JPS6324583Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はプツシユスイツチに係り、スライダと
一体的に突設したピン部材と係合するハートカム
溝を板状体に形成した形状としたものを、ケース
にスライダの長手方向と直交する方向に支承する
構成とすることにより構成及び組付けが容易とな
るプツシユスイツチを提供することを目的とす
る。

従来のプツシユスイツチとしては、第１図に示
すものがある。図中、プツシユスイツチ１は略金
属製機枠２に取付けた樹脂製ケース３に樹脂製ス
ライダ４を図中矢印Ａ，Ｂ方向スライド自在に支
承し、ケース３に金属製コ字形ロツクピン５、樹
脂製ストツパー６を取付けてなる。ケース３は複
数の固定端子７を有し又上面の突室３ａ内にロツ
クピン５をその一端を孔３ｂに枢支して収納し更
に金属製Ｕ字形板バネ８を該ロツクピン５を下方
へ押圧して収納しており、ロツクピン５はスライ
ダ４のハート型カム溝４ａに係合する。ストツパ
ー６は一端をケース３後端に係止され他端をケー
ス３の孔３Ｃを介してスライダ４の凹部４ｂに係
合する。スライダ４は両側に上記固定端子７に切
換接触する可動接点（図示せず）を有し又その鍔
部４ｃ及びケース３前端間に配したコイルバネ９
により常時矢印Ａ方向へ附勢されロツクピン５が
ハート型カム溝４ａの図中右端に当接係合してス
ライダの復帰位置を決めており、このときストツ
パー６は凹部４ｂの図中右端に当接するか又は僅
少寸法離間対向する。尚ストツパー６の役割りは
ロツクピン５が何らかの事故により浮上りカム溝
４ａから外れたときスライダ３が抜け方向へ飛出
したり、或いはスライダ３に過大な力が加わつて
ロツクピン５が変形したりするのを防止するもの
である。尚プツシユスイツチ１は他の基板１０に
対しケース３下面を当接させ且つ固定端子７を挿
通させて取付けられる。

第１図中の切換接触態様よりスライダ４を矢印
Ｂ方向へ押込むと、ロツクピン５がカム溝４ａに
案内されて所定角度往復回動した後カム溝４ａの
図中左端に係合してスライダ４を押込位置に係止
すると共に、可動接点は固定端子７と他の切換接
触態様を取り、次いでスライダ４を押込んで押込
力を解除するとスライダ４はコイルバネ９により
矢印Ａ方向へスライド復帰して再び第１図に示す
態様となる。

しかるに上記従来例によれば、カム溝４ａに対
応するロツクピン５は他に突室３ａ、バネ板８を
要して構成が複雑であると共に組付けも面倒であ
るという欠点を有する。

本考案は上記欠点を除去したものであり、以下
図面と共にその１実施例につき説明する。

第２図〜第４図は夫々本考案になるプツシユス
イツチの１実施例の分解針視図、一部切截縦断面
図及び下方斜視図である。図中、プツシユスイツ
チ１１はケース１２を有し、該ケース１２は夫々
樹脂製のケース本体１３、上蓋１４よりなる。

ケース本体１３は細長箱状体で、上面の複数の
係合溝１３ａ、前面両側の１対の係合溝１３ｂ、
前部底面の凹部１３ｃ及びその両側の１対の孔１
３ｄ、底面中央のケース長手方向ガイド溝１３ｅ
（第３図に示す）、下面の該ガイド溝１３ｅに対応
する突条１３ｆ（第３図、第４図に示す）を有し、
又両内側に配設した３対の固定端子１５の下端を
ケース１３下方に突出される。尚凹部１３ｃは第
２図、第３図に示す如く、段部１３ｇ、傾斜部１
３ｈ、底部１３ｉ、ガイド溝１３ｊを有する。上
蓋１４は溝孔１４ａ及び複数の凸部１４ｂを有し
ケース１３の上面に夫々凸部１４ｂを係合溝１３
ａに係合させて係止され接着剤により固着され
る。

１６は樹脂製ロツク板で、板状部１６ａにハー
ト型カム溝１６ｂを形成してなり、ケース１３の
孔１３ｄに嵌挿され段部１３ｇ上面にケース長手
方向と直交する方向の矢印Ｅ，Ｆ方向にスライド
自在に収納される。尚ロツク板１６は後述するピ
ンとの係合により矢印Ｅ，Ｆ方向スライドをする
のかかわらずロツク板１６両端は夫々常時各孔１
３ｄより外方へ突出しており不要な変位を防止さ
れる。

１７は樹脂製のスライダで、直方体状をなし、
前端つまみ部１７ａ、上面凹部１７ｂ、後端円形
孔１７ｃ、下面ガイド凸部１７ｄ，１７ｅ、ピン
１７ｆ（夫々第５図に示す）を有し、又両側凹部
１７ｇに夫々コイルバネ１８により外側方へ附勢
して１対の可動接点板１９を収納係止され、又ス
ライダ１７後面の孔１７ｃにコイルバネ２０を収
納される。スライダ１７は第３図に示す如くケー
ス１３内に収納され、ガイド凸部１７ｄ，１７ｅ
が夫々ガイド溝１３ｅ，１３ｊに嵌合され、又ピ
ン１７ｆが同図中ロツク板１６のハート型カム溝
１６ｂの右端に係合され、又各接点板１９が夫々
固定端子１５の同図中左方の２対に接触し、又コ
イルバネ２０の突出部がケース本体１３後端面に
当接する。このためスライダ１７は矢印Ｃ方向へ
附勢されるが上記ピン１７ｆ、カム溝１６ｂの係
合位置で復帰方向位置を係止される。尚ロツク板
１６はその下面が段部１３ｇと接触するときその
上面はスライダ１７下面との間に僅少の間隙を有
し且つピン１７ｆ上端もハート型カム溝１６ｂ底
面に対し僅少の間隙を有するため、後述する如く
ピン１７ｆがカム溝１６ｂの戻り防止用段部（図
示せず）を乗越えるときロツク板１６は傾斜部１
３ｈ側へ傾斜してカム溝１６ｂ底面を僅かに下動
させ上記乗越えを可能とする。

２１は金属製機枠で、コ字形（前板部２１ａ、
本体板部２１ｂ、後板部２１ｃ）に折曲形成さ
れ、前板部２１ａに係合凹部２１ｄ、め部２１
ｅ、取付孔２１ｆを有し、又本体板部２１ｂに一
の切起しストツパー部２１ｇを有する。機枠２１
はケース１２に対し、係合凹部２１ｄ内縁を係合
溝１３ｂに係合させ且つ後板部２１ｃを上蓋１４
に当接させて取付けられ、第４図に示す如く各
め部２１ｅをめて固着される。このとき第３図
に示す如く、ストツパー部２１ｇは上蓋１４の溝
孔１４ａを挿通してケース１２内方へ突出し第３
図中スライダ１７の凹部１７ｂに進入し凹部１７
ｂ右端に当接又は僅少寸法離間する。尚ストツパ
ー部２１ｇの役目は従来例のストツパー６と同様
である。

かくして完成したプツシユスイツチ１１は第３
図に示す如く、他の基板２２に対し固定端子１５
を挿通させ且つ突条１３ｆを基板２２上面に当接
させて位置決めし、各端子１５の突出部分を基板
２２下面に半田付固着する。尚更に機枠２１の前
板部２１ａをパネル（図示せず）に当接させ取付
孔２１ｆにおいてパネルにネジ締めしてもよい。

次に上記構成になるプツシユスイツチ１１の動
作に付き説明する。第３図中つまみ１７ａを矢印
Ｄ方向へ押込むと、スライダ１７はコイルバネ２
０に抗して同方向へスライドし、ピン１７ｆはハ
ート型カム溝１６ｂの一の半周部により相対的に
半周分ガイドされて第３図中カム溝１６ｂの左端
に当接してスライダ１７の押込み位置を決め、各
可動接点１９は同図中右方の各１対の固定端子１
５に切換接触する。尚ロツク板１６は実際にはカ
ム溝１６ｂがピン１７ｆを上記の如くガイドして
単に矢印Ｅ，Ｆ方向に往復スライドするのみであ
り、ピン１７ｆがカム溝１６ｂの戻り防止用段部
を乗り越えるときカム溝１６ｂが下方へ押圧され
る。このためロツク板１６は傾斜部１３ｈに沿つ
て傾斜し上記カム溝１６ｂの下動を許容して上記
乗越えを可能とした後、再び段部１３ｇに沿う状
態に復帰する。尚ストツパー部２１ｇはスライダ
１７の凹部１７ｂの左端に近接する。

続いて、再びつまみ１７ａを押込み押込力を解
除すると、スライダ１７は一旦矢印Ｄ方向へスラ
イドしてピン１７ｆをカム溝１６ｂの他の半周部
に案内された後、コイルバネ２０により矢印Ｃ方
向へスライド復帰してピン１７ｆがカム溝１６ｂ
の他の半周部にガイドされてカム溝１６ｂの右端
に当接復帰する位置、即ち第３図に示す状態に示
す態様に復帰する。このとき各可動接点１９は同
図中左方の各１対の固定端子１５に切換復帰し、
ストツパー部２１ｇも凹部１７ｂ右端に近接復帰
する。尚この間ロツク板１６は再び矢印Ｅ，Ｆ方
向に往復スライドする。

尚上記動作中スライド１７はそのガイド凸部１
７ｄ，１７ｅが夫々ケース１２のガイド溝１３
ｊ，１３ｅに嵌合してガイドされるため、円滑に
スライドしうる。上記構成及び動作によれば、ロ
ツク板１６はケース１２に矢印Ｅ，Ｆ方向スライ
ド可能に設けているため、特に押えバネ部材を必
要とせず又孔１３ｄ、段部１３ｇ、傾斜部１３ｈ
も特にスペースを必要とせず、部品点数の低減、
構成及び組付けを容易に行ないうる。

又ケース１２のガイド溝１３ｅに対応する下面
に突条１３ｆを設けているため、その分ガイド溝
１３ｅによる強度の低下を補強される。又突条１
３ｆによりケース１２下面の殆どの部分が基板２
１から離間されるため、可動接点１９及び固定端
子１５の切換接触時に生ずる熱がケース１２下面
から空中に放熱され、しかも基板２２に取付けた
他の回路部品（図示せず）の熱もケース１２に直
接影響を及ぼすことはない。従がつてケース１２
内は過度の加熱を生ずることなく、性能を劣化さ
れないと共に周囲の回路部品に悪影響を与えるこ
ともない。

又コイルバネ２０はケース１２内に設けられて
いるため、従来ケース外部に設けていたものに比
して、スライダ１７のケース外部に突出する部分
の寸法を低減してスライダ操作部分のスペースを
低減しうると共に外観を向上しうる。

又機枠２１の切起したストツパー部２１ｇをス
ライダ１７の凹部１７ｂに係入せしめているた
め、従来例の如く特に他の部材を必要とせず部品
点数を低減しうる。

上述の如く、本考案になるプツシユスイツチに
よれば、ケース内にケース長手方向にスライドス
ライド自在に収納したスライダと一体的に突設し
たピンに対しハート型カム溝を係合させてスライ
ダの押み位置及び復帰位置を決める構成であり、
該ハート型カム溝が該ピンの戻りを防止する段部
を有する構成であるプツシユスイツチにおいて、
該ケースにケース長手方向と直交する方向にスラ
イド自在に支承された板状体に上記ハートカム溝
を形成し、且つ、該ケースの板状支承部を、該板
状体が傾斜することによつて該ピンが該ハートカ
ム溝の該戻り防止用段部を乗り越えるように該板
状体の必要に応じた傾斜動作を許容する傾斜部を
有する構成であるため、ハートカム溝を形成する
板状体は押え部材が不要となり、部品点数の削減
を図り得、然して、構造が簡単となると共に組立
てを容易に行なうことが出来、またケース両側に
板状体を嵌挿する孔が形成され、その両端が常時
ケースの外方に突出しているため、板状体がスラ
イドする際に、その側部が上記孔の縁部に当接し
得るので、板状体がスライダの長手方向へ不要に
変位するのが防止される特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はプツシユスイツチの従来例の一部切截
縦断面図、第２図〜第４図は夫々本考案になるプ
ツシユスイツチの１実施例の分解斜視図、一部切
截縦断面図及び下方斜視図、第５図は上記プツシ
ユスイツチのスライダ及びロツク板の下方斜視図
である。 １，１１……プツシユスイツチ、２，２１……
機枠、３，１２……ケース、４，１７……スライ
ダ、４ａ，１６ｂ……ハート型カム溝、５……ロ
ツクピン、６……ストツパー、７，１５……固定
端子、８……板バネ、９，１８，２０……コイル
バネ、１０，２２……基板、１３ｆ……突条、１
３ｇ……段部、１３ｈ……傾斜部、１６……ロツ
ク板、１９……可動接点板、２１ｇ……ストツパ
ー部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケース内にケース長手方向にスライド自在に収
   納したスライダと一体的に突設したピンに対しハ
   ート型カム溝を係合させてスライダの押込位置及
   び復帰位置を決める構成であり、該ハート型カム
   溝が該ピンの戻りを防止する段部を有する構成で
   あるプツシユスイツチにおいて、該ケースにケー
   ス長手方向と直交する方向にスライド自在に支承
   された板状体に上記ハートカム溝を形成し、且
   つ、該ケースの板状支承部を、該板状体が傾斜す
   ることによつて該ピンが該ハートカム溝の該戻り
   防止用段部を乗り越えるように該板状体の必要に
   応じた傾斜動作を許容する傾斜部を有し、更に該
   ケースの両側に該板状体を嵌挿し、その両端を常
   時該ケースの外方に突出せしむる孔を形成した構
   成としてなることを特徴とするプツシユスイツ
   チ。