JPS6325779Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、圧電磁器共振子を所望の周波数特性
に応じて複数個組合わせた構成のラダー型セラミ
ツクフイルタに関する。

一般に、この種のラダー型セラミツクフイルタ
は厚肉小容量の圧電磁器共振子及び薄肉大容量の
圧電磁器共振子の２種類の共振子と、これら各共
振子の振動の節点に圧接し電気的かつ機械的に保
持する端子板等とを絶縁ケース内に収納し組立て
る構造となつている。

ところで、従来のラダー型セラミツクフイルタ
は、振動、衝撃等の外力により共振子や端子板の
位置が変動し、両者の圧着部の位置が変わり、共
振インピーダンスの増大や不要振動モードの発生
を招き、フイルタとしての特性が変動する欠点が
あつた。

本考案は、上記の欠点を除去し、共振子に線状
に接して支持する突起を絶縁ケースに形成すると
ともに各端子板の位置ずれが生じない構造とし
て、特性の安定化を図りかつ組立作業を容易とし
たラダー型セラミツクフイルタを提供しようとす
るものである。

以下、本考案に係るラダー型セラミツクフイル
タの実施例を図面に従つて説明する。

第１図乃至第３図は実施例の全体的構成を示
し、第４図は実施例の電気結線を示す。これらの
図において、絶縁ケース１は、上面に開口する箱
形ケース本体２と、その上面開口に嵌合する蓋体
３とから成つている。そして、絶縁ケース１内に
端子板４、薄肉大容量で方形板状圧電磁器共振子
５、端子板６、端子板７、厚肉小容量の方形板状
圧電磁器共振子８及び端子板９が収納されてい
る。

前記箱形ケース本体２の前面及び背面には蓋体
係止穴１０が形成され、第５図及び第６図の如く
相互に対向する内側の側面には端子板保持用縦溝
１１，１２，１３が夫々形成されている。端子板
保持用縦溝１１はケース本体２の内側の前面に沿
接する位置にあつて端子板４を保持するものであ
り、端子板保持用縦溝１２は側面の中間部に位置
し、端子板６，７の両方を保持するものであり、
さらに端子板保持用縦溝１３は内側の後面に沿接
する位置にあつて端子板９を保持するものであ
る。これらの端子板保持用縦溝１１，１２，１３
は端子板の挿入が容易なように上端部がテーパー
状に拡がつている。前記ケース本体２の内側の底
面には、端子板４のリード部４ａ、端子板７のリ
ード部７ａ及び端子板９のリード部９ａを挿通す
るためのリード部挿通穴１４，１５，１６が夫々
形成されている。リード部挿通穴１４は底面の左
端に、リード部挿通穴１５は底面の中央部に、リ
ード部挿通穴１６は底面の右端に夫々位置してい
る。これらのリード部挿通穴１４，１５，１６も
リード部の挿通が容易なように上部開口部がテー
パー状に拡がつている。また、底面中央部には圧
電磁器共振子５，８を振動の節点にて線状に支持
する如く三角状突起１７，１８が一体に形成され
ている。

一方、蓋体３は前記箱形ケース本体の蓋体係止
穴１０に嵌合する係止用突起２０を前面及び後面
に有し、蓋体下面には圧電磁器共振子５，８を振
動の節点にて線状に支持するように三角状突起２
１が形成されている。

端子板４は、第７図及び第８図に示すように、
板状端子部４ｂと折曲段差部４ｃと該折曲段差部
４ｃを介して板状端子部４ｂに接続されるリード
部４ａとからなり、前記板状端子部４ｂには中心
に突部４ｄを有する中央圧接部４ｅが上部を除き
切欠４ｆを形成して切起すことにより弾性を有す
る如く形成されている。

端子板６は、第９図及び第１０図に示す如く、
板状端子部６ｂと短いリード部６ａとから成る平
板状構造であつて、板状端子部６ｂの中心には突
部６ｃが形成されている。

端子板７は、第１１図に示すように、板状端子
部７ｂとリード部７ａとから成る平板状構造であ
つて、板状端子部７ｂの中心には突部７ｃが形成
されている。

端子板９は、第１２図及び第１３図に示すよう
に、板状端子部９ｂと折曲段差部９ｃと該折曲段
差部９ｃを介して板状端子部９ｂに接続されるリ
ード部９ａとからなり、前記板状端子部９ｂには
中心に突部９ｄを有する中央圧接部９ｅが上部を
除き切欠９ｆを形成して切起すことにより弾性を
有する如く形成されている。

そして、これらの端子板４，６，７，９は、端
子板４，６で圧電磁器共振子５を挾持し、端子板
７，９で圧電磁器共振子８を挾持した状態で箱形
ケース本体２に挿入される。このとき、箱形ケー
ス本体２の底面のリード部挿通穴１４，１５，１
６にリード部４ａ，７ａ，９ａが夫々挿通され、
両側面の端子板保持用縦溝１１，１２，１３に板
状端子部４ｂ，６ｂと７ｂ，９ｂが夫々嵌合す
る。さらに箱形ケース本体２に蓋体３を嵌込むこ
とにより各端子板は蓋体３の三角状突起２１で抑
えられ、各圧電磁器共振子５，８は振動の節点で
下側の三角状突起１７，１８及び上側の三角状突
起２１にて支えられ、また圧電磁器共振子５の中
心の振動節点には端子板４，６の突部４ｄ，６ｃ
が圧接し、圧電磁器共振子８の中心の振動節点に
は端子板７，９の突部７ｃ，９ｄが圧接する。

上記実施例によれば次のような効果を上げるこ
とができる。

(1) 絶縁ケース１の下側の三角状突起１７，１８
と上側の三角状突起２１とで圧電磁器共振子
５，８が振動の節点で線状に支持されているた
め、各共振子の振動を妨げることなく良好に保
持可能である。従つて、保持が安定していてフ
イルタとしての特性変化が少ない。

(2) 絶縁ケース１を箱形ケース本体２と蓋体３と
で構成し、蓋体３をケース本体２に嵌着する構
造であり、しかもケース本体２の端子板保持用
縦溝１１，１２，１３及びリード部挿通穴１
４，１５，１６の上端部分をテーパー状に拡げ
てあるため、組立作業が極めて容易である。

(3) 端子板４，９に、圧電磁器共振子５，８に圧
接する突部４ｄ，９ｄを形成した中央圧接部４
ｅ，９ｅを板状端子部４ｂ，９ｂより切起しに
よつて弾性を有するように設けているから、各
共振子の圧接を確実に行うことができる。

なお、上記実施例では圧電磁器共振子が２個の
場合を示したが、３個以上ラダー型に接続する場
合にも本考案が適用可能であることは明らかであ
る。

叙上のように、本考案によれば、特性の安定化
及び組立作業性の改善を可能としたラダー型セラ
ミツクフイルタを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るラダー型セラミツクフイ
ルタの実施例を示す側断面図、第２図は第１図の
−断面図、第３図は蓋体を外した状態の平面
図、第４図は電気結線を示す回路図、第５図は箱
形ケース本体の平面図、第６図は同側断面図、第
７図は第１の端子板の正面図、第８図は同側断面
図、第９図は第２の端子板の正面図、第１０図は
同側断面図、第１１図は第３の端子板の正面図、
第１２図は第４の端子板の正面図、第１３図は同
側断面図である。 １……絶縁ケース、２……箱形ケース本体、３
……蓋体、４，６，７，９……端子板、４ａ，６
ａ，７ａ，９ａ……リード部、４ｂ，６ｂ，７
ｂ，９ｂ……板状端子部、４ｃ，９ｃ……折曲段
差部、４ｄ，６ｃ，７ｃ，９ｄ……突部、４ｅ，
９ｅ……中央圧接部、４ｆ，９ｆ……切欠、５，
８……圧電磁器共振子、１０……蓋体係止穴、１
１，１２，１３……端子板保持用縦溝、１４，１
５，１６……リード部挿通穴、１７，１８，２１
……三角状突起、２０……係止用突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の圧電磁器共振子と、各圧電磁器共振子の
   振動節点に圧接される複数の端子板とを、各圧電
   磁器共振子がラダー型に接続される如く絶縁ケー
   ス内に収納したラダー型セラミツクフイルタにお
   いて、前記絶縁ケース内側の上面及び底面に前記
   圧電磁器共振子に線状に接して当該圧電磁器共振
   子を支持する三角状突起を一体に形成し、前記端
   子板の少なくとも１個は、前記圧電磁器共振子に
   圧接する突部を有する中央圧接部を板状端子部よ
   り切起しにより弾性を具備する如く形成したもの
   で構成し、前記絶縁ケースの内側の相対向する両
   側面に形成された端子板保持用縦溝にて前記端子
   板を嵌合保持することを特徴とするラダー型セラ
   ミツクフイルタ。