JP2002307481A - 木質化粧成形品の製造方法 - Google Patents
木質化粧成形品の製造方法Info
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Abstract
しい仕上がりが得られるなど、突板への塗装効果を十分
に確保することができるとともに、仕上げ工程の簡略化
によって生産を効率的に進めることができる木質化粧成
形品の製造方法を提供する。 【解決手段】 木材をスライスすることにより形成した
突板1に所定の塗装処理を行い、塗装した突板1に補強
材3を接着剤2で接着することにより突板シート4を作
製し、作製した突板シート4にさらに塗装処理または含
浸処理を行い、この突板シート4を金型内にセットし、
金型内の突板シート4の裏側面に溶融した基材6を射出
して射出成形を行い、突板シート4と基材6を一体化す
る。
Description
品、家具や家電製品などに用いられる、表面側に突板
を、裏面側に合成樹脂を配置した複合構成の木質化粧成
形品の製造方法に関する。
法として、例えば特公平7−115380号公報に開示
されたものが知られている。図3に示すように、この製
造方法ではまず、木材を薄くスライスした突板51を準
備し(同図(a))、次に、突板51の裏面に金属薄板
などから成る補強材53を接着剤52で接着することに
よって、突板シート54を作製する(同図(b))。次
いで、突板シート54の突板51に着色または染色やト
ップコート塗装などの塗装処理を行う(同図(b))。
この突板51の着色・染色は、突板51の木目を強調す
ることで、より美しい仕上がりを得るために行われる。
次に、金型(図示せず)内に突板シート54をセット
し、その裏面側に溶融した合成樹脂を射出することによ
り、突板シート54の裏面に合成樹脂から成る基材55
が一体化されるとともに、全体として所定形状に成形さ
れた木質化粧成形品56が得られる(同図(c))。
従来の製造方法では、突板51に補強材53を接着剤5
2で接着した後に、突板51に対して着色・染色などの
塗装が行われる。このため、着色や染色を行う際には、
突板51の導管や繊維の中に接着剤52がすでに染み込
んだ状態になっている。その結果、着色剤や染料が、接
着剤52で妨げられることにより、突板51の導管や繊
維の中に十分に浸透できないため、着色・染色を十分に
行えず、突板51の美しい木目が得られないという問題
がある。
になされたものであり、着色や染色により突板の木目が
強調された美しい仕上がりが得られるなど、突板への塗
装効果を十分に確保できるとともに、仕上げ工程の簡略
化によって生産を効率的に進めることができる木質化粧
成形品の製造方法を提供することを目的とする。
め、本発明の木質化粧成形品の製造方法は、木材をスラ
イスすることにより形成した突板に所定の塗装処理を行
い、塗装した突板に補強材を接着剤で接着することによ
り突板シートを作製し、作製した突板シートにさらに塗
装処理または含浸処理を行い、この突板シートを金型内
にセットし、金型内の突板シートの裏面側に溶融した合
成樹脂を射出して射出成形を行い、突板シートと合成樹
脂を一体化することを特徴としている。
まず突板に所定の塗装処理を行い、その後、塗装した突
板に補強材を接着剤で接着することにより突板シートを
作製し、その突板シートにさらに塗装処理または含浸処
理を行い、次いで、作製した突板シートを金型に配置
し、合成樹脂とともに射出成形することによって、木質
化粧成形品を製造する。このように、本発明の製造方法
では、突板に補強材を接着する前に、突板にあらかじめ
所定の塗装を行うので、従来と異なり、この塗装処理
を、接着剤に妨げられることなく十分に行うことがで
き、その塗装効果を十分に確保することができる。
装処理」とは、例えば突板の着色や染色が代表的なもの
であり、その場合には、着色剤や染料が突板の導管や繊
維の中に十分に浸透することで、突板の木目が強調され
た美しい仕上がりを得ることができる。また、作製した
突板シートを、金型による成形前に、平面的なシートの
状態でさらに塗装または含浸するので、成形後の立体的
な状態で行う場合よりも、これらの塗装または含浸処理
を容易に行うことができる。またこの場合、クリヤ塗料
の塗装やクリヤ樹脂の含浸を下塗りや中塗りとして施す
ことで、仕上げ工程を簡略化することができる。その結
果、生産が効率的に進められ、コストの削減につなが
る。なお、突板の表面には、「所定の塗装処理」がすで
に施されていて、その後、上記のような突板シートへの
下塗りや中塗りとしての塗装または含浸が、突板の表面
に上乗せした状態で行われるので、塗装または含浸を接
着剤に影響されることなく良好に行うことができる。
ることが好ましい。
のに用いた有色接着剤が、塗装処理後の突板の内部に染
み込むことによって、突板の木目がより強調されるとと
もに、突板の色調や色の深みなどを、有色接着剤の色に
応じて変化させることができる。
にトップコート塗装を行うことが好ましい。
ート塗装を行うことにより、木質化粧成形品の表面の平
滑性が増すことで、より美しい仕上がりが得られるとと
もに、表面が保護されることで、耐久性を高めることが
できる。また、下塗りおよび中塗りをすでに行っている
場合は、トップコート塗装を上塗りだけで簡単に済ませ
ることができる。
を、図面を参照しながら、詳細に説明する。図1は、本
発明の第1実施形態による木質化粧成形品の製造方法を
示している。同図(f)に示すように、この木質化粧成
形品8は、表面側の突板シート4と、その裏面に射出成
形された合成樹脂から成る基材6とを備えている。ま
た、突板シート4の表面には、クリヤ塗膜層5とトップ
コート塗膜層7が順に形成されている。
に、突板1と、その裏面に接着剤2を用いて接着された
補強材3によって構成されている。突板1は、木質化粧
成形品9を化粧するものであり、ウォルナットやメープ
ルなどの木材を厚さ0.2mm程度に薄くスライスする
ことにより形成されている。また、突板1には、その木
目を強調して美しい仕上げを得るために、染色が施され
ている。接着剤2は、任意の材料で構成することが可能
であり、本実施形態では無色のものが採用されている。
とともに、基材6を射出成形により接合一体化する際の
アンカリング層として機能する。補強材3の材料として
は、不織布の他、織布・和紙などの繊維材料、突板、樹
脂フィルムや、さらにはこれらの複合品などが採用され
る。
剛性を付与するためのものであり、突板シート4よりも
かなり厚く形成されている。また、基材6は、射出成形
に適し、かつ強度、耐熱性や寸法安定性などに優れた合
成樹脂、例えば、ABSやポリカーボネートなどで構成
されている。
などで構成されており、突板シート4に下塗りおよび中
塗りとして塗られたものである。
テル塗料などで構成されており、木質化粧成形品9の表
面を保護するとともに、高級感を与えるべく艶出し仕上
げが施されている。
方法を、図1を参照しながら説明する。まず、上述した
構成の突板1を準備するとともに、この突板1に染色処
理(所定の塗装処理)を行う(同図(a))。この染色
処理は、例えば、所定の色の染料を溶かした溶液中に突
板1を浸けることで、その導管や繊維の中に溶液を浸透
させた後、突板1を乾燥させることによって、行われ
る。これにより、突板1が染料によって一様に染色され
る。
接着剤2で接着することによって、突板シート4を作製
する(同図(b))。次いで、作製した突板シート4の
表面に、塗装機AMによりクリヤ塗料Aを塗布する塗装
を行う(同図(c))。これにより、下塗りおよび中塗
りとして、クリヤ塗膜層5が形成される(同図
(d))。次いで、この突板シート4を金型(図示せ
ず)内にセットし、この突板シート4の裏面側に溶融し
た合成樹脂を射出することで、作製した突板シート4の
裏面に基材6を一体化するとともに、全体を所定形状に
成形する(同図(e))。次に突板シート4のクリヤ塗
膜層5の表面に、塗装機TMにより塗料Cを塗布するこ
となどによって、上塗りとしてトップコート塗装を行
い、トップコート塗膜層7を形成して、木質化粧成形品
8を完成する(同図(f))。
1に補強材3を接着剤2で接着する前に、突板1をあら
かじめ染色するので、従来と異なり、染料が、接着剤2
に妨げられることなく、突板1の導管や繊維の中に十分
に浸透することで、突板1の木目が強調された美しい仕
上がりを得ることができる。
に、突板シート4に、平面的なシートの状態で、クリヤ
塗料Aによる塗装を下塗りおよび中塗りとして施すの
で、成形後の立体的な状態で塗装を行うよりも、これら
の塗装作業を容易に行うことができる。これによって、
成形後におけるトップコート塗装を、上塗りだけで簡単
に済ませることができる。その結果、仕上げ工程を簡略
化することができる。なお、突板1の表面には、染色処
理がすでに施されていて、その後、上記のように作製さ
れた突板シート4へのクリヤ塗料Aによる下塗りおよび
中塗りとしての塗装が、突板シート4の表面に上乗せし
た状態で行われるので、塗装を接着剤2に影響されるこ
となく、良好に行うことができる。
の表面に、クリヤ塗料を塗装することによってクリヤ塗
膜層5を形成しているが、これに代えて、突板シート4
に、接着剤や塗料などの樹脂を含浸してもよい。また、
無色透明のクリヤ塗料に代えて、有色透明のものを用い
てもよい。さらに塗装の方法として、ワイピング着色を
行うことも可能である。ワイピング着色とは、突板シー
トの表面に塗料をおき、ふき取ることによって、突板の
導管や繊維の中に塗料を浸透させ、着色することであ
る。これによって、ワイピング着色による色と、突板1
に先に施された染色による色とが重ね合わされることに
よって、突板シート4の表面と木目の色合いをより美し
く仕上げることができる。
行うことによって、木質化粧成形品8の表面の平滑性が
増すことで、より美しい仕上がりが得られるとともに、
表面が保護されることで、耐久性を高めることができ
る。
化粧成形品の製造方法を示している。本実施形態は、上
述した第1実施形態と比較し、突板1に補強材3を接着
する接着剤として有色接着剤12を用いた点のみが異な
るものであり、他の構成はまったく同じである。この有
色接着剤12は、例えば第1実施形態で採用した無色の
接着剤2に、所定の色の着色剤をあらかじめ添加したも
ので構成されている。
た第1実施形態による効果をまったく同様に得ることが
できる。これに加えて、有色接着剤12が、染色後の突
板1の内部に染み込むことによって、突板1の木目がよ
り強調されるとともに、突板1の色調や色の深みなど
を、有色接着剤12の色に応じて変化させることができ
る。
されることなく、種々の態様で実施することができる。
例えば、実施形態では、突板1の塗装処理として、染色
を行っているが、これに代えて、着色剤による着色を行
ってもよいことはもちろんである。この場合にも、着色
剤が、接着剤2、12に妨げられることなく、突板1内
に十分に浸透するので、突板1の木目が強調された美し
い仕上がりを得ることができる。
や着色以外の適当な塗装処理を広く適用することが可能
であり、それにより、その塗装効果を、接着剤に妨げら
れることなく、十分に確保することができる。また、実
施形態で挙げた各構成要素の材質などは、あくまで例示
であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することが
可能である。
成形品の製造方法によれば、着色や染色により突板の木
目が強調された美しい仕上がりが得られるなど、突板へ
の塗装効果を十分に確保できるとともに、仕上げ工程の
簡略化によって、生産を効率的に進めることができると
いう効果を有する。
製造方法を示す図である。
製造方法を示す図である。
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 木材をスライスすることにより形成した
突板に所定の塗装処理を行い、 当該塗装した突板に補強材を接着剤で接着することによ
り突板シートを作製し、 当該作製した突板シートにさらに塗装処理または含浸処
理を行い、 この突板シートを金型内にセットし、 前記金型内の前記突板シートの裏面側に溶融した合成樹
脂を射出して射出成形を行い、前記突板シートと前記合
成樹脂を一体化することを特徴とする木質化粧成形品の
製造方法。 - 【請求項2】 前記接着剤として有色接着剤を用いるこ
とを特徴とする、請求項1に記載の木質化粧成形品の製
造方法。 - 【請求項3】 前記射出成形の後、前記突板の表面にト
ップコート塗装を行うことを特徴とする、請求項1また
は2に記載の木質化粧成形品の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2001117243A JP5022543B2 (ja) | 2001-04-16 | 2001-04-16 | 木質化粧成形品の製造方法 |
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- 2001-04-16 JP JP2001117243A patent/JP5022543B2/ja not_active Expired - Lifetime
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