JPS61281136A - 表面改質架橋型ポリウレタン系樹脂シ−ト - Google Patents

表面改質架橋型ポリウレタン系樹脂シ−ト

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JPS61281136A
JPS61281136A JP9477686A JP9477686A JPS61281136A JP S61281136 A JPS61281136 A JP S61281136A JP 9477686 A JP9477686 A JP 9477686A JP 9477686 A JP9477686 A JP 9477686A JP S61281136 A JPS61281136 A JP S61281136A
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polyurethane resin
sheet
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polyol
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Kazuhiko Kuga
久我 和彦
Hiroshi Washida
鷲田 弘
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、少なくとも片面が表面改質された自己修復性
を有する架橋型ポリウレタン系樹脂シートに関するもの
である。
自動車用窓材として無機ガラスなどの硬質透明シートの
片面に軟質合成樹脂層を設けた積層安全ガラスが知られ
ている。軟質合成樹脂層は硬質透明シートの破損の際の
人体に対する傷害を防ぐ効果(#裂傷性と呼ばれる)、
あるいは人体の衝突の際の衝撃エネルギー吸収ノ効果な
どを有する。このタイプの積層安全ガラスの大きな問題
点の1つは軟質合成樹脂層の表面特性である。軟質合成
樹脂層は引掻等により傷を生じ易く、また汚れが付き易
く溶剤に侵され易い、軟質合成樹脂層表面の傷の生成を
防ぐために、いわゆるハードコートと呼ばれる硬質合成
樹脂の層でその表面を保護することが知られている。ハ
ードコート層は耐汚染性や耐溶剤性も一般に良好である
。しかし、軟質合成樹脂層上のハードコート層は破損し
易い点が問題である。たとえば、軟質合成樹脂面を押圧
した場合、軟質合成樹脂はある程度変形可能であるがハ
ードコート層はその変形に追従できず、極めテ容易にハ
ードコート層にひびなどを生じる。
後述引用公報(特公昭57−27050号公報参照)に
記載されているように、このハードコート層の破損され
易さを解決するために、軟質合成樹脂層の表面保護層あ
るいは軟質合成樹脂層そのものとして特定表面特性を有
する軟質合成樹脂を使用することが提案されている。こ
の軟質合成樹脂は自己修復性あるいは自己復元性と呼ば
れる性質を有する。自己修復性とは引掻等により生じた
傷が経時的に自然に消失する性質をいい、特に特定の架
橋型ポリウレタン系樹脂(熱硬化性ポリウレタン系樹脂
あるいは網状化ポリウレタン系樹脂と呼ばれるものと同
じ)からなる、自己修復性を有する軟質合成樹脂につい
ては、たとえば特公昭55−8857号公報に記載され
でいる。
1枚の無機ガラスあるいは1枚の合せガラスの片面に自
己修復性を有する架橋型ポリウレタン系樹脂の表面を有
する軟質合成樹脂層を設けた積層安全ガラスは公知であ
り、たとえば特公昭57−27050号公報、特公昭5
9−48775号公報、特開昭53−27871号公報
、特開昭57−178157号公報などに記載されてい
る。上記合せガラスとは2枚の無機ガラスをポリビニル
ブチラール系樹脂などの中間膜を介して積層した積層ガ
ラスをいう。積層安全ガラスにはエネルギー吸収性や耐
貫通性などの機械的物性を有する軟質合成樹脂層を必要
とする。上記公知の自己修復性を有する架橋型ポリウレ
タン系樹脂はこのような機械的物性を有していない、従
って、1枚の無機ガラスを用いた積層安全ガラスにおい
ては、軟質合成樹脂層はポリビニルブチラール系樹脂や
熱可塑性ポリウレタン系樹脂からなる機械的物性を付与
し、かつ無機ガラス表面に対する接着性を有する層とそ
の層を保護するための自己修復性を有する架橋型ポリウ
レタン系樹脂の層の2層を含む。合せガラスを用いた積
層安全ガラスにおいては、合せガラスの中間膜が機械的
物性を有するので耐裂傷性と自己修復性とを有する架橋
型ポリウレタン系樹脂のみで軟質合成樹脂層を構成しう
る。しかし、このような架橋型ポリウレタン系樹脂は無
機ガラスに対する接着性が不充分であることが多く、好
ましくは無機ガラス層と架橋型ポリウレタン系樹脂層と
の間に薄い接着性材料の層を設ける。接着性材料として
は熱可塑性樹脂が適当で特に上記ポリビニルブチラール
系樹脂や熱可塑性ポリウレタン系樹脂が用いられる。要
するに1枚の無機ガラスを用いた端層安全ガラスにおい
ては機械的物性を発揮しうる程度に厚い接着層が1合せ
ガラスを用いた積層安全ガラスにおいては機械的物性が
不要であるので薄い接着層が、使用される。
上記架橋型ポリウレタン系樹脂を表面とする軟質合成樹
脂層は自己修復性という優れた表面特性を有するものの
、積層安全ガラスに要求されるすべての表面特性を充分
に満足するとはいえないものである。特に、耐汚染性の
面は改良すべき余地がある。耐汚染性とは種々の汚れが
表面に付着ないし含浸し難い性質や付着した汚れを除去
し易い性質をいう。本発明者は自己修復性を有する架橋
型ポリウレタン系樹脂の表面の耐汚染性を改良するため
にその表面の改質について検討した。この改質において
重要なことは、架橋型ポリウレタン系樹脂が有している
自己修復性を失なわせるような改質であってはならない
点である。従って架橋型ポリウレタン系樹脂層の表面に
他の材料の層を形成することはできない0本発明者はこ
の点を考慮しつつ、架橋型ポリウレタン系樹脂の表面の
改良について種々の検討を行った結果、架橋型ポリウレ
タン系樹脂の表面に付加重合性の不飽和化合物を含浸硬
化することにより目的を達成しうることを見い出した。
付加重合性の不飽和化合物としてはアクリル酸やメタク
リル酸(以下両者を意味する言葉として「(メタ)アク
リル酸」という、「(メタ)アクリレート」なども同様
)のエステル、即ち(メタ)アクリレート、が好適であ
る。(メタ)アクリレートは前記ハードコート層形成原
料の一部として公知である。しかし、ハードコート層の
形成は前記のように好ましくなく、また架橋型ポリウレ
タン系樹脂の自己修復性も失なわれる0本発明において
玉要なことは、(メタ)アクリレートなどは架橋型ポリ
ウレタン系樹脂に含浸しうる量以上に架橋型ポリウレタ
ン系樹脂の表面に適用してはならない(過剰に適用した
場合は重合前にその過剰量を除去しなければならない)
ということであり、また架橋型ポリウレタン系樹脂の表
面には架橋型ポリウレタン系樹脂成分を含まない(メタ
)アクリレートなどの重合体のみからなる重合体層を実
質的に含まないことが必要である。
この重合体層を実質的に含まないとは、たとえその層が
形成されたとしてもその層が架橋型ポリウレタン系樹脂
の表面の性質を失なわせることがなく、かつその重合体
層の性質を発揮することがない程度の厚さでなくてはな
らないことを意味し、その厚さは通常tg未満である0
本発明において、(メタ)アクリレートなどの含浸硬化
による表面改質は架橋型ポリウレタン系樹脂表面に汚れ
が含浸することを防止し、また架橋型ポリウレタン系樹
脂表面に付着した汚れを除去し易くする。
本発明は上記表面改質された架橋型ポリウレタン系樹脂
シート関する下記の発明である。
自己修復性を有する架橋型ポリウレタン系樹脂シートの
少なくとも片面が付加重合性の化合物の含浸硬化による
表面改質を施され、かつその表面改質された表面が自己
修復性を保持している表面改質架橋型ポリウレタン系樹
脂シート。
架橋型ポリウレタン系樹脂の表面改質は付加重合性の不
飽和基、特にα、β−不飽和二重結合を少なくとも1個
有する不飽和化合物を架橋型ポリウレタン系樹脂の表面
に含浸しその不飽和化合物を付加重合させることによっ
て行なわれる。この付加重合性不飽和化合物を以下モノ
マーという。モノマーとしては、常温で液状の化合物が
好ましいが、溶剤に溶解しうる化合物も使用しうる。モ
ノマーや使用される溶剤は架橋型ポリウレタン系樹脂を
侵すものであってはならない、七ツマ−の付加重合は熱
重合であってもよいが、好ましくは紫外線等の光や電子
線など(以下これらをエネルギー線という)が好ましい
。モノマーは溶剤に溶解せずに使用しうるが好ましくは
溶剤に溶解した組成物で架橋型ポリウレタン系樹脂表面
に適用される。また、七ツマー組成物には溶剤以外に光
重合開始剤や光増感剤などの付加重合開始剤を配合して
用1.)ることが通例である。また、必要により着色剤
、その他の配合剤を配合してもよい。
モノマーとしては1種のみは勿論2種以上を用してもよ
い。七ツマ−は単官能性(付加重合性不飽和基を1個有
する)であっても多官能性(同不飽和基を2以り有する
)であってもよい、好ましくは多官能性化合物が使用さ
れるか、あるいは多官能性化合物と単官能性化合物が併
用される。好ましい七ツマ−は(メタ)アクリレート系
モノマー、即ちモノあるいはポリアルコールの(メタ)
アクリル酸エステルである。たとえば、(メタ)アクリ
ル酸のアルキルエステルなどの単官能の(メタ)アクリ
レート、ポリアルコールの(メタ)アクリル酸ポリエス
テルなどの多官能の(メタ)アクリレートなどがある。
好ましくメチル(メタ)アクリレートなどの低級アルキ
ル基(炭素数4以下)を有する単官能(メタ)アクリレ
ート、またはエチレングリコール、ジエチレングリコー
ルや他のポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコールや他のポリプロピレングリ
コール、1.4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1.El−ヘキサンジオール、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、ヘキサントリオール、ジグリセリ
ン、ペンタエリスリF−ル、ジペンタエリスリトール、
その他の炭素数約10以下のポリアルコールの残基を有
する(メタ)アクリル酸とのポリエステルから選ばれる
多官能(メタ)アクリレートが適当である。より好まし
くは、これらの単官能(メタ)アクリレートと多官能(
メタ)アクリレートが併用される0表面の耐汚染性をよ
り向上させるために、ポリフルオロアルキル基やパーフ
ルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートを単独
であるいは好ましくは上記種々の(メタ)アクリレート
と併用して使用することもできる。特にRr−1−Ca
H2自)−1,(Rr:炭素数的3〜20のパーフルオ
ロアルキル基、m=1以上の整数、 k:Oまたはl)
で表される基を有する(メタ)アクリレートが適当であ
る・ 上記(メタ)アクリレート糸上ツマー以外に他の七ツマ
−を単独であるいは(メタ)アクリレート系モノマーと
併用して使用することもできる。他のモノマーとしては
、アリル基を有するエステル、エーテル、カーボネート
などのアリル系モノマー、スチレン系モノマー、少なく
とも1個の付加重合性不飽和基を有するシロキサン系化
合物(たとえば不飽和基含有ポリジメチルシロキサン)
、アクリルウレタン系モノマー(たとえばヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレートとインシアネート基含有化
合物との反応生成物)、エポキシアクリレート系モノマ
ー(たとえばポリエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸
との反応生成物)、その他の七ツマ−を使用しうる。
モノマー組成物に使用しうる溶剤としては。
炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、エステル系、エー
テル系、ケトン系、その他の種々の溶剤の内架橋型ポリ
ウレタン系樹脂を侵さない溶剤を使用しうる0重合開始
剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジ
ル、ベンゾイン、ベンゾインエーテル、その他のカルボ
ニル化合物、チオキサンソンやジフェニルジサルファイ
ドなどの含イオウ系化合物、アソビスイソブチロニトリ
ルなどのアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−
t−ブチルパーオキサイドなどの有機パーオキサイド化
合物、有機色素、その他のものを使用しうる。増感剤と
してはたとえばアミン系化合物、リン系化合物、その他
のものを使用しうる、また、必要により貯蔵安定剤を七
ツマー組成物に配合しうる。
七ツマ−あるいはモノマー組成物を架橋型ポリウレタン
系樹脂シートの少なくとも片面に塗布、スプレーコート
、浸漬、その他の手段で適用し、モノマーが含浸した後
、必要により過剰のモノマーやもツマ−組成物を乾燥、
ふき取り、その他の手段で除き、次いでモノマーの重合
を行う。モノマー重合は、エネルギー線を照射すること
によって行うことが好ましい。特に紫外線の照射による
重合が好ましい、架橋型ポリウレタン系樹脂表面に七ツ
マー組成物を適用後過剰分を除去するまでの時間やモノ
マー組成物中の七ツマ−の割合、などによって七ツマ−
の含浸量を調節しうる。モノマー含浸量が多くなりすぎ
ると架橋型ポリウレタン系樹脂表面の自己修復性を低下
させるおそれがある0表面改質された表面は未改質の表
面に比較し指による接触感が明らかに異なり、べたつき
感が低下する。また、ATRスペクトルの測定によって
、架橋型ポリウレタン系樹脂の吸収に加えてわずかにモ
ノマーの重合体の吸収が認められるかまたはほとんど認
められない程度の改質が行なわれることが好ましい、七
ツマ−の重合体層が形成されている場合、ATRスペク
トリルは該重合体の吸収がほとんどであることが認めら
れ。
またその層は押圧により容易に破損し易いことが認めら
れる。自己修復性は表面改質により後述測定方法で測定
して50g以上低下することはあまり好ましくない。通
常その低下の程度は約20g以内、特に約10g以内に
維持することが好ましい。
本発明における架橋型ポリウレタン系樹脂シートの材料
は自己修復性を有する架橋型ポリウレタン系樹脂である
ことが必要である。自己修復性を有する架橋型ポリウレ
タン系樹脂は前記のように公知であり、本発明において
もこの公知の架橋型ポリウレタン系樹脂を使用しうる。
しかしより好ましくは、高い機械的物性と自己修復性と
を有する架橋型ポリウレタン系樹脂が使用される。この
ような架橋型ポリウレタン系樹脂の使用は、前記積層安
全ガラスに適用した場合ポリビニルブチラール系樹脂や
熱可塑性ポリウレタン系樹脂などの高い機械的物性を有
する厚い接着性材料を使用する必要がないという優れた
特徴を有する。このような特性を有する架橋型ポリウレ
タン系樹脂について以下に詳細に説明する。
ポリウレタン系樹脂は多価の活性水素含有化合物、特に
ポリオール、と多価のインシアネート基含有化合物(以
fポリイソシアネート化合物という)の反応により得ら
れる。これら2種の化合物のいずれもが2価の場合に熱
可塑性ポリウレタン系樹脂が、いずれか少くとも一方が
2価を越えるものであった場合、架橋型ポリウレタン系
樹脂が得られる。架橋型ポリウレタン系樹脂の物性は主
として活性水素含有化合物の種類によって影響される。
一般に機械的物性の高いポリウレタン系樹脂のエラスト
マーは高分子量の活性水素含有化合物と鎖伸長剤や架橋
剤などと呼ばれる低分子量の活性水素含有化合物とを併
用することにより得られる。しかし、本発明者の検討に
よれば、架橋型ポリウレタン系樹脂の自己修復性と高い
機械的物性とは相反する傾向にあることがわかった。即
ち、高い機械的物性を有する架橋型ポリウレタン系樹脂
は自己修復性が低い、よって、この両性能を兼備する架
橋型ポリウレタン系樹脂は比較的限られた種類の架橋型
ポリウレタン系樹脂である。従って、このような架橋型
ポリウレタン系樹脂は基本的に次のような原料を用いて
得られる架橋型ポリウレタン系樹脂でなくてはならない
■、比較的高分子量のポリオール(A)、と低分子量活
性水素含有化合物(以下、鎖伸長剤という)(B)を併
用しなければならない。
鎖伸長剤(B)を併用しない場合、高い機械的物性の架
橋型ポリウレタン系樹脂が得られない。
2、上記ポリオール(A)は、ジオールと3価以上のポ
リオールを併用する必要があり、それらの平均水酸基価
は約70〜150、(3価以トのポリオール)/(ジオ
ール)の当量比は約0.1〜0.6範囲にならなければ
ならない、平均水酸基価と両ポリオールの当量比がこれ
よりも高いと機械的物性が低下し、これよりも低いと自
己修復性が低下する。
3、鎖伸長剤(B)は約2.1官能以下の実質的に2価
の化合物でなければならず、ポリイソシアネート化合物
も約2.1官能以下の実質的に2価のポリイソシアネー
ト化合物でなければならい、官能基数がこれよりも高い
と機械的物性が低下する。
4、ポリオール(A)  lに対する鎖伸長剤(B)の
約0.4〜1.8当量でなければならない。これよりも
高いと自己修復性が低下し、低いと機械的物性が低下す
る。
なお、架橋型ポリウレタン系樹脂製造の当然の前提とし
てポリオール(A)と鎖伸長剤(B)との合計当量はポ
リイソシアネー) (C)化合物のa量とほぼ等しく、
特に前者1当量に対し後者的0.8〜1.2当量が適当
である。また、ポリイソシアネート化合物(C)は無黄
変性のポリイソシアネート化合物である必要があり、脂
環族系あるいは脂肪族系のポリイソシアネートが使用さ
れる。なお、ポリオールの分子量に関係する数値として
水酸基価を使用する。ジオールと3価以上のポリオール
を併用する場合、その分子量による物性に与える影響は
単なるそれらの分子量の平均値では表せないからである
。水酸基価と分子量の関係は以下の式で表わされる。
[OHV] l=([al/ [MW] ) X 56
、 IX 103[OHV]  :水酸基価(mgKO
H/g)]a】:官能基数 [MW]  :分子量 上記ポリオール(A)は水酸基測的40〜250、特に
約60〜150のジオールと水酸基測的50〜300、
特に約100〜250の3価以上のポリオールの組み合
せからなることが好ましい、なお、ジオールと3価以上
のポリオールはそれぞれ2種以上の組み合せからなって
いてもよい、その場合、平均水酸基価が上記範囲内にな
る限り。
各々のポリオールは上記範囲内にあってもよい、ただし
、各ポリオールの水酸基価の上限は、後述鎖伸長剤(B
)と区別するために、約400を越えることはない、好
ましいジオールは水酸基測的90〜100を境界として
、その上限を越えるジオールとその上限以下のジオール
との組み合せ、またはその下限未満のジオールとその下
限以上のジオールとの組み合せである。最も好ましいポ
リオール(A)は、平均水酸基測的60〜130の少な
くとも2種のジオールと平均水酸基測的150〜250
の少なくとも1種の3測具りのポリオール、特にトリオ
ール、の組み合せである。また、それらジオールと3価
以上のポリオールとの組み合せにおける平均水酸基価は
約80〜14Gが最も好ましく、それらの前記当量比は
約0.15〜0.35が最も好ましい、鎖伸長剤(B)
は分子量約280以下のジオールあるいはジアミンの少
くとも1種からなり、特に分子量約180以下のジオー
ルが好ましい、低分子量トリオールなどの3価以上の低
分子量活性水素含有化合物を極〈少量併用してもよいが
、通常は2価の化合物のみからなる。上記ポリオール1
当量に対する鎖伸長剤の量は、約0.7〜1.3当量で
あることが最も好ましい、なお、鎖伸長剤(B)が低分
子量のポリオールである場合、上記ポリオール(A)中
のジオールと3価以上のポリオールとさらにこの低分子
量ポリオールの3者の平均水酸基価は、特に限定される
ものではないが、約120〜250、特に約150〜2
20であることが機械的物性と自己修復性のいずれも最
良の性能を示し1本発明における架橋型ポリウレタン系
樹脂の原料として最も好ましい。
上記比較的高分子量のジオールおよび3価以上のポリオ
ールとしては、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボ
ネート系ポリオール、およびポリ(オキシテトラメチレ
ン)系ポリオールが主たるポリオールとして(即ち全ポ
リオールの過半量として)選ばれる。ポリオキシプロピ
レン系ポリオールの使用は架橋型ポリウレタン系樹脂の
機械的物性の面で多量に使用することはできない。特に
好ましいポリオールはポリエステル系ポリオールとポリ
カーボネート系ポリオールである。しかし、ポリエステ
ル系ポリオールのみの使用は架橋型ポリウレタン系樹脂
の耐水性に難点を生じ易い、一方、ポリカーボネート系
ポリオールは粘度が高く、キャスト成形によるシート化
の際に問題を生じるおそれがある。従って、最も好まし
くは両者が併用される。しかし、ポリカーボネート系ポ
リオールは市販品の種類が少いため上記のような問題が
あるが、もし低粘度の適当なものが入手できればポリカ
ーボネート系ポリオールのみを使用することは可能とな
ると考えられる。現在のところ、全ポリオールに対する
ポリカーボネート系ポリオールの割合は少なくとも約1
5重量%、特に約25重量%の使用が好ましい、3価以
上のポリカーボネート系ポリオールは現在のところ市販
品がないが、勿論入手可能であれば使用しうる。従って
、現在のところ粘度の問題とポリカーボネート系ポリオ
ールの入手の問題により、ポリオールは3価以上のポリ
エステル系ポリオール、ポリカーボネート系ジオール、
およびポリエステル系ジオールの3者の組み合せが最良
の架橋型ポリウレタン系樹脂をもたらす。
しかし、このような制約がなくなれば、この組み合せに
限られるものではない、現時点では好ましいポリカーポ
ネー・ト系ジオールの水酸基価は約40〜200、全ジ
オールに対するその割合は約25〜75重量%、特に約
25〜60重量%が適当である。
ポリカーボネート系ポリオールとしては、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1.4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール
、1.8−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタツ
ール、その他の脂肪族あるいは脂環族の2価以上アルコ
ールを使用して得られるポリカーボネート系ジオールや
さらに少量の3価以上のアルコールを併用して得られる
2価を越えるポリカーボネート系ポリオールを使用しう
る。さらに、環状カーボネート化合物を開環重合して得
られるポリカーボネート系ポリオールを使用しうる。ポ
リカーボネート系ジオールを使用したポリウレタン系樹
脂を積層安全ガラスに適用することは公知であり、たと
えば特公昭55−19249号公報、特開昭49−98
818号公報、特開昭51−144492号公報、特開
昭59〜22197号公報などに記載されている。本発
明においては、これら公知例に記載にされているような
ポリカーボネート系ポリオールを使用することができる
。最も好ましいポリカーボネート系ポリオールはポリ(
1,6−ヘキサンカーボネート)ジオールとポリ(1,
6〜ヘキサン/1,4−ジメチレンシクロヘキサンカー
ボネート)ジオールである。
ポリエステル系ポリオールとしては多価アルコールの残
基と多価カルボン酸残基とを有するポリエステル系ポリ
オールやヒドロキシカルボン酸残基を有するポリエステ
ル系ポリオールが適当である。前者としては2価アルコ
ール残基、あるいはそれと少量の3価以上のアルコール
の残基の両者、と2塩基酸残基を有するポリエステル系
ポリオールが好ましい、たとえば、エチレングリコール
、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、1.4−ブタンジオール、ネオペ
ンチルゲルコール、1.8−ヘキサンジオール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールな
どの残基とアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フ
タル酸などの残基を有するポリエステル系ポリオールが
適当である。後者としては上記多価アルコールや水その
他の多価の化合物にε−カプロラクトン(以下カプロラ
クトンという)やγ−ブチロラクトンなどの環状エステ
ルやヒドロキシカプロン酸などを付加して得られるポリ
エステル系ポリオールが好ましい、その他、前記公知例
、特に特開昭53−27871号公報や特開昭57−1
78157号公報記載のポリエステル系ポリオールを使
用することができる。さらに、一般的に記載されたもの
として、日刊工業新聞社発行[プラスチック材料講座〔
2]ポリウレタン樹脂」第56頁〜第61頁や第133
頁〜第168頁などに記載されている種類のポリエステ
ル系ポリオールを挙げることができる。最も好ましいポ
リエステル系ポリオールは、ポリ(1,4−ブチレンア
ジペート)系ポリオール、ポリ(エチレンアジペート)
系ポリオール、ポリ(l、4−ブチレンアゼレート)系
ポリオール、ポリ(カプロラクトン)系ポリオールであ
る。3価以上のポリオール、特にトリオールとしてはポ
リ(カプロラクトン)系ポリオールが特に好ましい、上
記ポリカーボネート系ポリオールとポリエステル系ポリ
オール以外に主たるポリオールとしてポリ(オキシテト
ラメチレン)系ポリオールを使用しうる。このポリオー
ルは機械的物性や耐候性の面で前2者よりも劣ることが
多いが、耐水性はポリエステル系ポリオールに優るので
、特にポリエステル系ポリオールの−・部〜全部に代替
えしうる。しかし通常は使用されても主たるポリオール
としては使用されない方が好ましい。これら以外の他の
ポリオール(たとえばポリオキシプロピレン系ポリオー
ルやポリブタジェン系ポリオールは通常使用されないが
、たとえ何らかの目的として使用することがあっても主
たるポリオールとしては使用されないことが好ましい。
勿論、機械的物性、耐候性、耐水性、粘度などの面で優
れたポリオールがあれば、その使用を妨げるものではな
い。
鎖伸長剤(B)としては前記のようにジオールが好まし
く、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1.4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、l、5−ベンタンジオー
ル、 1.8−ヘキサンジオール、シクロへ午サンジメ
タツールなどを使用しうる。これらに代えて、あるいは
これらとともに、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロ
ピオン酸、ジアミノジシクロヘキシルメタン、インホロ
ンジアミンなどのジヒドロキシカルボン酸やジアミンを
使用することができる。好ましい鎖伸長剤は炭素数2〜
6の脂肪族ジオールであり、特に1.4−ブタンジオー
ルとエチレンゲルコールが好ましい。
ポリイソシアネート化合物CC)としては前記のように
2価の無黄変性ジイソシアネートが使用される。具体的
には、たとえばメチレン−ビス(シクロヘキシル・イン
シアネート)、インホロジイソシアネート、シクロヘキ
サンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、および2価のこ
れらの変性体(たとえばプレポリマー型変性体やウレア
変性体など)がある、好ましいポリイソシアネート化合
物は4,4′−メチレン−ビス(シクロヘキシシルイソ
シアネート)とインホロジイソシアネートであり、その
内でも前者が特に好ましい、少量の3価以上の無黄変性
ポリイソシアネートを併用できるが、通常は2価のポリ
イソシアネート化合物のみが使用される。
上記詳述したあるいは他の架橋型ポリウレタン系樹脂は
主原料の他に少量の他の副原料を必要とすることが多い
、特に触媒と安定剤は多くの場合、必須の原料である。
触媒としては有機スズ化合物などの有機金属化合物系触
媒が適当である。安定剤としては酸化防止剤、紫外線吸
収剤、光安定剤などの1種また2種以上の使用が好まし
い、たとえば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダ
ードアミン系化合物、リン酸エステル系化合物、ベンゾ
フェノン系化合物。
ベンゾトリアゾール系化合物などを使用しうる。その他
、目的によっては着色剤、難燃剤。
離型剤、接着性向上剤などを少量使用しる。場合によっ
ては、少量の溶剤などの稀釈剤を使用してもよいが、通
常は不要である。架橋型ポリウレタン系樹脂は上記原料
を使用し、ワンショット法、プレポリマー法、準プレポ
リマー法などの方法で製造される。シート化はキャスト
法で行なわれる。特に原料をワンショット法で混合し、
混合物を平滑な表面に流延し、固化させてシート化する
方法が好ましい、キャスト法によるシート化は前記公知
例の他、特開昭55−105.534号公報、特開昭5
8−182818号公報に記載されている。キャスト成
形がポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムなどの可
撓性基体の表面上で行なわれた場合、可撓性基材と架橋
型ポリウレタン系樹脂シートの積層体が得られる、この
積層体は、そのまま前記七ツマ−の含浸硬化による表面
改質に用いることができる。即ち、この積層体は一方の
面が架橋型ポリウレタン系樹脂シートの表面であるので
、この表面に対して表面改質を行なうことにより片面が
表面改質される。可撓性基体は他面を保護し、たとえ七
ツマー溶液にこの積層体を浸漬しても他面にモノマーが
含浸することはない、この場合、可撓性基体は表面改質
後に剥離される。勿論、可撓性基材を用いなくても、キ
ャスト成形で基体上で形成された架橋型ポリウレタン系
樹脂の表面に、キャスト成形に引き続いてモノマーを適
用して表面改質を行なうこともできる。表面改質は、勿
論これらの方法に限らず、基体から剥離した架橋型ポリ
ウレタン系樹脂シートを用いて行なうことができる。
上記原料使用して得られる架橋型ポリウレタン系樹脂は
高い機械的物性を有する。たとえば、その伸び(破断時
の伸び)は約250%以上であり、破断強度は約300
に、g/cm2以上である。
たとえば、後述実施例に示す架橋型ポリウレタン系樹脂
においては約300〜600%の伸び約500〜800
kg/cm2の破断強度を有する。しかも伸びと破断に
至るまでの引張強度との関係(応力歪曲線で表わされる
関係)は上記架橋型ポリウレタン系樹脂と公知の架橋型
ポリウレタン系樹脂とでは全く異なる挙動を示す。即ち
、上記架橋型ポリウレタン系樹脂は機械的特性が優れた
熱可塑性ポリウレタン系樹脂に類似の挙動を示し、その
機械的物性が優れていることがわかる。これに対し、特
公昭59−488775号公報記載の公知の架橋型ポリ
ウレタン系樹脂は伸び約100%、破断強度的204k
g/c厘2(単位換算した値)であり、機械的物性は充
分とはいえない。
なお1通常、前記表面改質により架橋型ポリウレタン系
樹脂の伸びや機械的物性はある程度低下する。低下の程
度は主としてモノマーの含浸量によるが、七ツマ−の多
官能性にもよると考えられる。
本発明の表面改質架橋型ポリウレタン系樹脂シートの厚
さは特に限定されるものではない。
しかし、積層安全ガラス用の材料としては、その厚さは
約0.2〜2mm、特に約0.4〜1.5mmが好まし
い。また、このシートは着色あるいは無着色の透明なシ
ートであることが好ましい・しかし、積層安全ガラス用
の材料以外の用途に用いるときは、必ずしも透明でなく
てもよい・前記原料を用いて得られる架橋型ポリウレタ
ン系樹脂は、通常極めて透明性が高い、さらに、この本
発明のシートは表面が平滑なものであることが好ましい
0表面の平滑性が劣ると光学的ひずみを生じ、積層安全
ガラス用の材料としては適当でない、前記キャスト成形
において原料がその上にキャストされる基体の表面が平
滑であれば平滑なシートが得られる。基体として極めて
平滑な表面を有する基体を用いることにより、押出し成
形された熱可塑性樹脂シートに比較してもより平滑性の
高いシートが得られる。シート化方法として前記キャス
ト成形が好ましい理由は、この極めて平滑な表面が得ら
れる点にある。勿論、本発明のシートが積層安全ガラス
用の材料以外の用途に使用される場合は、この表面平滑
性は必ずしも必須の要件ではない、たとえば、艶消し表
面やエンボス表面などを有する基体を用いてその表面が
転写された表面を有する架橋型ポリウレタン系樹脂シー
トを得ることができる。本発明の表面改質架橋型ポリウ
レタン系樹脂シートは積層安全ガラス用の材料として最
も適している。以下、この積層安全ガラスへの適用につ
いて説明する。
本発明のシートを用いて得られる積層安全ガラスとして
は、1枚の無機ガラスのシートあるいは1枚の合せガラ
スのシートからなる透明硬質シートと少なくともその表
面が架橋型ポリウレタン系樹脂シートの改質された表面
である1層あるいは多層構造の軟質合成樹脂層からなる
片面が無機ガラスの表面であり他面は改質された架橋型
ポリウレタン系樹脂の表面である積層安全ガラスが最も
好ましい、しかし、これに限られるものではなく、1枚
の有機ガラスのシート、合せガラスやそれ以外の無機あ
るいは有機のガラスを用いた積層シート、無機ガラスと
有機ガラスの積層体、無機あるいは有機のレンズ、その
他の透明硬質材料の片面あるし〜は両面を軟質合成樹脂
層で保護した積層安全ガラスや他の透明な積層体の材料
として本発明のシートを適用しうる。有機ガラス材料と
してはポリカーボネート系樹脂やアクリル系樹脂が適当
である。軟質合成樹脂層は、本発明の自己修復性を有す
る表面改質架橋型ポリウレタン系樹脂シートの層のみか
らなっていてもよい、しかし、無機ガラスを用いたi層
安全ガラスにおいては、接着性材料からなる接着層を無
機ガラス表面と架橋型ポリウレタン系樹脂シート層との
間に介在させる。この接着層は薄い暦であっても機械的
物性を発揮しうる厚いものであってもよい、その材料と
してはポリビニルブチラール系樹脂、熱可塑性ポリウレ
タン系樹脂、EVA系樹脂などの熱可塑的性質を有する
合成樹脂が好ましい、EVA系樹脂とはエチレンと酢酸
ビニルを主成分とする七ツマ−の共重合体やその部分加
水分解物からなる合成樹脂をいう。
自己修復性を有する架橋型ポリウレタン系樹脂シートの
材料としては前記公知側記載の架橋型ポリウレタン系樹
脂であってもよい。たとえば、トリメチロールプロパン
のプロピレンオキシド付加物からなる分子量約450(
水酸基価的374)のポリエーテルトリオールと1.8
−ヘキサンジイソシアネートのビユレットからなる3価
以上のポリイソシアネート化合物とを両者はぼ等当量反
応させて得られる架橋型ポリウレタン系樹脂がある。し
かし、より好ましくは自己修復性と高い機械的物性を兼
ね備えた前記詳細説明した架橋型ポリウレタン系樹脂が
適当である。
このような架橋型ポリウレタン系樹脂シートは1枚の無
機ガラスを使用した積層安全ガラス用の材料として特に
有利である。即ち、1枚の無機ガラスの片面に薄い接着
層を介して架橋型ポリウレタン系樹脂シート層を設けて
積層安全ガラスを構成することができ、機械的物性を付
与するための厚い接着層を用いることに伴う種々の問題
を回避しうる。たとえば、光学的物性に優れた厚い接着
性材料のシートの製造は容易ではなく、このシートと架
橋型ポリウレタン系樹脂のシートとの積層も繁雑である
。これに対して、架橋型ポリウレタン系樹脂シートの片
面に薄い接着層を形成することは容易であり、たとえば
接着性材料の溶液を塗布することにより接着層付架橋型
ポリウレタン系樹脂シートを簡単に製造しうる。なお、
透明硬質材料の架橋型ポリウレタン系樹脂層側の面が無
機ガラスの表面でないときは接着層は必ずしも必要とは
しない。
積層安全ガラスは、片面に接着層を有し他面が表面改質
された架橋型ポリウレタン系樹脂のシートを透明硬質材
料、特に1枚の無機ガラスシート、あるいは合せガラス
と積層することにより製造されることが好ましい、しか
し、透明硬質材料、接着剤のシートあるいはフィルム、
および架橋型ポリウレタン系樹脂シートの3者を同時に
積層する方法、透明硬質材料の片面に接着層を形成し、
その上に架橋型ポリウレタン系樹脂シートを積層する方
法なども使用しうる。しかしながら、自動車用窓材とし
て用いられる積層安全ガラスにおいては、曲げ加工され
た無機ガラスのシートや合せガラスのシートが使用され
ることが多く、この場合には最初の方法が最も適してい
る。以下、片面に接着層を有し他面が表面改質された架
橋型ポリウレタン系樹脂のシートを予備積層シートとい
う。
予備成形シートは片面(場合によっては両面であっても
よい)が表面改質されている表面改質架橋型ポリウレタ
ン系樹脂シートの表面改質されていない表面(両面表面
改質シートにおいてはいずれか一方の表面)に接着性材
料からなる接着層を形成することにより製造される。た
とえば、表面架橋型ポリウレタン系樹脂シート表面に接
着剤やその原料混合物を塗布する方法、接着剤の溶液や
分散液を塗布して媒体を除去する方法、接着剤シートや
貼り付ける方法などで接着層が形成される。熱可塑性ポ
リウレタン系樹脂などを接着剤として用いる場合は、そ
の原料混合物を架橋型ポリウレタン系樹脂シート表面に
塗布してその表面上で熱可塑性ポリウレタン系樹脂を形
成することができる。接着層が形成されない表面は、あ
らかじめ合成樹脂フィルムなどの剥離性材料で覆い、そ
の面に接着剤が付着しないように保護しておくこともで
きる。なお、接着剤層が形成される表面は表面改質され
ていない方が好ましい1表面改質されている表面は接着
性が低下していることがあるからである。
上記予備積層シートを使用して透明硬質材料と積層する
方法は特に限定されない。たとえば離型性表面を有する
型材と透明硬質材料との間に予備積層シートを挟み、加
熱加圧した後型材を除去する方法や型材を使用すること
なく透明硬質材料と予備積層シートとを積層する方法(
たとえば、特公昭58−12140号公報参照)などを
使用しうる。また、ある場合は透明硬質材料と予備積層
シートを重ね、ロール等で加圧しつつ加熱する方法を使
用することができる。積層前に前記公知側記載のように
透明硬質材料の積層面を接着向上処理しておいてもよい
。たとえば無機ガラスの場合、有機ケイ素化合物、たと
えばアミ7基やグリシドキシ基を含有する含有するアル
コキシシラン、で予め積層面を処理しておくことが好ま
しい。また、積層時に空気等が積層面に気泡として残留
することを防止するために、予@積層シートの接着層表
面を予めエンボス処理しておくことも好ましい、エンボ
ス処理とは、微細な凹凸を設けることをいう、このエン
ボス処理により、積層時に両積層面間に微細な流通路が
形成されて空気等が排除されつつこの流通路が次第に閉
じることにより気泡の残留のおそれが少なくなる。凹凸
の程度は通常数ミクロン・以下が採用される。
積層安全ガラスにおいて、透明硬質材料としてはほぼ一
定厚さを有するシートあるいは曲げ加工されたシートで
あることが好ましい、その厚さは特に限定されるもので
はないが約0゜2mm以上、特に約2〜20mmが適当
である。それが1枚の無機ガラスからなる場合は約2〜
6■が好ましい。合せガラスからなる場合は約4〜10
mmが好ましい。軟質合成樹脂層の内、表面改質された
架橋型ポリウレタン系樹脂シート層の厚さは少なくとも
約0.2m+a、特に約0.4mmが好ましい。特に高
い機械的物性を有する架橋型ポリウレタン系樹脂層が1
枚の無機ガラスと積層されている積層安全ガラスにおい
ては、その層の厚さは約0.5〜1.5+amであるこ
とが好ましいやこの場合、接着層の厚さは約0.2mm
未満、特に約(1,1mm以fで充分であり1通常約0
.05rx鳳以下、特に0.01〜0.03mmが採用
される。この範囲の接着層の厚さは、また合せガラスや
有機ガラスが透明硬質材料として使用する場合にも適当
な厚さである。接着層に高い機械的物性が要求される場
合、たとえば1枚の無機ガラスと高い機械的物性を有し
ない架橋型ポリウレタン系樹脂との組み合せの場合、約
0.2mm以上、特に約0.4〜1.5+smの厚さの
接着層が採用される。積層安全ガラス全体の厚さは、用
途が異なる場合必ずしも一定の厚さに限られないが、自
動車用窓材としては通常約15mm以下、特に約3〜8
+usである。
以下に本発明を実施例等によって説明するが、本発明は
これら実施例のみに限定されるものではない、なお、物
性は以下の方法で測定した。
[物性測定方法] 自己修復性:荷重をかけた10部mφのダイヤモンドチ
ップで架橋型ポリウレタン系樹脂の表面改質表面を引掻
き、25°Cで10分以内に生じた傷が消失しうる最大
荷重で表す。傷の消失は目視で行なった。自己修復性の
ない無機ガラスの場合この方法で約5gの荷重で傷を生
じた。
伸び、破断強度、引張強度: JIS K 8301に
よる。
光線透過率、テーパー摩耗: JIS Kθ301によ
る。
耐汚染性:架橋型ポリウレタン系樹脂の表面改質面にフ
ェルトペンで印を付け、24時間接エタノールでふいた
ときの印のとれ具合。
触  感二指で架橋型ポリウレタン系樹脂の表面改質面
を擦ったときの感触、良好とは滑りの良好なものをいう
実施例1 [架橋型ポリウレタン系樹脂シートの製造]水酸基価的
122のポリ(l、6−ヘキサンカーボネート)ジオー
ル43.88部[重量部、以下同様]、水酸基価的90
.5のポリ(カプロラクトン)ジオール68.93部、
および水酸基価的195.2のポリ(カプロラクトン)
トリオール12.54部を100°Cで加熱熔融後、減
圧で脱水および脱気しつつ攪拌混合した。このポリオー
ル混合物を80℃まで降温後、それにジブチル錫ジウラ
レート E以下触媒という] 6、OXl0−3部、】
、4−ブタンジオール10.02部、および4,4′−
メチレンビス(シクロヘキシルインイシアネー))  
[以下HI2 M旧という] 84.5部を順次攪拌し
つつ添加混合した0反応の開始とともに発熱がみられた
。系が均一となったところで80℃で3分間攪拌しつつ
減圧脱泡を行なった。この予備重合液を離型処理したガ
ラスシー) (500X 500■m)上に流延し、1
20℃の窒素パージ炉中で15時間反応させ、厚さ0.
7m層の透明かつ鏡面を有するシートを得た。なお、上
記ポリオール3者の平均水酸基価は約112である。こ
の架橋型ポリウレタン系樹脂シートの伸びは374z、
破断強度771kg/cm 、引裂強度30kg/cm
であった。
以下このシートをA−1という。
[表面の改質] 前記のウレタンシー) A−1の断面を剥離性フィルム
で保護した後、この積層体を次の溶液(イ)あるいは(
a)中に50c腸/分で浸漬し、直ちに10cm/分の
引上げ速度で引上げた。 80℃オーブン中で1分間乾
燥後、120cm/c層のコンベヤ型高圧水銀等照射装
置を用い、 10c■の距離からN2気流下5 rat
s/分のコンベヤ速度でUVを照射し表面改質を行なっ
た0表面改質終了後、剥離性フィルムを除去し、その表
面性能を試験した。
その結果を後述衣1に示す。表中、実施例1−イは溶液
(イ)を用いて表面改質を行なったもの、実施例1−口
は溶液(a)を用いて表面改質を行なったものを示す。
溶液(イ) 1.6−ヘキサンジオールジアクリレート1200部 ベンゾフェノン         60部アセト7  
        1800部レベリング剤      
     15部溶液(o) ネオペンチルグリコールジアクリレート1200部 ベンゾフェノン         60部アセトニトリ
ル         1800部消泡剤       
 15部 実施例2〜8 下記原料を使用し、架橋型ポリウレタン系樹脂シートA
−2〜A−8を製造した。各シートを実施例1と同じ溶
液(イ)および(o)を用いて、実施例1と同じ方法で
表面改質を行なった。得られた表面改質シートの表面性
能を後述衣1に示す、なお、実施例n−イはシー)A−
nを溶液(イ)で処理したもの、実施例n−口はシート
A−nを溶液(El)で処理したものを示す。
また、表面改質前のシー)A−nの表面性能を比較例A
−nとして表1に示す。
ビ 水酸基価的57のポリ(1,6−ヘキサンカーボネート
)ジオール         83.07部水酸基価約
90.5のポリ(カプロラクトン)ジオール     
      99.12部水酸基価約195.2のポリ
(カプロラクトン)トリオール         18
.02部触媒     8.25X 10−3部1.4
−ブタンジオール       14.42部)112
MDI          80.37部ポリオールの
平灼*酷其価    8L25シートの厚さ     
      1.0+am伸  び         
           474z破断強度      
      655kg/c+a2引裂強度     
       33kg/c層水酸基価的54.52の
ポリ(l、8−ヘキサンカーボネート)ジオール   
  43.53部水酸基価約70.79のポリ(カプロ
ラクトン)ジオール          88.41部
水酸基価約195.2のポリ(カプロラクトン)トリオ
ール         12.44部触 媒     
      6.OX 10−3部1.4−ブタンジオ
ール       12.42部H12舅DI    
      133.18部ポリオールの平均水酸基価
    88.5シートの厚さ           
0.7m層伸  び                
     415z破断強度            
855kg/cm2引裂強度            
38kg/c+s水酸基簡約54.52のポリ(l、6
−ヘキサンカーボネート)ジオール     35゜6
8部水酸基価約90.79のポリ(カプロラクトン)ジ
オ−・ル          124.87部水酸基価
約195.2のポリ(カプロラクトン)トリオール  
       17.84部触 媒         
  8.25X 10−3部1.4−ブタンジオール 
      14.27部HI2MDI       
   82.34部ポリオールの平均水酸基価    
94゜0シートの厚さ           1.1m
m伸  び                    
 485z破断強度            890k
g/am2引裂強度            35kg
/cm水酸基簡約53.3のポリ(1,8−ヘキサンカ
ーボネート)ジオール      44゜54部水酸基
価約91.1のポリ(カプロラクトン)ジオール   
        89.99部水酸基価約195.2の
ポリ(カプロラクトン)トリオール         
12.73部触媒      6.OX 10−3部1
.4−ブタンジオール       11.45部H+
2MDI          61.30部ポリオール
の平均水酸基価    88゜3シートの厚さ    
       0.7厘厘伸  び         
           504z破断強度      
     707kg/c+++2引裂強度     
       48kg/cmす 水酸基簡約53.3のポリ(1,8−ヘキサンカーボネ
ート)ジオール      43.44部水酸基価約9
1.1のポリ(カプロラクトン)ジオール      
     88.27部木加基価約195.2のポリ(
カプロラクトン)トリオール         12.
41部触 媒            6.OX 10
−3部1.4−ブタンジオール       12.4
1部H12MDI          83.48部ポ
リオールの平均水酸基価    88.3シートの厚さ
           0−Vats伸  び    
                 52oz破断強度
           837kg/cm2引裂強度 
           58kg/c鳳水酸基簡約12
8.8のポリ(1,6−ヘキサン/1.4−ジメチレン
シクロヘキサンカーボネート)ジオール[1,8−ヘキ
サンジオールとシクロヘキサンジメタツールを原料ジオ
ールとして得られるポリカーボネートジオール〕 22.40部

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、自己修復性を有する架橋型ポリウレタン系樹脂シー
    トの少なくとも片面が付加重合性の不飽和化合物の含浸
    硬化による表面改質を施され、かつその表面改質された
    表面が自己修復性を保持している表面改質架橋型ポリウ
    レタン系樹脂シート。 2、付加重合性の不飽和化合物がアクリル酸エステルお
    よびメタクリル酸エステルより選ばれた少なくとも1種
    の化合物からなる、特許請求の範囲第1項のシート。 3、硬化をエネルギー線の照射によって行なう、特許請
    求の範囲第1項のシート。 4、表面改質前の架橋型ポリウレタン系樹脂が、約25
    0%以上の伸びと約300kg/cm^2以上の破断強
    度とを有する、特許請求の範囲第1項のシート。 5、架橋型ポリウレタン系樹脂が、ジオールと3価以上
    のポリオールからなり、(3価以上のポリオール)/(
    ジオール)の当量比が約0.1〜0.6、平均水酸基価
    が約70〜150の比較的高分子量のポリオール(A)
    、実質的に2価の鎖伸長剤(B)、および該ポリオール
    (A)と鎖伸長剤との合計に対し約0.8〜1.2当量
    の実質的に2価のポリイソシアネート化合物(C)を反
    応させて得られた架橋型ポリウレタン系樹脂である、特
    許請求の範囲第4項のシート。
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JP61094776A Expired - Lifetime JPH064711B2 (ja) 1986-04-25 1986-04-25 表面改質架橋型ポリウレタン系樹脂シート

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JPS6013824A (ja) * 1983-07-06 1985-01-24 Asahi Glass Co Ltd ポリウレタン系熱可塑性樹脂の表面部分の改質法

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JPH064711B2 (ja) 1994-01-19

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