JPS63264391A - 記録用紙の製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はインクジェット記録に用いる記録用紙の製造法
に関し、特にインク吸収性が良いと共に、光沢性、記録
側゛像の耐水性２寸法安定性を併せ持つインクジェット
記録用紙の製造法に関するものである。

〔従来の技術〕

インクジェット記録は、染料を水に溶解した水性インク
を用いる記録方式であり、近年その高速性、低騒音性、
多色印字の容易性などの特徴を活かして各種情報器機に
広く適用される様になった。

記録媒体としては普通紙が使用出来るとされているが、
より優れた記録を得るためには専用の塗被紙が必要とさ
れる。

即ち該記録用紙としては （１）インクの吸収性が良く、インクの流れ出しなどが
起こらないこと、 （２）平滑性や光沢性が優れて、鮮明で見栄えの良い記
録画像が得られること、 （３）記録画像に耐水性があって、水分が付着しても画
像の滲じみや流れ出しが起こらないこと。

（４）水性インクを吸収することによって記録用紙が波
打ちしない様に寸法安定性が高いこと。

などが要求される。

従来、インク吸収性を良くする方法として例えばインク
吸収性の高い非膠質シリカ粉末を塗布したインクジェッ
ト記録用紙が特開昭５５−５１５８３号に開示されてい
る。しかしこの様な塗被層を持つ記録用紙はインクの吸
収性は優れているが、平滑性。

光沢性が不充分で記録画像が今一つ見栄えがしない。こ
の点を改良する方法として、例えば特開昭５７−１６７
８７９号にスーパーカレンダーやグロスカレンダーで紙
面を仕上げる方法が開示されている。

しかしこの様な方法は塗被層を圧縮し、緻密にするため
インク吸収性を低下させるという欠点を伴う。

また、記録画像に耐水性を付与する方法としては１例え
ば特開昭６０−１１３８９号に塩基性オリゴマーを記録
紙に含有させる方法が開示されている。しかしこの様な
カチオン性樹脂を１液で塗布し様とすれば塗被液中に一
般的に用いられる他の成分。

例えばカオリン、シリカ、ケイソウ土、酸性白土などの
顔料、デンプン、ガゼイン、ラテックス。

カルボキシメチルセルロースなどの接着剤、或いはアニ
オン性の染料などと反応して液の安定性を損ねて了う。

そこで、カチオン性樹脂を含む別の塗被液を作り、２液
として２回塗布する方法があるが、この場合には多量の
水が基紙に付着するため、塗布、乾燥工程での基紙の伸
縮が大きくなり、結果として水分付着に対する記録用紙
の寸法安定性を劣化させ、インクジェット記録に際して
シワや波打ちが発生し易くなるという欠点が見られる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明は斯かる従来の欠点を改善し、特にインク吸収性
、平滑性と光沢性、記録画像の耐水性及びインク付着時
の寸法安定性を併せ持つインクジェット記録紙を得様と
するものである。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕本発明は基紙
表面に顔料及び水性接着剤を含有する塗被層を設けた記
録用紙に於いて、該顔料１００重量部中に合成シリカを
４０重量部以上含む塗被液を塗布し、該塗被面をカチオ
ン性高分子電解質を含む水性液で処理した後、加熱した
仕上表面に圧着して乾燥仕上げすることにより上記の目
的を悉く達成するに至ったものである。

合成シリカを含む塗被層はインク吸収性が良いが、之を
スーパーカレンダーなどで圧縮仕上げした場合には平滑
性、光沢性は向上するもののインク吸収性が不足して実
用性が低い０本発明の様に塗被層を湿潤状態で仕上面に
圧着して加熱乾燥すると仕」二面を写し取るため高度な
平滑性と光沢性が得られる。しかも乾燥後の塗被層が圧
縮されることが無いためインク吸収性の低下も無い。

カチオン性高分子電解質はインク中に用いられている水
溶性直接染料や水溶性酸性塗料分子中の一５ｏ、Ｎａ、
　−５Ｏ，ＩＩ、　−Ｎ１１．の様な基と反応して水に
不溶な塩を形成し、記録画像の耐水性を向上させる。本
発明ではカチオン性高分子電解質を合成シリカと水性接
着剤とを含む塗被液とは別の水性液中に含有させ、２液
塗布を行なうため塗被液の増粘や凝集が起こらず、安定
した塗布が可能である。

しかも、シートが湿潤状態にあるうちに仕上表面に圧着
して乾燥する寸法と組み合わせることにより、２液塗布
法による記録用紙の欠点であるインクジェット記録によ
る波打ちを抑制することが出来る。

カチオン性高分子電解質で処理した記録紙は画像耐水性
が高いと共に、ａ度９発色性が向上し、記録ドツトの拡
がりをコントロールして解像度を高めるが、反面インク
吸収性を低下させるという欠点も見られる。しかし顔料
１００重量部中に合成シリカを４０重量部以上配合する
と、カチオン性高分子電解質処理しても充分なインク吸
収性が得られる。

本発明で用いる合成シリカとは、一般に非晶質シリカ、
無定形シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸。

微粉シリカ或いはホワイトカーボンなどと呼称さオｂる
ケイ酸類である。

合成シリカと併用する顔料としては通常の紙塗工に使用
される顔料、例えばカオリン、タルク。

炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、
二酸化チタン、酸化亜鉛、サテンホワイト。

ケイソウ土、酸性白土、ゼオライト、コロイダルシリカ
、有機顔料などが用いられる。

水性接着剤としては酸化デンプン、エステル化デンプン
などのデンプン類、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリ
ビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリド
ン、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、スチレンマレ
イン酸樹脂及びその誘導体、スチレン・ブダジエン系ラ
テックス、アクリル系ラテックス、酢酸ビニル系エマル
ジョンなどが用いられる。之等の接着剤は顔料１００重
量部に対して通常５重量部から５０重量部用いられるが
、顔料の結着が充分であり、且つインク吸収性が阻害さ
れない範囲の量であればその比率は特に限定されるもの
ではない。

更に必要に応じて顔料分散剤、保水剤、増粘剤。

消泡剤、抑泡剤、Ｈ型剤２着色剤、耐水化剤、湿潤剤、
蛍光染料、紫外線吸収剤、筆記性改良剤などを適宜配合
することは何等差し支えない。特に本発明は２液塗布法
を用いているので、互に反応性の有る薬剤を２液に振り
分けて配合することにより、広範な組合わせが可能であ
る。

本発明で用いるカチオン性高分子電解質としては、例え
ばポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムハライド
、ポリジアリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジ
メチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ポリエチレ
ンイミン、ジシアンアミドホルマリン縮合物、エビクロ
ルドヒドリン変性ポリアルキルアミン、ポリビニルピリ
ジニウムハライドその他第４Ｒアンモニウム塩類、ポリ
アミンなどがある。２等カチオン性高分子電解質を水性
液に配合する場合の液濃度としては０．５％以上、好ま
しくは２％以上であるが、顔料塗被層の塗被量や適用さ
れるインクの種類や量に応じて適宜調整してよく、特に
限定するものではない。

本発明で用いる塗工機としては所謂凝固法を採用してい
るキャストコーター或いは夫に準じた機能を有するコー
ターが使用出来る。塗布部には一般に顔料塗被紙の製造
に用いられるブレードコーター、エアナイフコーター、
ロールコータ−、プラッシュコーター、カーテンコータ
ー、チャンプレックスコーター、バーコーター、グラビ
アコーター、コンマコーターなどの何れも適用出来る。

塗布量は通常片面で固形分換算で２　ｇ　／　ｒｎ’か
ら５０ｇ　／　ｒｒｌ’、好ましくは６ｇ／ｒｒｒから
３０ｇ／ｎ（であるが、基紙の表面を覆い、且つ充分な
インク吸収性が得られる範囲で任意に調整してよい。

上記の顔料塗布後、加熱した仕上面に圧着する迄の間に
カチオン性高分子電解度を含む水性液を該塗膜に散布、
浸漬または塗布するが、凝固法によるキャスト塗工法を
併用する場合は、カチオン性高分子電解質を凝固液に加
えて使用しても良い。

凝固液に用いられる凝固剤としてはギ酸、酢酸。

クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸及び硫酸のカルシウム、
亜鉛、バリウム、鉛、マグネシウム、カドミウム及びア
ルミニウムの各塩、更には硫酸カリウム、クエン酸カリ
ウム、硼砂などが一般的である。之等凝固剤を用いる場
合は水性接着剤としては凝固剤と反応して効果的に凝固
するものを選んで用いると塗被速度の向上や、塗被面の
仕上げ状態の向上に効果的である。

〔実施例及び効果〕

以下に本発明の実施例を挙げて説明する。なお之等の例
に於いて示す部及び％は重量部及び重量％を意味する。

実施例中の印字はシアン、マゼンタ、イエロー、ブラッ
クの水性インクを用いるカラーインクジェットプリンタ
ーで行なった。また測定は次の様に行なった。

（１）インク吸収性 色インクの重ね印字を行ない、記録＋！￥後に早送りし
て紙押えローラーによる汚れの発生程度で判定した。◎
が最も良＜、Ｘが不良を示す。

（２）平滑性と光沢性 ＪＩＳ　Ｐ８１４２に準じた７５度鏡面光沢度の測定で
代表させた。

（３）画像耐水性 印字後の記録紙を温度２０℃の水中に浸漬し。

５分後のインクの流れ出し状態を肉眼で観察した。Ｏが
良く、Ｘが不良を示す。

（４）寸法安定性 色インクの重ね印字を行ない、記録用紙の波打ち変形程
度で判定した。Ｏが良く、×が不良を示す。

比較例１，２ 顔料として合成シリカ（富士デヴイゾン社製。

商品名サイロイド６２０）４０部、カオリン（Ｅｎｇｅ
ｌｈａｒｄＭ＆Ｃ社製、　Ｕｌｉｌ−９０）　４０部、
軽質炭酸カルシウム（奥多摩工業社製、Ｕ１品名タマパ
ール１２１）　　２０部、水性接着剤としてスチレンブ
タジェン系ラテックス（住友ノーガタック社製、　５Ｎ
３０７）　８部、カゼインにュージーランド製、ラクチ
ックカゼイン）　８部、離型剤としてステアリン酸カル
シウム（サンノプコ社製、商品名ノブコートＣ１０４）
　２部を加え。

固形分濃度４５％の塗被液を調製した。之を坪量６５ｇ
　／　ｒｒｒのコート厚紙に固形分換算で１７ｇ／ｍに
なる様にロールコータ−で塗布し熱風ドライヤーで乾燥
して塗被紙Ａを得た。この塗被紙Ａをスーパカレンダー
処置して比較例１の記録用紙を、また塗被紙Ａに対して
、更にカチオン性高分子電解質としてエビクロルドヒド
リン変性ポリアルキルアミン（大和化学工業社製、商品
名ダイフィックスＹＫ　−５０）を加えた水性液を固形
分で０．５ｇ／ｒｒｒになる様にバーコーターで塗布し
熱風ドライヤーで乾燥して比較例２の記録用紙を得た。

比較例３．実施例１ 比較例１，２と同じ塗被液と基紙を用い、ロールコータ
−で固形分換算でＬ７ｇｌｒｄの塗布を行ない、次いで
塗膜をギ酸亜鉛２％の水溶液で凝固処理して、塗膜が湿
潤状態にある間に１００℃に加熱した鏡面ドラムに圧着
して乾燥し比較例３の記録用紙を得た。また凝固処理用
の水溶液中に商品名ダイフィックスＹＫ　−５０を３％
併用する以外は同じ条件で実施例１の記録用紙を得た。

結果は表に示す通りで、通常の熱風ドライヤーで乾燥し
てスーパーカレンダー処理した比較例１の記録用紙は、
光沢性は良いがインク吸収性が低く実用性が無い。なお
記録画像に耐水性を付与する目的で商品名ダイフィック
スＹＫ　−５０を塗被液中に配合することを試みたが相
溶性が無く、塗布不可能であった。そこで比較例２は２
回塗工で商品名ダイフィックスＹＫ　−５０を付与した
ものであるが、耐水性が得られたものの寸法安定性が劣
化して波打ちが目立つ結果となった。比較例３は、凝固
法によるキャストコーティングを行なったもので。

インク吸収性、光沢性２寸法安定性は良いが記録画像の
耐水性が劣る。

之等に対し本発明による実施例１は良好なインクジェッ
ト記録適性を備えている。

比較例４ 顔料の合成シリカの配合量を３０部に、カオリンの配合
量を５０部に変更した以外は実施例１と同じ条件で記録
用紙を得た。

結果は表中に示す通りで、合成シリカの配合量が３０部
ではインク吸収性が不充分であった。

実施例２ 顔料として合成シリカ（日本シリカ社製、商品名ニップ
シールＬＰ）　７５部、カオリン（Ｅｎｇｅｌｈａｒｄ
Ｍ＆Ｃ社製、　Ｕｌｌ−９０）　２５部、水性接着剤と
してスチレンブタジェン系ラテックス（住友ノーガタッ
ク社製、５Ｎ−３０７）　８部、ポリビニルアルコール
（クラ１７ｊ［Ｑ、　ＰＶＡ−１１７）　１０部、Ｒ型
剤トシテステアリン酸カルシウム（サンノプコ社製、商
品名ノブコート（，１０４）　２部を加え固形分濃度２
０％の塗被液を調製した。之を坪量８１．４　ｇ　／イ
の市販上質紙に固形分換算で８　ｇ　／　ｒｄになる様
にロールコータ−で塗布し１次いで凝固剤としてギ酸カ
ルシウム１０％、カチオン性高分子電解質として４級ア
シモニウム塩（日本触媒化学工業社製、　５ＦＸ−０１
２Ｂ）５％を加えた水性液で処理し、塗膜が湿潤状態に
ある間に１００℃に加熱した鏡面ドラムに圧着して乾燥
し実施例２の記録用紙を得た。

実施例３ 実施（１ｆ１２に於いて顔料のうちカオリンを合成シリ
カ（商品名ニップシールＬＰ）に、水性接着剤をカゼイ
ン（商品名ラフチックカゼイン）　４０部に置き換え、
塗布量を固形分換算で２０ｇ／ｒｄとした他は実施例２
と同様の条件で実施例３の記録用紙を得た。

結果は次表に示す通りで実施例は何れも良好なインクジ
ェット記録適性を備えている。

特許出願人　山陽国策パルプ株式会社 ６．補正の対象 手続補正書 昭和６２年６月２９日

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １　基紙表面に顔料及び水性接着剤を含有する塗被層を
   設けた記録用紙に於いて、該顔料１００重量部中に合成
   シリカを４０重量部以上含む塗被液を塗布し、該塗被面
   をカチオン性高分子電解質を含む水性液で処理した後、
   加熱した仕上表面に圧着し乾燥仕上げすることを特徴と
   する記録用紙の製造方法。