JPS6326792Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、薄型電池時計の電池まわりのシヨー
ト防止をローコストで少ないスペースで実現しよ
うとするものであり、絶縁板の保持構造に関する
ものである。

近年、時計は小型、薄型化に拍車がかかり、電
池寿命確保のために、許される範囲で最大の電池
を使うため、時計の厚みが電池部で決定されるの
が現状である。従つて電池部をいかに薄くするか
が大きな問題となつている。しかし、電源シヨー
トは時計の致命的な欠陥となるため、信頼性確保
のためにむやみに薄くすることはできない。従つ
て、従来の電池時計の電池まわりの構造は、電池
と電池リード端子、あるいは、電池リード端子と
文字板や地板等の他部品との隙間をある程度確保
するか、又それぞれの部品間に絶縁板を配置させ
るか等の構造が用いられていた。しかし、上述の
ような従来例において、例えば前者のタイプでは
時計が厚くなり、商品価値が下げられてしまうこ
と、後者は、絶縁板を電池と地板間に一枚と、電
池と電池リード端子、あるいは電池リード端子と
文字板間に一枚の計２枚の絶縁板を必要とし、部
品点数が増え、組立工数も増える等、コストアツ
プ要因となつていた。電池と地板間に配置され、
これら双方を絶縁している絶縁部材は、時計を薄
型化するため、ほとんどが絶縁材であるプラスチ
ツクのフイルムシートである。この絶縁板は曲げ
加工やピン出し等の加工が非常に難しいため地板
に穴をあけて、曲げ部やピン出し等を差し込んで
案内することは困難である。従つてほぼ電池外径
の範囲内で案内固定させるには、地板のサライ内
壁で案内し、電池の地板への押圧力で固定してい
るのが一般的であつた。この構造では、電池が一
般の時計部品に比べ外径及び厚み寸法のバラツキ
が大きいため、ケーシング状態で外乱衝撃等が加
わつた場合電池が裏ブタとの隙間分、裏ブタ側へ
浮き、電池と絶縁板間に隙間ができるため、絶縁
板が地板サライ内壁の案内からはずれ、電池と地
板間でシヨートを起こす恐れがある。又、組立途
中で外れてしまうこともある。特に最近の時計は
薄型になりしかも、コストダウンのため地板を薄
い板状としてサライ加工を減らしている。このた
め絶縁板案内サライがとれない。又、サライがと
れても浅くて確実な案内ができないという問題が
ある。従つて絶縁板は薄型地板でも確実に案内固
定される構造が望まれる。

本考案は、上述のような従来構造の欠点を解消
し、電池まわりのシヨート防止を確実にし、部品
点数を増やさずに薄型の電池時計の絶縁板保持構
造の提供を可能にしたものであり、その実施例を
図に添つて説明する。

第１図は本考案の一実施例を示す組立平面図、
第２図は第１図の組立断面図を示す。１は地板で
地板の上側に電池２が陰極側２ａを下にして配置
されており、電池陰極２ａと地板１の間には、こ
れを絶縁するための絶縁板３が配置されている。
電池陰極部２ａには電池リード端子４が適当な接
触圧をもつて接触し、電池リード端子４の剛体部
４ａは回路基板５の裏面に配線された回路導通パ
ターン５ａと接触し、回路部材への電気的導通を
行なつている。又電池リード端子剛体部４ａの下
には、電池リード端子と地板１とを絶縁するた
め、プラスチツクで成形された電池端子絶縁体６
が配置され、地板上に立てられた回路受足１１に
より地板に案内されている。又電池リード端子４
は、電池端子絶縁体６上に突出したピン６ａ及び
６ｂにより位置決めされている。又電池２の陽極
部の電池側面には、電池プラス端子７が圧接し、
電池２は電池の近傍に配置された回路受８及び、
輪列受９により、案内支持されている。電池プラ
ス端子７は地板１上に立てられた電池プラス端子
案内ピン１０により案内され電池プラス端子止め
ネジ１２により固定される。絶縁板３は、一端に
案内穴３ｅを設け、電池プラス端子案内ピン１０
に案内穴３ｅを挿入し、案内させ、電池リード端
子４のバネ部と対応する部分には半島状にバネ部
３ａを形成し、このバネ部３ａのバネ長手方向と
直角方向の両側に突出する先端部３ｂ及び３ｃを
地板の電池リード端子ニゲ穴１ａにかかるように
地板裏側から形成された１ｂ及び１ｃの切込み凹
部に係止させ、３ａバネ部の復元力により地板裏
面へ圧接させている。又絶縁板３ｂ及び、３ｃ部
は地板切込み凹部１ｂ及び１ｃにより平面的な位
置決めもされており、地板１から平面的にずれた
り、はずれたりすることはない。又絶縁板３組込
時は３ｅ穴部を電子プラス端子案内ピン１０に係
合させ、次に、絶縁板３ｂ及び３ｃ部を地板１ｂ
及び３ｃ切込み凹部に対応する地板表面に置き、
絶縁板３ａ部に明けられた穴３ｇにピンセツト等
を差し込み３ａ部を３ｂ及び３ｃ部が地板サライ
１ｂ及び１ｃにひつかかるまで押下げてやれば良
く、止めネジや、押え部材等を使わずに簡単でし
かも確実な固定ができる。特に自動組立等に於い
てはメリツトが大きい。

１ｂ及び１ｃ切込み凹部は平面的にはわずかな
面積で済むため、薄板地板でも強度を劣化させる
ことはない。更に組込性を良くするために絶縁板
を左右対称形状にして、表裏の選別の必要性をな
くせば、特に自動組立においては非常にメリツト
がある。又絶縁板３ｄ部は電池リード端子４に対
応する一部分を電池リード板４の下面に配置、文
字板１３とのシヨート防止をしている。又絶縁板
３ｄ部にはクビレ部３ｆが設けられており、は電
池リード端子４を組込時に電池リード端子４のバ
ネ部と絶縁板３ｄ部とが干渉し、絶縁板３ｄ部の
剛性により電池リード端子４を押しあげ電池端子
絶縁体の案内ダボ６ａ及び６ｂから電池リード端
子４が組込途中ではずれない様、弱いバネ性をも
たせた形状を形成させ組込性の向上を計つてい
る。

以上のように、本考案の構造によれば、電池絶
縁板の案内穴を地板の案内ピンに案内させ、半島
状に形成されたバネ部の両側に突出する先端部を
地板の切込み部に係止させたことによつて電池絶
縁板は３箇所で平面的に位置決められるために平
面的にずれたり、はずれたりすることがなく確実
に電池と地板の間に保持される。

また、地板の切込み部に電池絶縁板をセツトす
るときも先端部を地板側に押下げてやるだけで係
止させることができ、電池絶縁板の形状を左右対
称にすることができることによつて表裏選別も不
要となり組立性の向上をはかることができる。

更に、電池リード端子と接触する突出部にクビ
レ部を設けたことにより弱いバネ性を有すること
になり組込時に電池リード板を押しあげてはずれ
ることもなく安定した組込みができるという大き
な効果を有しており、簡単な構造、組立が容易、
部品点数が少ない等、低コスト化を実現するとと
もに、絶縁板の案内不良が原因で起こる電源シヨ
ート等の問題を排除し、薄くかつ信頼性の高い時
計を提供することができ、極めて多大な効果をあ
げることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す組立平面図、
第２図は第１図の組立断面。 １……地板、２……電池、３……絶縁板、４…
…電池リード端子、５……回路基板、６……電池
端子絶縁体、７……電池プラス端子、８……回路
受、９……輪列受、１０……案内ピン、１３……
文字板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電池２と、電池と回路基板との導通をとる電池
   リード端子４と、電池リード端子のニゲ穴１ａを
   有し前記電池が装着される地板１と、前記電池と
   前記地板との間に配設される絶縁板３とを有して
   なる電池時計の絶縁板保持構造において、前記絶
   縁板には、電池周辺近傍の前記地板に植立された
   案内ピン１０に遊合案内される案内穴３ｅを有す
   る第１の突出部３ｈと、該第１の突出部から前記
   電池の中心方向に延伸し前記電池リード端子の端
   子部４ｂと対向する位置に半島状に形成されたバ
   ネ部３ａと、このバネ部を囲むように形成され前
   記電池と前記地板との間に配置されたリング状部
   分３ｉと、リング状部分の一端で前記案内穴と反
   対側の方向に伸長するとともにクビレ部３ｆを有
   し前記電池リード端子の電池とは反対側の面に接
   する第２の突出部３ｄとを設けてなり、前記バネ
   部は長手方向に対して直角方向の両側に突出形成
   された先端部３ｂ，３ｃを備え、前記先端部を地
   板に形成した切込み凹部１ｂ，１ｃにもぐり込み
   係止させることにより前記絶縁板を前記地板に保
   持してなることを特徴とする電池時計の絶縁板保
   持構造。