JPS632804Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は被調理物から発生する水分を検知して
自動調理を行なう電気オーブンに関する。

被調理物を加熱すると水分を発生するが、この
水分量は被調理物の種類毎に特有の経時変化をす
るため、電気オーブンにおいてその経時変化のパ
ターンを捉えると、調理の進行状態が分り、自動
調理が可能となる。この被調理物から発生する水
分の経時変化を捉えるためには、筐体内に送風し
て筐体内に発生した水分を排気と共に定量ずつセ
ンサーに導くことが必要である。従来電気オーブ
ンにおいては、被調理物毎に加熱方法が異なるた
め筐体内で受皿の両側を支承する一対の棚板を上
下方向に数段設けてあり、底部から送風し、風の
流れは受皿の下側から受皿の周囲を経て上部から
排気し、排気路で水分を検知する。被調理物から
発生する水分を定量この風の流れで運ぶために
は、受皿が常に棚板上の定位置に置かれ、風の流
れを通す受皿と筐体内壁との間に一定の間隙が保
たれている必要がある。ところが受皿は調理の都
度被調理物を載せて筐体内に出し入れする上に受
皿と筐体の内壁との間にはかなりの間隙があるの
で、受皿の位置が安定せず、水分の経時変化のパ
ターンに再現性がなく検知が不正確であつた。第
１図および第２図に従来の電気オーブンを示す。
筐体１の内部には左右の両側壁に互いに対向する
一対の棚板２が上下方向に４段取付けられてお
り、被調理物３を載せた受皿４が第３段目の棚板
２で左右両側を支承されている。送風フアン５に
よつて外部から取込まれた風は、風量切換弁６を
通つて送風ダクト７内を案内され前端の送風口８
から筐体１内に供給される。筐体１内の上ヒータ
９と下ヒータ１０とによつて被調理物３が加熱さ
れ、発生した水分は風と共に筐体１内を上部後方
の排気口１１に送られる。排気口１１には筐体１
の背面に垂直に設けられた下端開口の排気ダクト
１２が上端で連通しており、水分は排気ダクト１
２中を下降し、排気ダクト１２内に設けた湿度セ
ンサー１３により検知される。排気ダクト１２は
２重構造になつており、内部に排気ダクト１２内
を加熱し、湿度センサー１３を温調する面ヒータ
ー１４が設けられている。排気ダクト１２内の湿
度センサー１３よりも下側には３枚の逆流防止板
１５が交互に設けられ風の逆流を防いでいる。開
口の直下には水分や油分の受皿１６を設けてあ
る。一方送風フアン５により吸引された風は、風
量切換弁６で分流され一部が電子回路部１７を冷
却する。ソレノイド１８で風量切換弁６が開かれ
ると、筐体１内に送風される風量は多くなり、筐
体内の熱が排気ダクト１２に送られるため、排気
ダクト１２内に残留水があれば、飛散乾燥する。
なお前面ドア１９と筐体１との間には開口部の全
周に亘つてパツキング２０が介装され前面からの
風の漏れを防いでいる。このような構造の湿度検
知機能を有する電気オーブンにおいては、筐体１
内の受皿４が、棚板２上を前後に大きく移動でき
るゆとりがあるので、調理の都度被調理物３を載
せて出し入れする受皿４の位置が安定せず、湿度
検知を行なつても経時変化のパターンに再現性が
得られず、検知が不正確になる欠点がある。

本考案は、簡単に受皿の位置ぎめができるよう
にしてこのような欠点を解消した電気オーブンを
提案するものである。

すなわち、本考案の電気オーブンは、筐体内に
底部から送風して上部から排気し排気中の水分を
検知して自動調理を行なう電気オーブンにおい
て、受皿と筐体の内壁に設けられ受皿の両側を支
承する一対の棚板とに、夫々互いに係合し合う位
置ぎめ用の係合部を設けたことを特徴とするもの
であつて、以下その実施例を第３図以下の図面に
ついて説明する。図中第１図および第２図と同一
部分名称には同一符号を付す。

筐体１内の正面から見て左右の側壁に一対の棚
板２が上下方向に４段に取りつけられている。２
ａは左右一対の棚板２のうち一方の前端部に設け
た位置ぎめ用の突部である。一方受皿４の前記一
対の棚板２により支承される両側のうち一側の前
端側に前記突部２ａと係合する位置ぎめ用の凹部
４ａが設けられている。受皿４の凹部４ａは受皿
４の両側の対応する位置に設ければ、受皿４を左
右反対に筐体１内に収容しても凸部２ａと凹部４
ａとを係合して位置ぎめすることができる。また
この場合左右一対の棚板２に夫々受皿４両側の凹
部４ａと対応する凸部２ａを設けてもよい。

この受皿４を筐体１内に入れても受皿４の凹部
４ａが棚板２の凸部２ａと係合しない位置に置け
ば、第３図および第４図に上下方向の矢印Ａで示
すように不安定な傾きを生じるのですぐに見分け
がつく。この場合凸部２ａは左右一対の棚板２の
両方に設けるよりも片方だけに設ける方が不安全
な傾きを発見し易いので便利である。受皿４が正
しい位置に置かれると、第５図に示すように前記
凸部２ａと凹部４ａとが係合して受皿４が安定し
風の流れが一定して、湿度検知による水分量の経
時的変化パターンの再現性が大きく向上する。

本考案の電気オーブンによれば、受皿と筐体の
内壁に設けられ受皿の両側を支承する一対の棚板
とに夫々互いに係合し合う位置ぎめ用係合部を設
けたので、簡単に受皿を筐体内の適当位置に固定
することができ、筐体の底部から筐体と受皿の周
囲との間を通つて上部に流れる風の流れが一定
し、これにより受皿の被調理物から発生する水分
量の経時変化パターンが安定して得られるため、
水分量を湿度として検知し調理の進行状態を正確
に知ることができ、電気オーブンの自動調理化に
有益である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の横断平面図、第２図は第１図
の縦断面図、第３図は本考案の実施例を示す縦断
正面図、第４図、第５図は受皿の載置状態を示す
第３図の縦断側面図である。 １……筐体、２……棚板、４……受皿、５……
送風フアン、８……送風口、９，１０……ヒー
タ、１１……排気口、１３……湿度センサー、２
ａ……凸部、４ａ……凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 筐体内に底部から送風して上部から排気し排
   気中の水分を検知して自動調理を行なう電気オ
   ーブンにおいて、受皿と筐体の内壁に設けられ
   受皿の両側を支承する一対の棚板とに、夫々互
   いに係合し合う位置ぎめ用の係合部を設けたこ
   とを特徴とする電気オーブン。 ２ 棚板の係合部は一対の棚板の一方のみに設け
   た実用新案登録請求の範囲第１項記載の電気オ
   ーブン。