JPS6324561Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は、灯体周側に複数個の爪部を付けた車輛
用灯具の、とくに該爪部の構造に関するもので、
その目的とするところは、車体への取付時の機械
的強度の増大および製造上の寸法の安定性を共に
計り、優れた耐振性構造の車輛用灯具を提供せん
とすることにある。

通常行われている車輛用灯具の車体への取付を
みると、車体の所定位置にあけられたビス孔に、
灯具内部より挿通されたボルトの先端を入れ、車
体内部で該先端をナツト締めする方法が、極めて
取付作業性に劣り、且つ工具等を必要とすること
から、近年、灯具に弾性を有する係合片を設け、
弾力的に車体と係合する手段が講ぜられている。

しかし乍ら、単に車体に弾力的に係合すると云
うだけで、係合片自体の構造に充分な検討がなさ
れておらず、機械的強度に劣り、時には折損す
る、のみならず、製造上、正確な寸法に仕上がら
ない等、結局、係合および耐振性構造において未
だなお欠点を有する。

本案は、斯かる欠点を可及的に解消せんとする
もので、図面を参照の上、その一実施例につき、
具体的構成を詳述する。

第１図は、車体に取付けられた状態の本案の平
面図で、同図中、Ｌは、例えば両側をビスｂで後
記する灯具Ｂに固定されるレンズ、Ｂは、細長に
形成された筐状を呈する灯具、ｈは、灯具筐体の
外周側に複数個、例えば同図々示のよう４箇所に
設けた長手方向に幅をもつ該灯具と一体に成形さ
れた爪部で、同図ａ−ａ線における車体Ｓに取付
けられた灯具Ｂの係合状態の拡大断面図を第２図
に示す。そして同図に示すよう、灯具Ｂの長手方
向に幅をもつ爪部ｈは、灯具筐体外周側下端面よ
り一部が延長され、該筐体外周側と爪部ｈとの間
に折返されて外側後方にＵ字状を呈するよう形成
され、その先端には外側前方に向けた斜面を有す
る鈎部Ｋが形成されている。

更に、前記折返し部分の内壁には、爪部ｈの長
手方向中央部に、該内壁と前記灯具筐体の外周側
に対し直交するよう板状のビードｂが形成されて
いて、ここにビードｂは、灯具Ｂの周側の２分に
１以下より爪部ｈの内壁の２分の１以上の位置
に、頂面が爪部ｈの内壁に向けて尖頭状となるよ
う形成されており、同図矢印方向からみたビード
ｂの構造を、同図右側楕円点線内に示す。

そして、灯具Ｂの周側下端より後方にＵ字状を
呈するよう一部延長形成された複数個の爪部ｈ
と、これら爪部の各内壁に直交するごとく形成さ
れた各ビードｂは、該灯具Ｂと一体成形されてい
る。又、Ｈは、車体Ｓの内側に向けて延長させ、
前記灯具Ｂの爪部ｈに鈎部Ｋと対抗しこれに係合
するよう、その先端に突起K′の形成された係合
片で、該各突起K′間の距離より前記各鈎部Ｋ間
の寸法が、係合前大となるように形成されてい
る。

本案は、叙上の構成よりなり、次に取付の態様
と共に作用効果について述べると、灯具Ｂを車体
Ｓの各係合片Ｈ第２図左方にみられるように、前
方よりそのまゝ素手で押し込むとよく、この際、
係合状態の要部のみを拡大断面図的に示す第３図
イにみられるように、取付前は、爪部ｈはビード
ｂにより各係合片Ｈの各突起k′間の寸法より充分
大となるよう開いた状態にあり、次に灯具Ｂが押
込まれると同図ロにみられるように、係合片Ｈの
機械的抵抗を受け、この際、係合片Ｈの突起
K′と爪部ｈの鉤部Ｋとが摺動接触するや、該爪
部が灯体Ｂ側に最大圧縮されるが、該灯体の外側
と爪部ｈとの間に一体成形した該爪部先端に向け
て細長とされ、該爪部内壁の長手方向中央部に該
内壁に直交する如く形成されたビードｂの存在に
より、とくに爪部先端が、充分圧縮状態に弾力的
に耐抗力をもち、更に灯体Ｂが押込まれると、同
図ハにみられるように、突起K′に鉤部Ｋが弾力
的に係合し、斯くして灯体Ｂの離脱を阻止し、車
体Ｓに弾力的係合を保持し続ける。

本案によれば、叙上のように灯体Ｂより爪部ｈ
の先端に向けて細長とした板状を呈し該爪部に交
叉するよう成形されたビードｂが形成されている
ので、爪部ｈが、圧縮力に耐え、且つ充分な複元
力を有するため、車体への取付中、充分な機械的
強度を保ち、しかも、弾力的に係合状態を維持し
続けるので、係合力が大きく、且つ密着状態も良
好となる、のみならず、ビードｂの存在により、
製造金型における注造上の位置規制が安定し、灯
体自体に期待される正確な寸法に造り易い等、斯
くして本項冒頭に述べた所期の目的を充分達成し
得る耐振性に優れた良好な製品を提供できる優れ
た効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の実施例を示すもので、第１図は車
体に灯具を取付けた平面図、第２図は第１図のａ
−ａ線における断面図とその一部拡大図、第３図
イ，ロ，ハは係合片と爪部の係合過程を示す要部
拡大断面図である。 Ｂ……灯具、ｂ……ビード、b′……ビス、Ｈ…
…係合片、ｈ……爪部、Ｋ……鉤部、K′……突
起、Ｌ……レンズ、Ｓ……車体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 細長とされた筐状を呈する灯具Ｂと、該灯具前
   面に固定されるレンズＬと、からなり、前記灯具
   Ｂの周側下端面には、前記灯具筐体の外周側と後
   記する爪部との間に折返されてＵ字状を呈するよ
   う形成すると共に前記外周側長手方向に幅をもつ
   複数個の爪部ｈが形成され、該各爪部の先端には
   外側前方に向けて斜面を有する鈎部Ｋを備え、前
   記折返し部分の内壁には、爪部ｈの長手方向中央
   部に該内壁と前記灯具の外周側に対し直交するよ
   う板状のビードｂが爪部ｈの内壁に向けて尖頭状
   となるよう形成され、前記爪部ｈ、ビードｂは、
   前記灯具Ｂと一体形成され、前記各爪部が、車体
   に設けられた灯具係合片の前方より挿入されて弾
   力的に係合保持されることを特徴とする車輛用灯
   具。