JPS6324369Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は石油フアンヒータ等に用いられる燃焼
装置の点火構成に係るものである。

従来例の構成とその問題点 従来この種の燃焼装置においては第１図に示す
ようにバーナヘツド１の炎孔２に対向させて点火
電極３を設け、この点火電極３からの火花放電を
炎孔２の孔縁に飛ばして点火を行なつていた。と
ころがこの構成のものは点火電極３からの火花が
炎孔２からのガス流と略平行に飛ぶ。すなわちこ
の火花が炎孔２の孔縁に達するまでの間のガスの
状態はほぼ一定である。これは上記火花が飛ぶ所
のガスが着火可能な状態になつていないことが
多々あることを意味し、着火ミスを起すことが
多々あつた。これは液体燃料を気化筒４で気化さ
せ、この気化燃料と空気とを混合させて燃焼させ
るタイプのものにおいて多く発生し、したがつて
このタイプの燃焼装置ではかなりの時間火花放電
を継続しなければならないという問題があつた。

考案の目的 本考案は上記の点に鑑みてなしたもので、点火
の確実化を目的としたものである。

考案の構成 上記目的を達成するため本考案は炎孔の外方に
負極片を対向位置させ、この負極片に点火電極を
対向させて、点火電極からの火花放電が炎孔から
のガス流を横切るようにし、また炎孔に対向して
環状壁を有するアース板を設け、このアース板の
上にバーナヘツドの負極片を位置させたものであ
る。

実施例の説明 以下その一実施例を第２〜５図を用いて説明す
ると、６は上部を開口した有底筒状の気化筒、７
はこの気化筒６に埋設した気化ヒータ、８は上記
気化筒６に燃焼用空気を供給する空気通路で、フ
アン９と連絡している。１０は同気化筒６に燃料
を供給する燃料パイプで、ポンプ１１を介して燃
料タンク１２と連通している。１３は同気化筒６
の外周を囲むバーナケース、１４は上記気化筒６
の上部開口に配設した案内体、１５はこの案内体
１４の上方から気化筒６の上部開口に覆着したバ
ーナヘツドで、有天筒状に形成してあり、その周
壁部１５ａには金網１６を内貼りした複数個の炎
孔１７が形成してある。このバーナヘツド１５は
その周壁部下端のフランジ数箇所を外方へ突出さ
せて突片１８を設け、この突片１８の一つの先端
を折曲して負極片１９としてある。上記負極片１
９は炎孔１７と対応する突片１８の一つに折曲形
成してあり、炎孔１７の外方にこれと対向する如
く位置している。２０は前記気化筒６の開口部外
周に嵌合したアース板で、水平部２０ａの外周縁
に炎孔１７の外周を囲む環状壁２０ｂが形成して
ある。このアース板２０の水平部２０ａ上には前
記バーナヘツド１５に設けた突片１８が位置して
おり、アース板２０はこの突片１８によつて抜け
止めされている。２１は上記バーナヘツド１５の
負極片１９に対向させて設けた点火電極で、その
先端は負極片１９の上端に対向位置させて炎孔１
７からのガス流がこの点火電極２１の先端と負極
片１９との間を横切るようになつており、ガイシ
部分を前記バーナケース１３のフランジ部に貫設
して取付けてある。尚図中２２はアース板２０の
環状壁と対向させて設けたフレームロツドであ
る。

上記構成において、燃料パイプ１０から供給さ
れた燃料は気化筒６内で気化され、空気通路８か
ら供給された空気と混合して炎孔１７から噴出す
る。そしてこの混合ガスは点火電極２１から負極
片１９に向つて飛ぶ火花放電で着火され、燃焼を
開始する。

ここで上記点火電極２１からの火花放電は炎孔
１７から噴出する混合ガス流を必ず横切るように
なる。すなわちこの火花放電が横切る混合ガス流
中の燃料と空気との混合状態は一様ではなく、そ
の中には可燃状態となつている部分がある。した
がつて上記点火電極２１からの火花放電による着
火はかなりの確率で行なわれることになる。特に
上記負極片１９はバーナヘツド１５に一体形成し
てあるから、バーナヘツド１５を気化筒に取り付
けた時に円周方向や水平方向にずれが生じても、
バーナヘツド１５の炎孔１７からの寸法を常に一
定に管理することができ、炎孔１７から噴出され
る混合ガスの中に最も多く可燃状態の成分が含ま
れている所に上記負極片１９を位置させるべく設
定しておくことにより、その着火確率は極めて高
いものとすることができる。

また炎孔１７の外周にアース板２０の環状壁２
０ｂが位置しているので、炎孔１７から噴出した
混合ガスがこの環状壁２０ｂに衝突して点火電極
２１と負極片１９との間にはね返り、燃料と空気
とがほどよく混合された可燃状態の混合ガスが得
られるようになる。したがつて点火電極による着
火の確率はさらに高いものとなる。

また、上記負極片１９を支持する突片１８が前
記アース板２０の水平部２０ａ上に位置してアー
ス板２０の抜け止めをするので、アース板２０を
固定するためのビス等が不要となり、構成の簡素
化が図れる利点がある。

なお上記実施例では液体燃料を用いる燃焼装置
で説明したが、ガスを燃料とした燃焼装置であつ
ても同様である。

考案の効果 以上実施例の説明で明らかなように本考案は炎
孔から噴出する混合ガスを確実に点火することが
できる。したがつて点火電極の放電時間を短いも
のとすることができ、燃焼が開始しているのにも
かかわらずパチパチという放電音が発生して使用
者に不信感を与えるというようなことのない燃焼
装置を提供することができる。加えてこの発明で
はアース板によつて燃料と空気との混合状態が向
上し、着火性能が向上するとともに、バーナヘツ
ドの負板片がアース板の突け止めを行なうので構
成も簡素化できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の燃焼装置を示す断面図、第２図
は本考案の一実施例における燃焼装置の断面図、
第３図は同要部の拡大斜視図、第４図は同要部の
拡大断面図、第５図は同要部の他の部分の拡大断
面図、第６図はバーナヘツドの斜視図である。 ６……バーナ本体（気化筒）、１５……バーナ
ヘツド、１５ａ……周壁部、１７……炎孔、１８
……突片、１９……負極片、２０……アース板、
２０ｂ……環状壁、２１……点火電極。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 気化筒と、この気化筒の開口部に覆着したバー
   ナヘツドと、上記バーナヘツドに火花を飛ばす点
   火電極とを備え、上記バーナヘツドには炎孔を設
   けるとともに、この炎孔の外方に対向位置する如
   く負極片を一体形成し、この負極片に前記点火電
   極を対向させて炎孔からのガス流が前記負極片と
   点火電極との間を横切るようにし、かつ上記気化
   筒の開口部に炎孔と対向する環状壁を設けたアー
   ス板を嵌合し、このアース板の上部にバーナヘツ
   ドの負極片を位置させてアース板の抜け止めをし
   た燃焼装置。