JPH0796654A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JPH0796654A
JPH0796654A JP5239093A JP23909393A JPH0796654A JP H0796654 A JPH0796654 A JP H0796654A JP 5239093 A JP5239093 A JP 5239093A JP 23909393 A JP23909393 A JP 23909393A JP H0796654 A JPH0796654 A JP H0796654A
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啓一 大盛
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良弘 黒山
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Jujo Paper Co Ltd
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    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドットのにじみや広がりを抑制し、高い濃度
で記録することができるインクジェット記録用紙を提供
すること。 【構成】基紙の少なくとも一方の表面に、顔料及び水系
結着剤を含有し片面当たり固形分重量で1〜25g/m
2 の塗工層、及び該層の上に設けられた撥水性物質層か
らなる記録層を設けてなるインクジェット記録用紙であ
って、前記塗工層中の顔料及び水系結着剤の比が重量比
で40/60〜80/20の範囲であると共に、前記撥
水性物質の塗布量が、固形分重量で0.01〜1.0g
/m2 であることを特徴とするインクジェット記録用
紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録用
紙に関し、特にドットのにじみや広がりを抑制し、高い
濃度で記録することができるインクジェット記録用紙に
関する。
【0002】
【従来技術】インクジェット記録方式は、種々の機構に
よりインクの小滴を吐出し、記録用紙上に付着させるこ
とによりドットを形成し記録を行うものであり、ドット
インパクトタイプの記録方式に比べて騒音がない上、フ
ルカラー化が容易であり、高速印字が可能であるなどの
利点がある。一方、このインクジェット記録方式に使用
されるインクは、通常、直接染料や酸性染料などを用い
た水性インクであるため、インクの乾燥性が悪いという
欠点があった。
【0003】一般に、インクジェット記録に用いられる
記録用紙に要求される特性としては、インク乾燥速度
が速い、印字濃度が高い、ドットの広がりやひげ状
のにじみが少ない等の項目が挙げられる。上記の問題
点を改善するために、従来、比表面積の大きなシリカを
含有させてインクジェット記録層を設け、インク吸収量
を大きくして、記録用紙表面に付着したインクの乾燥速
度を増大させることが行われていた。しかしながら、イ
ンク吸収量を大きくし過ぎると、印字濃度が低下した
り、ドットが広がったりするという欠点があった。
【0004】そこで、係る欠点を解決するために、特公
昭63−22997号公報に記載されているように、記
録紙中の空隙量をコントロールすることが行われてき
た。最近、この塗工タイプのインクジェット記録用紙
は、従来の、塗工量が固形分で25g/m2 以上もある
重塗工量のものから、より普通紙に近い10g/m2
下の軽塗工量のものに移行しつつある。
【0005】一方、最近のインクジェットプリンターの
進歩やニーズの多様化から、より高解像度及び高画質が
必要になってきており、インク吐出量の低減やインク表
面張力の低下等、ハード面からの改良もなされている。
しかしながら、このような最近のインクジェットプリン
ターを用いて、重塗工量タイプのインクジェット記録用
紙に記録した場合には印字濃度の低下を招く一方、軽塗
工量タイプのインクジェット記録用紙に記録した場合に
は、ドットのにじみや広がりを生じるという欠点があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、上記の欠点を解決すべく鋭意検討した結果、顔料と
水系結着剤とを所定の重量比で所定量塗工すると共に、
記録層の最表層に撥水性物質層を設けることにより、ド
ットのにじみや広がりを抑制し、且つ高い濃度で記録す
ることができることを見出し、本発明に到達した。従っ
て、本発明の目的は、ドットのにじみや広がりが小さい
上、記録濃度が高く、しかもインクの吸収性にも優れた
インクジェット記録用紙を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
基紙の少なくとも一方の表面に、顔料及び水系結着剤を
含有し、片面当たり固形分重量で1〜25g/m2 の塗
工層、及び該層の上に設けられた撥水性物質層からなる
記録層を設けてなるインクジェット記録用紙であって、
前記塗工層中の顔料及び水系結着剤の比が重量比で40
/60〜80/20の範囲であると共に、前記撥水性物
質の塗布量が、固形分重量で0.01〜1.0g/m2
であることを特徴とするインクジェット記録用紙により
達成された。
【0008】本発明における記録層は、顔料と水系結着
剤を主成分とする塗工層(以下、単に塗工層とする)及
び該塗工層上に設けられた撥水性物質層とからなる。本
発明で使用する顔料は、公知のものの中から適宜選択し
て使用することができる。このような顔料の具体例とし
ては、例えばカオリン、水酸化アルミニウム、炭酸カル
シウム、酸化亜鉛、プラスチックピグメント、合成シリ
カ等が挙げられ、これらを2種以上併用して用いても良
い。本発明においては、特に、比表面積が大きく吸収能
が高いシリカを使用することが好ましい。
【0009】水系結着剤としては、例えば酸化デンプン
やエステル化デンプン等のデンプン類、カルボキシメチ
ルセルロースやヒドロキシエチルセルロース等のセルロ
ース誘導体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、カ
ゼイン、ゼラチン、大豆タンパク質、スチレン/マレイ
ン酸樹脂及びその誘導体、スチレン/ブタジエン系ラテ
ックス、酢酸ビニル系エマルジョン等が挙げられ、これ
らを2種以上併用して用いても良い。
【0010】本発明における顔料と水系結着剤との好適
な使用割合は、顔料が40〜80重量%の範囲で、水系
結着剤が60〜20重量%の範囲であり、特に顔料が5
0〜70重量%の範囲で、水系結着剤が50〜30重量
%の範囲であることが好ましい。顔料が40重量%未満
になると、インク記録層へのインクの吸収性が不十分と
なる。逆に、顔料が80重量%を超えると、水系結着剤
が20重量%未満となるので、記録層の接着強度が低下
する。
【0011】また、塗工層のための塗工液には、必要に
応じて、顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐
剤、着色顔料、耐水化剤、湿潤剤、蛍光染料及び紫外線
吸収剤等を添加することができる。こうして調製された
塗工液は、ロールコーター法、エアーナイフコーター
法、ブレードコーター法、カーテンコーター法、バーコ
ーター法、グラビアコーター法、コンマコーター法等の
公知の塗工法により基紙に塗布される。
【0012】塗工量は、通常、基紙の片面当たり、固形
分換算で1〜25g/m2 の範囲であり、特に4〜25
g/m2 の範囲であることが好ましい。塗工量が1g/
2未満となるとドットのにじみが発生し易く、25g
/m2 を超えると、印字濃度が低下する傾向がある。本
発明においては、こうして設けられた塗工層の最表面
に、撥水性物質層を0.01〜1.0g/m2 の範囲、
好ましくは0.1〜0.8g/m2 の範囲となるように
設ける。
【0013】撥水性物質層が0.01g/m2 未満にな
ると、インクが不均一に横方向に広がってドットのにじ
みが発生し易く、1.0g/m2 を超えると、インクの
記録層内部への浸透が妨げられるのでインクの吸収性が
悪くなる。即ち、撥水性物質層を前記塗工層の表面に
0.01〜1.0g/m2 の範囲となるように存在させ
た場合には、インクの記録層内部への浸透に対しては殆
ど影響を与えることがなく、記録層表面上におけるイン
クの不均一な横方向への広がりを抑制することができる
ので、印字品位の高い記録用紙となる。
【0014】本発明で使用する撥水性物質は、公知のも
のの中から適宜選択して使用することができる。その具
体例としては、例えば、パラフィンワックスやマイクロ
クリスタリンワックス等の石油ワックス、蜜ロウやカル
ナバワックス等の天然ワックス、ステアリン酸、ミリス
チン酸及びオレイン酸等の脂肪酸、ステアリン酸カルシ
ウムやステアリン酸亜鉛等の金属石鹸、ステアリン酸ク
ロミッククロライド錯塩やミリスチン酸クロミッククロ
ライド錯塩等の脂肪酸クロム錯塩、アルキッド樹脂、マ
レイン酸樹脂等のポリエステル樹脂、ポリエチレンエマ
ルジョン、シリコーン樹脂、ジルコニウム撥水剤、カチ
オン性サイズ剤等を挙げることができる。
【0015】上記物質の中でも、特に、ステアリン酸カ
ルシウムやステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩系化合
物が最も効果的であり、またその取扱いも容易である。
撥水性物質は、ロールコーターやバーコーター等の塗工
装置による方法、スプレー等により噴霧される方法、ド
ラムに塗布しそれを転写する方法等により塗工層上に塗
布される。本発明に使用される基紙は、特に限定される
ものではなく、通常インクジェット記録用紙に使用され
る、木材パルプを主体とした中性紙等の公知の紙の中か
ら適宜選択して使用することができる。
【0016】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用紙の記録
層は、顔料と水系結着剤とを所定の重量比で含有する所
定量の塗工層と、その塗工層の表面に設けられた所定量
の撥水性物質層からなるので、ドットのにじみや広がり
を抑制して高い濃度で記録することができる。従って本
発明のインクジェット記録用紙は、高画質で高階調性の
あるフルカラーの画像を記録するのに適している。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、添加量を示す「部」及び含有量を示す「%」は、各
々「重量部」及び「重量%」を表す。また、実施例及び
比較例で行った試験、測定方法及び評価基準は次の通り
である。
【0018】(1)インク吸収性 インクジェットプリンター(10−725:シャープ株
式会社製の商品名)を用いて画像を記録し、印字直後の
黒ベタ部分を指で擦り、インクの尾引きの程度を目視に
より評価した。尚、評価基準は、○印が良好なことを、
×印が不良なことを示す。
【0019】(2)ベタ部記録濃度 (1)と同様のインクジェットプリンターを用いて画像
を記録し、画像の黒ベタ部分の印字濃度をマクベス濃度
計(RD−517:マクベス社製の商品名)を用いて測
定した。
【0020】(3)ドットのにじみ (1)と同様のインクジェットプリンターを用いて黒の
ドットを記録し、光学顕微鏡を用いて下記の基準により
評価した。評価基準は、○印がドットの広がりが小さ
く、輪郭がはっきりしていることを、×印がドットの広
がりが大きく、ひげ状にじみのあることを示す。
【0021】(4)記録層の接着強度 JIS K−5400(鉛筆引っ掻き試験)に準じて行
い、下記の基準により評価した。尚、鉛筆硬度はHであ
る。評価基準は、○印が塗工層が剥がれないことを、×
印が塗工層が剥がれないことを示す。
【0022】実施例1.顔料として合成シリカ(ファイ
ンシールX−37B:徳山曹達株式会社製の商品名)6
0部を水540部に分散させた。得られた分散液と、ポ
リビニルアルコール(PVA117:クラレ株式会社製
の商品名)40部を水360部に溶解して得たポリビニ
ルアルコール水溶液とを混合して、塗工層液を得た。
【0023】次いで、得られた塗工層液を、坪量60g
/m2 の原紙上に、固形分が20g/m2 になるように
ロールコーターで塗工し、乾燥して塗工層を設けた。更
に、得られた塗工層上に、撥水性物質としてステアリン
酸カルシウム(ノプコートC−104:サン・ノプコ株
式会社製の商品名)を固形分が0.3g/m2 になるよ
うにバーコーターで塗工し、乾燥してインクジェット記
録用紙を作製した。得られたインクジェット記録用紙に
ついて、前記の各試験を行い、評価した結果を表1に示
す。
【0024】実施例2.塗工層の塗工量20g/m2
23g/m2 になるようにし、また撥水性物質の塗工量
0.3g/m2 を0.9g/m2 にした他は、実施例1
と全く同様にしてインクジェット記録用紙を作製し、同
様に各試験を行って評価した。その結果を表1に示す。
【0025】実施例3.顔料として、合成シリカ75部
を水675部に分散させた。得られた分散液と、ポリビ
ニルアルコール25部を水225部に溶解して得たポリ
ビニルアルコール水溶液とを混合して、塗工層液を得
た。
【0026】次いで、得られた塗工層液を、坪量60g
/m2 の原紙上に、固形分が4g/m2 になるようにロ
ールコーターで塗工し、乾燥して塗工層を設けた。更
に、得られた塗工層上に、撥水性物質としてステアリン
酸カルシウムを固形分が0.1g/m2 になるようにバ
ーコーターで塗工し、乾燥してインクジェット記録用紙
を作製した。得られたインクジェット記録用紙につい
て、各試験を行い、評価した結果を表1に示す。
【0027】実施例4.顔料として、合成シリカ45部
を水405部に分散させた。得られた分散液と、ポリビ
ニルアルコール55部を水495部に溶解して得たポリ
ビニルアルコール水溶液とを混合して、塗工層液を得
た。次いで、得られた塗工層液を、坪量60g/m2
原紙上の固形分が20g/m2 になるようにロールコー
ターで塗工し、乾燥して塗工層を設けた。
【0028】更に、得られた塗工層上に、撥水性物質と
してワックスエマルジョン(プルニット101Z:新中
村化学株式会社製の商品名)を固形分が0.3g/m2
になるようにバーコーターで塗工し、乾燥してインクジ
ェット記録用紙を作製した。得られたインクジェット記
録用紙について、各試験を行い、評価した結果を表1に
示す。
【0029】比較例1.撥水性物質層を設けない他は、
実施例1と全く同様にしてインクジェット記録用紙を作
製し、各試験を行って評価した。その結果を表1に示
す。
【0030】比較例2.ステアリン酸カルシウムの塗工
量を、固形分で1.2g/m2 になるようにバーコータ
ーで塗工し、乾燥した他は、実施例1と全く同様にして
インクジェット記録用紙を作製し、各試験を行って評価
した。その結果を表1に示す。
【0031】比較例3.顔料として、合成シリカ90部
を水810部に分散させた。得られた分散液と、ポリビ
ニルアルコール10部を水900部に溶解して得たポリ
ビニルアルコールとを混合して、塗工層液を得た他は、
実施例1と全く同様にしてインクジェット記録用紙を作
製し、各試験を行って評価した。その結果を表1に示
す。
【0032】比較例4.顔料として、合成シリカ30部
を水270部に分散させた。得られた分散液と、ポリビ
ニルアルコール70部を水630部に溶解して得たポリ
ビニルアルコール水溶液とを混合して、塗工層液を得た
他は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録用
紙を作製し、各試験を行って評価した。その結果を表1
に示す。
【0033】比較例5.塗工層の塗工量20g/m2
0.5g/m2 になるようにした他は、実施例1と全く
同様にしてインクジェット記録用紙を作製し、各試験を
行って評価した。その結果を表1に示す。
【0034】比較例6.塗工層の塗工量20g/m2
30g/m2 になるようにした他は、実施例1と全く同
様にしてインクジェット記録用紙を作製し、各試験を行
って評価した。その結果を表1に示す。
【表1】 尚、表1中、P/B* は顔料(シリカ)/水系結着剤
(PVA)を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 19/36 27/00 7199−3B D21H 1/34 B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基紙の少なくとも一方の表面に、顔料及び
    水系結着剤を含有し片面当たり固形分重量で1〜25g
    /m2 の塗工層、及び該層の上に設けられた撥水性物質
    層からなる記録層を設けてなるインクジェット記録用紙
    であって、前記塗工層中の顔料及び水系結着剤の比が重
    量比で40/60〜80/20の範囲であると共に、前
    記撥水性物質の塗布量が、固形分重量で0.01〜1.
    0g/m2 であることを特徴とするインクジェット記録
    用紙。
  2. 【請求項2】撥水性物質が脂肪族炭化水素系化合物であ
    る請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】撥水性物質がステアリン酸塩系化合物であ
    る請求項2に記載のインクジェット記録用紙。
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