JPS632522Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は小型掘削機に於ける油圧回路特に走
行、アーム、排土板の油圧回路に関する。

掘削機は苛酷な条件で使用され、場合によつて
は走行動作のみでは不整地を脱出できないときが
ある。この為走行動作と共にアームを同時操作
し、アームを手前にかき込むことによつて不整地
を脱出することが行われる。然し、従来の油圧回
路ではアームの駆動回路と走行回路とがパラレル
接続となつており、同時操作をするとアームが停
止して走行が空転して、増々車体が埋まるという
傾向にある。従つて、斯かる場合には走行動作を
しながら、他の機械で牽引するか、足元に砂利や
丸太を入れる等の処理が必要であつた。

又、作業能率を上げる為非掘削時のアーム動作
は迅速に行い得ることが望まれるが従来の小型掘
削機の油圧回路ではアームの増速機能を備えてい
るものはない。

本考案は斯かる不具合を是正し、走行とアーム
の安定した同時動作が行え、しかもアームの増速
機能をも備えた油圧回路を提供するものであつ
て、第１のポンプに接続した第１の圧油供給管に
該ポンプ側より走行操作弁、第１アーム操作弁、
排土板操作弁、第２アーム操作弁をタンデムに設
けると共に第２のポンプに接続した第２の圧油供
給管を前記排土板操作弁の中立位置で第１の供給
管に連通し、該排土板操作弁は全ての弁位置で第
１の圧油供給管を連通させ且中立位置以外の弁位
置では第２の圧油供給管と第１の圧油供給管との
連通を断つと共に第２の圧油供給管と排土板シリ
ンダとを連通させる様にし第１アーム操作弁操作
により第１ポンプからの圧油を、第２アーム操作
弁操作により第１ポンプ、第２ポンプのうち少な
くとも第１ポンプからの圧油をアームシリンダに
供給し得る様構成したことを特徴とするものであ
る。

以下図面に基づき本考案の実施例を説明する。

エンジン１にポンプ２，３及び４を結合し、ポ
ンプ２，３，４にそれぞれ圧油供給管５，６，３
０を接続する。該供給管５に左走行操作弁７を設
け、供給管６に上流側（ポンプ３側）より右走行
操作弁８、第１アーム操作弁９、排土板操作弁１
０、第２アーム操作弁１１をタンデムに設け、両
供給管５，６の下流端は、リターンフイルタ１２
を介し油タンク１３に連通した戻し管１４に接続
している。又、該戻し管１４には供給管５の左走
行操作弁７の上流側、及び供給管６の右走行操作
弁８の上流側にそれぞれ連通するバイパス管１
５，１６の下流端を接続し、該バイパス管１５，
１６には回路保護の為にリリーフ弁１７，１８を
設けてある。

而して、左走行操作弁７には引出管１９により
カウンタバランス弁２０、クロスオーバリリーフ
弁２１を介し左走行モータ２２を接続する。又、
右走行操作弁８には引出管２３によりカウンタバ
ランス弁２０、クロスオーバリリーフ弁２１を介
し右走行モータ２４を接続し、第１アーム操作弁
９及び第２アーム操作弁１１には途中で合流した
引出管２５，２６によりアームシリンダ２７、排
土板操作弁１０には引出管２８により排土板シリ
ンダ２９をそれぞれ接続する。

ここで前記した各操作弁７，８，９，１０，１
１は夫々中立位置では圧油供給管５，６の連通状
態を維持し、又左走行操作弁７の操作で供給管５
の圧油を走行モータ２２に供給し得、右走行操作
弁８、第１アーム操作弁９、第２アーム操作弁１
１の操作でそれぞれ供給管６の圧油を右走行モー
タ２４、アームシリンダ２７に供給し得る様にな
つている。

更に前記供給管３０は排土板操作弁１０の中立
位置で供給管６に連通してあり、中立位置以外の
弁位置では供給管３０と供給管６との連通を遮断
している。又、排土板操作弁１０は全ての弁位置
で供給管６の連通状態を維持し、且該排土板操作
弁１０の操作により供給管３０の圧油が排土板シ
リンダ２９へ供給される様になつている。供給管
３０とバイパス管１６とはリリーフ弁３１を介し
て接続されている。

次に上記した油圧回路の作動について説明す
る。

各操作弁を単独操作して、各操作弁と対応する
アクチユエータを駆動し得ることは言うまでもな
く、右走行モータ２４の駆動と併せてアームシリ
ンダ２７及び排土板シリンダ２９のいずれか一つ
を安定に、かつ確実に駆動させ得る。

即ち、右走行操作弁８を操作し、右走行モータ
２４を駆動すると、ポンプ３からの圧油はアーム
シリンダ２７、排土板シリンダ２９には供給し得
ない状態となるが、ポンプ４からの圧油は排土板
操作弁１０以下の下流に流れているので、ポンプ
４からの吐出圧油でアームシリンダ２７、排土板
シリンダ２９のいずれか一つを駆動させることが
できる。

又右走行モータ２４を駆動させていない状態で
は、アームシリンダ２７と排土板シリンダ２９と
を併合駆動させることができる。この場合アーム
シリンダ２７にはポンプ３からの圧油が、又排土
板シリンダ２９にはポンプ４からの圧油がそれぞ
れ供給される。

更に、右走行モータ２４及び排土板シリンダ２
９を駆動させない場合はポンプ３，４からの圧油
がアームシリンダ２７に供給され得る状態とな
り、第２アーム操作弁１１を操作するか第１、第
２アーム操作弁９，１１を同時に操作することに
よりアームシリンダ２７を増速駆動させることが
できる。ここで両アーム操作弁９，１１は単独で
操作できる様にしてもよく、連動して操作できる
様にしてもよい。

更に又、リリーフ弁１８と３１のセツト圧を変
えることによりアームの掘削力を変えることがで
きる。即ち、リリーフ弁１８の方が３１よりセツ
ト圧が高いと仮定すると、通常作業状態ではセツ
ト圧の低い３１のリリーフ弁が作動するのでリリ
ーフ弁３１のセツト圧に応じた掘削力が得られる
が、リリーフ弁３１をリリーフにさせておけばリ
リーフ弁１８のセツト圧に応じた掘削力により、
強力な掘削作業を行える。

以上述べた如く本考案によれば、 (i) 走行とアームの併合動作を安定確実に行い得
るので不整地脱出が確実可能であると共にトラ
ツクへの自力搭載、障害物乗り越えにも有効で
ある。

(ii) アームの増速動作が可能である。

(iii) アームの掘削力を変化させ得る。

等の優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係る掘削機の油圧回路である。 ３，４はポンプ、６は圧供給管、８は右走行操
作弁、９は第１アーム操作弁、１０は排土板操作
弁、１１は第２アーム操作弁、２７はアームシリ
ンダ、３０は供給管を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１のポンプに接続した第１の圧油供給管に該
   ポンプ側より走行操作弁、第１アーム操作弁、排
   土板操作弁、第２アーム操作弁をタンデムに設け
   ると共に第２のポンプに接続した第２の圧油供給
   管を前記排土板操作弁の中立位置で第１の供給管
   に連通し、該排土板操作弁は全ての弁位置で第１
   の圧油供給管を連通させ且中立位置以外の弁位置
   では第２の圧油供給管と第１の圧油供給管との連
   通を断つと共に第２の圧油供給管と排土板シリン
   ダとを連通させる様にし第１アーム操作弁操作に
   より第１ポンプからの圧油を、第２アーム操作弁
   操作により第１ポンプ、第２ポンプのうち少なく
   とも第１ポンプからの圧油をアームシリンダに供
   給し得る様構成したことを特徴とする掘削機の油
   圧回路。