JPH11207810A - 木質化粧材の製造方法 - Google Patents

木質化粧材の製造方法

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JPH11207810A
JPH11207810A JP2671398A JP2671398A JPH11207810A JP H11207810 A JPH11207810 A JP H11207810A JP 2671398 A JP2671398 A JP 2671398A JP 2671398 A JP2671398 A JP 2671398A JP H11207810 A JPH11207810 A JP H11207810A
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JP
Japan
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decorative material
veneer
thermoplastic resin
sheet
wooden decorative
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JP2671398A
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English (en)
Inventor
Satoshi Yuzawa
智 湯沢
Kimiyasu Yamanaka
紀宮守 山中
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストを削減することができ、かつ意匠
性を向上させることができる木質化粧材の製造方法を提
供する。 【解決手段】 この木質化粧材1の製造方法では、突板
2に熱可塑性樹脂3を含浸させ、この突板2の表裏面
に、多数の孔41を有する透明な熱可塑性樹脂シート4
0,40を配置し、熱可塑性樹脂シート40,40およ
び突板2をホットプレスすることにより、木質化粧材1
を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、装飾を目的として
自動車部品、楽器、家具および建材などに用いられる木
質化粧材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の木質化粧材の製造方法と
して、例えば特公平7−55515号公報に記載された
ものが知られている。この製造方法では、まず、木質材
を加工し、「突板」と呼ばれる20μm〜1mm程度の
薄い木板を作製する。この突板をアクリル樹脂のエマル
ジョンに浸漬し、乾燥させることにより、アクリル樹脂
を含浸した突板シートを作製する。この突板シートを射
出成形金型内に配置し、突板シートの裏側にアクリル樹
脂を射出することにより、表面に木目柄を有する木質化
粧材を成形する。このように射出成形した木質化粧材で
は、その表面を保護し、意匠性を向上させるために、突
板シートの表面に塗装を施したり、透明な樹脂シート
(フィルム)を貼ったりしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の製造方法に
より製造した木質化粧材を、突板シートに塗装を施した
場合と透明な樹脂シートを貼った場合とで比較すると、
塗装した場合には、表面の仕上がり外観が美しく、意匠
性の点で優れている。しかし、この場合には、表面を保
護できるような塗膜厚さを確保するために、塗料を厚く
塗らなければならず、製造コストの上昇を招くという問
題がある。一方、透明な樹脂シートを貼った場合には、
樹脂シートの厚みを適切に設定することにより、表面を
保護する樹脂膜を容易に形成でき、製造コストを削減す
ることができる。しかしながら、この場合には、樹脂シ
ートを貼り付けた際に、突板シートと樹脂シートの間に
介在する気泡や、突板シート自体が内包する気泡がうま
く抜けず、塗装した場合と比較して、表面の仕上がり外
観が著しく劣り、意匠性が低下するという問題がある。
【0004】さらに、上記の製造方法では、400μm
以下の薄い突板を用いた場合には、突板自体が透光性を
有するようになるため、木質化粧材を室内の照明されて
いる場所で使用した場合、照射光が木質化粧材の突板を
通過し、アクリル樹脂に吸収されることにより、十分な
木質感が得られなかったり、突板の下のアクリル樹脂が
透けて見えてしまったりして、意匠性が低下するという
問題がある。
【0005】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、製造コストを削減することができ、かつ意
匠性を向上させることができる木質化粧材の製造方法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の木質化粧材の
製造方法は、突板に熱可塑性樹脂を含浸させ、この突板
の表裏面の少なくとも一方に、多数の孔を有する透明な
熱可塑性樹脂シートを配置し、この熱可塑性樹脂シート
および突板をホットプレスすることにより、木質化粧材
を製造することを特徴とする。
【0007】この木質化粧材の製造方法によれば、熱可
塑性樹脂シートの多数の孔の径および分布を適切に設定
することにより、熱可塑性樹脂シートおよび突板をホッ
トプレスする際に、これらの多数の孔を介して空気が抜
けると共に、加熱により樹脂シートが溶け、多数の孔が
塞がれる。これにより、熱可塑性樹脂膜と突板の間に気
泡が介在せず平滑な表面を備えたシート状の木質化粧材
を製造することができ、木質化粧材の意匠性を向上させ
ることができる。これに加えて、突板の表裏両面に熱可
塑性樹脂膜をそれぞれ形成した場合には、片面のみに形
成した場合と比べて、木質化粧材の突板の模様の美しい
方を表面として利用でき、意匠性の高い木質化粧材を歩
留りよく製造できると共に、木質化粧材自体が反りにく
くなるので、木質化粧材の加工性が向上する。さらに、
この木質化粧材の表面には、熱可塑性樹脂膜が形成され
るので、この厚みを適切に設定することにより、塗装す
る場合と比べて、木質化粧材の表面の保護膜を容易に形
成でき、製造コストを削減することができる。
【0008】上記において、木質化粧材の熱可塑性樹脂
シートと反対側の面および突板の熱可塑性樹脂シートと
反対側の面の一方に、光を反射可能な反射膜をさらに形
成することが好ましい。
【0009】この木質化粧材の製造方法では、光を反射
可能な反射膜を木質化粧材および突板の一方の熱可塑性
樹脂シートと反対側の面に形成したので、例えば、光を
透すような適切な厚みの突板を用いて木質化粧材を製造
した場合、木質化粧材に入射した光は、反射膜まで到達
し、これにより反射される。したがって、奥行感や深み
感を有し、入射光の角度や強さに応じて木目模様の濃淡
などが複雑に変化する特性を備えた木質化粧材を製造す
ることができる。
【0010】また、上記において、木質化粧材を、金型
内に配置し、木質化粧材に熱可塑性樹脂シートと反対側
から合成樹脂を射出することにより射出成形することが
好ましい。
【0011】この木質化粧材の製造方法によれば、前述
した作用を保持したまま、木質化粧材を、加工性および
汎用性の高い射出成形法により、所定の形状に成形で
き、かつこれに適当な厚みや剛性を容易に付加すること
ができる。
【0012】さらに、上記において、木質化粧材の熱可
塑性樹脂シートと反対側の面に、基材をプレス接着する
ことが好ましい。
【0013】この木質化粧材の製造方法によれば、前述
した作用を保持したまま、木質化粧材を、汎用性の高い
プレス接着により所定の形状に成形でき、かつこれに適
当な厚みや剛性を容易に付加することができる。
【0014】また、上記において、木質化粧材の熱可塑
性樹脂シートと反対側の面に、透光性を備えた基材を接
着することが好ましい。
【0015】この木質化粧材の製造方法によれば、熱可
塑性樹脂シートが透明なので、例えば、適切な厚みの突
板を用いることにより、木質化粧材自体が光を透すよう
になる。この木質化粧材の裏面に、透光性を備えた基材
をさらに接着することにより、その透光性を保持したま
まで、木質化粧材を所定の形状に成形し、適当な厚みや
剛性を付加できる。このように製造された木質化粧材
を、例えば、光源でもって内部から照明することによ
り、暗い場所においても、木質化粧材の木目模様を鑑賞
することができる。
【0016】請求項6の木質化粧材の製造方法は、突板
に熱可塑性樹脂を含浸させ、この突板の表裏面の少なく
とも一方に、多数の孔を有する透明な熱可塑性樹脂シー
トを配置し、この熱可塑性樹脂シートおよび突板を、金
型内に配置し、この熱可塑性樹脂シートと反対側の面か
ら合成樹脂を射出することにより射出成形することを特
徴とする。
【0017】この木質化粧材の製造方法によれば、ホッ
トプレスによってシート状の木質化粧材を製造する工程
を行うことなく、熱可塑性樹脂シートおよび突板をその
まま用いて射出成形することにより、前述したような適
当な厚みや剛性を付加できると同時に、木質化粧材を所
定形状に成形できる。これにより、製造工程を簡略化で
き、製造コストをさらに削減できる。
【0018】請求項7の木質化粧材の製造方法は、突板
に熱可塑性樹脂を含浸させ、この突板の表裏面の少なく
とも一方に、多数の孔を有する透明な熱可塑性樹脂シー
トを配置し、この熱可塑性樹脂シートおよび突板を、こ
の熱可塑性樹脂シートと反対側の面で基材にホットプレ
ス接着することを特徴とする。
【0019】この木質化粧材の製造方法によれば、ホッ
トプレスによってシート状の木質化粧材を製造する工程
を行うことなく、熱可塑性樹脂シートおよび突板をその
まま基材にホットプレス接着することにより、前述した
ような適当な厚みや剛性を付加できると同時に、木質化
粧材を所定形状に成形できる。これにより、製造工程を
簡略化でき、製造コストをさらに削減できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態に係る
木質化粧材の製造方法について説明する。まず、第1実
施形態に係る木質化粧材の製造方法について説明する。
図1は、この製造方法により製造された木質化粧材1の
構成を示す模式図である。図1に示すように、木質化粧
材1は、木目模様が表面から見えるシート状のもの(以
下、木質化粧シートという)であり、自動車の内装部品
として用いられる。この木質化粧シート1では、ウレタ
ン樹脂3を含浸した突板2の表裏面に、透明な軟質の塩
化ビニル樹脂膜4,4がそれぞれ形成されており、表面
(図1(b)の上面)側の塩化ビニル樹脂膜4の上に
は、仕上げ塗装としての不飽和ポリエステル樹脂塗料5
の塗膜がさらに形成されている。木質化粧シート1は、
所定形状に切断されており、その断面には、防湿塗装と
しての合成樹脂塗料6の塗膜が形成されている。この木
質化粧シート1は、可撓性を備えており、木質化粧シー
ト1の裏面(図1(b)の下面)に貼り付けられた両面
テープ7を介して、自動車内の取り付け箇所に貼り付け
られる。
【0021】この木質化粧シート1を製造する方法につ
いて説明すると、まず、ウォールナットなどのむく材を
加工し、200μm程度の厚みを有する突板2を製作す
る。この突板2をウレタン樹脂(熱可塑性樹脂)3のエ
マルジョンに浸漬し、乾燥させることにより、図2に示
すような、ウレタン樹脂3を含浸した突板2を製作す
る。
【0022】次に、図3に示すように、この突板2を、
透明な200μm程度の厚みの塩化ビニル樹脂シート
(熱可塑性樹脂シート)40,40の間に挟み込む。図
4(a)に示すように、各塩化ビニル樹脂シート40に
は、直径500μm程度の多数の細孔41が、約10m
m間隔で形成されている。この状態で、図示しないホッ
トプレス機により、突板2および各塩化ビニル樹脂シー
ト40を、20分間、150℃で、ホットプレスする。
このとき、多数の細孔41を介して突板2と各塩化ビニ
ル樹脂シート40の間の空気が抜け、加熱により各塩化
ビニル樹脂シート40が溶けることにより、多数の細孔
41が塞がれると共に、ウレタン樹脂3と各塩化ビニル
樹脂シート40とが一体化する(図4(b)参照)。こ
れにより、数百μm程度の厚みを有し、滑らかな塩化ビ
ニル樹脂膜4を表裏面に形成した木質化粧シート1が出
来上がる。この木質化粧シート1を所定形状に切断し、
その切断面に防湿塗料としての合成樹脂塗料6を塗装す
ると共に、木質化粧シート1の表面に不飽和ポリエステ
ル樹脂塗料5を仕上げ塗装する。さらに、木質化粧シー
ト1の裏面に、両面テープ7を貼り付けることにより、
自動車の内装部品が完成する。
【0023】以上のように製造された木質化粧シート1
によれば、突板2と各塩化ビニル樹脂膜4との間に気泡
が存在せず、その表面を滑らかにでき、意匠性を向上さ
せることができる。また、塗装により突板2に保護膜を
形成する場合と比べて、保護膜としての塩化ビニル樹脂
膜4を容易に形成でき、その製造コストを削減できる。
さらに、木質化粧シート1の両面に塩化ビニル樹脂膜4
が形成されているので、片面のみに形成した場合と比べ
て、木質化粧シート1の突板2の模様の美しい方を表面
として利用でき、意匠性の高い木質化粧シート1を歩留
りよく製造できると共に、木質化粧シート1が反りにく
く、切断加工などを行う際の加工性がよくなる。
【0024】なお、上記第1実施形態においては、2枚
の塩化ビニル樹脂シート40,40を用いて木質化粧シ
ート1の表裏面に塩化ビニル樹脂膜4を形成したが、塩
化ビニル樹脂シート40を1枚のみ用いて、木質化粧シ
ート1の表面のみに塩化ビニル樹脂膜4を形成してもよ
い。このようにすれば、製造コストをさらに削減するこ
とができる。また、塩化ビニル樹脂シート40として、
透明で適切な色に着色されたものを用いてもよい。この
ようにすれば、木質化粧シート1の意匠性をさらに向上
させることができる。さらに、木質化粧シート1を製造
する際に突板2を挟み込むシートは、塩化ビニル樹脂シ
ート40に限らず、熱可塑性樹脂シートであればよい。
また、突板2に含浸させる樹脂は、ウレタン樹脂に限ら
ず、熱可塑性樹脂であればよい。さらに、木質化粧シー
ト1の仕上げ塗装は、必要性に応じて省略してもよい。
【0025】次に、第2実施形態に係る木質化粧材の製
造方法について説明する。図5は、本実施形態により製
造した木質化粧材10の断面構造を示しており、この木
質化粧材10は、図6(b)に示す家具扉として用いら
れる。図5に示すように、木質化粧材10には、基材と
してのMDF9の表面にアルミ膜(反射膜)8が形成さ
れており、このアルミ膜8は、光を反射する性質を備え
ている。さらに、アルミ膜8のMDF9と反対側の面に
は、上記第1実施形態と同様の木質化粧シート1(ウレ
タン樹脂3を含浸した突板2が塩化ビニル樹脂膜4,4
の間に挟まれたもの)が積層されている。この突板2
は、200μm程度の厚みに形成され、それにより光を
透す性質を有している。
【0026】この木質化粧材10の製造方法について説
明すると、突板2を、塩化ビニル樹脂シート40,40
の間に挟み込み、かつ片方の塩化ビニル樹脂シート40
の表面にアルミ箔を配置する。この状態で、第1実施形
態と同様にホットプレスを実施することより、片面にア
ルミ膜8を備えた木質化粧シート1aを製造する。次
に、図6(a)に示すように、この木質化粧シート1a
を所定形状に切断し、これを真空プレス用の接着剤を塗
布した所定形状のMDF9の上に、アルミ膜8側から重
ねる。この後、図示しない真空プレス機を用いて、木質
化粧シート1aおよびMDF9を真空プレスすることに
より、図6(b)に示すように、これらを接着する。接
着後、不要な部分をトリミングし、木質化粧材10を完
成する。
【0027】以上のように製造された木質化粧材10に
よれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができ
る。また、塩化ビニル樹脂膜4が透明で、突板2が光を
透す性質を有すると共に、アルミ膜8が光を反射する性
質を有しているので、木質化粧材10に入射した光は、
突板2を通過してアルミ膜8まで到達し、これにより、
反射される。したがって、木質化粧材10は、奥行感や
深み感を見る者に与え、かつ入射光の角度や強さに応じ
て木目模様の濃淡などが複雑に変化する。さらに、MD
F9を基材として用いて、これに木質化粧シート1aを
汎用性の高い真空プレス法で接着しているので、適当な
剛性や厚みを備えた所定形状の木質化粧材10を容易に
製造することができる。
【0028】なお、この第2実施形態においては、アル
ミ箔を用いてホットプレス加工することにより、木質化
粧シート1aにアルミ膜8を形成したが、これに限ら
ず、アルミ蒸着法により、アルミ膜8を形成してもよ
い。また、アルミ膜8を塩化ビニル樹脂膜4の片面に形
成したが、突板2の片面に形成してもよい。さらに、木
質化粧シート1aに形成する反射膜は、アルミ膜8に限
らず、光を反射可能な膜であればよい。また、基材とし
てMDF9を用いたが、これに限らず、木質化粧シート
1aをプレス接着可能なものであればよい。
【0029】次に、第3実施形態に係る木質化粧材の製
造方法について説明する。本実施形態で製造される木質
化粧材10は、図7に示す自動車の内装部品として用い
られる。木質化粧材10は、ABS樹脂製の基材11
と、この基材11の上面に一体成形された、前記第1実
施形態と同様の構造の木質化粧シート1とを備えてい
る。
【0030】この木質化粧材10の製造方法について説
明すると、まず、第1実施形態と同様に木質化粧シート
1を製造する。次に、この木質化粧シート1を所定寸法
に切断し、真空プレス機により、図8(a)に示す形状
に予備成形する。この後、図8(a)に示すように、予
備成形した木質化粧シート1を、射出成形機12の金型
13,13内に配置し、型締めする。次に、金型13の
スプルー14などを介して、金型13,13内にノズル
15から熔解したABS樹脂を射出する。これにより、
木質化粧材10が射出成形される。冷却後、この木質化
粧材10を金型13,13から取り出し、不要な部分を
切除した後、トリミングする。さらに、木質化粧材10
の表面に不飽和ポリエステル樹脂塗料5を仕上げ塗装す
ることにより、図7に示す自動車の内装部品が完成す
る。
【0031】以上のように製造された木質化粧材10に
よれば、上記第1実施形態と同様の効果が得られるのに
加えて、木質化粧シート1を用いて加工性や汎用性の高
い射出成形により製造でき、適当な剛性や厚みを有する
所定形状の木質化粧材10を容易に製造することができ
る。
【0032】なお、この第3実施形態においては、射出
成形にABS樹脂を用いたが、これに限らず、射出成形
に適用可能な合成樹脂であればよい。
【0033】次に、第4実施形態に係る木質化粧材の製
造方法について説明する。図9に示すように、この木質
化粧材10は、住宅内装用の幅木16に用いられるもの
である。幅木16は、ABS製のケース17と、このケ
ース17の開口を塞ぐ蓋としての木質化粧材10とを備
えており、ケース17内には、蛍光灯18が内蔵されて
いる。図9(b)に示すように、木質化粧材10は、透
明なポリカーボネート製の基材(透光性を備えた基材)
19と、この基材19に一体化された前記第1実施形態
と同様の層構造の木質化粧シート1と、を備えている。
この木質化粧材10では、突板2が薄く、塩化ビニル樹
脂膜4が透明であることにより、木質化粧シート1が透
光性を有している。木質化粧材10は、この木質化粧シ
ート1に透明な基材19が一体成形されていることによ
り、全体として透光性を備えている。
【0034】この木質化粧材10の製造方法について説
明すると、まず、第1実施形態と同様に木質化粧シート
1を製造する。次に、この木質化粧シート1を所定寸法
に切断し、ポリカーボネート基材19に接着することに
より、木質化粧材10を製造する。
【0035】以上のように製造された木質化粧材10に
よれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。さら
に、木質化粧材10自体が透光性を有しているので、幅
木16内の蛍光灯18を点灯させた場合、その光が木質
化粧材10を透過し、木目模様を浮き上がらせる。これ
により、暗い室内においても、幅木16の木目模様を鑑
賞することができる。
【0036】なお、この第4実施形態においては、木質
化粧シート1を接着する基材19として、ポリカーボネ
ート製のものを用いたが、これに限らず、ガラス板や合
成樹脂板など、透光性を備え、木質化粧シート1を接着
可能なものであればよい。
【0037】次に、第5実施形態に係る木質化粧材の製
造方法について説明する。本実施形態で製造される図1
0〜図12の木質化粧材10は、前記第3実施形態と同
様に、自動車の内装部品である。この木質化粧材10
は、第3実施形態とほぼ同様の構成を備えており、図1
2(b)に示すように、ABS樹脂製の基材11に、塩
化ビニル樹脂膜4を介さずに突板2が一体化されている
点のみが異なっている。
【0038】この木質化粧材10の製造方法について説
明すると、この製造方法では、射出成形する工程は、第
3実施形態とほぼ同様であり、第3実施形態が、前記第
1実施形態と同様に木質化粧シート1をホットプレスに
より製造し、これを用いて木質化粧材10を製造してい
るのに対して、この製造方法では、木質化粧シート1を
製造せずに、木質化粧材10を直接、製造している点が
異なっている。すなわち、この製造方法では、図10〜
図12に示すように、ウレタン樹脂3を含浸した突板2
と塩化ビニル樹脂シート40を所定寸法に切断し、予備
成形し、これらを塩化ビニル樹脂シート40を前側(図
中の左側)にして金型13,13内に配置する。次に、
熔解したABS樹脂11aを突板2の背面側に射出する
ことにより、ABS樹脂11aとウレタン樹脂3が一体
化する。これと同時に、ABS樹脂11aの熱によって
塩化ビニル樹脂シート40が溶け、ウレタン樹脂3と一
体化すると共に、細孔41を介して空気が抜ける。これ
により、図12(b)に示すような木質化粧材10が製
造される。
【0039】以上のように製造された木質化粧材10で
は、第3実施形態と同様の効果が得られると共に、第3
実施形態とは異なり、木質化粧シート1をホットプレス
により製造することなく、突板2と塩化ビニル樹脂シー
ト40をそのまま用いて製造しているので、第3実施形
態と比べて、製造コストを削減できる。これに加えて、
塩化ビニル樹脂シート40を1枚しか使用しないので、
製造コストをより一層、削減できる。
【0040】次に、第6実施形態に係る木質化粧材の製
造方法について説明する。図13に示すように、本実施
形態で製造される木質化粧材10は、前記第2実施形態
と同様に、家具扉である。この木質化粧材10は、その
断面構造を図示しないが、第2実施形態とほぼ同様の構
成を備えており、塩化ビニル樹脂膜4およびアルミ膜8
を介さずに、MDF9の上面に突板2が配置されている
点のみが異なっている。
【0041】この木質化粧材10の製造方法について説
明すると、第2実施形態が、前記第1実施形態と同様に
木質化粧シート1をホットプレスにより製造し、これを
用いて木質化粧材10を製造しているのに対して、この
製造方法では、木質化粧シート1を製造せずに、木質化
粧材10を直接、製造している点が異なっている。すな
わち、この製造方法では、図13(a)に示すように、
上記第5実施形態と同様に、ウレタン樹脂3を含浸した
突板2と塩化ビニル樹脂シート40を、そのまま用い
て、MDF9にホットプレス接着することにより、木質
化粧材10を製造している。この場合、塩化ビニル樹脂
シート40および突板2が予め加熱された状態で、真空
プレス機の型に配置されることにより、プレスされると
きに、塩化ビニル樹脂シート40の細孔41を介して空
気が抜け、かつ細孔41が塞がれることによって、表面
に滑らかな塩化ビニル樹脂膜4を形成した木質化粧材1
0を製造できる。
【0042】以上のように製造された木質化粧材10で
は、木質化粧シート1をホットプレスにより製造するこ
となく、突板2と塩化ビニル樹脂シート40をそのまま
用いて製造しているので、前記第2実施形態と比べて、
製造コストを削減できる。これに加えて、塩化ビニル樹
脂シート40を1枚しか使用しないので、製造コストを
より一層、削減できる。
【0043】なお、前記各実施形態では、突板2をその
まま用いたが、これにポリエステル不織布などを裏打ち
して用いてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明の木質化粧材の製
造方法によれば、製造する木質化粧材の意匠性、加工性
および歩留りを向上させることができる。また、製造コ
ストを削減することができる。さらに、入射光の角度や
強さに応じて、その木目模様の濃淡などが複雑に変化す
る特性を備え、外観に奥行感や深み感を有する木質化粧
材を製造できる。また、暗い場所でも鑑賞可能な木質化
粧材を製造できる。さらに、適当な厚みや剛性を有する
所定形状の木質化粧材を容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る木質化粧材の製造
方法により製造された木質化粧材の構成を示す(a)斜
視図と、(b)断面図である。
【図2】ウレタン樹脂を含浸した突板の構成を示す
(a)斜視図と、(b)断面図である。
【図3】2枚の塩化ビニル樹脂シートで突板を挟んだ状
態を示す斜視図である。
【図4】(a)ホットプレス前と、(b)ホットプレス
後における塩化ビニル樹脂シートおよび突板の変化をそ
れぞれ示す断面図である。
【図5】第2実施形態に係る木質化粧材の製造方法によ
り製造された木質化粧材の構成を示す断面図である。
【図6】(a)木質化粧材をプレス接着する動作を示す
斜視図と、(b)完成品の木質化粧材を示す斜視図であ
る。
【図7】第3実施形態に係る木質化粧材の製造方法によ
り製造された木質化粧材の外観を示す斜視図である。
【図8】第3実施形態において、木質化粧材を射出成形
する際の(a)成形前と、(b)成形後の状態を示す模
式図である。
【図9】第4実施形態に係る木質化粧材の製造方法によ
り製造された木質化粧材の外観を示す(a)斜視図と、
(b)断面図である。
【図10】第5実施形態に係る木質化粧材の製造方法に
おいて、木質化粧材を射出成形する際の成形前の状態を
示す模式図である。
【図11】第5実施形態において、木質化粧材を射出成
形する際の(a)樹脂射出の状態を示す模式図と、
(b)要部拡大図である。
【図12】第5実施形態において、木質化粧材を射出成
形する際の(a)成形後の状態を示す模式図と、(b)
要部拡大図である。
【図13】第6実施形態に係る木質化粧材の製造方法に
おいて、(a)木質化粧材をプレス接着する動作を示す
斜視図と、(b)完成品の木質化粧材を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 木質化粧材、木質化粧シート 1a 木質化粧材、木質化粧シート 2 突板 3 ウレタン樹脂(熱可塑性樹脂) 40 塩化ビニル樹脂シート(熱可塑性樹脂シート) 41 細孔(孔) 8 アルミ膜(反射膜) 9 MDF(基材) 11a ABS樹脂(合成樹脂) 13 金型 19 ポリカーボネート(合成樹脂材)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 突板に熱可塑性樹脂を含浸させ、 この突板の表裏面の少なくとも一方に、多数の孔を有す
    る透明な熱可塑性樹脂シートを配置し、 この熱可塑性樹脂シートおよび前記突板をホットプレス
    することにより、木質化粧材を製造することを特徴とす
    る木質化粧材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記木質化粧材の前記熱可塑性樹脂シー
    トと反対側の面および前記突板の前記熱可塑性樹脂シー
    トと反対側の面の一方に、光を反射可能な反射膜をさら
    に形成することを特徴とする請求項1に記載の木質化粧
    材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記木質化粧材を、金型内に配置し、当
    該木質化粧材に前記熱可塑性樹脂シートと反対側から合
    成樹脂を射出することにより射出成形することを特徴と
    する請求項1または2に記載の木質化粧材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記木質化粧材の前記熱可塑性樹脂シー
    トと反対側の面に、基材をプレス接着することを特徴と
    する請求項1または2に記載の木質化粧材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記木質化粧材の前記熱可塑性樹脂シー
    トと反対側の面に、透光性を備えた基材を接着すること
    を特徴とする請求項1に記載の木質化粧材の製造方法。
  6. 【請求項6】 突板に熱可塑性樹脂を含浸させ、 この突板の表裏面の少なくとも一方に、多数の孔を有す
    る透明な熱可塑性樹脂シートを配置し、 この熱可塑性樹脂シートおよび前記突板を、金型内に配
    置し、この熱可塑性樹脂シートと反対側の面から合成樹
    脂を射出することにより射出成形することを特徴とする
    木質化粧材の製造方法。
  7. 【請求項7】 突板に熱可塑性樹脂を含浸させ、 この突板の表裏面の少なくとも一方に、多数の孔を有す
    る透明な熱可塑性樹脂シートを配置し、 この熱可塑性樹脂シートおよび前記突板を、この熱可塑
    性樹脂シートと反対側の面で基材にホットプレス接着す
    ることを特徴とする木質化粧材の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002307481A (ja) * 2001-04-16 2002-10-23 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 木質化粧成形品の製造方法
JP2008018640A (ja) * 2006-07-13 2008-01-31 Nec Corp 樹脂成形体及びその製造方法、並びに筐体
JP2015223751A (ja) * 2014-05-27 2015-12-14 小島プレス工業株式会社 木質意匠部品及びその製造方法

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