JPS632438B2 - - Google Patents

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JPS632438B2
JPS632438B2 JP57067323A JP6732382A JPS632438B2 JP S632438 B2 JPS632438 B2 JP S632438B2 JP 57067323 A JP57067323 A JP 57067323A JP 6732382 A JP6732382 A JP 6732382A JP S632438 B2 JPS632438 B2 JP S632438B2
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salt
water
methanol
culture
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JP57067323A
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Kuniomi Matsumoto
Takashi Shomura
Masaru Shimura
Tetsuo Watanabe
Tatsuo Ito
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Meiji Seika Kaisha Ltd
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Meiji Seika Kaisha Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Compounds Of Unknown Constitution (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規な抗生物質SF−2185物質および
その塩、その製造法ならびにそれらを有効成分と
する植物病害防除剤に関するものである。 本発明者らは有用微生物の発見とその利用法に
関する研究を長期間にわたつて続けて来た過程に
おいて、ダクチロスポランギウム属に属するある
菌株の培養液中に、一般的な栄養寒天培養基上で
の抗菌試験ではほとんど抗菌活性を示さないにも
かかわらず植物を用いた病害防除試験で抗菌活性
を示して植物病害、特にイネの重要病害であるい
もち病や、広範な農園芸作物の重要病害であるべ
と病、疫病を低濃度で防除し得る物質が生産され
ていることを見出した。そして、その有効物質を
培養物から純粋に単離してSF−2185物質と命名
し、その理化学的性質を測定し新規な抗生物質で
あることを確認して本発明を完成した。 従つて第一の本発明は新規抗生物質SF−2185
物質およびその塩を要旨とする。本発明のSF−
2185物質の理化学的性質を更に詳しく記載すると
次の通りである。 (1) 分子式 C5H7NO3 (2) 元素分析値(重量%) C H NO 実測値 46.29 5.22 10.67 (37.82) 理論値 46.51 5.43 10.85 37.21 (3) 分子量(マススペクトルによる) 129 (4) 融 点 111〜112℃(昇華性) (5) 紫外部吸収スペクトル 220nm〜370nmに特徴的な紫外部吸収極大が
ない。 (6) 赤外線吸収スペクトル(KBr法) 第1図に示す。 (7) 核磁気共鳴スペクトル 第2図〔プロトンNMR(重アセトン中)〕お
よび第3図〔C−13NMR(重アセトン中)〕に
示す。 (8) 溶剤に対する溶解性 水、メタノール、エタノール、酢酸エチル、
クロロホルム、ベンゼン、トルエンに可溶であ
る。 (9) 呈色反応 グレイグ・リーバツク(Greig−Le−
aback)反応に陽性、ニンヒドリン、硫酸、過
マンガン酸、エールリツヒ反応に陰性であり、
元素定性分析で窒素の存在を示す。 (10) 酸性、中性、塩基性の区別 酸性 (11) 安定性 塩基性から中性にかけて安定であるが酸性に
おいて不安定である。 (12) 外観 無色針状晶 (13) シリカゲル薄層クロマトグラフイーのRf値
【表】 (7:2:1容量比)
クロロホルム−メタノール(1:2容量比) 0.57
さらに本発明のSF−2185物質は酸性物質であ
り、従つてその酸基の水素が広範なカチオンと入
れ代つて塩を形成し得る。このようにしてSF−
2185物質と塩を形成するカチオンとしては、アル
カリ金属又はアルカリ土類金属の如き無機金属の
カチオン、あるいは無機非金属カチオン、アンモ
ニウムイオン若しくはカチオン型界面活性剤があ
げられる。更に、SF−2185物質は広範な塩基性
物質例えば各種アミノ酸類、脂肪族、芳香族、脂
環族、複素環式、多環式アミンまたはアンモニウ
ム類、さらには塩基性抗生物質などと付加的に結
合して塩基付加塩を形成し得る。 従つて、本発明においてSF−2185物質の塩と
は、理化学的に許容し得、実用上利用し得るSF
−2185物質のカチオン塩並びに塩基付加塩のすべ
てを包含する。SF−2185物質の塩の代表例とし
ては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、
アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム
塩、トリエチルアミン付加塩があげられる。 そのようなSF−2185物質の塩の1例としてナ
トリウム塩は下記の理化学的性質を有する。 (1) 分子量(マススペクトルによる) 151 (2) 融 点 明確な融点を示さず、290〜295℃で褐変、分
解する。 (3) 紫外部吸収スペクトル 220nm〜370nmに特徴的な紫外部吸収極大が
ない。 (4) 赤外線吸収スペクトル(KBr法) 第4図に示す。 (5) 溶剤に対する溶解性 水、メタノールに可溶、エタノールに難溶、
酢酸エチル、クロロホルム、ベンゼン、トルエ
ンに不溶である。 (6) 呈色反応 グレイグ・リーバツク(Greig−Le−
aback)反応に陽性、ニンヒドリン、硫酸、過
マンガン酸、エールリツヒ反応に陰性である。
元素定性分析で窒素の存在を示す。 (7) 外観 無色針状晶 (8) シリカゲル薄層クロマトグラフイーのRf値 展開溶媒 Rf値 ブタノール−メタノール−水 (1:1:1) 0.72 イソプロパノール−酢酸−水 (7:2:1) 0.34 クロロホルム−メタノール (1:2) 0.57 また、第二の本発明によると、ダクチロスポラ
ンギウム属に属するSF−2185物質生産菌を培養
し、得られた培養物からSF−2185物質又はその
塩を採取することを特徴とするSF−2185物質又
はその塩の製造法が提供される。 さらにまた、第三の本発明によると、SF−
2185物質又は塩の少なくとも一つを有効成分とす
ることを特徴とする植物病害防除剤が提供される
ものである。 本発明の方法に使用されるSF−2185物質生産
菌としては、その培養物中に採取するに充分な量
のSF−2185物質を生産する能力を有するもので
あればいかなるものであつてもよいが、このよう
な菌株の一例としては、本発明者らにより、岐阜
県多治見市虎溪山の土壌より新たに分離された
SF−2185株がある。 該菌株の菌学的性状は下記の通りである。 形 態 基生菌糸はよく分枝して直線状ないし波状に伸
長し、直径は約0.5〜0.7ミクロンである。寒天培
地及び液体培地のいずれにおいても基生菌糸の分
断は通常観察されない。気菌糸はほとんど見られ
ず事実上形成しないと思われる。SF−2185株は
寒天培地の表面ないし寒天培地中の基生菌糸に1
個ないしタフト状の胞子のうを形成する。胞子の
うはオートミール寒天、リンゴ酸カルシウム寒天
等で多数観察される。胞子のうは指状で、大きさ
はおよそ1.0〜1.5×4.5〜8.0ミクロンである。各
胞子のうは中に一列に3〜5個の胞子を含む。胞
子は水中で遊走性を示し、形は球形、楕円形ない
し短円筒型で表面は平滑(Smooth)であり、大
きさは0.8〜1.5×1.0〜2.0ミクロンである。 基生菌糸には胞子のうとは別に大きさ1.5〜2.5
×2.0〜2.8ミクロンの球状体が多数観察される。 各種培地上の生育状態 SF−2185株の各種培地上の生育状態は次表に
示す通りである。色の記載について〔 〕内に示
す標準はContainer Corporation of America社
製の「Color Harmony Manual」を用いた。観
察は28℃、14日〜21日培養後に行つた。
【表】 生理的性質 (1) 生育温度範囲:イースト麦芽寒天において
15〜40℃の温度範囲で生育し、26〜32℃で良
好に生育する。 (2) ゼラチンの液化:陰性(20℃、21日培養) (3) スターチの加水分解:陽性(28℃、14日培
養) (4) 硝酸塩の還元:陰性(28℃、14日培養) (5) 脱脂乳のペプトン化:陰性(28℃、14日培
養) 脱脂乳の凝固:陰性(28℃,14日培養) (6) 耐塩性:食塩1.5%添加培地ではわずかに
生育するが3.0%以上では生育しない。 (7) メラニン様色素の生成:陰性 炭素源の利用性〔ルーデマン培地(Intern,
J.Syst.Bact・21:240〜247,1971)使用〕 D−グルコース,D−フラクトース,D−キシ
ロース,L−アラビノース,D−マンニトール,
L−ラムノース及びシユクロースを利用するが、
i−イノシトール,ラフイノース及びグリセロー
ルは利用しない。 細胞壁組成 ベツカー(Becker)らの方法〔Appl・Mi−
crobiol・13:236(1965)参照〕により分析した
結果、細胞壁組成成分中のジアミノピメリン酸は
主にヒドロキシ型であつた。 以上の性状よりSF−2185株は放線菌の中でダ
クチロスポランギウム(Dactylosporangium)
属に属する菌株である。本発明者らはSF−2185
株をダクチロスポランギウム・エスピー・SF−
2185(Dactylosporangium sp・SF−2185)と称
することにした。本菌株は微工研に昭和57年1月
20日に受託されており、その微工研受託番号は
FERM P−6308である。 SF−2185株は他の放線菌の場合にみられるよ
うにその性状が変化しやすく、例えば紫外線、エ
ツクス線、放射線、薬品等を用いる人工的変異手
段で変異しうるものであり、このような変異株で
あつてもSF−2185物質の生産能を有するダクチ
ロスポランギウム属の菌はすべて本発明の方法に
使用することができる。 本発明の方法では、SF−2185株を通常、微生
物が利用しうる栄養物を含有する培地で培養す
る。例えば、炭素源としてグルコース、シユクロ
ース、デキストリン、澱粉、水あめ、糖みつ、植
物油、動物油等を使用しうる。又、窒素源として
大豆粉、小麦盃芽、ペプトン、肉エキス、酵母エ
キス、コーンステイープリカー、硝酸ソーダ、硫
酸アンモニウム等を使用しうる。その他、必要に
応じて炭酸カルシウム、塩化カリウム、燐酸塩等
の無機塩類を添加するほか、菌の発育を助け、
SF−2185物質の生産を促進するごとき有機物及
び無機物を適当に添加することができる。 培養法としては、一般抗生物質生産の方法と同
じく好気的条件下での培養法であれば、いかなる
方法を適用してもよいが、深部培養が最も適して
いる。 培養に適した温度は20〜35℃であるが、多くの
場合26〜32℃の付近で培養を行うのが好ましい。
SF−2185物質の生産は振盪培養、タンク培養共
に2〜10日で蓄積が最高に達する。 SF−2185物質は一般的な栄養培地を用いるイ
ン・ビトロの生物検定法においては各種微生物に
対して抗菌力が極めて弱いかほとんど抗菌力を示
さない。従つてこのような方法を検定法として用
いるのは困難であり、SF−2185物質の検定には、
本発明者らは後の試験例2に記載する方法を用
い、SF−2185物質のキユウリべと病に対する防
除効果を試験することによつて行つた。このイ
ン・ビボの検定方法によれば6.25mcg/ml以上の
濃度でSF−2185物質を検出することが可能であ
る。 本発明により得られるSF−2185物質は、水易
溶性の酸性抗生物質である。本発明の方法におい
て、これを培養物より採取するに当つては、例え
ば培養地より菌体その他を除去して培養液を
得、さらに活性炭末により吸着、「アンバーライ
トIRA400」(米国、ローム・アンド・ハース社
製)、「ダウエツクス1×2」(米国、ダウ・ケミ
カル社製)、「DEAE セフアデツクス」(フアル
マシア・フアインケミカル社製)等の陰イオン交
換樹脂による吸着、あるいは「セフアデツクスG
−10」(フアルマシア・フアインケミカル社製)
等のゲル過樹脂によるクロマトグラフイー等に
よつて採取及び精製純化することができる。ある
いは精製操作の適当な工程において適当な方法例
えば溶液のPH調整あるいは「アンバーライトIR
−120」(米国、ローム・アンド・ハース社製)、
「ダウエツクス50W×2」(米国、ダウ・ケミカル
社製)等の陽イオン交換樹脂を用いる等の手段に
よつてSF−2185物質を遊離酸とし、適当な溶媒、
たとえばn−ブタノール、酢酸エチル、ベンゼ
ン、トルエン、クロロホルム等を用いて液−液分
配によつて取得することができ、またはSF−
2185物質の遊離酸を含む液を濃縮乾固し、上記の
如き溶媒を用いて可溶部を分別取得し、適当な溶
媒系を用いて「セフアデツクスLH−20」(フア
ルマシア・フアインケミカル社製)あるいはシリ
カゲル等を使用してクロマトグラフイーを行うか
または適当な溶媒例えばクロロホルム、ベンゼ
ン、トルエン等からの再結晶をくり返すことによ
つて純化することもできる。さらにSF−2185物
質が昇華性であることを利用して純化することも
可能である。 具体的には下記の採取方法が効果的である。す
なわち、培養液中に生産、蓄積された有効物質
をPH2で活性炭に吸着させ、稀アンモニア水で溶
出する。溶出液を減圧濃縮してアンモニアを溜去
し、弱酸性ないし中性液としたのち活性炭カラム
を通過させて不純物を除去する。これをさらに
「DEAEセフアデツクス」(Cl-型)、「セフアデツ
クスG−10」、活性炭、「アンバーライトIR−
120」、「セフアデツクスLH−20」シリカゲルカ
ラムクロマトグラフイー、等を適宜組み合わせる
ことにより高純度のSF−2185物質を得ることが
できる。 以上の方法で得られるSF−2185物質はメタノ
ール、エタノール、ベンゼン、トルエン、クロロ
ホルム等の適当な溶媒を用いて結晶化することに
より無色結晶性のSF−2185物質またはカチオン
塩として得られる。 植物病原菌に対するSF−2185物質の抗菌活性
について次に記載する。 SF−2185物質の植物病原性細菌および糸状菌
に対する最少発育阻止濃度を寒天平板希釈法によ
つて試験した。細菌類に対しては向・渡辺培地
を、糸状菌類に対してはツアペツク培地を用い
た。その試験結果を次表に示す。
【表】 上記の表から明らかな如く、本発明によるSF
−2185物質またはその塩は試験管内では植物病原
細菌や糸状菌にほとんど抗菌性を示さない。それ
にもかかわらず植物を用いた接種実験においては
高い生体内抗菌活性を示し、植物病害、特にべと
病、疫病、イネいもち病等に対して極めて低濃度
で顕著な防除効果を示す。従つてSF−2185物質
またはその塩を植物病害防除剤として使用するこ
とが可能である。 本発明による植物病害防除剤は、有効成分が前
記の新規抗生物質SF−2185物質ないしその塩で
ある以外は一般の農園芸用薬剤、特に殺菌剤とし
て採用し得る任意の形態ないし、使用態様をとる
ことができる。 具体的には、たとえば本発明のSF−2185物質
ないしその塩をそのまま、または水、固体粉末、
その他の適当な担体を用いて希釈し、必要に応じ
て展着剤等の補助剤を加えて使用するか、あるい
は農薬製造に一般的に使用されている方法によつ
て各種の液体または固体担体と混合し、必要なら
ば湿展剤、展着剤、分散剤、乳化剤、固着剤、滑
沢剤等の補助剤を加え、水和剤、液剤、乳剤、粉
剤、粒剤、微粒剤等の種々の製剤形態にして使用
することができる。さらに、SF−2185物質が昇
華性を有するという性質に着目して、適当な燃焼
剤、助燃剤、温度調節用の補助剤等を適宜配合
し、燻蒸剤として使用することもできる。 これらの製剤を製造するに当つて、液体担体と
しては、本発明のSF−2185物質ないしその塩に
対して溶剤となり得るもの、または補助剤等によ
つて分散もしくは溶解させ得るものが用いられ
る。たとえば、液体担体としては水、芳香族炭化
水素類、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素
類、アルコール類、エステル類、エーテル類、ケ
トン類、アミド類、ジメチルスルホキシド等の各
種溶媒類など、固体担体としては、粘土、カオリ
ン、タルク、硅藻土、ベントナイト、炭酸カルシ
ウム、シリカ等の鉱物質粉末類、砂礫類、木粉そ
の他の有機質粉末および粒状物を用いることがで
きる。 補助剤としては非イオン、陰イオン、陽イオ
ン、両性各界面活性剤、リグニンスルホン酸ある
いはその塩、ガム類、脂肪酸またはその塩類、多
糖類、ポリアルコール類樹脂類等があげられる。
燃焼剤としては、たとえば炭末、木粉その他の燃
焼可能な有機質材料、硝石、硝酸ナトリウム、硝
酸カリウム等の無機硝酸塩類、硝酸セルロース等
の有機硝酸塩類、過塩素酸塩類、各種過酸化物等
があげられる。 本発明の植物病害防除剤は農園芸作物の茎葉に
散布あるいは燻煙して用いることができるほか種
子等に粉衣あるいは浸漬施用するなど固着または
浸透せしめて使用することもできる。また、植物
自体でなく水面や水中、あるいは土壌表面や土壌
中等の、作物の生育環境に適用することができ
る。その場合には、両立性の農園芸用薬剤ないし
肥料を混用することもできる。そのような農園芸
用薬剤には、たとえば各種の殺菌剤、殺虫剤、除
草剤、植物生長調節剤などがある。 本発明の植物病害防除剤を液剤として使用する
場合には、通常、散布液中に本発明のSF−2185
物質ないしその塩が5ないし1000ppmの濃度で含
まれるようにするのが望ましく、(濃度少量散布、
航空機散布等の場合には、必要に応じてより濃厚
な薬液として使用することができる)、粉剤、粒
剤、微粒剤等として用いる場合には0.1ないし30
%含まれるようにすることが望ましく、燻煙剤等
として用いる場合には5ないし50%含まれるよう
にすることが望ましい。 施用量は対象病害の種類および程度、対象作物
の種類、生育状態、施用態様その他によつて変化
するが、例えば水田でイネの病害防除に使用する
際の例をあげれば、粒剤ならば10アール当りSF
−2185物質の2ないし10Kg、粉剤等ならば10アー
ル当り2ないし10Kgの施用量が一般的であり、ま
た水和剤あるいは乳剤ならば10アール当り50ない
し5000倍液を5ないし200程度の施用量が一般
的である。 以下に本発明の実施例を示すが本発明は下記の
諸例に限定されるものではなく、ここに例示しな
い多くの変形あるいは修飾手段を採用し得ること
はいうまでもない。 実施例 1 SF−2185物質製造 (イ) 種菌としてダクチロスポランギウム・エスピ
ー・SF−2185株(FERM P−6308)を用い、
種培地として澱粉2.0%、グルコース1.0%、小
麦胚芽0.6%、ポリペプトン0.5%、酵母エキス
0.3%、大豆粉(微粉末)0.2%、炭酸カルシウ
ム0.1%(殺菌前PH7.0)の組成からなる培地を
用いた。 オートミール寒天斜面に28℃、14日培養した
種菌3白金耳を100ml容三角フラスコ中20mlの
上記種培地に接種し、28℃で3日間振盪培養す
る。 次いでこの種培養(第1種培養)4mlを500
ml容三角フラスコ中80mlの上記種培地に接種
し、28℃で2日間振盪培養しこれを第2種培養
とする。この第2種培養30mlをさらに5容三
角フラスコ中600mlの上記種培地に接種し、28
℃で2日間振盪培養し、これを第3種培養とす
る。 かくして得られた第3種培養の全量を30容
シヤーフアーメンター中20の生産培地に接種
する。 生産培地として澱粉3.0%脱脂大豆粉1.5%、
サングレイン(サントリー製)0.8%、コーン
ステイープリカー1.0%、炭酸カルシウム0.3
%、塩化ナトリウム0.1%、硝酸マグネシウム
0.05%、塩化コバルト0.001%、(殺菌前PH7.0)
の組成からなる培地を使用した。 培養は28℃で4日間、通気撹拌培養方式で行
つた。 (ロ) 培養終了後この培養物に過助剤「ハイフロ
スーパーセル」を加えて過し、水洗液を加え
て液15を得た(PH8.2)。この液に塩酸を
加えてPH2とし、再び過し、活性炭1.5の
カラムに通すとSF−2185物質は活性炭に吸着
された。7.5の水で水洗後0.2Nアンモニア水
15で溶出し、1.5ずつ分画すると1〜2番
目の分画に活性区分が得られた。この分画を減
圧濃縮して約100mlとし、これにメタノール1
を加えて沈澱を生ぜしめ、ガラスフイルター
で過し、液を減圧下濃縮乾固して15gの粗
SF−2185物質を得た(純度約10%)。 (ハ) 上記のSF−2185物質含む粗粉末5gを5ml
の蒸留水で溶解し(PH5.13)、100mlの活性炭カ
ラムに添加し、次いで1の水を通過させ通過
液を減圧下で濃縮乾固して1.4gの粉末(純度
25%)を得た(収率68.5%)。これを2mlの蒸
留水で溶解し、DEAEセフアデツクス(Cl-型)
100mlのカラムの上部にのせ、蒸留水250mlと
0.5M食塩水を用いて濃度勾配クロマトグラフ
イーを行い、10mlずつ分画すると25〜35本目に
活性区分が溶出した。この分画を集め、PH2に
調整したあと20mlの活性炭カラムに通してSF
−2185物質を吸着せしめた。硝酸銀による塩素
の呈色反応が無くなるまで蒸留水で洗滌したの
ち0.2Nアンモニア水200mlで溶出、減圧下で濃
縮し、アンモニアを溜去したのちIR−120(H+
型)20mlのカラムを通し、次いで蒸留水100ml
を通してSF−2185物質(遊離酸)溶液を得た。
この溶液を減圧下濃縮乾固し、クロロホルムに
溶解して不溶物を除き、次いでトルエンから再
結晶して純粋なSF−2185物質(遊離酸)の針
状結晶207.9mg(収率41.5%)を得た。 (ニ) 同様にしてSF−2185物質粗粉末5gを用い
て活性炭処理、DEAEセフアデツクス(Cl-型)
クロマトグラフイー、活性炭吸着溶離による脱
塩を行つたあと、溶離液を濃縮してキーゼルゲ
ル60F−254薄層(20×20cm、厚さ2mm)に画
線添付し、イソプロパノール・酢酸・水(7:
2:1)を展開溶媒として展開、活性分画を含
むシリカゲルを削り取つてメタノールで抽出し
た。抽出液を濃縮後、ブタノール・水(1:
1:1)を展開溶媒として、再度シリカゲル薄
層クロマトグラフイーを行つた。活性区分を削
り取りメタノールで抽出し、濃縮後少量の濃ア
ンモニア水を加えると結晶が析出した。この結
晶を別し、186mg(収率37.2%)を得た。こ
の結晶は機器分析の結果、SF−2185物質ナト
リウム塩であつた。 本発明のSF−2185物質の植物病害防除剤の製
剤のいくつかについて実施例を示せばたとえば以
下の通りである。 実施例 2 水和剤 重量部 SF−2185物質ナトリウム塩 20 クレー 30 硅藻土 45 リグニンスルホン酸カルシウム 3 ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル2 上記の成分物質を均一に粉砕混合すれば有効成
分20%を含む水和剤を得る。 実施例 3 乳 剤 重量部 SF−2185物質 20 キシレン 65 ポリオキシエチレンラウリルフエニルエーテル
10 アルキルベンゼンスルホネート 5 上記の各成分を混合溶解させれば有効成分20%
を含む乳剤を得る。 実施例 4 粒 剤 重量部 SF−2185物質 5 クレー 92 カルボキシメチルセルロース 3 上記の成分物質を混合し、適当量の水を加えて
練合し、成型乾燥すれば有効成分5%を含む粒剤
を得る。 実施例 5 粉 剤 重量部 SF−2185物質ナトリウム塩 3 ステアリン酸カルシウム 1 無水硅酸粉末 1 クレー 50 タルク 45 上記の成分を均一に混合粉砕すれば有効成分3
%を含む粉剤を得る。 次に試験例によつて本発明のSF−2185物質を
含む植物病害防除剤の有効性を説明する。 試験例 1 イネいもち病防除効果試験 (i) 散布効果試験 直径6.5cmの樹脂製ポツトで育苗した4葉期の
稲苗(品種;十石)に前記の実施例2により製剤
した水和剤を所定濃度の散布液に希釈調整してス
プレーガンを用いて3ポツト当り40ml宛を散布し
た。風乾後24℃の湿室に入れ、イネいもち病菌
(Pyricularia oryzae CAVARA)の胞子懸濁液
を均一に噴霧して接種し、一夜湿室に保つたの
ち、人工気象室内に移して発病させた。接種7日
後に発病した病斑数を計数調査し、下記の式によ
つて防除価を算出した。 防除価(%) =(1−処理区の平均病斑数/無処理区の平均病斑
数)×100 試験の結果を示せば第3表の通りである。
【表】 (ii) 土壌表面施用効果試験 上記散布試験の場合と同様にして生育せしめた
イネ苗(1区3ポツト宛)を用い、ポツトの土壌
表面に実施例4の粒剤を所定量宛均一に散粒して
施用し、このポツトを別の容器に入れて湛水状態
に保つた。5日後に散布試験の場合と同様にして
接種、発病させ7日後に調査して防除価を算出し
た。 試験の結果を示せば第4表の通りである。
【表】 試験例 2 キユウリべと病防除効果試験 3号素焼鉢に3本宛育苗したキユウリ苗(品
種;ときわ地這)の第2本葉展開期のものを用
い、SF−2185物質を所定濃度になるように溶解、
調製した薬液で処理した。散布試験の場合には、
1区3ポツト当り40ml宛をスプレーガンを用いて
葉の表裏に均一に散布して風乾後に、また潅注試
験の場合には1区3ポツトを用い1ポツト当り40
ml宛を土壌表面から潅注して2日後に接種を行つ
た。接種は上記の如く薬剤施用した供試植物を24
℃の湿室に入れキユウリべと病菌
(Pseudoperonospora cubensis ROSTOW)の
分生胞子懸濁液を均一に噴霧することにより実施
した。1夜湿室に保つたのち人工気象室に移して
発病せしめ、7日後に発病の程度により、無発病
を0、葉全体が発病している場合5、その中間に
1〜4の指数を与えて調査し、下記の式によつて
防除価を算出した。 防除価(%)= (1−薬剤処理区の平均発病指数/無処理区の平均
発病指数)×100 試験の結果を示せば第5表の通りである。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のSF−2185物質の赤外線吸収
スペクトル(KBr法)、第2図はSF−2185物質の
プロトンNMR(重アセトン中)、第3図はC−13
NMR(重アセトン中)、第4図はSF−2185物質ナ
トリウム塩の赤外線吸収スペクトル(KBr法)
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の理化学的性質を有すること、すなわち
    SF−2185物質(遊離酸型)は融点111〜112℃
    (昇華性)の無色針状晶を呈す酸性物質であつて、
    その分子式はC5H7NO3、分子量(マススペクト
    ルによる)は129、その紫外部吸収スペクトルに
    おいて220nm〜370nmに特徴的な紫外部吸収極大
    を示さず、水、メタノール、エタノール、酢酸エ
    チル、クロロホルム、ベンゼン、トルエンに可溶
    であり、グレイグ・リーバツク反応に陽性、ニン
    ヒドリン、硫酸、過マンガン酸、エールリツヒ反
    応に陰性であり、シリカゲル薄層クロマトグラフ
    イーにおいて展開溶媒n−ブタノール−メタノー
    ル−水(1:1:1)で展開すると、Rf値0.72;
    イソプロパノール−酢酸−水(7:2:1)で展
    開すると、Rf値0.34;クロロホルム−メタノール
    (1:2)で展開すると、Rf値0.57であり;SF−
    2185物質ナトリウム塩は分子量(マススペクトル
    による)151で明確な融点を示さずに290〜295℃
    で褐変分解する無色針状晶を呈し、水、メタノー
    ルに可溶、エタノールに難溶、酢酸エチル、クロ
    ロホルム、ベンゼン、トルエンに不溶であり、グ
    レイグ・リーバツク反応に陽性、ニンヒドリン、
    硫酸、過マンガン酸、エールリツヒ反応に陰性で
    あることを特徴とする、抗生物質SF−2185物質
    およびその塩。 2 ダクチロスポランギウム属に属するSF−
    2185物質生産菌を培養し、得られた培養物から
    SF−2185物質またはその塩を採取することを特
    徴とするSF−2185物質又はその塩の製造法。 3 SF−2185および物質/またはその塩を有効
    成分とすることを特徴とする植物病害防除剤。
JP57067323A 1982-04-23 1982-04-23 新規抗生物質sf−2185物質,その製造法および植物病害防除剤 Granted JPS58185598A (ja)

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