JPS632948B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS632948B2
JPS632948B2 JP8913485A JP8913485A JPS632948B2 JP S632948 B2 JPS632948 B2 JP S632948B2 JP 8913485 A JP8913485 A JP 8913485A JP 8913485 A JP8913485 A JP 8913485A JP S632948 B2 JPS632948 B2 JP S632948B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
butanol
amino
propyl
chloromethyl
hydrochloride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP8913485A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS60243051A (ja
Inventor
Shingu Booruonto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Wyeth Holdings LLC
Original Assignee
American Cyanamid Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by American Cyanamid Co filed Critical American Cyanamid Co
Priority to JP8913485A priority Critical patent/JPS60243051A/ja
Publication of JPS60243051A publication Critical patent/JPS60243051A/ja
Publication of JPS632948B2 publication Critical patent/JPS632948B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 ブテン−1と塩基とを、好ましくは同時にアセ
トニトリルに添加してある程度の量の副生1,2
−ジクロロブタンとともにN−〔1−(クロロメチ
ル)プロピル〕アセトイミドイルクロリドを生成
し;N−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセト
イミドイルクロリドを、好便にはその場所でN−
〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセトアミドに
加水分解し、過剰のアセトニトリル及び1,2−
ジクロロブタンを便宜に除去しつつ、それをおそ
らく閉環及び再開裂階段によつてさらにdl−2−
アミノ−1−ブタノールに加水分解することによ
つてdl−2−アミノ−1−ブタノールを、便宜に
は塩酸塩として、製造する。dl−2−アミノ−1
−ブタノールはそのまま多くの用途を有するが、
これにはd−2−アミノ−1−ブタノールへの分
割も含まれ、本発明はこのd体を二塩化エチレン
と反応させエタンブトール塩酸塩、d,d′−2,
2′−(エチレンジイミノ)ジ−1−ブタノール二
塩酸塩を生ずる方法に関する。この方法で得られ
るdl−2−アミノ−1−ブタノールは調剤用にす
ぐれた品質のエタンブトール塩酸塩を生ずる。こ
の方法では二塩化エチレンとの反応により調剤用
にすぐれた品質のd,d′−2,2′−(エチレンジ
イミノ)ジ−1−ブタノール二塩酸塩を製造する
のに特に容認できる形でd−2−アミノ−1−ブ
タノールが得られる。 これらの式は次のように表わしてもよい。 N−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセトイ
ミドイルクロリド又はN−〔1−(クロロメチル)
プロピル〕エタンイミドイルクロリド N−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセトア
ミド 4−エチル−2−メチル−2−オキサゾリン塩
酸塩又は4,5−ジヒドロ−4−エチル−2−メ
チル−オキサゾール塩酸塩 dl−2−アミノ−1−ブタノール塩酸塩酢酸メ
チル 意外にも、アセトニトリルとの反応において、
アセトニトリルを過剰に用いると最良の結果が得
られる。アセトニトリルは高価な成分であるが、
日常高価な成分を一層少なく用いようとすること
が習慣である。この場合塩素はまたブテン−1と
反応して1,2−ジクロロブタンを生ずる。アセ
トニトリルが過剰であると、反応はN−〔1−(ク
ロロメチル)プロピル〕アセトイミドイルクロリ
ドの方に押し進められる。N−〔1−(クロロメチ
ル)プロピル〕アセトイミドイルクロリドの加水
分解に必要な量に相当する量の水を、塩基及びブ
テンを加える前にまたは加えながら若しくは加え
た後に、反応混合物に加えN−〔1−(クロロメチ
ル)プロピル〕アセトイミドイルクロリドをN−
〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセトアミドに
加水分解してもよい。アセトニトリルと加水分解
において形成された塩酸との反応は充分遅いので
過剰のアセトニトリルの少くとも95%を反応混合
物から減圧下に蒸留し循環することが出来る。工
程に循環できる形態でアセトニトリルを経済的に
回収することは低コスストで製造しようとするた
めに重要である。 アセトニトリルが余りにも過剰すぎると余りに
も大きい反応容器が必要となる。連続反応を使用
してもよく、それによれば比較的小さい装置およ
び大過剰のアセトニトリルが可能となり、後者は
出発原料に循環される。 アセトニトリルをストリツプして除いた後、反
応中にN−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセ
トイミドイルクロリドのN−〔1−(クロロメチ
ル)プロピル〕アセトアミドへの加水分解が完了
していないときにはポツト残留物に水を加えるこ
とにより加水分解を終らせる。N−〔1−(クロロ
メチル)プロピル〕アセトイミドイルクロリドの
加水分解によるN−〔1−(クロロメチル)プロピ
ル〕アセトアミドの製造は炭酸カルシウム、酸化
カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウ
ム、、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム若しくは
重炭酸カリウム、炭酸バリウム又は炭酸ストロン
チウムのような弱塩基の存在によつて有利にな
る。N−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセト
アミドをさらに加水分解してdl−2−アミノ−1
−ブタノールに持つていくときには塩基は必要で
はない。加水分解後、1,2−ジクロロブタンを
減圧下に蒸留して除く。 アセトニトリル及び1,2−ジクロロブタンを
除去した後、N−〔1−(クロロメチル)プロピ
ル〕アセトアミドの純度は、分割工程あるいは他
の目的に使用してもよい品質にdl−2−アミノ−
1−ブタノール塩酸塩に便宜に処理するのに充分
な程高い。 N−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセトイ
ミドイルクロリドはこれを形成した後回収し利用
してもよい。好都合にも水を反応器に加えるとN
−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセトイミド
イルクロリドがN−〔1−(クロロメチル)プロピ
ル〕アセトアミドに加水分解するので、事実上初
めの2工程を同時に行い、発熱を一層良好に制御
し、また処理段階が同時であるので時間及び操作
が省かれる。塩素化が完了した後、N−〔1−(ク
ロロメチル)プロピル〕アセトイミドイルクロリ
ドをN−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセト
アミドに加水分解するのに必要な計算量より僅か
に過剰に水を加えてもよい。 N−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセトイ
ミドイルクロリド又はN−〔1−(クロロメチル)
プロピル〕アセトアミドからアセトニトリルを分
離してもよい。N−〔1−(クロロメチル)プロピ
ル〕アセトアミドに加水分解した後それを分離す
るのが好都合である。N−〔1−(クロロメチル)
プロピル〕アセトイミドイルクロリドの合成後、
あるいはN−〔1−(クロロメチル)プロピル〕ア
セトアミドに加水分解した後蒸留により1,2−
ジクロロブタンを全体又は一部分分離してもよ
い。dl−2−アミノ−1−ブタノール塩酸塩の合
成が終わるまで1,2−ジクロロブタンの少くと
も一部を残して置いてもよい。N−〔1−(クロロ
メチル)プロピル〕アセトアミドまで加水分解し
た後、1,2−ジクロロブタンを分離すると通常
一層好都合である。というのは反応混合物が一層
少くなりN−〔1−(クロロメチル)プロピル〕ア
セトアミドを反応させてdl−2−アミノ−1−ブ
タノール塩酸塩にするのに一層コンパクトな装置
を使用してもよいからである。水との共沸蒸留に
よりdl−2−アミノ−1−ブタノールから1,2
−ジクロロブタンを便宜かつ有効に完全な除去を
することができる。 次にN−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセ
トアミドを含有する水性反応混合物にメタノール
を、好ましくは触媒量の塩酸とともに加える。塩
酸は還流されて加水分解して副生酢酸メチルを伴
なう、dl−2−アミノ−1−ブタノール塩酸塩を
生ずる。酢酸メチルを蒸留によつて除去するとdl
−2−アミノ−1−ブタノール塩酸塩が残る。 N−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセトイ
ミドイルクロリドの製造には水の存在を避けるべ
きであり、またアセトニトリル及び1,2−ジク
ロロブタンを除去するために真空蒸留が必要であ
る。N−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセト
アミドに加水分解するとき、アセトニトリル及び
1,2−ジクロロブタンの両者の除去には穏やか
な条件が好ましい。弱塩基が制御された加水分解
に役立つ。dl−2−アミノ−1−ブタノールへの
加水分解を望む場合には、加水分解において生じ
た酸を生成物の塩酸塩を形成させるのに使用でき
る。 dl−2−アミノ−1−ブタノール塩酸塩の製造
において、アセトニトリルは循環するためにN−
〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセトアミドの
段階で真空蒸留すべきである。dl−2−アミノ−
1−ブタノール塩酸塩への加水分解中にアセトニ
トリルを残留させると、アセトニトリルはアンモ
ニアを、通常塩化アンモニウムとして生じて、酢
酸まで加水分解する傾向がある。アセトニトリル
の加水分解で生じた酢酸はメチルエステルとして
除去は容易ではあるけれども、アセトニトリルの
損失はプロセスの効率を低下する。 N−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセトア
ミド段階で、真空蒸留によつて1,2−ジクロロ
ブタンを少くとも一部分除去することが好まし
い。これは必要な反応器の寸法を増大する以外に
は何ら複雑な問題を生じない。便宜にも最後の
1,2−ジクロロブタンは酢酸をメチルエステル
として除去するときにdl−2−アミノ−1−ブタ
ノール塩酸塩から共沸蒸留により除去される。便
宜なことにdl−2−アミノ−1−ブタノール塩酸
塩への中間反応をN−〔1−(クロロメチル)プロ
ピル〕アセトイミドイルクロリド及びN−〔1−
(クロロメチル)プロピル〕アセトアミドを単離
することなく重複させることが出来る。 メチルアルコール若しくはイソプロパノール又
はそれらの混合物中に溶解することにより、dl−
2−アミノ−1−ブタノールの溶液が主として塩
酸塩として得られ、これをアンモニアで一部分中
和するとdl−2−アミノ−1−ブタノールとdl−
2−アミノ−1−ブタノール塩酸塩および塩化ア
ンモニウムとの混合物が形成されるが塩化アンモ
ニウムは去する。残留する混合物は凡そ2部の
dl−2−アミノ−1−ブタノールと1部のdl−2
−アミノ1−ブタノール塩酸塩であり、米国特許
第3553257号明細書に詳細に示されているように
その割合は、無水メタノールの存在下にL(+)−
酒石酸と反応させてd−2−アミノ−1−ブタノ
ール酒石酸塩の分離を可能にするために望ましい
最適条件に近い。 この方法はこの方式に独特且つ予想外の利点を
有するものである。というのはブテン−1の一部
が所望の位置とは逆に塩素及びアセトニトリルを
付加するのでdl−2−アミノ−1−ブタノール中
に不純物として約3〜10%のdl−1−アミノ−2
−ブタノールが見出されるからである。dl−2−
アミノ−1−ブタノールのd−異性体とl−異性
体との分離において、dl−1−アミノ−2−ブタ
ノールの両異性体は母液とともに残留し、非常に
精製されたd−2−アミノ−1−ブタノールL
(+)−酒石酸塩として分離される。 約10%までのdl−1−アミノ−2−ブタノール
を含有する出発物質は、0.1%以下の含量のdl−
1−アミノ−2−ブタノールをその酒石酸塩とし
て有する精製されたd−2−アミノ−1−ブタノ
ールを酒石酸塩として生ずる。洗浄が十分でない
と0.1%まで存在し得る。さらに最少の精製を追
加することによつて調剤用品質のエタンブトール
の出発原料として使用できる純度が容易に得られ
る。 不純物及び副生物の分離の容易さは自明のこと
ではなくまたこの反応方式の骨子である。 実施例 1 dl−2−アミノ−1−ブタノール塩酸塩の製造 機械的撹拌機、温度計、2本のガラス球をつめ
たガラスガス導入管、注入針(注入ポンプに接続
す)及びドライアイス冷却器を取り付けたタール
を塗つた500mlの四つ口モルトンフラスコにアセ
トニトリル(164g、4モル)を入れる。氷水浴
中でフラスコを3〜5℃まで冷却する。塩素
(71g、1モル)とブテン−1(56g、1モル)と
を各約400ml/分の速さで良く撹拌したアセトニ
トリル中に通し、この間同時に反応過程中(1時
間)注入ポンプを用いて直線状の速度で水
(10g、0.05モル)を加える。 反応温度は8分以内に20℃まで上り反応過程中
この温度に一定に留まる。反応混合物をさらに15
〜30分間撹拌する。反応混合物を秤量してガス反
応体が適量導入されたことを確かめる。過剰のア
セトニトリル(沸点36〜41℃/150〜170mm)を10
段蒸留塔を用いて蒸留(浴温100℃まで)により
除去する。不意の温度の低下がアセトニトリルの
蒸留の終りを示す。 アセトニトリル留分は1〜2%のHCl及び約6
%の1,2−ジクロロブタンを含有し、そしてさ
らに処理することなく次のバツチに循環すること
ができ、あるいは循環前に精製することができ
る。 加熱温度を70℃まであげ、副生物1,2−ジク
ロロブタンを150乃至25mmで70〜40℃の間に溜去
する。真空管路に接続したドライアイス捕捉器は
HCl35%、1,2−ジクロロブタン10%及びアセ
トニトリルと無水NClとの反応から誘導された結
晶質固体からなる物質15〜25gを含有する。 フラスコ中の残留物は主にN−〔1−(クロロメ
チル)プロピル〕アセトアミドであり、これに水
(45g、2.5モル)を混合し次いで混合物を還流す
る。混合物を2時間還流する間に残留1,2−ジ
クロロブタンを共沸蒸留(デイーン・スタークト
ラツプ)により除去する。水と若干の酢酸(水と
の加水分解中に生成す)とを80°(15〜20mmの減圧
下)で除去するとN−〔1−(クロロメチル)プロ
ピル〕アセトアミド及びその加水分解生成物から
なる粘性残留物が残る。 メタノール(48g、1.5モル)及び濃塩酸(0.5
ml)を残留物に加えてから反応混合物を2時間還
流する。揮発分(H2O、酢酸メチルなど)を除
去した後dl−2−アミノ−1−ブタノール塩酸塩
が無色の粘性物質として得られこれは放置すると
結晶化する。 dl−2−アミノ−1−ブタノール塩酸塩からの
d−2−アミノ−1−ブタノール酒石酸塩の製
造 得られたdl−2−アミノ−1−ブタノール塩酸
塩の試料50gを無水メタノール100ml中に溶解す
る。無水NH31モルを40分の間凝縮させる(ドラ
イアイス−アセトン冷却器を用いて反応中のアン
モニア損失を防止する)。0.5時間撹拌した後ドラ
イアイス−アセトン冷却器を取り除き過剰に
NH3を揮発するに任せる(20〜30分)。沈澱した
NH4Clを去し(13.2g、0.246モル、62%)、次
いで液を濃縮すると遊離dl−2−アミノ−1−
ブタノール58重量%を含有する(残りは未反応の
dl−2−アミノ−1−ブタノール塩酸塩である)
粘性の油(43g)が残る。 混合物(42g)を無水メタノール120ml中に溶
解してから溶液をL(+)−酒石酸塩35g(0.233モ
ル)で処理する。反応温度は酒石酸の添加中に45
〜47℃まで上がる。溶液を1時間この温度に保つ
てから4〜5時間かけて25℃まで冷却する。結晶
化は塩の結晶化を誘発させるためd−2−アミノ
−1−ブタノールL(+)−酒石酸塩の種を溶液に
加えることによつて促進できる。 沈澱した塩を過し冷メタノールで4回洗浄し
次いで不活性雰囲気中で乾燥する。塩は無色の結
晶質固体として得られ〔(30g、0.125モル、63
%);mp138〜140℃;〔a〕26 D=23.52゜(C=5%、
H2O)〕また典型的な試験において真正のd−2
−アミノ−1−ブタノールL(+)−酒石酸塩
〔mp.137〜141℃;〔a〕26 D=23.74゜(C=5%、
H2O)〕とは区別されなかつた。ブテン−1の1
−位置、事実上所望の逆の位置にイミド基が付加
して約8%までのdl−2−アミノ−1−ブタノー
ルが反応中に形成されるであろう。類似の反応に
よりこれはdl−1−アミノ−2−ブタノールに転
化される。d−異性体もl−異性体も結晶化にお
いて母液とともに残留するので不純物を事実上含
まないd−2−アミノ−1−ブタノールL(+)−
酒石酸塩の分離が可能である。 塩からのd−2−アミノ−1−ブタノールの単
離は前記米国特許第3553257号明細書に記載され
ている。 エタンブトールへの転化は米国特許第3769347
号明細書に記載されている。 d−2−アミノ−1−ブタノールの製造 蒸留水115mlにKOH76gを溶解して作つたKOH
の水溶液に得られたd−2−アミノ−1−ブタノ
ール酒石酸塩(150g、0.63モル)を撹拌しながら
加える。上層を形成するd−2−アミノ−1−ブ
タノールをテトラヒドロフラン(100ml×2)で
抽出する。テトラヒドロフラン抽出物を乾燥
(Na2SO4)してから減圧下に濃縮する。粗製の
油状残留物を減圧下に蒸留するとd−2−アミノ
−1−ブタノール(bp.99〜103゜/30mm)が得ら
れる。この物質をさらに分別すると174゜の沸点
〔a〕25 D〕9.9を有する純d−2−アミノ−1−ブ
タノールが得られる。蒸留した物質の収率は約50
乃至76%でありまたテトラヒドロフランでさらに
抽出を行うと収率は事実上改善できる。 エタンブトール塩酸塩の製造 米国特許第3769347号明細書実施例1記載の手
順に従い、製造したd−2−アミノ−1−ブタノ
ール462gと二塩化エチレン32gとの混合物を80℃
まで加熱し温度は発熱的に約130℃まで上らせる。
1時間後、混合物を約95℃まで冷却し、水酸化ナ
トリウム22.5gを徐々に添加してから約112℃の温
度を1時間維持する。水酸化ナトリウムは約4mm
直径の小粒状である。混合物を70℃まで冷却して
から未反応のd−2−アミノ−1−ブタノールを
真空蒸留によつて回収する。蒸留は20mm水銀柱以
下の圧力、130℃以下であり、熱は冷却器の能力
以内の速さで適用する。 蒸留残留物に90℃を越えない温度でイソプロパ
ノール(290g)を加え、次いで30分間還流する。
混合物を60℃まで冷却してからこの温度で過し
て塩化ナトリウムを除去し、過ケークを60℃で
イソプロパノール47gを用いて洗浄する。液の
容積をイソプロパノールで430mlに薄めてから温
度を40〜45℃に調整し、珪藻土過助剤2gを加
え、次いで2回目の過を行なう。 透明な過にメタノール120gと水15gとを加え
る。容器を閉じ温度を55℃まで上らせながらPH2
乃至2.5まで塩化水素(約25g)を約0.35〜0.5Kg/
cm2ゲージ(5〜7psig)のガス圧で装填物表面の
上に導入する。装填物を28℃まで非常にゆつくり
冷却してから約1時間撹拌する。 少量の試料を適定して計算量の塩化水素を添加
するのが便利である。適当な最終PHは湿したコン
ゴーレツド試験紙に酸として試験することにより
確認する。PH測定の他の方法を使用できる。白色
結晶生成物d,d′−2,2′−(エチレンジミノ)
ジ−1−ブタノール二塩酸塩を過により分離し
イソプロパノールで洗浄する。最高温度75℃で注
意深く乾燥した生成物は約70gであり、198.5〜
204℃の分解温度範囲及び灰分0.1%を有する。 これはさらに処理又は精製することなく調剤的
に容認されるすぐれた品質のエタンブトール塩酸
塩である。生成物は常用手順により成形又は包封
してもよい。 製造例 1 N−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセトア
ミドの製造 撹拌機、ドライアイス−アセトン捕捉器、ガス
出口及び入口を取付けた250mlの三つ口フラスコ
中へアセトニトリル41.05g(1.0モル)、CaCO325g
(0.25モル)、水13.5ml(0.75モル)及び1−ブテ
ン26.8g(0.475モル)を装填する。混合物を−5
乃至−8℃まで冷却してから温度を7℃以下に維
持しながら2時間の間反応混合物が黄色に変り塩
素が僅かに過剰であることを示すまで塩素を添加
する。混合物を過してから溶媒を減圧下に蒸留
するとN−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセ
トアミド28.6gが得られる(1−ブテンを基にし
て収率4.02%)。 製造例 2 N−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセトア
ミドの製造 撹拌機及びドライアイス−アセトン捕捉器を取
付けた500mlの三つ口フラスコにアセトニトリル
8.21g(2・0モル)、水27.4g(1.52モル)、
Na2CO327g(0.25モル)及び1−ブテン28.1g
(0.50モル)を装填し、次いで0℃に冷却する。
塩素(0.50モル)を1/2時間の間添加すると反応
温度は32℃ほどに達する。2時間25℃で撹拌した
後、反応混合物を過する。固相のアセトニトリ
ル洗浄と液とを合せてから真空蒸留によつて溶
媒を除去するとN−〔1−(クロロメチル)プロピ
ル〕アセトアミド33.0gが得られる(1−ブテン
を基にした収率44.0%)。 製造例 3 dl−2−アミノ−1−ブタノールの製造 小粒状水酸化ナトリウム(97%純度、18.8g、
0.45モル)を無水メタノール100mlとともに撹拌
する。次いで実施例1と同様の操作で得られた粗
dl−2−アミノ−1−ブタノール塩酸塩50g(実部
87%、0.35モル)を30分に亘つて撹拌しながら添
加する。反応混合物を温め沈殿した塩化ナトリウ
ムを過して除き、メタノールで洗浄して、洗液
を主液に併せる。メタノール及び水(中和の間
に生じた)を減圧下に除去してから残留するとdl
−2−アミノ−1−ブタノール(沸点95〜100
℃/30〜35mm)26.68gが得られる(理論値の86
%)。この物質はdl−1−アミノ−2−ブタノー
ル約9.6%を含有する。 dl−2−アミノ−1−ブタノールは米国特許第
3539652号(CA,74,23499)に記載のように触
媒として、フランス国特許第1556008号(CH,
71,115)記載のオルガノシリコーン組成物の成
分として或いは米国特許第3413380号(CA,70
40)記載の難燃剤組成物中の成分として使用でき
る。 製造例 4 dl−2−アミノ−1−ブタノールの製造 粒状水酸化ナトリウム(97%純度、18.8g、
0.45モル)を水0.7mlを含有するイソプロパノー
ル100mlとともに撹拌する。水酸化ナトリウム分
は溶液になる。粗dl−2−アミノ−1−ブタノー
ル塩酸塩50g(実部70%、0.28モル)を0.5時間の
間撹拌しながら添加する。反応混合物を約45℃ま
で温めると結晶性塩化ナトリウムが反応混合物か
ら沈殿する。塩を過して除去し、イソプロパノ
ールで洗浄し洗浄液を主体の液に併せる。液
を減圧下に蒸留する。イソプロパノール及び水を
前の試験のように除いてからdl−2−アミノ−1
−ブタノールを30mmで95〜105℃で蒸留する
(25g、88.3%収率)。気液クロマトグラフイーで
分析するとこの生成物は約10%の1−アミノ−2
−ブタノールを含有することが示される。 製造例 5 d−2−アミノ−1−ブタノールの製造 メタノール48ml中に溶解した未蒸留の粗dl−2
−アミノ−1−ブタノール15g(実部59%、0.1モ
ル)に温度を45℃に維持しながら撹拌下にL(+)
−酒石酸17.5g(0.117モル)を加える。溶液を少
量のd−2−アミノ−1−ブタノールのL(+)−
酒石酸塩の結晶種を加えてから0.5時間45℃に温
度を維持する。酒石酸4.2g(0.028モル)を追加し
てさらに0.5時間45〜47℃に混合物を保持する。
次いで温度を4時間かけて16〜18℃にまで下げて
から1時間この温度に保つ。結晶性d−2−アミ
ノ−1−ブタノールのL(+)−酒石酸塩を過し
て分離し、冷メタノール(3ml×3)で洗浄し次
いで不活性雰囲気中で乾燥する。この操作1回で
d−2−アミノ−1−ブタノールL(+)−酒石酸
塩は8.5g(0.035モル、71%)秤量され、137〜138
℃で融解し、比旋光度〔a〕26 D=26.74(C=5%、
H2O)を有する。仕込んだ粗d−2−アミノ−
1−ブタノールは不純物として約8%のdl−1−
アミノ−2−ブタノールを含有した。この不純物
は分割操作を通過して運ばれてはこない。分割後
得られたd−2−アミノ−1−ブタノールのL
(+)−酒石酸塩は気液クロマトグラフイーによつ
て検出できる程の量のl−2−アミノ−2−ブタ
ノールを含有しないことが見出だされる。上記気
液クロマトグラフイーは1−アミノ−2−ブタノ
ール約0.01%まで感ずる。 製造例 6 d−2−アミノ−1−ブタノールの製造 蒸留したdl−2−アミノ−1−ブタノール15g
(気液クロマトグラフイーによる純度88.5%)を
無水メタノール48ml中に溶解したものに47℃以下
に温度を維持しながら撹拌下にL(+)−酒石酸
17.5g(0.117モル)を加える。得られた溶液を45
〜47℃で0.5時間撹拌してから酒石酸4.21g(0.028
モル)を追加し溶液をさらに0.5時間45〜47℃で
撹拌する。溶液に少量のd−2−アミノ−1−ブ
タノールのL(+)−酒石酸塩の種を加える。混合
物を4時間かけて16〜17℃まで徐冷し、結晶d−
2−アミノ−1−ブタノールのL(+)−酒石酸塩
を過によつて分離し、冷メタノール(3ml×
3)で洗浄してから不活性雰囲気中で乾燥する。
白色結晶質物質(14.5g、0.061モル、81.9%収率)
は136〜140℃で融解し、また〔a〕25 D=23.74(C
=5%、H2O)の比旋光度を有する。分割に用
いた仕込みdl−2−アミノ−1−ブタノールには
不純物として約8%のdl−1−アミノ−2−ブタ
ノールが含有される。しかしながらこの不純物は
分割操作を通つて運ばれてはこない。分割後に得
られたd−2−アミノ−1−ブタノールのL(+)
−酒石酸塩は気液クロマトグラフイーによつて検
出できる量のd−又はl−1−アミノ−2−ブタ
ノールをどちらも含有しないことが見出だされ
る。気液クロマトグラフイーは1−アミノ−2−
ブタノール0.01%まで感ずる。明らかに、dl−1
−アミノ−2−ブタノールはすべて母液とともに
残留するので、メタノール中のl−2−アミノ−
1−ブタノールとともに除去される。 製造例 7 dl−2−アミノ−1−ブタノールの製造 (A) 実施例1同様に操作によつて得られた粗dl−
2−アミノ−1−ブタノール塩酸塩の試料
137gを水200ml中にKOH137gを溶解した溶液
で処理する。混合物をテトラヒドロフランで3
回抽出してから抽出物を併せて乾燥する
(Na2SO4)。溶媒を減圧下に除去すると粗油
(dl−2−アミノ−1−ブタノール60.6%及び
dl−1−アミノ−2−ブタノール6%)95gが
得られる。 (B) 別の試験において、無水メタノール200ml中
に溶解した同様に粗dl−2−アミノ−1−ブタ
ノール塩酸塩の試料250gを無水アンモニア3
モルで処理する。数時間撹拌した後、過剰のア
ンモニアを蒸発するに任せる。沈殿した塩化ア
ンモニウムを過によつて除去し過を濃縮す
ると油174.5gが得られ、これはdl−2−アミノ
−1−ブタノールとその塩酸塩とを若干量のdl
−1−アミノ−2−ブタノール及びその塩酸塩
とともに含有する(気液クロマトグラフイーに
よるとdl−2−アミノ−1−ブタノールは合計
58.9%)。 (C) 初めの試験(A)で得られた粗dl−2−アミノ−
1−ブタノールの試料7.5gを第2の試験で得ら
れた物質(dl−2−アミノ−1−ブタノールと
その塩酸塩)7.5gと混合しその混合物を無水メ
タノール80部とイソプロパノール20部(v/
v)との混合物中に溶解する(溶液はdl−2−
アミノ−1−ブタノール実部0.1モル%を含有
しその0.097モルが遊離塩基として存在する)。
発熱がやむまで45℃以下に温度を保つてL(+)
−酒石酸(15g、0.1モル)を徐々に加える。溶
液を1時間45℃で撹拌した後、温度を徐々に下
げ40℃で混合物に少量のd−2−アミノ−1−
ブタノールのL(+)−酒石酸塩の種を加え、次
いで4時間かけて18゜まで徐冷する。反応混合
物中に形成した結晶d−2−アミノ−1−ブタ
ノールのL(+)−酒石酸塩を過によつて分離
し、冷メタノール(3ml×3)で洗浄してから
ポンプで吸引して乾燥する。物質の収量は9.0g
(0.036モル、75.2%)である;融点137.5〜
139.5;〔a〕25 D=23.84(C=5%、H2O) 製造例 8 N−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセトイ
ミドイルクロリドの製造 機械的撹拌機、低温温度計及び2個のガラス球
をつめた導入管を取付けた500mlの三つ口フラス
コに試薬級アセトニトリル(82g、2モル)を入
れる。激しく撹拌し冷却(−20℃)しながら、と
もに約375〜400ml/分の速さでブテン−1(28g、
0.5モル)と塩素(35.5g、0.5モル)とを同時に加
える。添加は約37分で終りまたこの時間の終りに
は反応温度は−10℃(浴温−20℃)まで上がる。
混合物を分溜すると次のものが得られる:留分
1、89g(主にアセトニトリル)20mm圧の下で浴
温50℃での留分;留分、12.5g、20mm圧の下で
浴温65℃での留分、1,2−ジクロロブタン70
%、N−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセト
イミドイルクロリド30%;留分、36.9g浴温60
℃で2mmの圧での留分、N−〔1−(クロロメチ
ル)プロピル〕アセトイミドイルクロリド約90
%;残留分6.7gの暗褐色粘性油。留分及びを
基にするとN−〔1−(クロロメチル)プロピル〕
アセトイミドイルクロリドの収量は39.7g(48g)
である。留分の部分を再蒸留すると塩化チオニ
ルに似た特徴のある臭いを有する薄黄色油が得ら
れる。生成物のN−〔1−(クロロメチル)プロピ
ル〕アセトイミドイルクロリドは3000,1705,
1430,1370,1085,960,920,840及び740cm-1
強い赤外バンドを示す。NMR(CDCl3):
0.88ppm(t,3H)、1.4〜1.8ppm(m,2H)、
245ppm(s,3H)、3.62ppm(m,2H,−CH2Cl)
及び約3.9ppm(m,1H,CH)。 往々にしてN−〔1−(クロロメチル)プロピ
ル〕アセトイミドイルクロリドの固状異性体(し
ばしば主生成物)もまた得られる。両形態はある
溶媒中で相互に転換できるように思われる。水と
反応すると、ともにN−〔1−(クロロメチル)プ
ロピル〕アセトアミドに加水分解する。固状のも
のは3000,1650,1550,1480,1365,1280,
1045,及び740cm-1に赤外バンドを有する。 製造例 9 N−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセトア
ミド 実施例13で得られたN−〔1−(クロロメチル)
プロピル〕アセトイミドイルクロリドの試料を室
温で過剰の炭酸ナトリウム10%水溶液で処理す
る。有機物をエーテルで抽出してMgSO4上で乾
燥する。減圧下に溶媒を除去すると結晶質固体と
してN−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセト
アミドがほぼ定量的収量で残る。赤外スペクトル
は3300(M)、3100(W)、1650(S)、及び550(S

cm-1にピークを示し;核磁気共鳴(CDCl3)は
0.95ppm(t,3H)、1.4〜1.8ppm(m,2H)、
2.03ppm(s,3H)3.67ppm(d,2H,CH2Cl)、
3.8〜4.4ppm(m,1H)のピークを示す。 種々の条件の収率に対する影響を次の実施例に
示すが、これらの実施例において塩素化反応を当
初の温度の零下3℃から+23℃までの温度で行な
い、アセトニトリルのCl2に対する比率を2から
4まで変えた。。さらにブテン−1の初期濃度は、
アセトニトリル中へブテン−1とCl2とを同時に
通す(ブテン−1の低い初期濃度)かあるいは初
めに−5℃でアセトニトリル中へブテンを凝縮さ
せ次いでその混合物にCl2を通す(ブテン−1の
高い初期濃度)かによつて変えた。表1のこれら
試験の結果はN−〔1−(クロロメチル)プロピ
ル〕アセトイミドイルクロリドの収率が主にアセ
トニトリルのCl2に対するモル比に左右され、ま
たこの比を4に近づけたときに約50〜55%になる
ことを示す。 【表】 N−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセトイ
ミドイルクロリドの加水分解はPHに非常に左右さ
れる。簡単な加水分解手順が有効であることが現
在見出されている。N−〔1−(クロロメチル)プ
ロピル〕アセトイミドイルクロリドを水とともに
還流すると1時間以内にdl−2−アミノ−1−ブ
タノール(77%)、dl−2−アミノ−1−ブタノ
ールアセテート塩酸塩(17%)、N−〔1−(ヒド
ロキシメチル)プロピル〕アセトアミド(7%)
及び酢酸の混合物に転換される。生成物の割合は
平衡組成を示すように思われるがこれはさらに加
熱(14時間)してもそれらの分布が本質的には変
わらないからである。しかし加水分解をメタノー
ル又はエタノール水溶液で行なうときには加水分
解は2時間以内に完了しまた生成物のアセチル成
分は蒸留によつて酢酸メチル又は酢酸エチルとし
て除去できる。この手順は加水分解時間を短かく
するばかりでなく、また反応混合物中に塩の累積
するのを避け、N−〔1−(クロロメチル)プロピ
ル〕アセトイミドイルクロリドからN−〔1−(ク
ロロメチル)プロピル〕アセトアミドを経てdl−
2−アミノ−1−ブタノールを実質上定量的収率
で生成しまた生成物の仕上げを容易にする。酢酸
メチルは75℃で沸騰するので留去が容易である。 この方法をできるだけ経済的にするため、過度
に大量のメタノール水溶液は避けるべきである。
若し不十分な量の水((N−〔1−(クロロメチル)
プロピル〕アセトイミドイルクロリド:H2O:
MeOHのモル比が1:3:3以下))を用いまた
は特に加水分解を1,2−ジクロロブタン副生物
の存在下に行なうと、N−〔1−(クロロメチル)
プロピル〕アセトイミドイルクロリドの少部分
(3〜15%)が2−アミノ−1−クロロブタン塩
酸塩に加水分解する。2−アミノ−1−クロロブ
タン塩酸塩の形成は水とメタノールとを一緒に一
段階で加えるよりも逐次そしてこの順に加えると
全く抑えることができる。N−〔1−(クロロメチ
ル)プロピル〕アセトイミドイルクロリドに水を
添加するとそれは殆んど瞬間的にN−〔1−(クロ
ロメチル)プロピル〕アセトアミドに転化し、次
いでオキサゾリン中間体を経て加水分解される。 アセトニトリル〔水濃度(カール・フイツシヤ
ー)=0.059〜0.2%〕をそのまま用いて三系列の
反応(A,B及びC)を行なつた。これらの系列
のそれぞれにおいて反応はブテン0.5モル、塩素
0.5モルを用いて行ない、またアセトニトリル:
Cl2モル比(アセトニトリル:ブテン比に等しい)
を1から8まで変えた。 系列A(反応時間1時間)においてはアセトニ
トリル中へ1時間の間塩素及びブテンを同時に通
しながら反応温度を0℃に維持した。アセトニト
リルを除去した後(40〜50℃、50mm)、N−〔1−
(クロロメチル)プロピル〕アセトイミドイルク
ロリド及び1,2−ジクロロブタンを含有する粗
反応混合物をメタノール水溶液と共に還流するこ
とによつて加水分解した。 【表】 N−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセトイ
ミドイルクロリドを事実上定量的に、N−〔1−
(クロロメチル)プロピル〕アセトアミドに加水
分解し次いでdl−2−アミノ−1−ブタノールに
加水分解できることを述べるのは有意義である。
dl−2−アミノ−1−ブタノール塩酸塩として示
すことは収率を示す非常に便利な方法である。揮
発性成分による誤差が避けられる。dl−1−アミ
ノ−2−ブタノールの少量がdl−2−アミノ−1
−ブタノールとともに示されている。アセトニト
リル:Cl2が1という低いモル比でもdl−2−ア
ミノ−1−ブタノール・HClの収率は31%ほどで
ある。アセトニトリル:Cl2モル比を1から2ま
であげると収率が43%まで改善され12%の増加で
ある。アセトニトリル:Cl2比をさらに増すこと
もまた収率を改善する。合計5モルまでアセトニ
トリルを1モル増す毎に(AN:Cl2比3乃至5)
dl−2−アミノ−1−ブタノール・HClの収率が
平均約6%増加する。なおアセトニトリルを増す
ことは(AN:Cl2モル比6乃至8)著しく効率
が低く;dl−2−アミノ−1−ブタノール・HCl
の収率の平均増分はアセトニトリルモル当り約3
%程度である。約4:1の比率は収率と合理的寸
法の反応器及びアセトニトリルの循環割合との良
好な妥協の結果である。 B列とC列においてはともにガス状反応体を
0.5時間の間アセトニトリル中へ通した。初期反
応温度は0℃であつた。これは反応過程中に最高
35℃まで上るのを許した。さらにB列においては
ブテンのアセトニトリル溶液に塩素を通して、ブ
テンの高い初期濃度を維持した。C列においては
ブテンの初期濃度を低くするため塩素及びブテン
の両者をアセトニトリルに同時に通した。異なる
アセトニトリル/Cl2モル比でブテンと塩素と同
時に添加すること並びに逐次添加することのN−
〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセトイミドイ
ルクロリドの収率に対して及ぼす結果を表3に示
す。 【表】 B及びCの系列において物質収支はアセトニト
リルに対する転化率及び回収データを示す。どの
場合においても、留出物(1,2−ジクロロブタ
ン+アセトニトリル)は1,2−ジクロロブタン
及びアセトニトリルについて気液クロマトグラフ
イーを使用して分析した。 N−〔1−(クロロメチル)プロピル〕アセトイ
ミドイルクロリドを仕上げる前に40〜50時間放置
すると純度の一層低い生成物が得られる。 表のデータから次のことが示される: (1) 粗dl−2−アミノ−1−ブタノール・HCl
(又はN−〔1−(クロロメチル)プロピル〕ア
セトイミドイルクロリド)の収率は主にアセト
ニトリル:Cl2のモル比に左右され、またアセ
トニトリル:Cl2:ブテンのモル比を1:1:
1から8:1:1まで変えると31乃至66%の間
で変る。 (2) アセトニトリルに塩素とブテンとを同時に添
加する方が、ブテンとアセトニトリルとの混合
物に塩素を添加する代替法よりもむしろ有利で
ある。反応は発熱が比較的少ないためにその制
御が一層容易であり、またdl−2−アミノ−1
−ブタノール・HClの収率がいくらか良好であ
る。反応時間が1時間であることが一般に反応
の発熱をより制御できるようにすると思われ
る。 (3) 反応温度は総合収率を決定する制御因子であ
るようには思えない。しかしながら、N−〔1
−(クロロメチル)プロピル〕アセトイミドイ
ルクロリドが50℃以上において熱的に不安定で
あることを考慮に入れると0〜25℃の間の反応
温度が一層好ましい。 この方法はバツチに大きさによつて変えること
ができる。製造例は模範的なものではあるけれど
も、大規模生産のためには、撹拌されている連続
反応器にブテン−1と塩素とを連続的に供給しな
がらこの方法を連続的に操作するのがよいであろ
う。循環アセトニトリルは連続的に蒸留され循環
される。このような連続方式ではブテン−1及び
塩素に対するアセトニトリルの一層高い比率が可
能になる。一方回分法に対してはブテン−1及び
塩素に対するアセトニトリルのモル比は少くとも
2であることが好ましく、16以上のモル比は経済
的でないほど大きい反応器が必要となるかもしれ
ない。連続法では一層高い比率でさえも好都合で
ある。 ブテン−1と塩素はともに約20℃の室温でガス
状であるので、約0℃及びそれ以下の低温が好都
合であるが、加圧容器が利用できるならば冷却の
必要性を減らすため一層高い温度を使用してもよ
い。 付加する冷凍と圧力容器の費用にいづれを選択
するかは利用できる装置によつて変るであろう。 特許請求の範囲に記載する本発明の範囲内での
他の改良はもちろん当業者に明らかである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 dl−1−アミノ−2−ブタノール塩酸塩を含
    有するdl−2−アミノ−1−ブタノール塩酸塩の
    一部分を中和して得られた10%までのdl−1−ア
    ミノ−2−ブタノール及びその塩酸塩を含有する
    dl−2−アミノ−1−ブタノール及びその塩酸塩
    とL(+)酒石酸とを無水メタノール中に混合し、
    メタノール中に溶液のまま残るdl−2−アミノ−
    1−ブタノールとd−,l−1−アミノ−2−ブ
    タノールのそれぞれの塩から結晶したd−2−ア
    ミノ−1−ブタノールの酸性酒石酸塩を分離し、
    このd−2−アミノ−1−ブタノールL(+)−酒
    石酸塩を水中に溶解し、アルカリ水酸化合物若し
    くはアルカリ土類水酸化合物を加え、生じたL
    (+)−酒石酸のアルカリ塩若しくはアルカリ土類
    塩を分離してd−2−アミノ−1−ブタノールを
    単離し、残留水を溜去し、二塩化エチレンを加え
    て反応させd,d′−2,2′−(エチレンジイミノ)
    ジ−1−ブタノールを形成させ、次いで形成した
    d,d′−2,2′−(エチレンジイミノ)ジ−1−
    ブタノールを二塩酸塩として単離することを特徴
    とするd,d′−2,2′−(エチレンジイミノ)ジ
    −1−ブタノールを製造する方法。 2 dl−2−アミノ−1−ブタノール及びその塩
    酸塩の約1/3は塩酸塩として存在する、特許請求
    の範囲第1項記載の方法。 3 塩素とブテン−1とを過剰のアセトニトリル
    に添加してN−[1−(クロロメチル)プロピル]
    アセトイミドイルクロリドを形成させ、これに水
    を加えてN−[1−(クロロメチル)プロピル]ア
    セトアミドに加水分解し、次いで水と酸の存在下
    に加水分解して得られたdl−1−アミノ−2−ブ
    タノール塩酸塩を含有するdl−2−アミノ−1−
    ブタノール塩酸塩の一部分を中和して、生成した
    10%までのdl−1−アミノ−2−ブタノール及び
    その塩酸塩を含有するdl−2−アミノ−1−ブタ
    ノール及びその塩酸塩をL(+)−酒石酸の存在下
    に無水メタノール中に溶解し、メタノール中に溶
    液のまま残留するl−2−アミノ−1−ブタノー
    ル及びd−,l−1−アミノ−2−ブタノールの
    塩から結晶したd−2−アミノ−1−ブタノール
    の酸性L(+)−酒石酸塩を分離し、このd−2−
    アミノ−1−ブタノールL(+)−酒石酸塩を溶媒
    に溶解しアルカリ若しくはアルカリ土類の水酸化
    物を加え、生じたアルカリ若しくはアルカリ土類
    のL(+)−酒石酸塩を分離してd−2−アミノ−
    1−ブタノールを単離し、溶媒を溜去し、二塩化
    エチレンを加えて反応させてd,d′−2,2′−
    (エチレンジイミノ)ジ−1−ブタノールを形成
    させ、次いで形成したd,d′−2,2′−(エチレ
    ンジイミノ)ジ−1−ブタノールを二塩酸塩とし
    て単離することを特徴とするd,d′−2,2′−
    (エチレンジイミノ)ジ−1−ブタノールの合成
    方法。 4 低級アルカノール及び水の存在下にN−[1
    −(クロロメチル)プロピル]アセトアミドを加
    熱してdl−2−アミノ−1−ブタノール塩酸塩に
    加水分解し、同時に生成したアルカノールの酢酸
    エステルを溜去して副反応を抑えdl−2−アミノ
    −1−ブタノール塩酸塩への加水分解を実質的に
    定量的ならしめることによつてdl−2−アミノ−
    1−ブタノール塩酸塩を合成する特許請求の範囲
    第3項記載の方法。 5 N−[1−(クロロメチル)プロピル]アセト
    イミドイルクロライドを弱塩基の存在下に水と反
    応させ、よつてN−[1−(クロロメチル)プロピ
    ル]アセトイミドイルクロライドをN−[1−(ク
    ロロメチル)プロピル]アセトアミドに加水分解
    してN−[1−(クロロメチル)プロピル]アセト
    アミドを製造する特許請求の範囲第3項記載の方
    法。 6 塩素とブテン−1とを過剰のアセトニトリル
    に添加し1,2−ジクロロブタンを同時に生成し
    つつN−[1−(クロロメチル)プロピル]アセト
    イミドイルクロリドを形成し、水を加えてN−
    [1−(クロロメチル)プロピル]アセトイミドイ
    ルクロリドをN−[1−(クロロメチル)プロピ
    ル]アセトアミドに加水分解し、過剰のアセトニ
    トリルを溜去し回収して循環し、水を加え副生物
    1,2−ジクロロブタンの少くとも最後の部分を
    共沸的に溜去し、少くとも若干のN−[1−(クロ
    ロメチル)プロピル]アセトアミドとdl−2−ア
    ミノ−1−ブタノール塩酸塩を含有する一部加水
    分解された混合物にメタノールと塩酸とを加え、
    還流してdl−2−アミノ−1−ブタノール塩酸塩
    に完全に加水分解し、次いで残留水及び副生酢酸
    メチルを溜去し、このdl−2−アミノ−1−ブタ
    ノール塩酸塩をメタノール中に溶解し、無水アン
    モニアを加え、固体塩化アンモニウムを分離する
    ことによつてdl−2−アミノ−1−ブタノールを
    遊離塩基及び塩酸塩の混合物として残し、L(+)
    −酒石酸を加え、結晶したd−2−アミノ−1−
    ブタノールL(+)−酒石酸塩を溶液から分離して
    l−2−アミノ−1−ブタノール及びd−,l−
    1−アミノ−2−ブタノールを塩酸塩及び/又は
    L(+)−酒石酸塩として後に残し、このd−2−
    アミノ−1−ブタノールL(+)−酒石酸塩を溶媒
    に溶解し、水酸化カリウムを加え、L(+)−酒石
    酸カリウムを分離してd−2−アミノ−1−ブタ
    ノールを単離し、溶媒を蒸発し去り、精製d−2
    −アミノ−1−ブタノールを溜出させ、蒸留した
    d−2−アミノ−1−ブタノールのモル当り1/
    6モルを越えない二塩化エチレンを加え、細かく
    した水酸化ナトリウムを加えて存在する塩化水素
    と反応させ、未反応のd−2−アミノ−1−ブタ
    ノールを溜去し、炭素数2乃至4のアルカノール
    を加え、溶液から塩化ナトリウムを分離し、塩化
    水素を加えて生成物d,d′−2,2′−(エチレン
    ジイミノ)ジ−1−ブタノールをその二塩酸塩に
    転化し、次いで溶液からこの塩を調剤用にすぐれ
    た形で分離することを特徴とするd,d′−2,
    2′−(エチレンジイミノ)ジ−1−ブタノールを
    製造する方法。 7 塩素が約1モル、ブテン−1が約1モル、ア
    セトニトリルが少くとも約2モルである特許請求
    の範囲第6項記載の方法。 8 N−[1−(クロロメチル)プロピル]アセト
    イミドイルクロリドが生成するとほぼ同じ速さで
    水を添加し、それによりN−[1−(クロロメチ
    ル)プロピル]アセトイミドイルクロリドがさら
    に塩素化される前にこれをN−[1−(クロロメチ
    ル)プロピル]アセトアミドに加水分解し、また
    反応の過程中加水分解の熱を放出させて等温温度
    の上昇を制御する特許請求の範囲第6項記載の方
    法。 9 分離したアセトニトリルをさらに精製するこ
    となく循環する、特許請求の範囲第6項記載の方
    法。
JP8913485A 1985-04-26 1985-04-26 d,d′‐2,2′‐(エチレンジイミノ)ジ‐1‐ブタノールを製造する方法 Granted JPS60243051A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8913485A JPS60243051A (ja) 1985-04-26 1985-04-26 d,d′‐2,2′‐(エチレンジイミノ)ジ‐1‐ブタノールを製造する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8913485A JPS60243051A (ja) 1985-04-26 1985-04-26 d,d′‐2,2′‐(エチレンジイミノ)ジ‐1‐ブタノールを製造する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS60243051A JPS60243051A (ja) 1985-12-03
JPS632948B2 true JPS632948B2 (ja) 1988-01-21

Family

ID=13962407

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8913485A Granted JPS60243051A (ja) 1985-04-26 1985-04-26 d,d′‐2,2′‐(エチレンジイミノ)ジ‐1‐ブタノールを製造する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS60243051A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS60243051A (ja) 1985-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3944618A (en) Synthesis of ethambutol
HU184790B (en) Process for preparing 2-chloro-alkyl-propionates by means of the chlorination of alkyl-lactate
JPS632948B2 (ja)
JPS632947B2 (ja)
JPS6155902B2 (ja)
JPH11255703A (ja) 酸クロライドの製造方法
US2798077A (en) Preparation of methyl-(beta-picolyl)-amine
JPH0617351B2 (ja) N−(α−アルコキシエチル)−カルボン酸アミドの製造方法
JPH0114907B2 (ja)
US2425283A (en) Preparation of allylglycine
US4774358A (en) Cyclopropylamines containing trifluoromethyl groups
EP0718273B1 (en) Ethyl 6-formyloxy-4-hexenoate
SU655305A3 (ru) Способ очистки динитрила малоновой кислоты
IE43823B1 (en) Synthesis of d1-2-amino-1-butanol hydrochloride and derivatives thereof
JPS6119619B2 (ja)
US4010160A (en) Process for the manufacture of 1,3-bis-(β-ethylhexyl)-5-amino-5-methyl-hexahydropyrimidine
JPS6147823B2 (ja)
JP4024882B2 (ja) ターシャリーブチルヒドラジン・ハロゲン化水素酸塩の製造方法
CA1070710A (en) Synthesis of d-2-amino-1-butanol
JPS63154643A (ja) 低級カルボン酸エステルの製法
KR800001178B1 (ko) 아세토 나이트릴유도체의 제조방법
HU176189B (hu) Eljárás DL- és D-2-amino-l-butanol előállítására
US4029700A (en) Process for the production of even series ω-amino acids
JPS62223141A (ja) アリルエ−テル類の製法
JP2849747B2 (ja) オキサゾリジン―2―オン類の製造法