JPS6324838B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、筆記による芯の消耗に応じて芯が自
動的に送り出されるようにした電動式シヤープペ
ンシルに関するものである。

従来のシヤープペンシルは、筆記による芯の消
耗に応じて本体後部の芯収納筒をノツクし、芯を
押し出すようにしているために、使用上の煩わし
さがあつた。また芯の消耗に応じて芯を自動的に
送り出す方式も提案されているが、いずれも装置
が大型または複雑になつて通常のシヤープペンシ
ルには応用できなかつた。

本発明はこのような点に鑑み、通常のシヤープ
ペンシルの本体を用いて、芯の自動的な送り出し
ができる電動式シヤープペンシルを提供すること
を目的とするものである。

本発明は、筆記具先端の芯保護管が芯の消耗に
応じて後退するようにした構成において、内部に
ソレノイドを装着し、ソレノイドによる芯誘導管
の作動と芯保護管によるソレノイドへの通電のオ
ン、オフとによつて、筆記中に自動的に芯の送り
出しができるようにしたものである。

以下、本発明の実施例を図面によつて説明す
る。第１図において、１は筆記具の本体、２は頭
部、３は芯収納筒、４は芯誘導管、５は芯保護管
である。芯収納筒３は一方の端部に先端鍔部３３
を有すると共に中間部に鍔部３２を有し、この鍔
部３２と本体の隔壁１７との間にスプリング１５
を介在させ、これによつて芯収納筒３に筆記具本
体後方への押圧力を付与している。芯収納筒３の
周囲には電池６を配置し、その主接点６０を芯収
納筒３の外周面に形成した突起６１に接触させて
いる。３１は絶縁性のキヤツプである。

芯収納筒の先端には芯誘導管４が挿入されて連
結され、芯誘導管４の先端部には芯挾持部４１が
形成され、中間部にはソレノイド９を有する鍔部
（吸着部）４２が形成されている。芯挾持部４１
は軸方向のスリツトによつて周方向に分割され、
膨出部を外周から押圧されることによつて内径が
縮少して芯を挾持し、押圧力が解除されるとそれ
自体の弾力で内径が拡がり、芯の挾持が解除され
るようにしている。

７は本体１に固定して設けられたテーパリング
であり、このテーパリングと芯誘導管の鍔部４２
との間にスプリング１６を介在させることによつ
て芯誘導管４を後方に押圧し、図示の状態にして
いる。即ち、テーパリング７は、その内周部にク
ラツチ７０を有し、テーパリング７はこのクラツ
チ７０を介して挾持部４１を外周から押圧するよ
うにし、これによつて芯誘導管４中の芯を挾持し
ている。またテーパリング７中には前端部にスト
ツパ７１が形成され、クラツチ７０はテーパリン
グ７中に軸方向に移動可能に配置されている。な
お、上記テーパリング７およびクラツチ７０の機
構は従来公知のものである。

芯保護管５は後端に膨出部５１を有し、この膨
出部５１が図示しないガイドに沿つて動くことに
よつて芯保護管５が軸方向に進退するようにして
いる。そして図示の後退位置から前進すると、中
間位置で接点１２，１３を導通させ、さらに前進
すると接点１２，１３と再び離れるようになつて
いる。

電池６の電流は第５図に示すように、主接点６
０から芯収納筒３、先端鍔部３３、スライド接片
８を通してソレノイド９に通電され、さらにスラ
イド接片１０からソレノイド１１へ通電され、接
点１２、膨出部５１、接点１３から本体１を通し
て電池６へ帰還する。

つぎにこの筆記具の作用を説明する。第１図の
不使用の状態から芯収納筒３の後端部を指で押圧
して没入させると、先端鍔部３３によつて鍔部４
２が押されることによつて、第２図に示すように
芯誘導管４も前進し、これによつて芯挾持部４１
によつて挾持された芯を前進させると共にテーパ
リング７による押圧力が解除されて芯の挾持外さ
れる。すなわち、テーパリング７は固定されてい
るが、芯誘導管４が前進すると、挟持部４１の外
周面に圧着されているクラツチ７０も挟持部４１
とともに前進し、ストツパ７１に当ることによつ
て停止し、それ以後は挟持部４１のみが前進を続
けてクラツチ７０から離れ、これによつて芯の挟
持が外される。クラツチ７０が挟持部４１ととも
に一定距離のみ移動するのは、その移動の間は芯
の挟持状態を保ち、これによつて芯の送り出しを
確実に行なわせるためである。また芯誘導管４の
先端部で芯保護管５を押圧して前進させ、膨出部
５１により接点１２，１３を導通させる。しか
し、この際には芯保護管３の前進によつて主接点
６０は絶縁キヤツプ３１上にあるために通電はな
されない。つぎに、芯収納筒３に対する押圧力を
解除すると、スプリング１５，１６の力によつ
て、第３図に示すように、芯収納筒３および芯誘
導管４はそれぞれ元の位置に復帰する。これによ
つて主接点６０は芯収納筒に接触し、ソレノイド
９，１１に通電する。このためソレノイド９，１
１の相互の吸引力で、第４図に示すように、芯誘
導管の鍔部４２がテーパリング７に引かれて前進
し、芯をさらに前進させる。芯保護管の膨出部５
１には芯が通過する際にある程度の摩擦が生じる
ように、ゴムなどからなる摩擦リング５２を嵌入
させているために、芯が前進するとそれに伴なつ
て芯保護管も前進し、膨出部５１は接点１２，１
３から離れる。このためソレノイド９，１１の通
電は遮断され、スプリング１６の力によつて芯誘
導管４は元の位置に復帰する。この復帰によつて
挾持部４１はテーパリング７に嵌入されるので芯
は保持され、従つてこの状態で筆記ができるよう
になる。筆記を続けることによつて芯が消耗し、
芯保護管５の先端部が紙面に当ることによつて芯
保護管５は徐々に後退するが、第３図の位置まで
後退すると再び接点１２，１３を導通させること
になり、これによつて前述のようにソレノイドの
吸引力で芯誘導管４を前進させて第４図に示す状
態にする。以下、同様の作用によつて芯が使用に
より一定量だけ消耗すると芯保護管が接点を導通
させ、芯の送り出しを行なう。即ち、従来のよう
に筆記を中断し、いちいち芯収納筒後端をノツク
させて芯の送り出しを行なわなくても、一定量の
消耗によつて自動的に芯の送り出しが行なわれる
ので筆記を中断させることなく書き続けることが
できる。

筆記を終つたときには、芯収納筒３の後端部を
押圧して芯の挾持を解き芯保護管５の先端を押え
て押し込み、第１図の状態にすると、接点１２，
１３の接続は断たれるのでソレノイドへの通電は
行なわれなくなる。

なお、ソレノイドを芯誘導管とテーパリングの
両方に設けて吸着部を形成させたばあいについて
説明したが、いずれか一方にのみ設けて他方は磁
性体とした吸着部としてもよく、そのばあいにも
同様の作用を果すことができる。また、ソレノイ
ド用の電源は本体内に電池を装着するばあいのみ
ならず、例えばデスク用ペンのばあいには、筆記
具本体からコードを取出し、外部の電源に接続す
るようにしてもよい。

以上説明したように、本発明は筆記中の芯の送
り出しを内部のソレノイドの作用によつて自動的
に行なわせるようにしたものであり、構成をコン
パクトにすることができるために通常のシヤープ
ペンシルにも容易に適用でき、きわめて便利なも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す不使用状態の縦
断面図、第２〜４図はそれぞれ使用過程を示す縦
断面図、第５図はその回路図、第６図は芯保護管
の部分切欠き斜視図である。 １……本体、３……芯収納筒、４……芯誘導
管、５……芯保護管、６……電池、７……テーパ
リング、９，１１……ソレノイド、１２，１３…
…接点、４２……吸着部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 本体後部で摺動する芯収納筒と、本体先端部
   に突出して摺動する芯保護管と、これらの間で芯
   を１本ずつ収納筒から芯保護管に送り込む芯誘導
   管と、芯収納筒および芯誘導管を本体後方へ後退
   させる力を付勢するスプリングと、芯誘導管を前
   進させるソレノイドと、芯保護管の周辺に配置さ
   れて芯保護管によりソレノイドへの通電をオン、
   オフする接点とを有し、芯保護管は前進および後
   退位置では上記接点をオフにすると共に中間位置
   ではオンにするようにし、芯誘導管は芯を挾持す
   る挾持部およびソレノイドで動作する吸着部を有
   し、芯収納筒を外部から押圧して前進させると芯
   誘導管を介して芯保護管も押されて中間位置に達
   し、ソレノイドの動作によつて芯誘導管を前進さ
   せて芯および芯保護管をさらに前進させ、筆記に
   より芯保護管が前進位置より中間位置まで後退す
   るとソレノイドが動作して上記動作を繰返すよう
   に構成したことを特徴とする電動式シヤープペン
   シル。