JPS6324031Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は方向指示器の節度装置に関するもので
ある。

従来、方向指示器の節度装置は操作レバーを、
中立位置より左、または右の所定の方向指示位置
に操作すると、該位置で係合拘束され所定の保持
力でその位置を保持すべく前記操作レバーを突出
している可動部材と支持部材との共働でなされる
第１の節度装置を具備している。

更にまた、前記所定の方向指示位置での係合拘
束に至る直前で衝当感触部をなす第２の節度装置
も併設しており該衝当感触部位置で操作レバーを
保持することで方向指示灯を点滅させる電気回路
が形成され車両が車線変更の走行に移るための信
号表示がなされる。また、操作レバーより手を離
すと前記第１の節度装置のもつ復帰力により中立
位置へ自動復帰するものである。

上記、節度装置で重要なことは、中立位置より
所定の方向指示位置まで決められた比較的に小さ
いストローク内で、車線変更の操作のための第２
の節度装置での感触と、方向指示位置での第１の
節度装置による感触が、それぞれ明確で、且つ好
ましい感触であることと共に、該それぞれの位置
で特に車線変更を行う衝当感触部位置で不完全な
接触等がなく、確実に電気回路が形成されなけれ
ばならないことである。

しかしながら従来の、これ等節度装置は第１の
節度装置の節度部材に形成された節度山の斜面部
の頂点の直前に例えば突起、または窪みを設け、
該突起、または窪みに弾接する弾接部材とで衝当
感触を得る構成のものは、可動部材の揺動ストロ
ークとの関連で衝当感触を自在に設定することは
困難であり、不明瞭でもあつた。あるいはまた、
他の実施例として知られている実公昭51−11330
等においては部品点数が多くなり、その構成も複
雑で製造コストも安価に出来ない等の問題が多か
つた。

本考案は叙上の問題点に鑑み案出されたもので
有り、即ち、左右の方向指示位置へのレバー操作
で係合拘束を感知させる第１の節度装置で第１の
弾接部材を弾装する可動部材の反対側の表面に、
該可動部材と一体的に第２の弾接部材を設けると
共に、該可動部材を抑止し前記第２の弾接部材が
当接しスライドする抑え板の内面に窪みを所定個
所に設置し、前記第２の弾接部材との共働で、第
１の弾接部材と別経路で衝当感触を得る構成とし
た部品点数の少ない単純な部品構成で、即ち、抑
え板に一体的に第２の節度装置を設けることによ
り、所望する好ましい衝当感触を自在に選定する
ことの出来る、方向指示器の節度装置を提供する
ことを目的とするものである。

以下、本考案に係る方向指示器の節度装置の好
適な実施例を、添付図面に基づき詳述する。

１は本体ボデーを形成する支持部材であり、中
央部にステアリングシヤフト（図示せず）の挿通
孔１ａを有し、また可動部材２の軸部２ｋを支点
として左右揺動自在に承支する軸孔１ｇを設けて
いると共に、可動部材２を左または右方向への揺
動操作の所定位置で係合拘束するための第１の節
度装置をなす節度山１ｄ先端側に形成すると共
に、該揺動操作に係合してスイツチ作動する方向
指示用スイツチ３を形成するための基板３ａを下
面に備えている。また前記可動部材２は環状をな
し操作レバー４を保持していると共に、他方先端
側突出し部２ａの上面２ｂには切溝２ｈ，２ｊに
より第２の弾接部材２ｄを一体的に形成し、その
中心部には半球状の突起部２ｅを設けている。ま
たその裏面側２ｃには、前記第２の弾接部材２ｄ
に対応せしめ、第１の弾接部材であるスチールボ
ール７及びスプリング６を弾装するための孔２ｆ
が穿設されている。

更に、該突出し部２ａの裏面側２ｃには、前記
方向指示用スイツチ３を形成するための基板３ａ
に具備された、固定接点３ｂ，３ｃ、及び３ｄに
対向して押圧される可動接片３ｅ、スプリング３
ｆを弾装するための孔２ｇが穿設されている。

また更に、環状をなす可動部材２の中央部近辺
の両側の所定位置には、該可動部材２が左、また
は右の方向指示位置へ操作された時、キヤンセル
カム８の回転通路内に介入するように、回転の一
方向が斜面で反対方向が垂直面でなる突起部２
ｍ，２ｎを設置している。

４は可動部材２に保持された操作レバーであ
る。

５は抑え板であり、前記可動部材２の先端部の
突出し部２ａの上面２ｂを抑止すると共に、該上
面２ｂに形成された第２の弾接部材２ｄの中心部
に突設された半球状の突起２ｅが、当接かつスラ
イドして衝当感触を感知させるための窪み５ａ
を、所定個所に設けて、第２の節度装置をなすよ
うに、支持部材１に形成された突設部１ｂ，１ｃ
への緊締具１１で取付けられるものである。さら
に該抑え板５は、その材質を例えば燐青銅の如く
弾性材とし、その一方端へ腕５ｄを一体的に形成
し、更に自由端側先端部に接点５ｅを形成し、ス
テアリングハンドル側（図示せず）へ当接させる
ことでクラクシヨン用ホーン接片をも兼備させる
ことが出来るものである。６はスプリングであ
り、７は第１の弾接部材をなすスチールボールで
ある。

８はキヤンセルカムであり、９は連結部材であ
る。また１０はスプリングであり、これらキヤン
セルカム８、連結部材９、及びスプリング１０は
支持部材１のステアリングシヤフトの挿通孔１ａ
の上方周縁に形成された筒状の軸１ｈへ、スプリ
ング１０を介して回動自在に嵌着されており、ス
テアリングハンドル側に係合される連結部材９
が、ステアリングハンドルの回転操作で、該ステ
アリングハンドルと一体的に回転した時、キヤン
セルカム８も共に一体的に回転されるように、連
結部材９とキヤンセルカム８は回転方向に対して
は係合されており、軸方向に対しては所定間隔だ
け互にスプリング１０の押圧に抗して進退可能に
構成されているものである。１１は抑え板５を支
持部材１に取付けるための緊締具である。

次に上記構成でなる本考案に係る方向指示器の
節度装置の作用について説明する。

操作レバー４を左、または右の方向指示位置方
向へ操作すると、可動部材２の先端側の突出し部
２ａの下面側に弾装された第１の弾接部材である
スチールボール７がスプリング６の押圧力で支持
部材１の節度山１ｄへ押圧されながら中立点であ
る谷部から斜面を登り、該節度山１ｄの頂点１
ｅ、又は１ｆを乗り越える直前で、該スチールボ
ール７の弾装された反対側の上面２ｂに形成され
た第２の弾接部材２ｄの半球状の突起部２ｅが当
接している抑え板５の窪み５ａの周壁５ｂ、また
は５ｃへ第３図の点線で示す如く衝当し、衝当感
触を感知することが出来、該位置で操作レバー４
を保持することで方向指示用スイツチ３がONと
なり、所望する方向の方向指示灯を点滅させるこ
とが出来、即ち手で操作レバー４を保持している
間だけ方向指示灯を点滅させることが出来るもの
であり、この位置で操作レバー４から手を離す
と、可動部材２は弾装されたスチールボール７
が、節度山１ｄの斜面をくだり元の位置谷部に滑
り落ちる作用により、中立位置へ自動復帰される
ものである。かくしてハンドル回転操作の小さい
車線変更等の走行時に使用され、方向指示灯が点
滅作動のままで失念するようなことは生じない第
２の節度装置の作用をなすものである。

又更に、前記衝当感触位置での衝当力に抗して
更に操作レバー４に操作力を加えると、前記可動
部材２で第２の弾接部材２ｄの半球状の突起部２
ｅが、衝当する抑え板５の窪み５ａの周壁５ｂ、
または５ｃを乗上り、続いて第１の弾接部材であ
るスチールボール７が節度山１ｄの頂点１ｅまた
は１ｆを乗り越え反対側の斜面へ押圧されること
となり、即ち所定の方向指示位置に可動部材２は
係合拘束され、所望の方向指示灯が前記衝当感触
より継続して、前記方向指示用スイツチ３により
点滅がなされるものである。かくして通常の方向
指示器の点滅作動がなされる第１の節度装置の作
用をなすものである。

尚ここで車両が所定の方向転換を終了しステア
リングハンドルを元の位置へ復元させるべく反対
方向へ回転操作させた時、該ステアリングハンド
ルの回転と一体的に回転するキヤンセルカム８の
回転軌跡通路内に、可動部材２が左または右の方
向指示位置へ操作された事で、該可動部材２の上
面に設置された突起部２ｍ、または２ｎが前記キ
ヤンセルカム８に係合し、該可動部材は元の中立
位置に自動復帰されるものである。

上記、構成作用をなす本考案に係る方向指示器
の節度装置は次の効果を奏するものである。

車線変更操作のための第２の節度装置を可動部
材、及び抑え板に一体的に形成しているため第２
の節度装置のために特設した部品がなく、極めて
単純な構成となり、また、そのための組付工数も
増加せず、容易に出来、製造コストの安価な節度
装置を提供出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る方向指示器の節度装置の
平面図である。第２図は第１図で矢視線Ａ−Ａ方
向の要部の断面図である。第３図は第１図で矢視
線Ｂ−Ｂ方向の断面図である。第４図は本考案に
係る方向指示器の節度装置の部品構成を示す斜視
図である。 １……支持部材、１ｄ……節度山、２……可動
部材、２ｄ……第２の弾接部材、３……方向指示
用スイツチ、４……操作レバー、５……抑え板、
７……スチールボール、８……キヤンセルカム、
９……連絡部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 操作レバーを有する可動部材と、該可動部材を
   回動自在に承支し本体ボデーをなす支持部材と、
   前記可動部材または支持部材に弾装された第１の
   弾接部材と、該第１の弾接部材に圧接し、かつ可
   動部材を左または右方向への揺動操作の所定位置
   で係合拘束するために前記支持部材または可動部
   材に形成された第１の節度装置と、前記可動部材
   を抑止し支持部材に取付けられた抑え板とでなる
   方向指示器の節度装置において、前記可動部材の
   先端部の突出部上面に切溝を設けることにより形
   成された第２の弾接部材と、該第２の弾接部材に
   当接する弾性体でなる抑え板に第２の節度装置を
   形成したことを特徴とする方向指示器の節度装
   置。