JPS6327187B2 - - Google Patents

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JPS6327187B2
JPS6327187B2 JP11386884A JP11386884A JPS6327187B2 JP S6327187 B2 JPS6327187 B2 JP S6327187B2 JP 11386884 A JP11386884 A JP 11386884A JP 11386884 A JP11386884 A JP 11386884A JP S6327187 B2 JPS6327187 B2 JP S6327187B2
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JP
Japan
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polyurethane resin
layer
sheet
polymerizable compound
glass
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JP11386884A
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JPS60257241A (ja
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Hiroshi Washida
Hiroyuki Watanabe
Toshio Ichiki
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS6327187B2 publication Critical patent/JPS6327187B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は優れた表面性能を有するポリウレタン
系樹脂層を片面に有する積層安全ガラス、および
それを製造するためのシートあるいはフイルムか
らなる中間原料として適したシート状材料に関す
るものである。 積層安全ガラスとして無機ガラスシートや硬質
の有機ガラスシートと比較的軟質の合成樹脂との
積層シートが周知である。以下、硬質基体とはこ
れら無機ガラスシートあるいは有機ガラスシート
をいい、また単にガラスとは特に有機ガラスと呼
ばない限り無機ガラスをいう。両表面がガラスで
ある積層安全ガラス(以下合せガラスという)、
たとえば、ガラス−ポリビニルプチラール−ガラ
スの3層構造からなる積層シートは自動車用安全
ガラスとして広く使用されている。このようなガ
ラスシートの間に積層されている合成樹脂層は中
間膜と呼ばれ、ポリピニルプチラール、ポリウレ
タン、その他の種々の合成樹脂が使用され、ある
いは提案されている。一方、ガラスと合成樹脂か
らなる積層安全ガラスにおいて、合成樹脂層を露
出させた積層シート、たとえばガラス−合成樹脂
やガラス−合成樹脂−ガラス−合成樹脂などの片
面がガラスで他面が合成樹脂である積層シートが
自動車用安全ガラス用等に注目されている。この
積層安全ガラスは従来の両面がガラスである積層
安全ガラスよりもさらに安全であると考えられて
いる。たとえば、この積層安全ガラスを合成樹脂
面が車内側となるように自動車フロントガラスと
して使用すると、運転車等がフロントガラスに衝
突した場合の裂傷や切傷がより少なくなり、また
ガラスが破壊しても車内側へガラスの破片が飛散
することも少くなると考えられている。このよう
な片面がガラスで他の面が合成樹脂である積層安
全ガラスを、以下「バイレイヤーガラス」と呼
ぶ。 バイレイヤーガラスについては、たとえば特開
昭48−41423号公報、特開昭48−25714号公報、特
開昭49−34910号公報、および特開昭53−27671号
公報に記載がある。これらの公知例からわかるよ
うに露出した合成樹脂層(以下バイレイヤー層と
いう)は通常ポリウレタンから構成される。ポリ
ウレタンはまた合せガラスの中間膜としても周知
である。ポリウレタンとしてはいわゆる熱可塑性
のポリウレタンと熱硬化性のポリウレタンがあ
り、前者は線状重合体であり、通常高分子量ジオ
ール、鎖延長剤およびジイソシアネート化合物を
反応させて得られ、後者は架橋した重合体であ
り、たとえば高分子量ジオール、架橋剤およびジ
イソシアネート化合物を反応させて得られる。 バイレイヤーガラスにおける重要な問題の1つ
はバイレイヤー層の表面特性である。上記ポリウ
レタンなどの合成樹脂はガラスなどに比べて耐引
掻性、耐摩耗性、耐汚染性などが劣り、また成形
条件等の制約により表面の平滑性も充分でないこ
とが多く、表面特性の改良は極めて重要な課題で
ある。前記特開昭53−27671号公報記載の発明は
表面特性の内特に耐引掻性の改良に関するもので
ある。この発明はバイレイヤー層として熱硬化性
ポリウレタン系樹脂を提案し、該熱硬化性ポリウ
レタン系樹脂は直接ガラスとは強固に接着し難い
のでガラス層と該熱硬化性ポリウレタン系樹脂層
との間に熱可塑性ポリウレタン系樹脂層を介在さ
せることを1つの要旨としている。特に特定の原
料を使用して得られる熱硬化性ポリウレタン系樹
脂は自己修復性があり、耐引掻性が優れている。
この自己修復性のある熱硬化性ポリウレタン系樹
脂については同一出願人の出願に係る特公昭58−
29815号公報に記載されており、前記公報記載の
実施例における熱硬化性ポリウレタン系樹脂はこ
の公報に記載されているものである。自己修復性
とは引掻等による傷が経時的に消失する性質をい
い、これによつて耐引掻性が解決される。自己修
復性はすべての熱硬化性ポリウレタン系樹脂が有
する性質ではなく、特定高分子構造を有する熱硬
化性ポリウレタン系樹脂特有の性質であると考え
られ、事実通常の熱硬化性ポリウレタン系樹脂は
自己修復性をほとんど有していない。 一方、本発明者らの検討によれば、上記自己修
復性は特定の熱硬化性ポリウレタン系樹脂に特有
の性質ではなく、特定の熱可塑性ポリウレタン系
樹脂においても同等の自己修復性を発揮しうるこ
とを見い出した。一般に、ポリウレタン系樹脂か
らなるバイレイヤー層においては熱可塑性ポリウ
レタン系樹脂、特にポリエステルジオール、ポリ
カーボネートジオール、ポリオキシテトラメチレ
ングリコールなどのジオールを使用した熱可塑性
ポリウレタン系樹脂が耐衝撃性、耐貫通性などの
機械的特性が優れていることより最も適している
と考えられる。従つて、自己修復性を有する熱硬
化性あるいは熱可塑性のポリウレタン系樹脂を表
面層とし、この機械的特性の優れた熱可塑性ポリ
ウレタン系樹脂を内部層とする少くとも2層構造
のバイレイヤー層、または自己修復性を有する熱
可塑性ポリウレタン系樹脂の実質的に1層のみか
らなるバイレイヤー層が積層安全ガラス用に適し
ていると考えられる。 しかしながら、本発明者がさらに検討したとこ
ろによれば、上記自己修復性を有するポリウレタ
ン系樹脂は、表面特性の内耐引掻性や耐摩耗性を
解決するものではあつても、耐汚染性の改良には
いまだ不充分であることがわかつた。耐汚染性は
種々の汚れが付着し難い性質をいい、たとえばタ
バコの煙の吸着による変色などが少い性質をい
う。さらには、アルコールなどの溶剤に侵され難
い性質や粘着剤などの付着力が低いことも本発明
における耐汚染性に含める。たとえば、粘着剤が
塗布されたラベルを貼着し、剥離する場合、ポリ
ウレタン系樹脂の表面が破損したりバイレイヤー
層が剥離する虞れがあることが知られており、こ
の問題の解決が望まれている。一般に、耐汚染性
を解決する方法の1つとしていわゆるハードコー
トと呼ばれる硬い塗布膜層を形成する方法が知ら
れている。しかし、ハードコート層の形成はバイ
レイヤー層に対しては不適当である。なぜなら、
バイレイヤー層は比較的軟質の合成樹脂からなる
ため、押圧等によりその表面の硬い塗布膜は容易
に破壊されるからである。 バイレイヤー層の耐汚染性の改良方法の1つと
して、紫外線硬化性ポリウレタン系樹脂組成物の
硬化物層を形成する方法が知られている。特開昭
56−149348号公報にはガラスシート表面に直接紫
外線硬化型ポリウレタン系樹脂組成物を塗布硬化
してバイレイヤー層を形成する方法が記載されて
おり、特開昭57−31920号公報には紫外線硬化性
ポリウレタン系樹脂組成物の硬化シートと熱可塑
性ポリウレタン系樹脂シートとの積層体からなる
バイレイヤー層が記載されている。しかし、前者
は機械的特性の優れた熱可塑性ポリウレタン系樹
脂層がないためバイレイヤー層の機械的特性が不
充分となる虞れがあり、後者は特定のポリウレタ
ン原料の使用を必須としており、汎用性に乏しく
経済性も充分ではない。しかしながら、これら紫
外線硬化ポリウレタン系樹脂組成物をバイレイヤ
ー層に適用しても耐汚染性の向上はいまだ不充分
であることが最も大きな問題であり、耐汚染性を
さらに向上する必要性が大きい。 本発明者はバイレイヤーガラスなどの積層安全
ガラスの比較的軟質の合成樹脂層の表面の耐汚染
性をさらに改良するために種々の研究検討を行つ
た結果、ポリウレタン系樹脂からなる比較的軟質
の合成樹脂層の少くとも表面部分を含フツ素系あ
るいは含ケイ素系の重合性化合物の重合体で改質
することにより優れた耐汚染性を有する表面とす
ることができることを見い出した。本発明はこの
特定の表面を有するバイレイヤーガラスなどの積
層安全ガラスとその製造用として適したシート状
材料に関する以下の2つの発明である。 一方の最外層が少くとも表面部分が改質された
ポリウレタン系樹脂の層であり他方の最外層が硬
質基体の層である少くとも2層構造の透明あるい
は半透明の積層安全ガラスにおいて、改質された
ポリウレタン系樹脂層が、 (イ) あらかじめ形成されたポリウレタン系樹脂の
存在下に重合性不飽和基を有する重合性化合物
を重合して得られる該重合性化合物の重合体を
含有するポリウレタン系樹脂の層、または、 (ロ) ポリウレタン形成性の反応性混合物を反応さ
せてポリウレタン系樹脂を形成する際に該反応
性混合物に配合された重合性不飽和基を有する
重合性化合物を重合して得られる該重合性化合
物の重合体を含有するポリウレタン系樹脂の
層、 であり、かつ上記重合性化合物の一部ないし全部
として含フツ素系あるいは含ケイ素系の重合性化
合物を使用することを特徴とする積層安全ガラ
ス。 少くとも表面部分が改質されたポリウレタン系
樹脂からなるシート材料または該改質されたポリ
ウレタン系樹脂の層を含む多層構造の合成樹脂製
のシート状材料において、改質されたポリウレタ
ン系樹脂層が、 (イ) あらかじめ形成されたポリウレタン系樹脂の
存在下に重合性不飽和基を有する重合性化合物
を重合して得られる該重合性化合物の重合体を
含有するポリウレタン系樹脂、または (ロ) ポリウレタン形成性の反応性混合物を反応さ
せてポリウレタン系樹脂を形成する際に該反応
性混合物に配合された重合性不飽和基を有する
重合性化合物を重合して得られる該重合性化合
物の重合体を含有するポリウレタン系樹脂、 であり、かつ上記重合性化合物の一部ないし全部
として含フツ素系あるいは含ケイ素系の重合性化
合物を使用したことを特徴とする積層安全ガラス
製造用のシート状材料。 本発明において積層安全ガラスは前記バイレイ
ヤーガラスが特に適当であるがこれに限られるも
のではない。以下、特に言及しない限り本発明を
バイレイヤーガラスの場合について説明する。ま
た合成樹脂製のシート材料とは一層あるいは多層
構造のシートあるいはフイルムをいう。本発明に
おいて特に言及しない限りシートとはフイルムを
含む意味で使用する。なお、一般にシートとは厚
さ0.2mm以上のものをいい、フイルムとは0.2mm未
満の厚さのものをいう。重合性化合物とは重合性
不飽和基、たとえばビニル基など、を1個以上有
する化合物をいい、特に液状のモノマーあるいは
その低重合合物(オリゴマー)が好ましい。含フ
ツ素系あるいは含ケイ素系の重合性化合物を以下
特定重合性化合物というが特に言及しない場合そ
れを含む意味で重合性化合物を使用する。ポリウ
レタン系樹脂とは前記熱可塑性ポリウレタン系樹
脂と熱硬化性ポリウレタン系樹脂をいう。また、
ポリウレタン系樹脂形成性の反応混合物とはポリ
ウレタン樹脂を形成しうる反応性混合物をいい、
たとえばポリオールとポリイソシアネート化合物
を主とする混合物やプレポリマーと鎖伸長剤を主
とする混合物などをいう。また改質されたポリウ
レタン系樹脂の改質部分は重合体含有ポリウレタ
ン係樹脂ともいう。また、積層とは加熱加圧によ
る積層や接着剤の使用による積層など2つの層を
結合する広い意味で使用する。 ポリアクリレートをポリウレタン系樹脂形成性
の反応性混合物の反応時点において紫外線等で重
合して得られる該ポリアクリレートの重合体を含
むポリウレタン系樹脂からなる表面層を有するバ
イレイヤーガラスは公知であり、前記特開昭56−
149348号公報や特開昭57−31920号公報に記載さ
れている。しかしながら、この公知例に記載され
ているポリアクリレートのみの使用では充分満足
しうる程度の耐汚染性を発揮させることは困難で
ある。本発明の別の態様はあらかじめ形成された
ポリウレタン系樹脂の存在下に重合性化合物を重
合して得られる重合体含有ポリウレタン系樹脂か
らなる改質されたポリウレタン系樹脂の使用であ
る。たとえば、ポリウレタン系樹脂シートに重合
性化合物を含浸硬化させる方法やポリウレタン系
樹脂溶液と重合性化合物の混合物を塗布して重合
させる方法を使用しうる。重合性化合物の重合は
熱重合などで行いうるが、好ましくは放射線、即
ち紫外線などの光や電子線などで行なわれ、特に
紫外線で重合が行なわれることが好ましい。 本発明におけるバイレイヤー層は上記重合体含
有ポリウレタン系樹脂の1層のみからなつていて
もよい。しかし、好ましくは内部層として他の合
成樹脂層、特に機械的特性の優れた熱可塑性ポリ
ウレタン系樹脂層を有する。この内部層は重合体
含有ポリウレタン系樹脂と別の層である必要は必
ずしもない。たとえば、熱可塑性ポリウレタン系
樹脂のシートの片面に重合性化合物を含浸し重合
して得られる表面部分が改質された熱可塑性ポリ
ウレタン系樹脂をバイレイヤー層としうる。この
ような表面部分が改質されたポリウレタン系樹脂
の層は実質的に1層とみなすものとする。即ち、
ポリウレタン樹脂のみをみると連続した1層のみ
からなつているからである。また、たとえば熱可
塑性ポリウレタン系樹脂のシートの表面にそれと
同一の熱可塑性ポリウレタン系樹脂と重合性化合
物とを含む溶液やそれと同一の熱可塑性ポリウレ
タン系樹脂を形成しうる反応性混合物と重合性化
合物の混合物を塗布し重合性化合物を重合し(後
者の場合ほぼ同時にポリウレタンの形成を行い)
て得られる重合体含有熱可塑性ポリウレタン系樹
脂の層は熱可塑性ポリウレタン系樹脂のみをみる
と基材と同一ではあるが同時に形成された熱可塑
性ポリウレタン系樹脂ではないので異る層とみな
すものとする。また、以下の説明では内部層とし
て熱可塑性ポリウレタン系樹脂を例示するが、こ
れは好ましくはあつても必須の要件ではなく他の
バイレイヤー層として使用しうる合成樹脂、たと
えばポリビニルブチラール樹脂、の層であつても
よい。硬質基体を含めて各層間は各層自身の接着
力や融着で結合されていることが好ましいが、薄
い他の材料の接着剤を有していてもよい。特に硬
質基体とバイレイヤー層間は接着剤で接着されて
いることが好ましい場合が少くなく、特に硬質基
体がガラスである場合に好ましい。 以下にまずバイレイヤー層の形成方法やシート
状材料の形成方法、およびそれらの構成について
詳説し、特定重合性化合物の説明はその後の原材
料についての説明の部分で説明する。 本発明において、重合体含有ポリウレタン系樹
脂は大別してあらかじめ形成されたポリウレタン
系樹脂と重合性化合物を使用する方法とポリウレ
タン系樹脂形成性の反応性混合物と重合性化合物
を使用する方法がある。まず前者の方法について
説明する。あらかじめ形成されたポリウレタン系
樹脂とは縮重合がほぼ完了した段階以後のポリウ
レタン系樹脂をいう。このポリウレタン系樹脂の
存在下に重合性化合物を重合するとは、重合性化
合物単独の重合体の層が実質的に形成されること
なく、ポリウレタン系樹脂と重合性化合物の重合
体とのほぼ均一な混合物が形成されるような重合
をいう。ただし、重合体の分布は変化してもよ
く、その場合多くは層の厚さ方向で変化する。こ
のあらかじめ製造されたポリウレタン系樹脂を使
用する方法をさらに分けると、1つは固体の、通
常はシート状のポリウレタン系樹脂に重合性化合
物を適用する方法であり、他はポリウレタン系樹
脂と重合性化合物を含む液状物、通常は溶液、を
使用する方法である。勿論、この分類は便宜上の
ものであり、この2つの方法以外の方法やいずれ
の方法とも判別し難い方法もある。ポリウレタン
系樹脂のシートはキヤスト法、熱可塑性を有する
ものの場合は押出成形法、などで成形される。こ
のシートの片面あるいは両面に重合性化合物(液
状のもの)や重合性化合物の溶液を含浸し、重合
させて目的とするシート状材料を得ることができ
る。この場合、シート表面に過剰の重合性化合物
が多量に残存する場合は重合性化合物のみの重合
体の層が形成され易くなるので過剰の重合性化合
物は除去することが好ましい。重合性化合物やそ
の溶液には重合開始剤、紫外線吸収剤、光安定化
剤、酸化防止剤、着色剤、その他の添加剤を加え
ておくこともできる。特に紫外線等の光で重合さ
せる場合は光重合開始剤を加えておくことが好ま
しい。以下で説明する重合性化合物やそれを含む
組成物(たとえばポリウレタン系樹脂溶液やポリ
ウレタン系樹脂形成性を反応性混合物)において
も同様にこれらの添加剤を含有させておくことが
好ましい。重合は光重合が好ましいがこれに限ら
れず熱重合や光以外の放射線による重合であつて
もよい。ポリウレタン系樹脂と重合性化合物を含
む液状物の使用の場合、ポリウレタン系樹脂は溶
媒可溶性の高いポリウレタン系樹脂である熱可塑
性ポリウレタン系樹脂であることが好ましい。重
合性化合物自身がポリウレタン系樹脂溶解性の液
状物である場合、溶媒の使用が不要となる場合も
ある。この液状物をポリウレタン系樹脂等のシー
トに塗布し重合を行い重合体含有ポリウレタン系
樹脂層が形成される。この場合、基材となるシー
トの材質は熱可塑性ポリウレタン系樹脂が好まし
いが、熱硬化性ポリウレタン系樹脂であつてもよ
く、さらにはバイレイヤー層の1部として使用可
能な他の合成樹脂であつてもよい。また、この液
状物のみを直接シート化してもよく、また硬質基
体上あるいは硬質基体と改質されていない表面を
有するバイレイヤーガラスの改質されていない表
面に適用して直接本発明のバイレイヤーガラスを
製造することもできる。上記2つの方法以外の方
法としてはたとえば熱に対して比較的安定な重合
性化合物と固体のポリウレタン系樹脂を混合して
シート化しこのシートを電子線などの活性の高い
放射線で処理して重合性化合物を重合することも
できる。 ポリウレタン系樹脂形成性の反応性混合物と重
合性化合物を使用する方法は前記の液状物の使用
の場合と同様な方法で行いうる。重合性化合物を
含む反応性混合物はイソシアネート基と反応性の
活性水素含有基(たとえばアルコール性水酸基)
を約2以上有する化合物、ポリイソシアネート化
合物、および重合性化合物を主成分として含み、
さらに通常はポリウレタン形成用触媒と重合性化
合物の重合開始剤とを含む。さらには、前記添加
剤を含んでもよく、他のポリウレタン系樹脂製造
のために使用されるような添加剤を含んでいても
よい。この重合性化合物含有反応性混合物は通常
液状であるが、粘度低減などの目的で溶媒を使用
することもできる。これら各成分は2種以上用い
てもよく、特に活性水素含有基を2以上有する化
合物(以下ポリオールで代表する)は比較的高分
子量のものと通常鎖伸長剤(3官能以上の架橋剤
と呼ばれることもある化合物をも含む)と呼ばれ
る比較的低分子量のものとを併用することが好ま
しい。ポリウレタン系樹脂の原料についての詳細
は後述する。この重合性化合物含有反応性混合物
を前記液状物と同様熱可塑性ポリウレタン系樹脂
等のシート、硬質基体、表面が改質されていない
バイレイヤー層を有するバイレイヤーガラス、な
どに塗布しポリウレタン系樹脂の形成と重合性化
合物の重合をほぼ同時に行つて重合体含有ポリウ
レタン系樹脂の層が形成される。また、この重合
性化合物含有反応性混合物を剥離性の面上にキヤ
スト等で流延し同様に重合等を行い重合体含有ポ
リウレタン系樹脂のシートとすることができる。
前記あらかじめ形成されたポリウレタン系樹脂を
用いる方法とこの方法の中間的な方法として、上
記ポリウレタン系樹脂の形成をまず行い、ある程
度ポリウレタン系樹脂の形成が進んだ後重合性化
合物の重合を行うこともできる。 第2の本発明であるシート状材料は上記各種の
重合体含有ポリウレタン系樹脂のあるいはその層
を含むシートやフイルムをいう。このシート状材
料は本発明のバイレイヤーガラスの製造用材料と
して適している。また本発明のバイレイヤーガラ
スはこのシート状材料を使用して製造されること
が好ましいが、このシート状材料の使用は必須で
はない。たとえば、前記のようにガラスシートの
片面あるいは改質されていないバイレイヤー層を
有するバイレイヤーガラスのバイレイヤー層表面
に前記液状物等を塗布して本発明のバイレイヤー
ガラスを製造しうる。シート状材料は片面が重合
体含有ポリウレタン系樹脂層、他面が内部層とな
る熱可塑性ポリウレタン系樹脂の層からなるかま
たは前記片面改質された実質的に1層の熱可塑性
ポリウレタン系樹脂からなることが硬質基体との
結合性の面から好ましい。しかし、両表面が重合
体含有ポリウレタン系樹脂の表面であつても硬質
基体との間に接着剤層や結合性内部層となりうる
シートの層を介在させうるのでそれに限定される
ものではない。また重合体含有ポリウレタン層は
バイレイヤー層の表面特性の問題を解決するもの
であるからバイレイヤー層において表面とならな
い内部層のみに存在することは意味がない。しか
し、最終的に表面層になれば良いのであるから、
シート材料としては内部層として存在していても
よい。たとえば、重合体含有ポリウレタン系樹脂
層の表面に一時的な保護層として最終的には除去
される剥離性シートの層があつてもよい。この剥
離性シートの層はまたシート材料の他の面に設け
ることもできる。また、シート材料の硬質基体や
熱可塑性ポリウレタン系樹脂のシートに積層され
る側の面にはあらかじめ接着剤や粘着剤などが塗
布されていてもよい。 本発明のバイレイヤーガラスの構成を4例図面
で示すが、これらの構成のみに限られるものでは
ない。図では接着剤層は省略するが各層間に接着
剤層があつてもよく、特に硬質材であるガラス層
とバイレイヤー層との間に接着剤層があつてもよ
い。第1図〜第4図は本発明の積層安全ガラス
(バイレイヤーガラスで例示)の構成を例示する
模式的な断面図である。第1図はバイレイヤー層
が2層である3層構造のバイレイヤーガラスを示
すものである。このバイレイヤーガラスは露出し
た表面を有する重合体含有ポリウレタン系樹脂
1、熱可塑性ポリウレタン系樹脂からなる内部層
2、およびガラス層3からなる。第2図は2層構
造のバイレイヤーガラスを示すものであり、重合
体含有ポリウレタン系樹脂層4とガラス層3から
なる。第3図は重合性化合物を熱可塑性ポリウレ
タン系樹脂シートの片面に含浸し硬化して得られ
るような片面に重合体含有ポリウレタン系樹脂層
を有しかつ該層が熱可塑性ポリウレタン系樹脂層
と連続している実質的に1層構造のバイレイヤー
層5とガラス層3からなるバイレイヤーガラスを
示すものである。第4図はバイレイヤー層が第1
図と同じ重合体含有ポリウレタン系樹脂層1と熱
可塑性ポリウレタン系樹脂層2からなり、かつ硬
質基体層が2板のガラス層6,7とその間のポリ
ビニルプチラール系樹脂などの中間膜層8からな
る3層構造の合せガラス層9からなるバイレイヤ
ーガラスを示すものである。 本発明のバイレイヤーガラスは耐貫通性、耐衝
撃性、その他の機械的特性が高いものであること
が好ましい。前記改質されたポリウレタン系樹脂
の改質された表面部分は表面特性は優れているも
のの機械的特性は不充分となる場合がある。バイ
レイヤー層の機械的特性を高めるためには、バイ
レイヤー層は比較的厚い熱可塑性ポリウレタンあ
るいはポリビニルブチラール樹脂などの熱可塑性
合成樹脂からなる層を内部層として有しているこ
とが好ましい。たとえば、バイレイヤーガラスと
しては、バイレイヤー層の内部層がこれらの熱可
塑性樹脂である前記第1図に示したタイプのバイ
レイヤーガラスが好ましい。第5図に示したタイ
プのバイレイヤーガラスにおいては、バイレイヤ
ー層は表面部分以外は改質されていないポリウレ
タン系樹脂を含んでいるのでこの場合ポリウレタ
ン系樹脂は熱可塑性ポリウレタン系樹脂からなる
ことが好ましい。本発明のバイレイヤーガラスの
バイレイヤー層の厚さは特に限定されるものでは
ないが、0.2mm以上、特に0.2〜5mmが好ましい。
全体が改質されたポリウレタン系樹脂層の厚さ
は、バイレイヤー層がそれのみからなる場合を除
いて、0.001〜1mm、特に0.01〜0.5mmが好ましい。
バイレイヤー層の内部層の厚さは少くとも0.1mm、
特に0.2mm以上が好ましい。バイレイヤー層が全
体が改質された熱可塑性ポリウレタン系樹脂のみ
からなる場合(接着剤層を含んでいてもよい)は
0.2〜5mmが好ましい。片面が改質された熱可塑
性ポリウレタン系樹脂の1層のみの場合もその層
の厚さは0.2〜5mmが好ましい。いずれの場合も、
最も好ましいバイレイヤー層全体の厚さは0.3〜
0.8mmである。 第5図〜第8図は本発明のシート材料の4例を
示す模式的な断面図である。第5図は前記液状物
をキヤストし重合性化合物を重合して得られるよ
うな重合体含有ポリウレタン系樹脂10からなる
シート状材料である。第6図は重合体含有ポリウ
レタン系樹脂層11と熱可塑性ポリウレタン系樹
脂層12の2層構造のシート状材料であり、たと
えば熱可塑性ポリウレタン系樹脂シートの片面に
前記液状物を塗布する方法や上記第5図に示した
シート状材料と熱可塑性ポリウレタン系樹脂シー
トとを積層して得られるものである。第7図は熱
可塑性ポリウレタン系樹脂のシートやフイルムの
片面に重合性化合物を含浸し重合して得られるよ
うな熱可塑性ポリウレタン系樹脂層と連続した重
合体含有ポリウレタン系樹脂層を有する片面13
が改質されているシート状材料14である。ま
た、熱可塑性ポリウレタン系樹脂の両面に同様に
重合性化合物を含浸重合して得られる両表面部分
15,16が重合体含有ポリウレタン系樹脂であ
る熱可塑性ポリウレタン系樹脂からなるシート状
材料17も本発明のシート状材料であり、これを
第8図に示す。 本発明のバイレイヤーガラスは透明あるいは半
透明のバイレイヤーガラスであることが必要であ
る。自動車用のバイレイヤーガラスは透明体であ
ることが好ましいが部分的に半透明あるいは不透
明であつてもよい。建築用等の用途によつては全
体が半透明であつてもよく、勿論全体あるいは部
分が透明であつてもよく、部分的に不透明であつ
てもよい。また、透明あるいは半透明のバイレイ
ヤーガラスは部分的にあるいは全体が着色されて
いてもよい。この半透明、着色、あるいは部分的
な不透明部分はバイレイヤーガラスの硬質基体層
に起因していてもバイレイヤー層の全体あるいは
部分層に起因していてもよい。特に好ましいバイ
レイヤーガラスは無色あるいは着色された透明の
バイレイヤーガラスである。シート材料も同様に
無色あるいは着色された透明のシート材料が好ま
しい。しかし、シート材料はエンボス加工された
シートのように表面の凹凸の存在のために半透明
あるいは不透明である本質的には透明の材質から
なるシート材料であることも好ましい。合せガラ
ス用中間膜で知られているように、このようなエ
ンボス加工されたシートはガラスとの積層の際脱
泡性が良好であり、ガラス面と接する面は最終的
に透明な平滑な面となる。 硬質基体はガラス(即ち無機ガラス)や有機ガ
ラスからなる。この有機ガラスはバイレイヤー層
の主要な合成樹脂よりも硬質の合成樹脂からな
り、たとえばポリカーボネート系樹脂やポリメチ
ルメタクリレートなどのアクリル系樹脂などがあ
る。硬質基体は第4図に示したように間に中間膜
層を有する合せガラスのような積層体であつても
よい。この中間膜層の材料はポリビニルブチラー
ル系樹脂のような軟質の合成樹脂からなる。この
軟質の合成樹脂からなる中間膜層は2枚の硬質基
体の間にあるものをいい、バイレイヤー層に接す
るポリビニルブチラール系樹脂などはバイレイヤ
ー層に属する。硬質基体の露出面を構成する層は
ガラスであることが最も好ましい。多層構造の硬
質基体の場合、内部の硬質基体の層は有機ガラス
であつてもよい。たとえば、硬質基体はガラス−
中間膜−有機ガラスからなる多層構造体であつて
もよい。本発明において、最も好ましい硬質基体
は1枚のガラスシートからなる。次いで好ましい
硬質基体はガラス−中間膜−ガラスの構成を有す
る合せガラスである。硬質基体全体の厚さは少く
とも約0.2mm、特に約0.5mm以上であることが好ま
しい。硬質基体がガラスシートからなる場合、そ
の1層の厚さは約0.5〜5mmであることが好まし
い。有機ガラスの場合、その1層の厚さはこの範
囲を越えてもよい。硬質基体全体の厚さの上限は
特にないが、通常の自動車用窓材の用途において
は約10mm以下である。しかし、航空機用窓材など
の用途においては場合により3層以上の多層構造
の硬質基体が使用され、その厚さは約10mmを越え
ることもある。また、後述するような窓材以外の
用途の積層安全ガラスにおいてはこの厚さの範囲
以外であつてもよく、一定の厚さを有しない硬質
基体であつてもよい。 硬質基体としてのガラスはケイ酸塩系の無機ガ
ラスが適当であり、特に従来より自動車用窓材あ
るいは建築用窓材として使用されているようなケ
イ酸塩系無機ガラスが好ましい。しかし、用途に
よつては鉛ガラス、ホウケイ酸系ガラス、ホウ酸
系ガラス、ケイ酸ガラス、その他の光学ガラスや
他のガラスであつてもよい。これらガラスは、風
冷強化、化学強化等により強化されたものであつ
てもよい。また、ガラスは着色されたものであつ
てもよく、少くとも片面に反射防止膜や熱線反射
膜などの機能性膜を有していてもよい。ガラスは
通常透明であることが好ましいが、建築用窓材な
どの用途においては半透明であつてもよい。有機
ガラスの材料は特に透明性に優れたポリカーボネ
ート系樹脂とアクリル系樹脂が好ましい。これら
は延伸加工されたものであつてもよく、露出面と
なる面にハードコート膜などの機能性膜を有して
いてもよい。 積層方法は特に限定されないが、通常は加熱加
圧によつて行なわれることが好ましい。接着剤が
使用される場合、必ずしも加熱が必要とされない
場合もある。加熱加圧の代表的方法の1つは、従
来広く使用されている合せガラスの製造法に準じ
る方法である。合せガラスは通常2枚のガラスシ
ート間に中間膜を介在させこれをオートクレーブ
中で加熱加圧して製造される。この方法におい
て、1枚のガラスシートを剥離性の型材に置き換
え、積層後型材を外すことによりバイレイヤーガ
ラスが得られる。型材としては、離型剤塗布ガラ
スシートは勿論、金属、プラスチツク、ゴム、そ
の他の材料であつてもよい。また、このオートク
レーブを用いた積層法ばかりでなく、ロール積層
法、その他の公知のバイレイヤーガラス製造法を
適用しうる。 本発明のバイレイヤーガラスの製造に使用され
る重合性化合物の一部ないし全部は特定重合性化
合物、即ち含フツ素系重合性化合物あるいは含ケ
イ素系重合性化合物であることが必要である。両
特定重合性化合物は併用することができる。特定
重合性化合物は他の重合性化合物、特に多官能性
の重合性化合物と併用することが好ましい。な
お、重合性化合物の多官能性とは重合性不飽和基
が2以上存在していることを意味するものとす
る。なぜなら、入手の比較的容易であることや経
済性などの理由で特定重合性化合物は単官能性で
あることが多く(ただし後述ポリシロキサン系化
合物を除く)、単官能性の重合性化合物のみの使
用では耐溶剤性等のバイレイヤー層表面の特性の
一部が不充分となる虞れがあるからである。上記
技術上以外の理由により特定重合性化合物は単官
能性であることが多く従つて多官能性の他の重合
性化合物との併用が好ましいがたとえ特定重合性
化合物が多官能性であつても多官能性の他の重合
性化合物との併用が要求物性向上あるいは経済性
等の理由で好ましい。特定重合性化合物と他の重
合性化合物の使用割合は特に限定されるものでは
ないが全重合性化合物に対する特定重合性化合物
の割合は約0.1重量%以上、特に約1重量%以上
が好ましい。その割合の上限はないが、特定重合
性化合物の使用の増加による目的効果の向上と経
済性との兼ね合いより約50重量%以下が適当であ
り、特に約30重量%以下が好ましい。特定重合性
化合物の内では、種類にもよるが含フツ素系重合
性化合物の方が耐汚染性効果が高い。 含フツ素系の重合性化合物は重合性の不飽和基
と多数のフツ素原子を有するモノマーやオリゴマ
ーであり、特にポリフルオロアルキル基、最も好
ましくはパーフルオロアルキル基を有する重合性
化合物が好ましい。最も好ましい化合物はポリフ
ルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート
である。(メタ)アクリレートとメタアクリレー
トとアクリレートを意味し、(メタ)アクリル酸
等の表現においても同様である。ポリフルオロア
ルキル基以外の含フツ素基としては、ポリ(オキ
シヘキサフルオロプロピレン)基などのポリ(オ
キシポリフルオロアルキレン)基があり、この含
フツ素ポリエーテル基を有する(メタ)アクリレ
ートなども含フツ素系重合性化合物として使用し
うる。(メタ)アクリレート以外の含フツ素系化
合物としては、たとえばポリフルオロアルキル基
等を有するアルコールの不飽和モノ(あるいは)
ポリカルボン酸エステル、ポリフルオロアルキル
基等を有するカルボン酸やスルホン酸の不飽和モ
ノ(あるいはポリ)アルコールや不飽和アミンの
エステルやアミド、液状あるいは溶剤可溶性の水
酸基を有するポリハロオレフイン(特にトリフル
オロクロロエチレンやテトラフルオロエチレン)
系共重合体と不飽和カルボン酸とのエステル、な
どがあるがこれらに限られるものではない。以下
に含フツ素系重合性化合物の代表例としてポリフ
ルオロアルキル基、特にパーフルオロアルキル基
を有する(メタ)アクリレートについて説明す
る。 ポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アク
リレートのアルコール残基としてはポリフルオロ
アルコール、特にパーフルオロアルキル基を有す
るアルコールの残基が適当である。本発明におい
てポリフルオロアルキル基とはアルキル基の水素
原子の数にして過半数以上、特に80%以上がフツ
素原子に置換されたアルキル基をいい、パーフル
オロアルキル基としては実質的にすべての水素原
子がフツ素原子に置換されたアルキル基をいう。
ポリフルオロアルキル基の炭素数は3以上、特に
約4〜20が好ましい。好ましいポリフルオロアル
キル基を有するアルコールは、第3級パーフルオ
ロアルコールと水酸基結合炭素原子以外の炭素原
子にパーフルオロアルキル基を有する脂肪族モノ
アルコールであり、特に2−パーフルオロアルキ
ルエタノールが好ましい。ポリフルオロアルキル
基は直鎖状あるいは分岐状のものであつてもよ
い。また、ポリフルオロアルキル基を有するアル
コールは炭素数の異るポリフルオロアルキル基を
有するアルコールの混合物として得られることが
多くこの混合物をそのまま使用しうる。実施例に
おいてパーフルオロアルキル基をCoF2o+1で表わ
してそのnを8〜9として示す場合、その化合物
はパーフルオロアルキル基のnの平均が8〜9で
ある化合物の混合物を示す。 含ケイ素系の重合性化合物としては重合性の不
飽和基を有するシランやポリシロキサン系化合物
が好ましい。たとえば、ビニル基や(メタ)アク
リロキシアルキル基などの不飽和基を有するアル
キルシランやアルコキシシランなどがあり、たと
えばビニルトリアルコキシシランやγ−メタクリ
ロキシプロピルトリアルコキシシランなどがあ
る。しかし、これらの化合物よりより効果の優れ
た含ケイ素系の重合性化合物はポリシロキサン系
化合物、即ち重合性不飽和基を有するポリジアル
キル(あるいはアリール)シロキサン系化合物で
あり、特にポリジメチルシロキサン系化合物であ
る。たとえば、下記式で表わされる化合物があ
る。 R:低級アルキル基あるいはフエニル基、特に
メチル基 X1:Rまたは重合性不飽和基含有の1価の有
機基 X2:重合性不飽和基含有の1価の有機基 m:1以上の整数 n:0または1以上の整数 X1やX2の重合性不飽和基を有する1価の有機
基としては、たとえばビニル基、プロピレン基、
その他の炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数8
〜16のビニルアラルキル基やビニルハロアラルキ
ル基、炭素数3〜8のビニルハロアルキル基、そ
の他の重合性不飽和基とエステル基、エーテル
基、チオエーテル基、アミド基、その他の結合性
基を有する脂肪族系、脂環族系、芳香族系の有機
基がある。また、上記のようにnが0でない場合
X1はRで表わされるアルキル基等であつてもよ
い。また1分子中一部のX1やX2は重合性不飽和
基を有しないかつRではない有機基であつてもよ
い。これらは市販の化合物を使用できるが、市販
化合物の構践は必ずしも明らかではないので実施
例では商品名でこの化合物を示す。実施例で使用
した含ケイ素系の重合性化合物はいずれもアルケ
ニル基を有するポリジメチルシロキサン系化合物
であると推定される。これら重合性不飽和基を有
するポリシロキサン系化合物は通常1分子中に2
以上の重合性不飽和基を有するためこれ単独で重
合性化合物の全てとして使用しうるが、前記した
ように後述ポリ(メタ)アクリレートなどの他の
多官能性の重合性化合物と併用することが好まし
い。 特定重合性化合物以外の重合性化合物としては
多官能性の重合性化合物が好ましい。しかし、単
官能性の重合性化合物と多官能性重合性化合物と
を特定重合性化合物と併用することもできる。多
官能性重合性化合物としては(メタ)アクリル酸
とポリヒドロキシ化合物とのポリエステルが好ま
しいがこれに限られるものではなく、たとえばジ
ビニルベンゼン、ジビニルスチレンなどのスチレ
ン系化合物、ポリアリルエーテルやポリアリルエ
ステルなどの多官能性アリル化合物、不飽和ポリ
エステル、ウレタン変性(メタ)アクリレート、
その他の化合物を使用しうる。多官能性アリル化
合物としては、たとえばジアリルフタレート、ジ
アリルマレート、トリアリルイソシアヌレート、
トリアリルメラミン、ジエチレングリコールビス
アリルカーボネートなどがある。不飽和ポリエス
テルとしては不飽和ポリカルボン酸(および場合
によりさらに飽和ポリカルボン酸)と多価アルコ
ールとのエステルが適当である。ウレタン変性
(メタ)アクリレートとしては、たとえばヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレート(および場合
によりさらにポリヒドロキシ化合物)とポリイソ
シアネート化合物あるいはイソシアネート基含有
ポリウレタンプレポリマーなどとの反応生成物が
適当である。水酸基などのイソシアネート基と反
応性の活性水素含有官能基を有する重合性化合物
はポリウレタン系樹脂形成性の反応性混合物中で
ポリイソシアネート化合物と反応させてポリウレ
タン系重合体の鎖中に導入し、ポリウレタン系樹
脂の形成と同時にあるいはその後この不飽和基を
重合することもできる。しかし、ヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレートなどの活性水素含有官
能基を1個有する重合性化合物はポリウレタン系
樹脂形成反応に対し重合停止剤として作用し得ら
れるポリウレタン系樹脂の物性を低下させる虞れ
がある場合もあるので反応性混合物中には存在さ
せない方が好ましい。 上記のように特に好ましい特定重合性化合物以
外の重合性化合物は(メタ)アクリル酸とポリヒ
ドロキシ化合物とのポリエステルである。ポリヒ
ドロキシ化合物としては、多価アルコール、ポリ
エーテルポリオール、ポリエステルポリオールな
どがある。多価アルコールとしては、たとえばエ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール、ソルビトール、ビスフエノー
ルAジ(2−ヒドロキシエチル)エーテル、シク
ロヘキサンジオールなどの多価アルコールやジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ジグリセリン、ジペンタ
エリスリトールなどの多価アルコールの多量化物
がある。ポリエーテルポリオールとしては、上記
多価アルコールやその多量化物、多価フエノー
ル、アルカノールアミン、モノあるいはポリアミ
ン、その他の多価イニシエーターにエポキシド、
特にアルキレンオキシドを付加して得られるポリ
エーテルポリオールや、ポリオキシテトラメチレ
ングリコールなどの他の環状エーテルの開環重合
体などがある。ポリエステルポリオールとして
は、多価アルコールと多価カルボン酸の反応物や
環状エステルの開環重合体などがある。特に好ま
しいポリヒドロキシ化合物は水酸基数2〜6の多
価アルコールや多価アルコールの多量化物であ
る。特に好ましい多官能性化合物の具体例は、以
下のものであるがこれに限られるものではない。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、 プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、 ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート、 ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート、 ジペンタエリスリトールテトラ(またはペンタ
あるいはヘキサ)(メタ)アクリレート、 ソルビトールテトラ(またはペンタあるいはヘ
キサ)(メタ)アクリレート、 シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト 重合性化合物の重合は熱重合あるいはエネルギ
ー線重合が好ましく、特に紫外線による重合が好
ましい。熱重合のためにはラジカル発生剤などの
重合開始剤を使用することが好ましく、特に重合
開始剤としてはパーオキサイド系やアゾ系の重合
開始剤が好ましい。たとえば、ベンゾイルパーオ
キシド、ジ−t−ブチルパ−オキシド、ジクミル
パーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート、アゾビスイソブチロニトリルなどがあ
る。エネルギー線重合、特に紫外線重合には光開
始剤を使用することが好ましい。紫外線以外のエ
ネルギー線としては電子線が好ましい。しかし、
比較的短波長の可視光線、X線、γ線などのエネ
ルギー線も使用しうる。紫外線源としては、たと
えば高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線ケイ光
灯、キセノンランプ、メタルハライドランプなど
を使用しうる。また、上記光開始剤としては、有
機カルボニル系化合物、有機イオウ系化合物、色
素、アゾ系化合物、過酸化物系化合物、その他の
光開始剤を使用でき、またこれら2種以上を併用
してもよい。具体的な光開始剤としては、たとえ
ばベンゾフエノン、o−ベンゾイル安息香酸メチ
ル、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエト
キシアセトフエノン、ベンゾイン、ベンゾインメ
チルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベン
ゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン(n−
ブチル)エーテル、ベンゾインイソブチルエーテ
ル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフエノ
ン、2−メチルチオキサントン(2−メチル−
9H−チオキサンセン)−9−オン、ジベンゾスベ
ロン、ベンゾイルパーオキシドなどがあるが特に
これらに限定されるものではない。 本発明におけるポリウレタン系樹脂は熱可塑性
ポリウレタン系樹脂であつても熱硬化性ポリウレ
タン系樹脂であつてもよい。しかし、バイレイヤ
ー層が表面部分が改質されたポリウレタン系樹脂
の実質的1層のみ(たとえば前記第3図のバイレ
イヤーガラスの場合)や全面的に改質されたポリ
ウレタン系樹脂の実質的1層のみ(たとえば前記
第2図のバイレイヤーガラスの場合)の場合、そ
のポリウレタン系樹脂は熱可塑性ポリウレタン系
樹脂であることが好ましい。一方、比較的厚い内
部層を有するバイレイヤー層の場合、その最外層
の改質されたポリウレタン系樹脂は熱可塑性ポリ
ウレタン系樹脂であつても熱硬化性ポリウレタン
系樹脂であつてもよい。比較的厚い内部層は熱可
塑性ポリウレタン系樹脂であることが好ましい。
また、後述のように熱可塑性ポリウレタン系樹脂
は、比較的高分子量のポリオールの種類により特
に機械的特性に優れた熱可塑性ポリウレタン系樹
脂とその他の熱可塑性ポリウレタン系樹脂に分け
られ、上記バイレイヤー層が実質的に1層の改質
された熱可塑性ポリウレタン系樹脂からなる場合
の熱可塑性ポリウレタン系樹脂と比較的厚い内部
層の熱可塑性ポリウレタン系樹脂とはこの機械的
特性に優れた熱可塑性ポリウレタン系樹脂である
ことが好ましい。比較的厚い内部層を有するバイ
レイヤー層の最外層の改質されたポリウレタン系
樹脂としては特に表面特性の優れたポリウレタン
系樹脂であることが好ましく、特に自己修復性に
優れたポリウレタン系樹脂であることが好まし
い。以下、これらポリウレタン系樹脂の原料につ
いて説明するが、ポリウレタン系樹脂形成時ある
いは形成後に使用される重合性化合物については
前記したので省略して説明する。 本発明において、熱可塑性ポリウレタン系樹脂
は分子量約300〜800のジオール、または分子量約
300以上、好ましくは約4000以下のジオールと2
価の鎖伸長剤との組み合せ、とジイソシアネート
化合物とを反応させて得られる熱可塑性ポリウレ
タン系樹脂が好ましい。2価の鎖伸長剤は分子量
300未満、特に分子量約200以下のジオール、ジア
ミン、その他のイソシアネート基と反応性の活性
水素含有官能基を2個有する化合物をいう。ジイ
ソシアネート化合物は無黄変性ジイソシアネート
化合物が好ましい。自己修復性に優れた熱可塑性
ポリウレタン系樹脂としては分子量約300〜800の
ジオールとジイソシアネート化合物を主原料とし
て得られる熱可塑性ポリウレタン系樹脂および分
子量約300〜1200、特に約400〜950のジオールと
鎖伸長剤を鎖伸長剤/ジオールの当量比が約1.2
以下、好ましくは約0.1以上、となる組み合せで
使用し、これとジイソシアネート化合物とを主原
料として得られる熱可塑性ポリウレタン系樹脂が
好ましい。特に機械的特性の優れた熱可塑性ポリ
ウレタン系樹脂としては、分子量約1600〜4000の
ジオールと鎖伸長剤を鎖伸長剤/ジオールの当量
比が約2〜5となる組み合せで使用し、これとジ
イソシアネート化合物とを主原料として得られる
熱可塑性ポリウレタン系樹脂が好ましい。また、
高い機械的特性とある程度以上の自己修復性とを
兼ね備えた熱可塑性ポリウレタン系樹脂としては
分子量約1000〜2000、特に約1200〜1600のジオー
ルと鎖伸長剤とを鎖伸長剤/ジオールの当量比を
約0.8〜2.5、特に約1.2〜2.0、となる組み合せで
使用し、これとジイソシアネート化合物とを主原
料として得られる熱可塑性ポリウレタン系樹脂が
好ましい。また、これら熱可塑性ポリウレタン系
樹脂の機械的特性はジオールの種類により大きく
変化し、高い機械的物性を得るためにはジオール
として後述の特定のジオール(たとえば、ポリエ
ステル系ジオール、ポリカーボネート系ジオー
ル、ポリオキシテトラメチレン系ジオール)を使
用することが好ましい。従つて、前記のようにバ
イレイヤー層が改質された熱可塑性ポリウレタン
系樹脂の実質的に1層のみからなる場合の熱可塑
性ポリウレタン系樹脂、最外層の改質された熱可
塑性樹脂と比較的厚い内部層からなる場合の熱可
塑性ポリウレタン系樹脂、および比較的厚い内部
層としての熱可塑性ポリウレタン系樹脂はそれぞ
れ上記熱可塑性ポリウレタン系樹脂(およびそれ
に使用されるジオールの種類)より目的に合致す
るものを選択することが好ましい。 比較的厚い内部層を有する場合のバイレイヤー
層の最外層は改質された熱硬化性ポリウレタン系
樹脂であつてもよい。熱硬化性ポリウレタン系樹
脂はポリオールおよび場合により2価以上の鎖伸
長剤、並びにポリイソシアネート化合物の内少く
とも1種が3価以上の化合物(2価の化合物の少
量と併用してもよい)であるそれらの組み合せに
より得られる。たとえば、3価以上のポリオール
と2価以上のポリイソシアネート化合物、ジオー
ルと3価以上の鎖伸長剤と2価以上のポリイソシ
アネート化合物、3価以上のポリオールと2価の
鎖伸長剤と2価以上のポリイソシアネート化合
物、などの組み合せがある。この場合ポリオール
としては水酸基当りの分子量が約150〜2000、特
に約200〜1500のポリオールが適当である。ポリ
オールの種類としては特に限定されず、ポリエス
テル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオー
ル、ポリエーテル系ポリオール、その他のポリオ
ールを使用しうる。2価以上の鎖伸長剤は活性水
素含有官能基当りの分子量が150未満の化合物で
あり、特に約100以下の化合物が好ましい。特に
自己修復性の高い熱硬化性ポリウレタン系樹脂を
得るには水酸基当りの分子量が約100〜600の3価
以上のポリオールと2価以上のポリイソシアネー
ト化合物との組み合せ、または官能基当りの平均
分子量が約100〜600となる2価以上のポリオール
と2価以上の鎖伸長剤の組み合せ(ただし少くと
も一方は3価以上)と2価以上のポリイソシアネ
ート化合物との組み合せ、より得られる熱硬化性
ポリウレタン系樹脂が好ましい。なお、熱硬化性
ポリウレタン系樹脂の場合も使用するポリイソシ
アネート化合物は無黄変性ポリイソシアネート化
合物が好ましい。 上記ジオールとしてはポリエステル系ジオー
ル、ポリカーボネート系ジオール、ポリエーテル
系ジオール、ポリブタジエングリコールなどの炭
化水素系ジオール、およびそれらの複合体系ジオ
ール(たとえばポリエーテルエステルジオールな
どの主鎖にエステル結合、カーボネート結合、エ
ーテル結合などを2種以上有するもの)がある。
特に好ましいジオール(前記特定のジオール)は
ポリエステル系ジオール、ポリカーボネート系ジ
オール、ポリエーテル系ジオールの内ポリオキシ
テトラメチレン系ジオール、およびエステル結
合、カーボネート結合、あるいはオキシテトラメ
チレン結合の1種以上を主とする(数にして過半
数以上)結合を主鎖に含む複合体系ジオールであ
る。特に、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸残
基と炭素数2〜8の脂肪族2価アルコール残基か
らなるかまたは炭素数4〜8の環状エステルある
いはヒドロキシカルボン酸の重合体からなるポリ
エステルジオール、炭素数2〜10、特に4〜8の
脂肪族2価アルコールあるいはポリアルキレング
リコールの残基を有するポリカーボネートジオー
ル、およびポリオキシテトラメチレンジオールな
どが好ましい。具体的な特に好ましいジオールは
ポリ(1,4−ブチレンアジペート)ジオール、
ポリ(1,4−ブチレンアゼレート)ジオール、
ポリ(1,6−ヘキシレンアジペート)ジオー
ル、ポリ(エチレンアジペート)ジオール、ポリ
{(1,4−ブチレン/エチレン)アジペート}ジ
オール、ポリ(ε−カプロラクトン)ジオール、
ポリ(1,6−ヘキシレンカーボネート)ジオー
ル、ポリ(1,4−ブチレンカーボネート)ジオ
ール、ポリ(エチレンカーボネート)ジオール、
ポリオキシテトラメチレンジオールである。前記
のように熱可塑性ポリウレタン系樹脂によつては
上記の特定のジオール以外のジオールを使用しう
る。たとえば2価アルコール、2価フエノール、
その他の2価のイニシエーターにプロピレンオキ
シド、エチレンオキシド、ブチレンオキシドなど
のアルキレンオキシドを1種以上付加して得られ
るポリエーテルポリオールや上記ブタジエンのホ
モポリマーやコポリマーを主鎖とする炭化水素系
ジオールがある。特に、2価イニシエーターにプ
ロピレンオキシドを付加して得られるポリエーテ
ルジオール、および2価イニシエーターにプロピ
レンオキシドとエチレンオキシドを混合してある
いは順次付加して得られるポリエーテルジオール
が適当である。 3価以上のポリオールとしては3価以上の多価
アルコール、多価フエノール、アルカノールアミ
ン、その他の多価イニシエーターに上記アルキレ
ンオキシドやテトラヒドロフラン等の環状エーテ
ルを付加して得られるポリエーテルポリオール、
3価以上のポリカルボン酸残基あるいは多価アル
コール残基を有し主にジカルボン酸残基と2価ア
ルコール残基を含む3価以上のポリエステルポリ
オール、3価以上のイニシエーターに環状エステ
ル等を付加して得られる3価以上のポリエステル
ポリオール、その他の3価以上のポリオールがあ
り、特に3価以上のポリエーテルポリオールと3
価以上のポリエステルポリオールが好ましい。 2価以上の鎖伸長剤(3価以上の化合物は架橋
剤と呼ばれることもある)としては多価アルコー
ル、多価のポリエーテルポリオール、およびジあ
るいはポリアミンが好ましいが、その他鎖伸長剤
として公知のものを使用しうる。2価の鎖伸長剤
としては、エチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、その他
の2価アルコール、これら2価アルコールあるい
はビスフエノールAなどの2価フエノールに少量
のアルキレンオキシドを付架して得られるポリエ
ーテルジオール、ジメチロール酢酸、ジメチロー
ルプロピオン酸等の酸基含有2価アルコール、お
よびエチレンジアミン、ジアミノジフエニルメタ
ン、その他のジアミンが好ましく、特にエチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、その他
の炭素数2〜6の2価アルコールが好ましい。3
価以上の鎖伸長剤としてはグリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリ
トール、その他の3価以上の多価アルコール、そ
れらに少量のアルキレンオキシドを付加して得ら
れる3価以上のポリエーテルポリオール、および
3価以上のポリアミンが適当である。 上記ジオール、3価以上のポリオール、および
鎖伸長剤が使用される場合それぞれ2種以上を組
み合せて使用することができ、後述ポリイソシア
ネート化合物においても同様である、組み合せて
使用するとは混合して使用する場合に限られるも
のではなく、たとえば前記ジオールと2価の鎖伸
長剤の組み合せにおいてジオールとジイソシアネ
ート化合物を反応させて得られるイソシアネート
末端プレポリマーを鎖伸長剤と反応させる場合の
ように別々に使用してポリウレタン系樹脂を使用
する場合も意味する。また、これら化合物の組み
合せにおいては平均分子量は数平均分子量を意味
する。 ポリウレタン系樹脂は前記ジオール、3価以上
のポリオール、2価以上の鎖伸長剤等の合計当量
に対し約0.9〜1.1当量のポリイソシアネート化合
物を反応させて得られる。本発明においてポリイ
ソシアネート化合物は無黄変性ポリイソシアネー
ト化合物(即ち芳香核に直接結合したイソシアネ
ート基を含まない化合物)が適当であり、これは
キシリレンジイソシアネートなどの芳香族系化合
物であつてもよいが、好ましくは脂肪族系あるい
は脂環族系のポリイソシアネート化合物からな
る。たとえば、イソホロンジイソシアネート、
4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシア
ネート)、2,2−ビス(4−イソシアネートシ
クロヘキシル)プロパン、ビス(3−メチル−4
−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、1,
4−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環
族ジイソシアネート化合物やヘキサメチレンジイ
ソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
ト、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,
4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート
などの脂肪族ジイソシアネート化合物が好まし
い。これらは変性されたものであつてもよく、た
とえばプレポリマー型変性体、カルボジイミド変
性体、ウレア変性体、ビユーレツト変性体などで
あつてもよい。特に好ましいポリイソシアネート
化合物はイソホロンジイソシアネートと4,4′−
メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)
である。 ポリウレタン系樹脂はジオール、3価以上のポ
リオール、鎖伸長剤などとポリイソシアネート化
合物とからなる主原料の他種々の副原料を必要に
より使用して得られる。副原料の内通常使用され
るものはポリウレタン形成用の触媒であり、たと
えば第3級アミンやその塩などのアミン系触媒と
ジブチル錫ジラウレートなどの有機錫化合物やそ
の他の有機金属系化合物がある。特に有機スズ化
合物の使用が好ましい。第2の副原料として通常
使用が好ましいものは紫外線吸収剤、光安定剤、
酸化防止剤、その他の安定剤である。たとえば、
ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾキノン系化
合物、テトラアルキルピペリジン系化合物、ヒン
ダートフエノール系化合物、ヒンダートアミン系
化合物、その他のポリウレタン用の安定剤があ
り、これらは1種は勿論2種以上を併用すること
も好ましい。また、これら化合物はイソシアネー
ト基と反応しうる活性水素含有官能基を1つ以上
有する反応性の安定剤であつてもよい。その他任
意に使用しうる副原料としては染料等の着色剤、
シリコン油等のブロツキング防止剤、その他のも
のがある。これら副原料の使用量は上記反応性の
安定剤、特に2価以上の反応性の安定剤を除いて
通常少量であり、特に全ポリウレタン原料に対し
て5重量%以下が適当である。 上記ポリウレタン系樹脂またはポリウレタン系
樹脂形成性の反応性混合物に対する前記全重合性
化合物(即ち重合性不飽和基を有する化合物の総
量)の割合は特に限定されるものではないが1〜
80重量%が適当であり、特に5〜50重量%が好ま
しい。また、ポリウレタン系樹脂層の表面より含
浸させる方法の場合はその含浸性等の条件によつ
て左右されるが、ごく表面に近い部分において約
5重量%以上であることが好ましい。 本発明の積層安全ガラスは自動車用窓材として
特に優れている。しかし、建築用、その他の窓材
としても使用しうる。この窓材として使用される
積層安全ガラス用の硬質基体は一定厚さのシート
状物、またはその成形物からなる。しかし、硬質
基体は他の形状のものであつてもよい。その代表
例は、レンズである。たとえば、眼鏡用レンズと
して自己修復性を有する熱硬化性ポリウレタン系
樹脂層を片面に有するガラスレンズが知られてい
る。本発明の積層安全ガラスもこのような眼鏡用
レンズ、その他の光学素子であつてもよい。さら
に他の用途の例としては、たとえば前記特開昭53
−27671号公報第9頁右下欄に例示されているよ
うな用途があり、本発明の積層安全ガラスもこの
ような用途に使用しうる。 以下に本発明を実施例などで具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例のみに限られるもので
はない。 実施例 1 ポリカプロラクトンジオール(水酸基価55)
1500gを100℃にて撹拌脱気した。これに4,
4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト)969g、およびジブチル錫ジラウレート(以
下触媒という)0.08gを加えて窒素気流下80℃で
20分間反応させた。次にこの反応混合物に1,4
−ブタンジオール259gを加えて速やかに撹拌し、
次いでフツ素樹脂被覆された容器に注ぎ、130℃
で15時間窒素雰囲気中で加熱して透明な熱可塑性
ポリウレタン樹脂を得た。以下、この熱可塑性ポ
リウレタン樹脂をポリウレタンAという。 Rf−C2H4OH 〔以下RfはCoF2o+1 -で表わされ
る炭素数nのパーフルオロアルキル基を示す。こ
の実施例においてnは8〜9〕のメタクリレート
1g、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
30g、ベンゾフエノン1.5g、および上記ポリウ
レタンA100gをクロロホルム2500g中に溶解さ
せた。この溶液(以下溶液イという)ガラスシー
ト上に流延し、クロロホルムを蒸発させ0.2mmの
厚さの透明なシートをガラスシート上に形成し
た。このシート面上10cmの距離から80W/cmの紫
外線を30秒間照射した。この改質されたポリウレ
タンシートを以下シート(A−1)という。この
シート(A−1)の表面の性能を第1表に示す。 一方、前記ポリウレタンAを押出成形して0.5
mm厚の平滑かつ透明なシートを製造した。このシ
ートと上記シート(A−1)を重ね、さらに30cm
×30cm×3mmの2枚の透明なガラスシートの間に
挟み、オートクレーブ中で140℃、13Kg/cm2の条
件で熱圧着を行つた。なお使用したガラスシート
の内シート(A−1)側に接するガラスシートと
してはそのシート(A−1)に接する面に予めポ
リジメチルシロキサンの焼付による離型処理を施
こしたガラスシートを使用した。積層後離型処理
を施したガラスシートを剥離し、ガラスシート/
ポリウレタンAのシート/シート(A−1)の3
層構造を有するバイレイヤーガラスを得た。この
バイレイヤーガラスの露出面(バイレイヤー層表
面)の表面特性は第1表に記載したシート(A−
1)の表面特性と同一で変化はなかつた。また、
このバイレイヤーガラスの落球試験(5ポンドの
鋼球を4mの高さから落下させてその破壊の有無
をみる試験)結果は合格(即ち破壊なし)であつ
た。 実施例 2 前記実施例1で得られた押出成形によつて製造
されたポリウレタンAのシート(厚さ0.5mm)を
実施例1と同様の方法でガラスシートと積層し、
ガラスシート/ポリウレタンAのシートの2層構
造を有するバイレイヤーガラスを製造した。一
方、アセトニトリル400g、RfC2H4OH〔n=5〕
のメタクリレート10g、1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート100g、2,2−ジエトキシア
セトフエノン5gからなる溶液(以下溶液ロとい
う)を用意し、この溶液を上記バイレイヤーガラ
スのポリウレタンA表面にスプレーにより均一に
塗布し、次いでアセトニトリルを蒸発させて乾燥
した。その後10cmの距離から80W/cmの紫外線を
30秒間照射して表面改質を行つた。得られたバイ
レイヤーガラスの改質されたポリウレタンの表面
性能を第1表に示す。 実施例 3 下記原料を使用し実施例1と同様の方法により
透明な熱可塑性ポリウレタン樹脂を製造した。以
下この熱可塑性ポリウレタン樹脂をポリウレタン
Bという。 ポリブチレンアジペートジオール(水酸基価
56) 1500g 4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシ
アネート) 1169g 1,4−ブタンジオール 332g 触 媒 0.09g ポリウレタンBを押出成形して厚さ1mmのシー
トを製造し、このシートの片面を剥離性プラスチ
ツクシートで保護した後実施例2における溶液ロ
に10分間浸漬した後乾燥した。次に、10cmの距離
から80W/cmの紫外線を10分間照射した後剥離性
プラスチツクシートを除去し、表面改質されたポ
リウレタンシート(以下シート(B−1)とい
う)を得た。このシート(B−1)の改質面の表
面性能を第1表に示す。 シート(B−1)と30cm×30cm×3mmのガラス
シートを使用しシート(B−1)の非改質表面を
積層面として実施例1と同様の方法によりガラス
シート/シート(B−1)の構造を有するバイレ
イヤーガラスを製造した。このバイレイヤーガラ
スのバイレイヤー層表面の性能はシート(B−
1)の表面性能と変らず、また落球試験は合格で
あつた。 実施例 4 実施例3で得られたポリウレタンBの押出成形
シート(厚さ1mm)の片面を保護し、RfC2H4OH
〔n=8〜9〕のメタクリレート10g、1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート100g、および
アセトニトリル370gからなる溶液に10分間浸漬
し乾燥後加圧電圧200KVで10メガラドの電子線
を照射した。得られた片面が改質されたポリウレ
タンシート(以下シート(B−2)という)の改
質された表面の性能を第1表に示す。 このシート(B−2)を使用し、実施例3と同
様の方法でガラスシート/シート(B−2)の構
造を有するバイレイヤーガラスを製造した。この
バイレイヤーガラスのバイレイヤー層表面の性能
はシート(B−2)のそれと変らず、落球試験結
果は合格であつた。 実施例 5 下記原料を使用して実施例1と同様の方法で熱
可塑性ポリウレタン樹脂を製造した。以下これを
ポリウレタンCという。 ポリオキシテトラメチレンジオール(水酸基価
134) 1500g 4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシ
アネート) 836g 1,4−ブタンジオール 120g 触 媒 0.07g 上記ポリウレタンC100g、RfC2H4OH〔n=8
〜9〕のメタクリレート0.5g、1,6−ヘキサ
ンジオールジアクリレート40g、およびベンゾフ
エノン2gを2500gのクロロホルムに溶解させた
溶液(以下溶液ハという)をガラス板上に流延
し、クロロホルムを蒸発させて0.2mm厚の透明な
シートとし、このシート上10cmの距離から80W/
cmの紫外線を30秒間照射した。このシート(以下
シート(C−1)という)の表面性能を第1表に
示す。 一方、下記の原料を使用して実施例1と同様の
方法で熱可塑性ポリウレタン樹脂(以下ポリウレ
タンDという)を製造し、これを押出成形して
0.4mm厚のシートを製造した。 ポリ(1,6−ヘキサンカーボネート)ジオー
ル(水酸基価56.0) 600g ポリ(ブチレンアジペート)ジオール(水酸基
価54.0) 400g 4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシ
アネート) 531g 1,4−ブタンジオール 135g 触 媒 0.01g このシートと前記シート(C−1)を重ね実施
例1と同じ方法によりガラスシート/ポリウレタ
ンDのシート/シート(C−1)の3層構造を有
するバイレイヤーガラスを製造した。このバイレ
イヤーガラスのバイレイヤー層の表面性能はシー
ト(C−1)のそれと変らず、また落球試験結果
は合格であつた。 実施例 6 実施例5におけるポリウレタンCを押出成形し
て厚さ0.5mmのシートを製造し、このシートを用
いて実施例2と同じ方法でバイレイヤーガラスを
製造した。一方、RfC2H4OH(n=8〜9)のメ
タクリレート20g、1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレート200g、ベンゾフエノン10g、およ
びアセトニトリル550gからなる溶液(以下溶液
ハという)を用意し、上記バイレイヤーガラスを
その溶液ハに10分間浸漬した後、ガラス面上の溶
液を除くとともにアセトニトリルを蒸発除去し、
バイレイヤー層上10cmの距離から80W/cmの紫外
線を30秒照射した。得られたバイレイヤーガラス
(以下バイレイヤー(C−2)という)の改質さ
れたバイレイヤー層の表面の性能を第1表に示
す。 実施例 7 実施例6の溶液ハからベンゾフエノンを除く以
外は同一組成の溶液を製造し、実施例5と同じ構
成の表面処理前のバイレイヤーガラスをこの溶液
に10分間浸漬した。その後ガラス表面上の溶液を
除き、バイレイヤー層表面のアセトニトリルを除
去した後バイレイヤー層表面上から加速電圧
200kVにて20メガラドの電子線を照射した。得ら
れたバイレイヤーガラス(以下バイレイヤー(C
−3)という)の改質されたバイレイヤー層表面
の性能を第1表に示す。 実施例 8 実施例5で得られたポリウレタンC100g、Rf
C2H4OH〔n=8〜9〕のメタクリレート1g、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート30g、
2,2′−アゾビスインブチロニトリル0.06g、お
よびクロロホルム2500gからなる溶液をガラス板
上に流延し、クロロホルムを蒸発させた後100℃
のオーブン中に1時間保持して厚さ0.2mmのシー
トを得た。このシート(以下シート(C−4)と
いう)の表面性能を第1表に示す。 実施例 9 ポリオキシテトラメチレンジオール(水酸基価
101)100gを100℃にて撹拌脱気した。これにベ
ンゾフエノン1.72gを溶解させた後、4,4′−メ
チレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)48
g、1,4−ブタンジオール8g、触媒0.005g、
RfC2H4OH〔n=8〜9〕のメタクリレート3.12
gおよび1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト31.20gを加えて速やかに撹拌し、次いでこの
液状の反応混合物を実施例1で使用したと同じ離
型処理された2枚のガラスシートの間に注ぎ込
み、150℃で1時間反応させ、反応終了後2枚の
ガラスシートを剥離して0.2mm厚のシートを製造
した。次に、このシートに10cmの距離から80W/
cmの紫外線を30秒間照射した。照射後のシートの
表面の性能を第1表に示す。 実施例 10 ポリカプロラクトントリオール(水酸基価304)
100gを撹拌脱気した。これにヘキサメチレンジ
イソシアネートの三量化変性体(商品名“コロネ
ートEH”、日本ポリウレタン(株)製)870g、触媒
0.02gを加え、撹拌脱気した後反応混合物をガラ
スシート上に0.2mm厚に流延した。その後110℃で
1時間硬化を行つて0.2mm厚の透明な熱硬化性ポ
リウレタンのシートを得た。このシートを実施例
2における溶液ロに10分間浸漬し、乾燥後10cmの
距離から80W/cmの紫外線を照射した。得られた
シートの表面の特性を第1表に示す。 実施例 11 実施例1により得られたポリウレタンA、重合
性不飽和基を有するポリジメチルシロキサン系化
合物(商品名“PS406”チツソ(株)製)1g、1,
6−ヘキサンジオールジアクリレート30gおよび
ベンゾフエノン1.5gを2500gのクロロホルムに
溶解した溶液(以下溶液ニという)実施例1と同
様にガラス板上に流延し、クロロホルム除去後
80W/cmの紫外線を30秒照射して厚さ0.2mmのシ
ート(以下シート(A−3)という)を製造し
た。このシートの表面性能を第1表に示す。 実施例5におけるポリウレタンDのシート(厚
さ0.4mm)とシート(A−3)を使用し、実施例
1と同様の方法でガラスシート/ポリウレタンD
のシート/シート(A−3)の3層構造を有する
バイレイヤーガラスを製造した。このバイレイヤ
ーガラスのバイレイヤー層表面の性能はシート
(A−3)のそれと変化なく、また落球試験結果
は合格であつた。 実施例 12 実施例5により得られたポリウレタンC、重合
性不飽和基を有するポリジメチルシロキサン系化
合物(商品名“PS543”チツソ(株)製)2g、1,
6−ヘキサンジオールジアクリレート40g、およ
びベンゾフエノン2gを2500gのクロロホルムに
溶解した溶液を実施例と同様にシート化し紫外線
照射して厚さ0.2mmのシート(以下シート(C−
5)という)を製造した。このシートの表面性能
を第1表に示す。 比較例 1 実施例1において溶液イの代りにポリウレタン
A100gのみをクロロホルム2500gに溶解した溶
液を使用し、これをガラスシート上に流延してク
ロロホルムを蒸発させ厚さ0.2mmのポリウレタン
Aのシートを製造した。このシートの表面性能を
第1表に示す。 比較例 2 実施例1において、溶液イの代りにRfC2H4OH
のメタクリレートを含まない点以外は溶液イと同
じ組成の溶液を使用し、実施例1と同じ方法で流
延、紫外線照射等を行い厚さ0.2mmのシートを製
造した。このシートの表面性能を第1表に示す。 比較例 3 実施例3の溶液ロの代りにRfC2H4OHのメタク
リレートを含まない点以外は溶液ロと同じ組成の
溶液を使用し、実施例3と同じ原料と方法を使用
して表面改質されたポリウレタンBのシートを製
造した。このシートの改質面の表面特性を第1表
に示す。 比較例 4 実施例5の溶液ハの代りにRfC2H4OHのメタク
リレートを含まない点以外は溶液ハと同じ組成の
溶液を使用し、これを実施例5と同様の方法で
0.2mm厚のシートに成形した。このシートの表面
性能を第1表に示す。 比較例 5 実施例11における溶液ニの代りに重合性不飽和
基を有するポリジメチルシロキサン系化合物を含
まない点以外は溶液ニと同じ組成の溶液を使用し
厚さ0.2mmのシートを製造した。このシートの表
面特性を第1表に示す。 【表】
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明の積層安全ガラスの4
例を示す模式的な断面図であり、第1図は3層構
造、第2図は2層構造、第3図は別の2層構造、
および第4図は5層構造の積層安全ガラスを示
す。第5〜第8図は本発明のシート状材料の4例
を示す模式的な断面図であり、第5図は全体が改
質されたポリウレタン系樹脂からなるシート状材
料、第6図は全体が改質されたポリウレタン系樹
脂と改質されていない熱可塑性ポリウレタン系樹
脂の2層構造を有するシート状材料、第7図は片
方の表面部分のみが改質されているシート状材
料、および第8図は両方の表面部分のみが改質さ
れているシート状材料を示す。 1……重合体含有ポリウレタン系樹脂層、2…
…内部層、3……ガラス層、9……合せガラス、
10,11……重合体含有ポリウレタン系樹脂。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一方の最外層が少くとも表面部分が改質され
    たポリウレタン系樹脂の層であり他方の最外層が
    硬質基体の層である少くとも2層構造の透明ある
    いは半透明の積層安全ガラスにおいて、改質され
    たポリウレタン系樹脂層が、 (イ) あらかじめ形成されたポリウレタン系樹脂の
    存在下に重合性不飽和基を有する重合性化合物
    を重合して得られる該重合性化合物の重合体を
    含有するポリウレタン系樹脂の層、または (ロ) ポリウレタン形成性の反応性混合物を反応さ
    せてポリウレタン系樹脂を形成する際に該反応
    性混合物に配合された重合性不飽和基を有する
    重合性化合物を重合して得られる該重合性化合
    物の重合体を含有するポリウレタン系樹脂の
    層、 であり、かつ上記重合性化合物の一部ないし全部
    として含フツ素系あるいは含ケイ素系の重合性化
    合物を使用したことを特徴とする積層安全ガラ
    ス。 2 ポリウレタン系樹脂が分子量約300以上のジ
    オール、鎖伸長剤、および無黄変性ジイソシアネ
    ート化合物を主原料として得られる熱可塑性ポリ
    ウレタン系樹脂である、特許請求の範囲第1項の
    積層安全ガラス。 3 含フツ素系重合性化合物が炭素数約3以上の
    ポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリ
    ル酸エステルである、特許請求の範囲第1項の積
    層安全ガラス。 4 含ケイ素系重合性化合物が重合性不飽和基を
    有するポリジメチルシロキサン系化合物である、
    特許請求の範囲第1項の積層安全ガラス。 5 重合を紫外線によつて行う、特許請求の範囲
    第1項の積層安全ガラス。 6 少くとも表面部分が改質されたポリウレタン
    系樹脂からなるシート状材料または該改質された
    ポリウレタン系樹脂の層を含む多層構造の合成樹
    脂製のシート状材料において、改質されたポリウ
    レタン系樹脂が、 (イ) あらかじめ形成されたポリウレタン系樹脂の
    存在下に重合性不飽和基を有する重合性化合物
    を重合して得られる該重合性化合物の重合体を
    含有するポリウレタン系樹脂、または、 (ロ) ポリウレタン形成性の反応性混合物を反応さ
    せてポリウレタン系樹脂を形成する際に該反応
    性混合物に配合された重合性不飽和基を有する
    重合性化合物を重合して得られる該重合性化合
    物の重合体を含有するポリウレタン系樹脂、 であり、かつ上記重合性化合物の一部ないし全部
    として含フツ素系あるいは含ケイ素系の重合性化
    合物を使用したことを特徴とする積層安全ガラス
    製造用のシート状材料。
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JPS6359531A (ja) * 1986-08-29 1988-03-15 花王株式会社 ポリウレタン積層体の製造法

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JPS60257241A (ja) 1985-12-19

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