JPS6326704B2

JPS6326704B2 -

Info

Publication number: JPS6326704B2
Application number: JP56119547A
Authority: JP
Inventors: Keishi Hanamoto; Fumio Takagi
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1981-07-29
Filing date: 1981-07-29
Publication date: 1988-05-31
Also published as: JPS5820450A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、自動車のセンターピラー、計器板廻
りのパネル等の自動車内装用パネルに関するもの
であり、天然木材様の照りと深みとが具備され、
且つ均一な色調を有し、しかも廉価に大量生産す
ることの出来る自動車内装用木目パネル及びその
製造方法を提供するものである。

天然木に塗装仕上げを施して得られる照りと深
みとをそのまま具備する自動車内装用パネルを廉
価に得る試みとして、アルミニウム粉末やパール
顔料を内填する合成樹脂シートに木目模様の印刷
を施し、これを別製の合成樹脂製成形品と接着し
たものや、或るいは射出成形用の金型に、前記し
た木目模様の印刷を施した合成樹脂シートをイン
サートし、インモールド成形したもの等がある
が、いずれの方法で得られたものも、天然木の有
する照りと深みとを表面に具現せしめる点で十分
ではなく、しかも前者の方法で得られたものは立
体感が得られないという欠点も有していた。

本発明は、特許請求の範囲第１番目の構成とす
ることにより、従来の方法では得ることの出来な
かつた、天然木の有する照りと深みとをそのまま
具備し、均一な色調を呈し、しかも廉価に大量生
産することの出来る自動車内装用木目パネルを、
また、特許請求の範囲第２番目の構成とすること
により、特許請求の範囲第１番目の構成の自動車
内装用木目パネルを廉価に、且つ大量に得る方法
を提供するものである。

以下、本発明の自動車内装用木目パネルの構成
を図面に基づいて説明する。

第１図、第２図に例示されている本発明の自動
車内装用木目パネル１は、模様シート２と、表面
３が天然木材様の照りを具備し、且つ湾曲面形状
とされている基材板４とが、前記基材板４におけ
る湾曲面形状とされている表面３側に前記模様シ
ート２が積層されるようにして、透明または半透
明の合成樹脂からなる接着剤層５を介して積層さ
れており、前述の基材板４の裏面６には、或る程
度の剛性を有する板体７が、接着剤層８を介して
接着された積層構成からなるものである。

模様シート２は、第３図に示されるごとく、透
明または半透明の合成樹脂製シート９の片面に、
春材部模様部分１０と秋材部模様部分１１とから
なる木目模様の印刷が施された構成からなるもの
で、印刷による木目模様のうち、少なくとも春材
部模様部分１０には透視可能な抜け部１２が形成
されている。尚、図面においては、透視可能な抜
け部１２を、合成樹脂製シート９の片面に春材部
模様部分１０を中断して印刷インキの無い部分を
形成することによつて構成されているが、春材部
模様部分１０中に透明ないし半透明の印刷インキ
による部分を形成し、該部分を透視可能な抜け部
１２としたり、あるいは、春材部模様部分１０全
体を透明ないし半透明の印刷インキで形成し、春
材部模様部分１０全体を透視可能な抜け部１２と
することも出来る。

この透視可能な抜け部１２は、秋材部模様部分
１１に比較して薄く着色される春材部模様部分１
０に形成されていれば十分であるが、春材部模様
部分１０と秋材部模様部分１１とからなる木目模
様の全体を、透明ないし半透明の印刷インキで形
成し、木目模様の全部分に透視可能な抜け部が構
成されていても良いことは勿論である。

また、天然木材様の照りを具備し、且つ湾曲面
形状とされている基材板４の表面３に、例えばア
クリルラツカー等の透明な着色塗料による目止め
塗装を施し、この表面に模様シート２を接着する
ようにすれば、前記目止め塗装によつて基材板４
の表面３に現出される天然木材様の照りと深みと
が、より一層顕著なものとなるので、これに伴つ
て、天然木材様の照りと深みとがより良好に現出
されている自動車内装用木目パネルが得られる。

また、第１，２図に例示される自動車内装用木
目パネル１の模様シート２の外表面に、更に透明
且つ硬化性の塗料、例えば硬化型ポリウレタン、
ポリブタジエン、ポリエステル、アクリル系ポリ
マー、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂等の溶剤タ
イプの塗料をスプレーコート法等により塗装した
り、或るいは、ポリエステルアクリレート系、ウ
レタンアクリレート系、エポキシアクリレート系
の各樹脂やスピラン樹脂等に増感剤ベンゾフエノ
ン等を添加したUV型硬化塗料等を塗装して、表
面が高硬度の透明な塗被膜を形成し、高度の耐擦
傷性を具備せしめると共に、表面の艶をコントロ
ールすることも出来る。

尚、自動車内装用木目パネル１においては、第
３図に示されるように、裏面に春材部模様部分１
０と秋材部模様部分１１とからなる木目模様の印
刷を施した構成の模様シート２を使用している
が、模様シート２における木目模様側が外側面と
なるようにして、模様シート２が基材板４の表面
３に接着された構成とすることも出来る。

本発明の自動車内装用木目パネルの製造方法
は、まず、透明または半透明の合成樹脂製シート
の片面に、少なくとも春材部模様部分に透視可能
な抜け部を有する春材部模様部分と秋材部模様部
分とからなる木目模様を印刷し、第３図に符号２
で示される構成の模様シートを得る。

次に、前工程で得られた模様シートと、別製
の、湾曲面形状に加工されている表面が天然木材
様の照りを具備している基材板とを、基材板にお
ける前記湾曲面形状の表面側に模様シートが積層
されるようにして、両者の間に透明または半透明
の合成樹脂からなる接着剤層を介在させて積層し
た状態で、加熱、真空又は圧空プレス加工を施
し、模様シートと基材板との積層体を得る。

しかる後に、前記工程で得られた積層体におけ
る基材板の裏面に、或る程度の剛性を有する反り
防止用の板体を接着剤層を介して接着する工程か
ら成るものである。

以上の通りの構成から成る自動車内装用木目パ
ネル及びその製造方法において、基材板４は、湾
曲面形状とされている表面が天然木材様の照りを
有するものであり、例えば天然木、合板、ツキ
板、合成木材等、天然木材の具備する照りと深み
とを具備する基体の表面を、ルーターカツト、レ
ーザー光線によるカツト等の切削加工にて所定の
湾曲面形状としたもの、または、天然木材様の照
りを表面に具備させることが可能な合成樹脂入り
木材を、その表面が湾曲面形状となるように、射
出成形、押出し成形、プレス成形等で成形して得
られるものが利用出来るが、表面の湾曲面形状加
工は必ずしも必要ではない。基材板４として特に
合板を利用する場合には、得られるパネルの反り
を防止する意味から、内部クロス合板を利用する
ことが好ましい。

また、模様シート２を構成している透明又は半
透明の合成樹脂製シート９としては、例えば
PVC透明フイルム、アクリルフイルム、PVAフ
イルム、ポリエステルフイルム、ポリエチレンフ
イルム、ポリプロピレンフイルム、ポリカーボネ
ートフイルム、ポリアリレートフイルム等を使用
することが出来る。

基材板４と模様シート２との間に介在せしめら
れる接着剤層５は、例えば透明度の高い熱硬化型
接着剤を、予め模様シート２面に塗布しておく
か、或るいは、熱溶着性能を有する合成樹脂フイ
ルムを基材板４と模様シート２との間に介在させ
て得られる積層体を、加熱、真空または圧空プレ
ス加工することによつて容易に形成され得るもの
である。

基材板４の裏面に接着される板体７は、自動車
内装用木目パネルに反り防止特性を具備せしめる
ものであり、アルミニウム、ステンレススチー
ル、銅、鉄等の金属板や、ナイロン12、ポリスル
フオン、ポリアセタール、ポリカーボネート等の
硬質合成樹脂板等、厚さ１〜２mm程度の板状体が
使用できる。この板体７は前記したように木目パ
ネル１に反り防止特性を付与するものであるが、
木目パネル１を枠体に取り付けるときに使用され
る取付けビス等の取り付け材の埋め込みに利用す
ることも出来る。

本発明の自動車内装用木目パネル及びその製造
方法は叙上の通りの構成から成るものであり、自
動車内装用木目パネルは、基材板の表面が有して
いる天然木材様の照りと深みとが、木目模様の印
刷が施されている模様シートの、特に春材部模様
部分に形成されている透視可能な抜け部を通して
木目パネルの表面に視認されるので、天然木に塗
装仕上げを施して得られる照りと深みとが、その
まま具備されており、均一、且つ安定した色調の
木目模様を有する自動車内装用木目パネルを、廉
価に得ることが出来るという作用、効果を奏す
る。

また、本発明の自動車内装用木目パネルの製造
方法によれば、天然木に塗装仕上げを施して得ら
れる照りと深みとをそのまま有している均一な色
調の自動車内装用木目パネルを、廉価に、大量
に、且つ確実に製造することが出来るという効果
を奏する。

以下、本発明の自動車内装用木目パネルの具体
的な構成及び製造方法の具体例を実施例を以つて
説明する。

実施例上層部分が厚さ3.5mm、中心層部分が厚さ２mm
のクロス合板、下層部分が厚さ3.5mmからなる総
厚み９mmのシナ合板の表面をルーターカツトで加
工し、所定の湾曲面形状に加工し、NCカツター
で長方形の開口部を刳り貫いた後、湾曲面形状と
されている表面にアクリルラツカー塗装による目
止めを施し、この塗装面に更に透明着色塗料をス
プレーコートして基材板を得た。

次いで、厚さ0.1mmの透明PVCフイルムの片面
に、春材部模様部分に透視可能な抜け部を有する
春材部模様部分と秋材部模様部分とからなる木目
模様を、塩ビ−アクリルタイプの印刷インキで印
刷し、模様シートを得た。

得られた模様シートの木目模様印刷面に、ポリ
ウレタン系の透明な接着剤を158ｇ／m²（dry）
の割合に塗布し、接着剤塗布面が、前述の基材板
の湾曲面形状をなす表面と接するようにして、模
様シートと基材板とを重ね合わせると共に、同時
に曲面真空プレス機で加熱、真空−プレス加工
（150℃、60sec）し、模様シートと基材板との積
層体を得た。

更に、得られた積層体の模様シート表面にポリ
エステル樹脂塗料を、30〜40ｇ／m²（dry）の割
合にスプレーコートすると共に、基材板の裏面に
厚さ１mmのアルミニウム板を接着剤で貼り合わ
せ、目的とする天然木様の意匠を有する安定した
色調の自動車内装用木目パネルを得た。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の自動車内装用木目パネルの１
例を示す斜面図、第２図は第１図の木目パネルの
拡大断面図、第３図は第１，２図の木目パネルに
利用されている模様シートの拡大断面図である。１：自動車内装用木目パネル、２：模様シー
ト、４：表面３が天然木材様の照りを具備してい
る基材板、５：透明または半透明の合成樹脂から
なる接着剤層、６：基材板４の裏面、７：板体、
８：接着剤層、９：模様シート２における透明ま
たは半透明の合成樹脂製シート、１０：春材部模
様部分、１１：秋材部模様部分、１２：透視可能
な抜け部。

Claims

【特許請求の範囲】１透明または半透明の合成樹脂製シートの片面
に、少なくとも春材部模様部分に透視可能な抜け
部を有する春材部模様部分と秋材部模様部分とか
らなる木目模様の印刷が施されている模様シート
と、表面が天然木材様の照りを具備している基材
板とが、前記基材板における天然木材様の照りを
具備している表面側に、透明または半透明の合成
樹脂からなる接着剤層を介して前記模様シートが
接着されており、前記基材板の裏面には、或る程
度の剛性を具備する板体が接着剤層を介して接着
されていることを特徴とする自動車内装用木目パ
ネル。２透明または半透明の合成樹脂製シートの片面
に、少なくとも春材部模様部分に透視可能な抜け
部を有する春材部模様部分と秋材部模様部分とか
らなる木目模様を印刷し、得られた模様シート
を、表面が天然木材様の照りを具備している基材
板の前記表面に、透明または半透明の合成樹脂か
らなる接着剤層を介して積層すると共に、加熱、
真空又は圧空プレス加工し、しかる後に、得られ
た積層体の前記基材板裏面に、或る程度の剛性を
有する板体を接着剤層を介して接着することを特
徴とする自動車内装用木目パネルの製造方法。