
むことが要求されることから、ナイロンコードやケブラ
ー(デュポン社製商品名)コードなどによる補強を行っ
ており、金属コードや金属フィラメントを使用するには
至っていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば、航空機用のタ
イヤは、繰り返し離着陸時の衝撃緩和のために弾性変形
能に富み、衝撃吸収能のあるナイロンコードを使ってい
る。このナイロンコードは、タイヤのトレッド直下にラ
ジアル方向に添い巻きされているが、タイヤが回転中に
石ころ等の異物を踏みつけた場合、その異物が鋭利であ
るとトレッドゴムを突ききってナイロンコードに達し、
これを傷付け破断に至らしめることがあり、このため
に、タイヤそのものには勿論のこと、ナイロンコードに
も耐カット性能の向上が求められていた。また、ナイロ
ンコードやケブラーコードがベルト補強に多用されてい
る二輪車用タイヤの場合、近年、その大型化、高速使用
の指向により、従来この種タイヤに要求されてきた性能
以外に、耐久性の向上やベルト部の剛性向上が求められ
出している。
イヤは、繰り返し離着陸時の衝撃緩和のために弾性変形
能に富み、衝撃吸収能のあるナイロンコードを使ってい
る。このナイロンコードは、タイヤのトレッド直下にラ
ジアル方向に添い巻きされているが、タイヤが回転中に
石ころ等の異物を踏みつけた場合、その異物が鋭利であ
るとトレッドゴムを突ききってナイロンコードに達し、
これを傷付け破断に至らしめることがあり、このため
に、タイヤそのものには勿論のこと、ナイロンコードに
も耐カット性能の向上が求められていた。また、ナイロ
ンコードやケブラーコードがベルト補強に多用されてい
る二輪車用タイヤの場合、近年、その大型化、高速使用
の指向により、従来この種タイヤに要求されてきた性能
以外に、耐久性の向上やベルト部の剛性向上が求められ
出している。
【0005】なお、ベルト補強用コードにも従来求めら
れてきた高伸長特性に加えて耐カット性及び剛性の向上
が求められている。
れてきた高伸長特性に加えて耐カット性及び剛性の向上
が求められている。
【0006】この耐カット性、耐久性、剛性の向上の要
求に対しては、ゴム複合体としての構成要素の組合せの
妙で対応するか、構成要素そのものの性能向上を目ざす
しかない。後者の観点から言えば、例えばナイロンコー
ドに本来の性質を消失させずに耐カット性や剛性を付与
しなければならない。
求に対しては、ゴム複合体としての構成要素の組合せの
妙で対応するか、構成要素そのものの性能向上を目ざす
しかない。後者の観点から言えば、例えばナイロンコー
ドに本来の性質を消失させずに耐カット性や剛性を付与
しなければならない。
【0007】そこで、本発明者等はその要求に応えるべ
く、実開平1−173195号公報に示される如きコー
ド、即ち、有機繊維コードの外周にブラスめっき金属フ
ィラメントを螺旋状に一層以上巻付けた構造の複合コー
ドを考え出した。
く、実開平1−173195号公報に示される如きコー
ド、即ち、有機繊維コードの外周にブラスめっき金属フ
ィラメントを螺旋状に一層以上巻付けた構造の複合コー
ドを考え出した。
【0008】また、類似のコードとして、USP4、3
43、343には、高伸長性の有機繊維をコアとし、そ
の周りに強固な非伸長性の撚り糸を一本以上同方向に同
一ピッチで巻付けた複合コードが示されている。
43、343には、高伸長性の有機繊維をコアとし、そ
の周りに強固な非伸長性の撚り糸を一本以上同方向に同
一ピッチで巻付けた複合コードが示されている。
【0009】本出願人が実開平1−173195号で提
案している複合コードは、鎧装の金属フィラメントが有
機繊維コードを保護して耐カット性を高めるが、条件の
厳しい用途に使用するものは、金属フィラメントの巻付
け層数を増やして有機繊維コード表面の金属フィラメン
トによる被覆率を高めなければならない。ところが、巻
付け層数が多くなるとコード径が増大し、タイヤ中での
配列ピッチの拡大、タイヤゴム厚の増大等の問題を招く
ことからむやみに巻き付け層数を増やすことはできず、
従って、高被覆率が要求される場合には、その使用が制
限されることがあった。
案している複合コードは、鎧装の金属フィラメントが有
機繊維コードを保護して耐カット性を高めるが、条件の
厳しい用途に使用するものは、金属フィラメントの巻付
け層数を増やして有機繊維コード表面の金属フィラメン
トによる被覆率を高めなければならない。ところが、巻
付け層数が多くなるとコード径が増大し、タイヤ中での
配列ピッチの拡大、タイヤゴム厚の増大等の問題を招く
ことからむやみに巻き付け層数を増やすことはできず、
従って、高被覆率が要求される場合には、その使用が制
限されることがあった。
【0010】なお、USP4、343、343に示され
る複合コードは、周囲の撚り糸を金属フィラメントに置
き換えると耐カット性の改善効果が得られるが、この複
合コードは、周囲の撚り糸を金属フィラメントに変える
とこのフィラメントの残留歪みにより強烈な捩れぐせが
ついて使いものにならない。
る複合コードは、周囲の撚り糸を金属フィラメントに置
き換えると耐カット性の改善効果が得られるが、この複
合コードは、周囲の撚り糸を金属フィラメントに変える
とこのフィラメントの残留歪みにより強烈な捩れぐせが
ついて使いものにならない。
【0011】そこで、本発明は、捩りぐせを生じさせず
に、また、コード径を極端に増大させずに、金属フィラ
メントによる有機繊維コードの被覆率を高めて厳しい使
用条件に対応できるようにした複合コードを提供するこ
とを目的としている。
に、また、コード径を極端に増大させずに、金属フィラ
メントによる有機繊維コードの被覆率を高めて厳しい使
用条件に対応できるようにした複合コードを提供するこ
とを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、有機繊維コードの外周に、一層当り複数
本の金属フィラメントを、下層と上層の巻き方向を逆に
して二重に螺旋状に連続して巻付けるコード構成を採用
する。また、金属フィラメントの直径を0.12〜0.
25mmとし、かつ、上層の金属フィラメントを下層の金
属フィラメントよりも細径にする。
達成するため、有機繊維コードの外周に、一層当り複数
本の金属フィラメントを、下層と上層の巻き方向を逆に
して二重に螺旋状に連続して巻付けるコード構成を採用
する。また、金属フィラメントの直径を0.12〜0.
25mmとし、かつ、上層の金属フィラメントを下層の金
属フィラメントよりも細径にする。
【0013】このゴム物品補強用複合コードは、有機繊
維コード径が0.5〜1.0mmで、金属フィラメントの
巻付けピッチを0.4〜2.0mmとし、かつ、上層の巻
付けピッチを下層の巻付けピッチの1.0〜5.0倍に
したものしたものが好ましい。
維コード径が0.5〜1.0mmで、金属フィラメントの
巻付けピッチを0.4〜2.0mmとし、かつ、上層の巻
付けピッチを下層の巻付けピッチの1.0〜5.0倍に
したものしたものが好ましい。
【0014】
【作用】金属フィラメントは破断伸びが約1〜2%と低
い。しかし、この金属フィラメントを有機繊維コードの
外周に螺旋状に巻いて複合コードの単位長さに対する金
属フィラメントの実長比を大きくすれば、中心の有機繊
維コードが破断伸び15%前後のナイロンコード等であ
っても、その伸び特性を損わずに金属フィラメントによ
る鎧装効果を生じさせることができる。前途の公開公報
に示される本出願人提案の複合コードは、このことによ
って耐カット性や剛性を高めたが、金属フィラメントの
巻付け層数の増加なしでは有機繊維コードの被覆率が高
まらない。そこで、本発明では一層当りの金属フィラメ
ント数を複数本にしてこの問題を解決した。
い。しかし、この金属フィラメントを有機繊維コードの
外周に螺旋状に巻いて複合コードの単位長さに対する金
属フィラメントの実長比を大きくすれば、中心の有機繊
維コードが破断伸び15%前後のナイロンコード等であ
っても、その伸び特性を損わずに金属フィラメントによ
る鎧装効果を生じさせることができる。前途の公開公報
に示される本出願人提案の複合コードは、このことによ
って耐カット性や剛性を高めたが、金属フィラメントの
巻付け層数の増加なしでは有機繊維コードの被覆率が高
まらない。そこで、本発明では一層当りの金属フィラメ
ント数を複数本にしてこの問題を解決した。
【0015】また、金属フィラメントは、巻付けピッチ
を充分に小さくすれば一層でもその役目を果すが、この
場合、巻付けた金属フィラメントの撚りの戻りによって
コードが著しく捩れるので、残留捩れを消去するための
撚り返し工程が不可欠になり、生産性、製品コストの面
で不利になる。このため、本発明では金属フィラメント
の巻付け層数を二層とし、かつ、上下層の巻付け方向を
逆(下層がS撚りなら上層はZ撚り、下層がZ撚りなら
上層はS撚り)にして上下層の金属フィラメントの撚り
の戻り力を相殺するようにした。
を充分に小さくすれば一層でもその役目を果すが、この
場合、巻付けた金属フィラメントの撚りの戻りによって
コードが著しく捩れるので、残留捩れを消去するための
撚り返し工程が不可欠になり、生産性、製品コストの面
で不利になる。このため、本発明では金属フィラメント
の巻付け層数を二層とし、かつ、上下層の巻付け方向を
逆(下層がS撚りなら上層はZ撚り、下層がZ撚りなら
上層はS撚り)にして上下層の金属フィラメントの撚り
の戻り力を相殺するようにした。
【0016】この撚りの戻り力の相殺は、金属フィラメ
ントの巻付け層数が三層以上ある場合にも可能である
が、巻付け層数が多いとコード径が太くなるので、巻付
け層数を三層以上にするのは好ましくない。巻付け層数
が二層でも、各層の金属フィラメント数を5本程度まで
増本すれば耐カット性の要求度合が高くてもこれに充分
に対応できる。
ントの巻付け層数が三層以上ある場合にも可能である
が、巻付け層数が多いとコード径が太くなるので、巻付
け層数を三層以上にするのは好ましくない。巻付け層数
が二層でも、各層の金属フィラメント数を5本程度まで
増本すれば耐カット性の要求度合が高くてもこれに充分
に対応できる。
【0017】なお、上層の金属フィラメントの線径を下
層のそれより小さくしたこと及び上層の金属フィラメン
トの巻付けピッチを下層の金属フィラメントの巻付けピ
ッチよりも大きくすることが好ましいとしたのは次の理
由による。コードの残留捩れの強さは、金属フィラメン
トの単位長さ当りの捩れ回数(巻付けピッチに反比例)
と巻付け平均半径の積で表わされる。このうち、巻付け
平均半径は上層の金属フィラメントのそれが必然的に大
きくなるが、上述したようにして上下層の金属フィラメ
ントの巻付けピッチや線径に差をつければ、この差をコ
ントロールして上下層の撚りの戻りによる逆向きの捩り
力の差をほぼ完全に消去できるので、残留捩れの非常に
少ない、撚り返し不要の複合コードを容易に作れる。
層のそれより小さくしたこと及び上層の金属フィラメン
トの巻付けピッチを下層の金属フィラメントの巻付けピ
ッチよりも大きくすることが好ましいとしたのは次の理
由による。コードの残留捩れの強さは、金属フィラメン
トの単位長さ当りの捩れ回数(巻付けピッチに反比例)
と巻付け平均半径の積で表わされる。このうち、巻付け
平均半径は上層の金属フィラメントのそれが必然的に大
きくなるが、上述したようにして上下層の金属フィラメ
ントの巻付けピッチや線径に差をつければ、この差をコ
ントロールして上下層の撚りの戻りによる逆向きの捩り
力の差をほぼ完全に消去できるので、残留捩れの非常に
少ない、撚り返し不要の複合コードを容易に作れる。
【0018】
【実施例】図1に本発明の一実施例を示す。このよう
に、本発明の複合コードは、しなやかでよく伸びる有機
繊維コード1と硬くて強い複数本の金属フィラメント
2、3の複合体であって、2と3を1の外周に螺旋状に
連続して巻付けることにより、異質な両素材の特性を共
に生かすようにしている。また、金属フィラメントは、
既述の理由から、各層複数本として2と3を二重に逆向
きに巻付けている。
に、本発明の複合コードは、しなやかでよく伸びる有機
繊維コード1と硬くて強い複数本の金属フィラメント
2、3の複合体であって、2と3を1の外周に螺旋状に
連続して巻付けることにより、異質な両素材の特性を共
に生かすようにしている。また、金属フィラメントは、
既述の理由から、各層複数本として2と3を二重に逆向
きに巻付けている。
【0019】鎧装する金属フィラメント2、3は、柔軟
な繊維コード上に巻くので、太くて剛性が過大になるも
のは巻付け加工時繊維コードに不当な力が加わる。従っ
て、その径の上限は0.25mmとし、一方、下限は現状
で量産化可能値になっている0.12mmとするのがよ
い。有機繊維コード1は、タイヤに常用されている直径
0.5〜1.0mm程度のものを用いる。
な繊維コード上に巻くので、太くて剛性が過大になるも
のは巻付け加工時繊維コードに不当な力が加わる。従っ
て、その径の上限は0.25mmとし、一方、下限は現状
で量産化可能値になっている0.12mmとするのがよ
い。有機繊維コード1は、タイヤに常用されている直径
0.5〜1.0mm程度のものを用いる。
【0020】また、このフィラメントの巻付けピッチ
は、鎧装による繊維コードの被覆率アップの面では小さ
い程よいが、フィラメントの加工性や巻付け時の生産性
等を考えて下限を0.4mmとし、上限は、繊維コードの
伸び特性を大きく損わない範囲の2.0mmとするのがよ
い。
は、鎧装による繊維コードの被覆率アップの面では小さ
い程よいが、フィラメントの加工性や巻付け時の生産性
等を考えて下限を0.4mmとし、上限は、繊維コードの
伸び特性を大きく損わない範囲の2.0mmとするのがよ
い。
【0021】さらに、上層の金属フィラメント3は、下
層フィラメント2との巻付け平均半径の差による複合コ
ードの残留捩れをほぼ零にして撚り返し作業を不要とな
すために、巻付けピッチを下層フィラメント2の巻付け
ピッチの1.0〜5.0倍にするのがよい。
層フィラメント2との巻付け平均半径の差による複合コ
ードの残留捩れをほぼ零にして撚り返し作業を不要とな
すために、巻付けピッチを下層フィラメント2の巻付け
ピッチの1.0〜5.0倍にするのがよい。
【0022】このほか、本発明で用いる有機繊維コード
1は、乗物用タイヤに多用されているナイロンコード、
ポリエステルコードが特に好ましく、その他レーヨンや
異特性のアラミド繊維との複合コードでもよい。また、
この有機繊維コードに、ゴムとの接着性を良くするため
のレゾルシンフォルマリンラテックス(RFL)処理を
施しておくことも好ましい。
1は、乗物用タイヤに多用されているナイロンコード、
ポリエステルコードが特に好ましく、その他レーヨンや
異特性のアラミド繊維との複合コードでもよい。また、
この有機繊維コードに、ゴムとの接着性を良くするため
のレゾルシンフォルマリンラテックス(RFL)処理を
施しておくことも好ましい。
【0023】なお、ここで用いる金属フィラメント2、
3は、スチールコード用のものに限定されない。黄銅、
銅、亜鉛などの金属線に置き換えても、鋼の金属フィラ
メントを用いる場合と同様の結果が得られる。
3は、スチールコード用のものに限定されない。黄銅、
銅、亜鉛などの金属線に置き換えても、鋼の金属フィラ
メントを用いる場合と同様の結果が得られる。
【0024】以下に、より詳細な実施例について述べ
る。
る。
【0025】
【実験例】RFL処理したナイロンコード(撚り構成:
840デニールの2本撚り、840d/2と略す)の外
周に、線径0.15mmのブラスめっき金属フィラメント
を2本、ピッチ0.9mmでZ撚りに巻付け、引き続いて
この上に線径0.13mmの同種の金属フィラメントを2
本、ピッチ1.3mmでS撚りに巻付けて図1に示すよう
な複合コードを得た(発明品1)。また、別のナイロン
コード(撚り構成:1260d/2)に線径0.2mmの
ブラスめっき金属フィラメントと線径0.15mmのブラ
スめっき金属フィラメントをそれぞれ2本宛、下層と上
層のピッチ及び巻付け方向を発明品1と同じにして順に
巻いた複合コードも作った(発明品2)。
840デニールの2本撚り、840d/2と略す)の外
周に、線径0.15mmのブラスめっき金属フィラメント
を2本、ピッチ0.9mmでZ撚りに巻付け、引き続いて
この上に線径0.13mmの同種の金属フィラメントを2
本、ピッチ1.3mmでS撚りに巻付けて図1に示すよう
な複合コードを得た(発明品1)。また、別のナイロン
コード(撚り構成:1260d/2)に線径0.2mmの
ブラスめっき金属フィラメントと線径0.15mmのブラ
スめっき金属フィラメントをそれぞれ2本宛、下層と上
層のピッチ及び巻付け方向を発明品1と同じにして順に
巻いた複合コードも作った(発明品2)。
【0026】これ等の複合コード及び比較用ナイロンコ
ード(2種)の引っ張り荷重−伸び曲線を図2に示す。
ード(2種)の引っ張り荷重−伸び曲線を図2に示す。
【0027】このグラフから判るように、本発明の複合
コードは、芯材として用いたナイロンコードに近い引っ
張り挙動を示し、ナイロンコードの破断時伸びを殆ど低
下させていない。
コードは、芯材として用いたナイロンコードに近い引っ
張り挙動を示し、ナイロンコードの破断時伸びを殆ど低
下させていない。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のゴム物品
補強用複合コードは、有機繊維コードの伸び特性の低下
を招かずに、しかもコードの増径を極力抑えて金属フィ
ラメントによる有機繊維コードの被覆率を高めたので、
ナイロンコードやポリエステルコードの代替物として航
空機用タイヤや超高性能乗用車タイヤのベルト補強に利
用し、この種タイヤの耐カット性を大きく向上させるこ
とができる。
補強用複合コードは、有機繊維コードの伸び特性の低下
を招かずに、しかもコードの増径を極力抑えて金属フィ
ラメントによる有機繊維コードの被覆率を高めたので、
ナイロンコードやポリエステルコードの代替物として航
空機用タイヤや超高性能乗用車タイヤのベルト補強に利
用し、この種タイヤの耐カット性を大きく向上させるこ
とができる。
【0029】また、有機繊維コードの剛性向上効果も高
いので、同タイヤの高速操縦安定化などにも大きく貢献
することができる。さらに、上層の金属フィラメントを
下層の金属フィラメントよりも細径にしたので、残留捩
れの非常に少ない撚り返し不要の複合コードを容易に作
れる。
いので、同タイヤの高速操縦安定化などにも大きく貢献
することができる。さらに、上層の金属フィラメントを
下層の金属フィラメントよりも細径にしたので、残留捩
れの非常に少ない撚り返し不要の複合コードを容易に作
れる。
【図1】本発明の複合コードの一例を示す外観図
【図2】本発明の複合コードとナイロンコードの引っ張
り荷重−伸びの関係を比較して示すグラフ
り荷重−伸びの関係を比較して示すグラフ
1 有機繊維コード 2 下層の金属フィラメント 3 上層の金属フィラメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D07B 1/00 - 9/00 D02G 3/12,3/38
Claims (2)
- 【請求項1】 有機繊維コードの外周に、一層当り複数
本の金属フィラメントを、下層と上層の巻き方向を逆に
して二重に螺旋状に連続して巻付け、その金属フィラメ
ントの直径を0.12〜0.25mmとし、かつ、上層の
金属フィラメントを下層の金属フィラメントよりも細径
にして成るゴム物品補強用複合コード。 - 【請求項2】 有機繊維コード径が0.5〜1.0mm
で、金属フィラメントの巻付けピッチを0.4〜2.0
mmとし、かつ、上層の巻付けピッチを下層の巻付けピッ
チの1.0〜5.0倍にしてある請求項1記載のゴム物
品補強用複合コード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04144170A JP3118958B2 (ja) | 1992-06-04 | 1992-06-04 | ゴム物品補強用複合コード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04144170A JP3118958B2 (ja) | 1992-06-04 | 1992-06-04 | ゴム物品補強用複合コード |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05339888A JPH05339888A (ja) | 1993-12-21 |
JP3118958B2 true JP3118958B2 (ja) | 2000-12-18 |
Family
ID=15355835
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04144170A Expired - Fee Related JP3118958B2 (ja) | 1992-06-04 | 1992-06-04 | ゴム物品補強用複合コード |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3118958B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102004036129A1 (de) * | 2004-07-24 | 2006-02-16 | Continental Aktiengesellschaft | Verstärkungscord für elastomere Erzeugnisse |
CN117177868A (zh) * | 2021-03-05 | 2023-12-05 | 克里莫纳工业股份公司 | 增强线材 |
-
1992
- 1992-06-04 JP JP04144170A patent/JP3118958B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05339888A (ja) | 1993-12-21 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |