JPS6328921Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は座板の傾斜角度が調節自在で、かつこ
の座板の傾斜に連動して背もたれの傾斜角度が可
変なるようにした椅子に関するものである。そし
て本考案の目的とするところは、座板を前傾させ
るとこれに連動して背もたれの支持杆が前傾し、
逆に座板を後側に傾けると同じくこれに連動して
背もたれの支持杆も後側に傾き、座板と背もたれ
との位置関係が常に腰掛ける者の姿勢に合致する
ように保たれると共に、ハンドル操作により座板
を任意の傾斜位置で停止させることもできるよう
にし、これらが簡単な操作でなし得て使い勝手が
良く、しかも構造的にも簡単で製作コストの低廉
化をも達成せんとすることにある。この目的を達
成する為、本考案は、脚杆の上端に固着した基枠
の上面に座板を受ける座受枠を前後方向に傾動自
在になるように枢着すると共に、前記基枠の後端
縁には背もたれの支持杆が取着される取付枠を同
じく前後方向に傾動自在なるように枢着し、基枠
の側壁に前後方向の長孔を形成し、該長孔に連結
ピンを遊嵌し、前記座受枠の後端縁に一端を枢着
したリンクの他端と前記取付枠の下端縁に一端を
枢着したリンクの他端を夫々該連結ピンに枢着
し、さらに該連結ピンに制動板を連結すると共
に、この制動板を基枠に対して摺動自在となし、
かつ、基枠に突設した回転ねじ軸の螺締め操作に
よつて制動板を基枠の一部分へ押圧して固定する
ようにした椅子を提供するものである。

以下に本考案の一実施例を図面と共に説明す
る。図において、１は脚杆、２は該脚杆の上端に
溶接止めにより固着した横断面形状の前後方向
に横長の基枠であり、該基枠の上面の前記脚杆１
の直上位置に横断面形状の軸受部材３を溶接止
めにより固着し、該軸受部材間に中空状の支管４
を水平に横架固着し、該支管内に枢軸５を挿通
し、座板６を受ける座受枠７の一対向両側壁８，
８の対向位置に穿設した孔９，９に前記枢軸５を
挿通して該座受枠７を前後方向に傾動自在なるよ
うに装着する。１０は該枢軸５の両端に嵌着した
抜け止め用ワツシヤである。また、前記基枠２の
後端縁には、その対向両側壁１１，１１の対向位
置に孔１２，１２を穿設し、該両孔間に枢支ピン
１３を挿通横架する一方、背もたれ１４の支持杆
１５が取着される平面コ字形の取付枠１６をその
対向両側壁１７，１７の上端縁の対向位置に穿設
した孔１８，１８に前記枢支ピン１３を挿通して
該取付枠１６を同じく前後方向に傾動自在なるよ
うに装着する。

１９は該枢支ピン１３の先端に嵌着した抜け止
め用ワツシヤである。尚、前記取付枠１６の一側
壁にはねじ孔２０を設けると共に、該ねじ孔に前
記支持杆１５の締付け用ねじ２１を装着し、該締
付け用ねじにより支持杆１５の高さを調節できる
ようにしている。しかして、前記基枠２の対向両
側壁１１，１１の対向位置に前後方向の長孔２
２，２２を形成し、該長孔間に連結ピン２３を遊
嵌状に横架し、前記座受枠７の対向両側壁８，８
の後端縁の対向位置に孔２４，２４を穿設し、該
孔間に枢軸２５を挿通横架して該枢軸に一対のリ
ンク２６，２６の夫々その一端に穿設した孔２
７，２７を挿通すると共に、前記取付枠１６の対
向両側壁１７，１７の下端縁の対向位置に孔２
８，２８を穿設し、該孔間に枢支ピン２９を挿通
横架して該枢支ピンに一対のリンク３０，３０の
夫々その一端に穿設した孔３１，３１を挿通し、
該一対のリンク３０，３０の他端に穿設した孔３
２，３２及び前記一対のリンク２６，２６の他端
に穿設した孔３３，３３を夫々前記連結ピン２３
に挿通する。３４，３４は連結ピン２３の両端に
嵌着した抜け止め用ワツシヤ、３５，３５は前記
枢軸２５の両端に嵌着した抜け止め用ワツシヤ、
３５′は前記枢支ピン２９の先端に嵌着した抜け
止め用ワツシヤ、３６，３６は前記座受枠７と各
リンク２６，２６との間に介在させて枢軸２５に
挿通したスペーサ筒である。一方、前記基枠２の
側壁に角孔３７を穿設して該角孔に雄ねじ軸３８
を基枠２の外から挿通し、また、対向する側壁の
前記角孔の対向位置に丸孔３９を穿設して該丸孔
にハンドル４０の回転ねじ軸４１を同じく基枠２
の外から挿通し、該回転ねじ軸４１先端の雌ねじ
と前記雄ねじ軸３８を螺合する。この場合該雄ね
じ軸３８はその一端に設けた角軸部４２が前記角
孔３７内に係合して回転不能となつて基枠２の一
部分となる。そして、前記基枠２内には複数枚か
らなる制動板４３，４３，…の一端縁に穿設した
孔４４に前記連結ピン２３を挿通すると共に、該
各制動板４３，４３，…の他端縁に長孔４５を穿
設して該長孔４５に前記雄ねじ軸３８を遊嵌状に
挿通する。さらに該雄ねじ軸３８には各制動板４
３，４３，…間及びその両外側にワツシヤー４６
を挿通介在させ、前記ハンドル４０の回転ねじ軸
４１が螺進するに伴ないその先端縁がワツシヤー
４６に衝止して制動板４３，４３，…を押圧し、
これによつて制動板４３，４３，…を基枠２の一
部分たる雄ねじ軸３８の角軸部４２の端部へ押圧
して固定し、もつて前記連結ピン２３の前記長孔
２２中での移動を制止し得るようにしている。

なお、制動板４３，４３，…を固定する手段は
上記回転ねじ軸４１と雄ねじ軸３８との組合せに
よる場合のみならず、例えば背もたれ１４の支持
杆１５と締付け用ねじ２１との関係のように、回
転ねじ軸４１を雄ねじとなし、基枠２の側壁１１
にこれを螺合させ、その雄ねじの先端で制動板４
３，４３，…の側面を押し付け、該制動板４３，
４３，…の他方面を基枠２の側壁１１内面に直接
押圧して固定するようにしてももちろんよいので
ある。

このように構成される椅子によれば、ハンドル
４０を回動させてその回転ねじ軸４１を螺退させ
てやることで制動板４３，４３，…の締付けが緩
められ、これに伴なつて連結ピン２３の長孔２２
中での移動規制が解除される。そこで座板６を傾
動させて座受枠７を傾動させてやれば、例えば座
受枠７が第２図に実線で示した水平状態から、同
図中矢示Ａ方向へ傾動させるとすれば、座受枠７
は枢軸５を支点として傾動して該座受枠７の後端
側が上方へ持ち上げられるために、これを従動し
てリンク２６，２６が引き上げられる。このため
に、連結ピン２３が長孔２２中を後方へ移動させ
られ、これに連動してリンク３０，３０も後方へ
押圧されるため、取付枠１６が枢支ピン１３を支
点として同図中、反時計方向へ回動されて支持枠
１５を前傾させる。

また、逆に座受部７を第４図に実線で示した前
傾状態から、同図中矢示Ｂ方向へ傾動させるとす
れば、前記したリンク機構が逆作動して取付枠１
６が枢支ピン１３を支点として同図中時計方向へ
回動され支持杆１５を後側へ傾動させる。

そして、座受枠７を任意の傾斜角度に傾斜固定
したい場合には、前記したリンク機構の動きの任
意の位置でハンドル４０により回転ねじ軸４１を
締めて連結ピン２３の移動を制止させてやればよ
い。

以上実施例について説明したことから明らかな
ように本考案の椅子によれば、座板と背もたれと
を互いの連繋作用により同一方向に前傾又は後側
へ傾けることができ、又任意の傾斜角度でその傾
動を停止させることができるものであるからこの
座板及び背もたれの動きが腰掛ける者の姿勢に常
に相応して坐り心地が良く、また、この傾動をハ
ンドルの締緩による簡単なワンタツチ操作ででき
るので非常に使い勝手が良いものである。そし
て、構造的にもリンク機構を応用した簡単な構造
であるために製作が容易でかつ低廉であるといつ
た多くの利点を有し、実用的価値は極めて大き
い。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係るもので、第１図は全体を示し
た側面図、第２図は要部の拡大縦断面図、第３図
は要部の分解斜視図、第４図は椅子の傾動機構の
作動説明図、第５図は要部の底面図である。 １……脚杆、２……基枠、６……座板、７……
座受部、１１，１１……基枠の側壁、１４……背
もたれ、１５……支持杆、１６……取付枠、２２
……長孔、２３……連結ピン、２６，３０……リ
ンク、４１……回転ねじ軸、４３……制動板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脚杆の上端に固着した基枠の上面に座板を受け
   る座受枠を前後方向に傾動自在になるように枢着
   すると共に、前記基枠の後端縁には背もたれの支
   持杆が取着される取付枠を同じく前後方向に傾動
   自在なるように枢着し、基枠の側壁に前後方向の
   長孔を形成し、該長孔に連結ピンを遊嵌し、前記
   座受枠の後端縁に一端を枢着したリンクの他端と
   前記取付枠の下端縁に一端を枢着したリンクの他
   端を夫々該連結ピンに枢着し、さらに該連結ピン
   に制動板を連結すると共に、この制動板を基枠に
   対して摺動自在となし、かつ、基枠に突設した回
   転ねじ軸の螺締め操作によつて制動板を基枠の一
   部分へ押圧して固定するようにしたことを特徴と
   する椅子。