JPS6325544Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、カーステレオなどのテープ・プレー
ヤーのオート・イジエクト機構に関する。

カーステレオなどのテープ・プレーヤーは、該
装置のカセツト挿入口にカセツトテープを挿入す
るだけで、自動的に演奏が始まり、演奏が終了し
たとき、カセツトテープが自動的に排出されるよ
うに構成されて、自動車の運転者にかかる操作手
数をなるべく減らして安全運転がはかれるように
工夫されている。

ところで、上述の如き従来装置のオート・イジ
エクト機構は、カセツトテープが挿入されたとき
該テープの挿入力により圧縮され、これが挿入し
切つたときロツク装置により圧縮された状態にロ
ツクされる圧縮ばね機構を備え、カセツトテープ
が終端に至つたとき、周知の検出機構がこれを検
知してロツク装置を外して圧縮ばねを伸張させ、
その力でカセツトテープを排出させるように構成
されている。

上述の如き従来装置はカセツトテープを排出さ
せる力を圧縮ばねより得ているので、演奏途中で
車輛を停止させ、キー・オフしたとき、テープ・
プレーヤーは電源断で作動停止するが、ロツク装
置が引外されないため、カセツトテープが装置内
に取残される結果となる。このため、操作者がイ
ジエクトボタンを押し忘れカセツトテープが装着
された状態で車輛を長時間停止させた場合、回転
停止したピンチローラの表面の一部がキヤプスタ
ン軸に長時間強く押し付けられて変形することに
なつたり、また車輛を再度運転するためキーオン
したとき、好むと好まざるとにかかわらずテー
プ・プレーヤーが動作を開始するという不都合も
ある。

本考案は上述の如き従来の欠点を改善する新規
な考案であり、その目的はテープ・プレーヤーに
おいて、カセツトテープが終端に達したとき自動
的にカセツトテープを排出することができるとと
もに、キー・オフ等によりテープ・プレーヤーに
印加されている電源がしや断されたときにもカセ
ツトテープが自動的に排出されるような構造を提
供することにある。

次に本考案の一実施例を図面を参照しつつ詳細
に説明する。

第１図はテープ・プレーヤーのカセツトテープ
装着部を示す斜視図であり、図中１は基板であ
る。該基板１の端部には駆動用のモータ２が取付
けられている。１ａ及び１ｂは基板１の両側を折
曲して立設した側板である。３は側板１ａ及び１
ｂに枢着された揺動自在なカセツトホルダで、比
較的弱い引張りばね３ａで下方に引張られてい
る。カセツトホルダ３の中央にはカセツトリール
を回転させる駆動軸４を貫通せしめる穴３ｂが設
けられ、最深部にはカセツト押えばね５が取付け
られている。また側部には円筒状のローラ３ｃが
取付けられている。６は巻戻し・早送りレバー
で、矢印方向に摺動可能に基板１に支持されてい
る。７は平板状のポテンシアルレバーで、基板１
とカセツトホルダ３との間に配設されている。ポ
テンシアルレバー７は第２図に示すように、平板
部に２つのガイド溝７ａ及び７ｂを有し、該２つ
のガイド溝には基板１に立設されたピン（未図
示）が遊嵌している。一方の側部は折曲されて側
板７ｃが形成され、該側板７ｃは上段７ｃ−１と
下段７ｃ−２に分けられ、その間に傾斜したカセ
ツトホルダガイド部７ｃ−３が形成されている。
側板７ｃの反対側には、傾斜したカム部７ｄ，７
ｅと三角形の係止突起７ｆが形成されている。そ
してポテンシアルレバー７は基板１上でカセツト
テープを挿入する方向すなわち第２図に示した矢
印Ａ−Ｂ方向に摺動自在に保持されており、かつ
側板７ｃの端部に形成された係止部７ｇと基板１
に立設されたピン１ｃとの間に張設された引張り
ばね８により常に矢印Ｂ方向に引張られている。
なお、この引張りばね８の引張り力はカセツトテ
ープが装着されたカセツトホルダ３を解放位置方
向に回転せしめるに必要かつ十分な力でなくては
ならない。

第３図はカセツトホルダ３を取外し、該カセツ
トホルダ３の裏面側の構造を示した斜視図であ
り、図中、９はポテンシアルロツク板である。ポ
テンシアルロツク板９は中ほどにガイド溝９ａが
形成され、基板１に立設されたガイド用のピン１
ｄ，１ｅに嵌め込まれており、かつ引張りばね１
０により常時矢印Ｃ方向にバイアスされ、先端に
設けられたポテンシアルロツクガイド軸９ｂをカ
ム部７ｄに押し付けている。１１はＴ字形をした
ヘツドベースである。ヘツドベース１１にはガイ
ド溝１１ａが形成され、基板１に立設されたガイ
ド用のピン１ｆ，１ｇに嵌め込まれており、かつ
引張りばね１２により常時矢印Ｄ方向にバイアス
され、先端に設けられたヘツドベースガイド軸１
１ｂをカム部７ｅに押し付けている。なお、１１
ｃはヘツド、１１ｄはピンチローラである。１３
はイジエクトレバーである。イジエクトレバー１
３は、図面を簡単にするため第３図には示されて
いないが、ガイド溝が設けられていて、基板１に
立設されたピンが該ガイド溝に嵌合されて矢印Ａ
−Ｂ方向に摺動可能に保持され、かつ引張りばね
１４により常時矢印Ｂ方向にバイアスされてい
る。イジエクトレバー１３には垂直方向に折り曲
げた押圧部１３ａが形成され、さらに押圧部１３
ａの端部にはカセツトホルダガイド部１３ｂが形
成されている。また押圧部１３ａから延長された
腕１３ｃの先端にはソレノイド１５が取付けられ
ている。また、上記イジエクトレバー１３の先端
１３ｅは、カセツト挿入時に引張りばね１４が押
圧状態にバイアスされることで、ポテンシヤルロ
ツク板９と係合し、イジエクトレバー１３を押圧
状態にロツクするもので、このロツクされた状態
で上記ポテンシヤルレバー７のカセツトホルダガ
イド部７ｃ−３とカム部７ｅとは、前者がまずカ
セツトホルダ３の作動位置への移動可能とし、そ
の後に後者がヘツドベース１１を作動位置へ移動
するように形成されている。従つてポテンシヤル
レバー７がＢ方向に摺動するとき、このポテンシ
ヤルレバー７によつてヘツドベース１１とカセツ
トホルダ３とが順次にカセツトテープ作動位置か
ら解放位置へ強制的に駆動される構成となつてい
る。１６は連結レバーである。連結レバー１６は
イジエクトレバー１３に、枢軸１３ｄにより回転
可能に支持されており、引張りばね１７により常
時矢印Ｅ方向に回転力を与えられている。連結レ
バー１６の一方端には、係合突起７ｆと係合する
引掛部１６ａが形成され、他方の端部１６ｂはソ
レノイド１５の磁極１５ａと対向している。

次に動作について説明する。

第１図はカセツトテープ１８を装着する前の状
態を示している。この状態からカセツトテープ１
８を矢印方向に挿入すると、図示していないセン
シングスイツチがカセツトテープ１８の挿入を検
知して、ソレノイド１５に通電する。このため、
ソレノイド１５は引張りばね１７の引張力に抗し
て連結レバー１６の端部１６ｂを吸引してこれを
矢印Ｅ方向と逆方向に回転させ、第３図に示すよ
うに引掛部１６ａと係止突起７ｆとを係合せしめ
る。この状態からカセツトテープ１８をカセツト
ホルダ３に乗せ、これをさらに挿入すると、カセ
ツトテープ１８の先端がイジエクトレバー１３の
押圧部１３ａを押圧し、イジエクトレバー１３を
矢印Ａ方向に移動させる。イジエクトレバー１３
が移動すると、これに取付けられた連結レバー１
６がポテンシアルレバー７を矢印Ａ方向に引張つ
て移動させる。このとき引張りばね８は伸張され
てエネルギーが蓄積される。このように、イジエ
クトレバー１３が矢印Ａ方向に押圧されて移動す
るとき、第５図に示すように、カセツトホルダガ
イド部１３ｂはカセツトホルダ３の端部に設けら
れた舌片３ｅの下面に沿つて進む。そして終端に
近ずくと、舌片３ｅの先端がカセツトホルダガイ
ド部１３ｂから滑り落ちて、カセツトホルダ３は
引張りばね３ａの力で下方に引張られて回動し、
カセツトテープ１８を作動位置に運ぶ。このとき
イジエクトレバー１３の先端１３ｅは第４図に示
すようにポテンシアルロツク板９と係合して戻れ
なくなり、このポテンシヤルロツク板９が先端１
３ｅによりロツクされた状態で、ポテンシヤルレ
バー７のカム部７ｅに沿つてヘツドベースガイド
軸１１ｂが移動することにより、さらにヘツドベ
ース１１が矢印Ｄ方向に移動し、ピンチローラ１
１ｄ、ヘツド１１ｃがカセツトテープ１８内に挿
入されて演奏状態となる。

カセツトテープ１８内のテープが終端に達し、
演奏が終了すると、周知のオートシヤツトオフ装
置が動作し、ソレノイド１５への通電を断つ。こ
のため連結レバー１６は引張りばね１７により回
動され、引掛部１６ａと係止突起７ｆとの係合が
外れる。したがつて、ポテンシアルレバー７は引
張りばね８の力で矢印Ｂ方向に移動する。この移
動によりカム部７ｅはヘツドベースガイド軸１１
ｂを押圧してヘツドベース１１を第４図において
矢印Ｄと反対方向に移動させてヘツド１１ｃとピ
ンチローラ１１ｄをカセツトテープ１８から抜き
去る。しかる後、カセツトホルダガイド部７ｃ−
３がローラ３ｃを押し下げてカセツトホルダ３を
第１図の状態に戻す。このときポテンシアルレバ
ー７のカム部７ｄがポテンシアルロツクガイド軸
９ｂを押圧してポテンシアルロツク板９を矢印Ｃ
方向と反対方向に移動させ、該ポテンシアルロツ
ク板９とイジエクトレバー１３の先端１３ｅとの
係合を外す。したがつて、イジエクトレバー１３
は引張りばね１４の引張り力で矢印Ｂ方向に移動
し、押圧部１３ａがカセツトテープを押し出して
全ての動作は停止する。

次に、演奏途中の状態すなわち第４図に示すよ
うに、イジエクトレバー１３がポテンシアルロツ
ク板９によりロツクされているとき、キーオフな
どでテープ・プレーヤーへの通電が停止された場
合は、ソレノイド１５への通電も停止される。し
たがつて、ポテンシヤルレバー７とイジエクトレ
バー１３との係合が解かれても、ポテンシヤルロ
ツク板９はイジエクトレバー１３をロツクした状
態を保持して、ポテンシヤルレバー７により直接
にヘツドベース１１とカセツトホルダ３とを順次
にカセツトテープ作動位置から解放位置へ強制的
に駆動し、その後にポテンシヤルロツク板９とイ
ジエクトレバー１３の先端１３ｅとの係合が外れ
てロツクが解除されるから、確実にイジエクト動
作が行なわれてカセツトテープ１８は自動的に押
し出されることになる。

以上詳細に説明したように、本考案はカセツト
テープが装着されてテープ・プレーヤが動作して
いる状態でソレノイドへの通電が解かれたときポ
テンシアルレバーにより、イジエクトレバーをロ
ツクした状態で直接ヘツドベースとカセツトホル
ダをカセツトテープ作動位置から順次解放位置に
移動してカセツトテープを自動的に排出せしめる
ように構成したので、カセツトテープの演奏が終
つてオートシヤツトオフ装置が動作したときばか
りでなく、自動車においてキーオフを行なつてア
クセサリー系統の電源をオフせしめたときでもカ
セツトテープが自動的に排出されるため、従来の
ようにキーオフしたときカセツトテープがテー
プ・プレーヤ内に取残されてキヤプスタンが変形
したり、あるいはカセツトテープがテープ・プレ
ーヤ内に取残されているのを忘れてキーオンした
とき、不意に演奏が始まるというような不都合は
全くなくなつた。

【図面の簡単な説明】

第１図はカセツトテープ装着部を示す斜視図、
第２図はポテンシアルレバーの斜視図、第３図及
び第４図はカセツトホルダを取除いた状態を示す
斜視図で、このうち第３図は停止時を示し、第４
図は演奏時を示す。第５図はカセツトホルダとイ
ジエクトレバーとの係合状態を示す部分的な斜視
図である。 図中１は基板、２はモータ、３はカセツトホル
ダ、３ｅは舌片、７はポテンシアルレバー、７ｃ
−３はカセツトホルダガイド部、７ｄ及び７ｅは
カム部、７ｆは係止突起、９はポテンシアルロツ
ク板、１１はヘツドベース、１１ｂはヘツドベー
スガイド軸、１３はイジエクトレバー、１３ａは
押圧部、１３ｂはカセツトホルダガイド部、１５
はソレノイド、１６は連結レバー、１８はカセツ
トテープである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カセツトテープを揺動自在に保持するカセツト
   ホルダと、前記カセツトテープ内に挿入されるヘ
   ツドを有したヘツドベースと、前記カセツトテー
   プと係合する押圧部を有し前記カセツトホルダか
   らカセツトテープを排出する方向にバイアスされ
   るイジエクトレバーと、このイジエクトレバーを
   押圧状態にロツクするポテンシヤルロツク板と、
   このポテンシヤルロツク板によりイジエクトレバ
   ーをロツクした状態で前記ヘツドベースとカセツ
   トホルダを順次にカセツトテープ作動位置から解
   放位置へ強制的に駆動するポテンシヤルレバー
   と、このポテンシヤルレバーを前記イジエクトレ
   バーとの間で連結する連結レバーと、この連結レ
   バーを電圧印加の状態で吸引して前記ポテンシヤ
   ルレバーとイジエクトレバーとを係合保持するソ
   レノイドとからなり、テーププレーヤ動作状態で
   前記ソレノイドへの通電が停止されたとき、前記
   ポテンシヤルレバーとイジエクトレバーとの係合
   が解かれて、カセツトテープが自動的に排出され
   ることを特徴とするテープ・プレーヤーのイジエ
   クト装置。