JPS6325772B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本発明は電気掃除機に関し、特に遮音構造、衝
撃吸収構造に係る。

＜従来技術＞ 一般に、この種の電気掃除機にあつては電動送
風機の排気風を掃除機本体の後端面にある排気口
から機外に排出する構造である為、後方に位置す
る電動送風機と排気口間を結ぶ排気通路の長さが
短かく、排気通路の形状や該通路中に設ける消音
材等による排気風の騒音軽減には限度があり、特
に最近のように掃除機本体の小型化が進めば進む
ほど、消音の為のスペースが小さく抑えられ、低
騒音化の実現が非常に困難になるものであつた。

そこで、電動送風機から排気口までの排気通路
とを長くすることにより騒音低減を計つたものが
特開昭52−35475号公報等で提案されているが、
むやみに排気通路を長くしても本体を大型するだ
けである。

又、掃除機本体において、内部には集塵ケース
や電動送風機やコードリール等が収納されるため
上記のように長めに形成された排気通路は通常本
体の外周に配置されることになるが、この排気通
路を流通する空気流は電動送風機からの騒音や排
気通路を通過する際の騒音を伴なつているため、
これらの騒音が排気通路壁を通して外部に漏れる
という問題があつた。

一方、掃除機本体の外周には家具等を掃除機で
傷つけないために軟質性材料で形成されるバンパ
ーが設けられるが、このバンパーは単にバンパー
だけの役目しかなかつた。

本考案は上記の点に鑑み、バンパーを遮音部材
として兼用することにより、バンパーの有効利用
を計つて騒音を低減することを目的とするもので
ある。

＜従来の問題点を解決するための手段＞ 本発明は特許請求の範囲に記載した構成にする
ことにより、問題点の解決を計つた。

即ち、フイルター及び電動送風機を内装し、入
口が上記電動送風機の排気側に接続され出口が排
気口に接続される排気通路が設けられるものにお
いて、上記排気通路を掃除機本体の外周側面に水
平方向に配置して当該通路の外周部分が掃除機本
体より突出するように形成し、遮音、衝撃吸収兼
用の軟質性カバーを突出した上記排気通路外面に
被覆して成る電気掃除機である。

＜作用＞ 電動送風機からの排気は排気通路を通つて排気
口から排出されることになるが、この排気通路通
過中に排気に伴う騒音はある程度減衰する。更に
排気通路壁から本体外部へ逃げる騒音については
排気通路の外面を覆う軟質性カバーにて漏れなく
遮音される。

この軟質性カバーで覆われて本体より突出した
排気通路はバンパーとして作用し、家具等に掃除
機本体が衝突しても家具等が傷つくことがない。

＜実施例＞ 以下図面に示した本発明の実施例について詳細
に説明する。

第１図乃至第６図において、掃除機本体１は上
ケース２と下ケース３とにより構成され、後部両
側に走行車輪４を備えると共に前部底面に自在車
輪５を備えている。この掃除機本体１の前部には
上面を開口とする収納室６を形成し、この収納室
６の前壁に吸塵ホース（図示せず）を接続する為
の吸口筒体７を配設している。

上記収納室６にはその上面開口を介して集塵部
である集塵ケース８を出入自在に納め、この集塵
ケース８は前後端面を大きく開放して前記開口部
に吸塵口１０を有する前蓋９を開閉自在に配設し
かつ後端開口部にメインフイルター１１をこの外
周縁にあるパツキング１２を以つて気密状態に嵌
合装設し、吸塵口１０とメインフイルター１１間
にプリフイルター１３を配置している。而して、
集塵ケース８は収納状態において吸口筒体７から
吸塵口１０、プリフイルター１３、メインフイル
ター１１を経て収納室６後壁の通気口１４に至る
空気通路を形成する。尚、収納室６の上面開口は
掃除機本体１に枢設した上蓋１５により開閉され
る。

又、掃除機本体１には収納室６の後方位置にお
いてコードリール室１６と送風室１７とを左右に
区画形成し、コードリール室１６にはコードリー
ル１８を内装する。一方、送風室１７には電動送
風機１９を防振ゴム２０，２１を以つて内装支持
し、そのフアンの吸込側を通気口１４に対向位置
すると共に、排気側を掃除機本体１後端面にある
排風口２２に対向位置している。電動送風機１９
のモータ部外周にはウレタンフオーム等の消音材
２３を巻付け該消音材２３をゴム等の材料からな
る多孔性消音板２４により支持してある。

排気通路を形成する整流筒２５は平面コ字形状
をなし、掃除機本体１の後端面から両側面の前端
近くまで跨つて本体１の外周側面に水平方向に配
設されており、その中央部には排風口２２に合致
し該口２２を介して電動送風機１９の排気側と連
絡する取入口２６を形成すると共に、両側前端部
下面に排気口２７，２７を形成する。而して、こ
の整流筒２５は掃除機本体１の凹溝２８に納めら
れその外周部分を若干外方に突出し、この突出部
分全体の表面には塩化ビニール樹脂等の軟質性カ
バー２５ａを被着して該カバー２５ａを衝撃吸収
用バンパーに兼用させている。上記凹溝２８は
上、下ケース２，３間にあつて掃除機本体１は後
端面から両側面前端近くまで跨つて形成されてお
り、この前端部下面には掃除機本体１の底面まで
延び複数の整流用リブ３０，３０を並設する分散
排気口２９を形成し、該分散排気口２９を整流筒
２５の排気口２７に合致する。

尚、図中３１は整流筒２５内面に取入口２６と
対向して貼着した吸音材、３２は整流筒２５の排
気口２７，２７部に配設した防音材を示す。

上記構成の実施例において、今電動送風機１９
を駆動すると、塵埃を含んだ空気は図示しない吸
込口、吸塵ホース、吸口筒体７、吸塵口１０を経
て集塵ケース８内に入り、この内部においてプリ
フイルター１３により粗塵が、メインフイルター
１１により細塵が夫々捕集除去され、浄化された
後、通気口１４から電動送風機１９に吸込まれる
ことになり、塵埃は集塵ケース８内に集積され
る。そして、電動送風機１９から排出された空気
即ち排気風は消音材２３及び多孔性消音板２４を
通過して排風口２２から取入口２６を経て整流筒
２５内に入り、吸音材３１との衝突により左右に
分れて整流筒２５内に流れ、防音材３２及び排気
口２７，２７から分散排気口２９，２９を経て機
外に排出することになる。而して、上記整流筒２
５は寸法的に充分な長さをもつている為、排気風
の流れに対して充分な整流作用を発揮でき、吸音
材３１及び防音材３２の作用や風速が左右への分
流により弱まることと相俟つて風音を大巾に減衰
できることになり、又分散排気口２９において整
流用リブ３０，３０…による整流作用も働き、全
体的に低騒音を著しく計ることができる。そし
て、この時軟質性カバー２５ａは整流筒２５から
放射される騒音を一旦遮音し減衰する作用を発揮
することになり、その結果第７図に示すように軟
質性カバー２５ａを持たないものに比べ騒音を軽
減できるものである。第７図は軟質性カバーの有
無による騒音比較測定図であり、イは軟質性カバ
ー２５ａを整流筒２５の表面に被着した本発明実
施例、ロは軟質性カバーを有しないものの騒音特
性を示す。勿論、この軟質性カバー２５ａは掃除
機本体１が家具に衝突した際家具の傷付きを防止
する役目をも果たしている。

尚、整流筒２５は掃除機本体１の外周側面に水
平方向に配設されておればよく、後端面から両側
面に跨つて配設したものに限定されるものではな
い。又、整流筒２５は掃除機本体１の凹溝２８に
外周部分が若干外方に突出するよう納められてい
るが、全体を突出状態に設けてもよい。

＜効果＞ 以上本発明によれば、排気通路通過中に通過す
る空気流に伴う騒音をある程度減衰させることが
できると共に、この排気通路の壁から掃除機本体
外部へ逃げる騒音は、排気通路を被覆する軟質カ
バーにより遮音されるので、排気通路中での騒音
を低減でき、掃除機の小型化に伴なつて不足ぎみ
となる騒音対策を補うことができる。

又、この本体より突出して形成され外面に軟質
性カバーを被覆して排気通路は、衝撃吸収用バン
パーとしての役目も成すので、遮音部材とバンパ
ーが兼用されて部品点数が少なくコンパクトな掃
除機を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明電気掃除機における集塵ケース
取出し状態を示す側面図、第２図及び第３図は第
１図のＡ―Ａ線及びＢ―Ｂ線断面図、第４図は同
上上ケースを取除き一部を断面で示す掃除機本体
の上面図、第５図は同上掃除機本体の底面図、第
６図は同上整流筒の斜視図、第７図は軟質性カバ
ーの有無による騒音比較測定図である。 １：掃除機本体、１１：メインフイルター、１
３：プリフイルター、１９：電動送風機、２５：
整流筒、２５ａ：軟質性カバー、２６：取入口、
２７：排気口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ フイルター及び電動送風機を内装し、入口が
   上記電動送風機の排気側に接続され出口が排気口
   に接続される排気通路が設けられるものにおい
   て、 上記排気通路を掃除機本体の外周側面に水平方
   向に配置して当該通路の外周部分が掃除機本体よ
   り突出するように形成し、遮音、衝撃吸収兼用の
   軟質性カバーを突出した上記排気通路外面に被覆
   して成る電気掃除機。