JPS6323815Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、テープカセツト格納箱に関する。

従来の上記テープカセツト格納箱は、テープカ
セツトを収納する凹所が設けられている格納箱本
体と、上記格納箱本体の凹所の開口部を覆い上記
格納箱本体の凹所中に収納されているテープカセ
ツトを格納箱本体と協動して格納する第１の位置
と上記格納箱本体の凹所の開口部から離間し凹所
からの上記テープカセツトの離脱を可能とする第
２の位置との間で回動自在に上記格納箱本体に連
結された蓋とを備えている。

また従来の上記テープカセツト格納箱のあるも
のは、上記蓋の回動中心軸と交差する上記格納箱
本体の１対の側面の一方に係合部材が設けられて
おり、上記１対の側面の他方に同じ構造の別のテ
ープカセツト格納箱の上記２側面の一方の長手方
向に沿つて移動することにより別のテープカセツ
ト格納箱の上記係合部材と係合する被係合部材を
さらに備えている。

係合部材と被係合部材とを備えた従来のテープ
カセツト格納箱の１対を係合部材と被係合部材と
を使用して相互に連結する為には、一方のテープ
カセツト格納箱の上記２側面の一方の長手方向に
沿つて他方のテープカセツト格納箱の上記２側面
の他方を上記一方の側面の長手方向の長さ分だけ
移動しなければならなかつた。また、上記１対の
テープカセツト格納箱の連結を解除するには、上
述したのと同じく他方のテープカセツト格納箱の
上記１対の側面の他方を一方のテープカセツト格
納箱の上記１対の側面の一方の長手方向に沿つて
上記一方の側面の長手方向の長さ分だけ移動しな
ければならなかつた。従つて、係合部材と被係合
部材とをさらに備えた従来のテープカセツト格納
箱の１対を相互に連結する作業および上記１対の
連結を解除する作業は煩雑である。

この考案は上記事情に基づいてなされたもので
あり、この考案の目的は、係合部材と被係合部材
とをさらに備えたテープカセツト格納箱の１対を
相互に連結する作業および上記１対の連結を解除
する作業を簡易にすることができるテープカセツ
ト格納箱を提供することである。

以下この考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図には、この考案の第１の実施例によるテ
ープカセツト格納箱１０およびテープカセツト格
納箱１０に格納されるテープカセツトの一種であ
るマイクロカセツト１２が示されている。テープ
カセツト格納箱１０は、マイクロカセツト１２を
収納する凹所が設けられている格納箱本体１４を
備えている。格納箱本体１４には、蓋１６が連結
されており、蓋１６は、第２図に２点鎖線で示す
如き第１の位置と、第１図および第２図に実線で
示す如き第２の位置との間で回動自在である。こ
の実施例において蓋１６は、第２図に特に詳細に
示す如くマイクロカセツト１２を保持し、保持さ
れたマイクロカセツト１２を蓋１６とともに第１
の位置と第２の位置との間で移動させる為のカン
ガルーポケツト部材１８を備えている。カンガル
ーポケツト部材１８にマイクロカセツト１２を保
持させる為には、第２図に示す如く第２の位置に
配置された蓋１６の裏面に沿つて矢印Ａの方向に
マイクロカセツト１２を押せばよい。またカンガ
ルーポケツト部材１８からマイクロカセツト１２
を離脱させる為には、第２図に示す如く第２の位
置に配置された蓋１６の裏面に沿つて矢印Ａと逆
の方向にマイクロカセツト１２を移動させればよ
い。

この実施例において、蓋１６の回動中心軸２０
は、第２図に示す如く、格納箱本体１４の第１図
に左右の側壁２２，２４の後端部の上端に位置し
ている。従つて蓋１６が第１の位置と第２の位置
との間で回動する時のカンガルーポケツト部材１
８の底壁部２６および後壁部２８の回動軌跡は、
第２図に示す如く、格納箱本体１４の右壁２４お
よび左壁２２の領域内からの外部空間に突出しな
い。従つて、第１図および第２図に示す第１の実
施例のテープカセツト格納箱１０を、テープカセ
ツト格納箱１０の格納箱本体１４を保持する為の
凹所が複数個形成されているブツク形式のバイン
ダの上記凹所の１つに保持させたままで、上記テ
ープカセツト格納箱１０へのマイクロカセツト１
２の格納、および上記テープカセツト格納箱１０
からのマイクロカセツト１２の離脱を行うことが
できる。

またこの実施例において、カンガルーポケツト
部材１８の左壁部３０および右壁部３２の外表面
には、第１図および第２図に示す如く、外部空間
に突出した略半球形状の突起３４が形成されてい
る。蓋１６が第１の位置と第２の位置との間を回
動する時のカンガルーポケツト部材１８の左壁部
３０および右壁部３２の夫々の回動軌跡は、格納
箱本体１４の左壁２２および右壁２４の夫々の内
表面に対して平行である。そして蓋１６が第２図
に２点鎖線で示す如く第１の位置に配置された
時、カンガルーポケツト部材１８の左壁部３０お
よび右壁部３２の夫々の突起３４は、第１図、第
２図および第３図に示す如く格納箱本体１４の左
壁２２および右壁２４の夫々の内表面に形成され
ている凹所３６に係合する。この実施例において
凹所３６は、第１図および第２図に詳細に示す如
く、左壁２２および右壁２４の長手方向に沿つて
長軸を配置した惰円である。従つて、格納箱本体
１４をプラスチツクスの射成成形で形成した時に
発生する熱収縮による凹所３６の設計寸法との寸
法誤差が突起３４と凹所３６との係合の阻害とな
らない。

格納箱本体１４の底壁３８には、第１図ないし
第３図に示す如く、１対のリールハブ回り止め部
材４０，４２が設けられている。１対のリールハ
ブ回り止め部材４０，４２は、カンガルーポケツ
ト部材１８に保持されて蓋１６とともに第２の位
置に配置されたマイクロカセツト１２の１対のリ
ールハブ４４，４６の内周面に設けられている図
示しない半径方向突起と係合し、１対のリールハ
ブ４４，４６の回転を防止する。従つて、テープ
カセツト格納箱１０に格納されているマイクロカ
セツト１２は、テープカセツト格納箱１０の運搬
中に外部空間から加えられる振動による、１対の
リールハブ４４，４６に巻装されている磁気記録
テープ４８のたるみを防止することができるの
で、ワウやフラツタの原因の１つをなくすことが
できるばかりでなく、マイクロカセツト１２のピ
ンチローラおよび磁気ヘツド挿入用窓５０から磁
気記録テープ４８が外部空間に露出して損傷を受
けるのを防止できる。

格納箱本体１４の左壁２２の外表面、即ち格納
箱本体１４の左側面５１の、前端部の上端近傍部
位および下端近傍部位と後端部の上端近傍部位お
よび下端近傍部位には、第１図および第４図に示
す如く、第１ないし第４の係合部材５２，５４，
５６，５８が形成されている。この実施例におい
て、第１および第３の係合部材５２，５６は、左
側面５１に対して略垂直方向に延出した後延出端
が上方に折曲している。また第２および第４の係
合部材５４，５８は左側面５１に対して略垂直方
向に延出した後延出端が下方に折曲している。そ
して第１の係合部材５２と第３の係合部材５６と
の間には、第１図および第３図に示す如く、左側
面５１に対して略垂直方向に延出した第１の案内
板６０が第１の係合部材５２の延出部と第３の係
合部材５６の延出部とを結ぶ直線上に沿つて形成
されている。この実施例において、第１の案内板
６０の前端および後端は、第１図および第３図に
示す如く、第１の係合部材５２および第３の係合
部材５６と夫々離間している。第２の係合部材５
４と第４の係合部材５８との間には、第１図およ
び第３図に示す如く、左側面５１に対して略垂直
方向に延出した第２の案内板６２が第２の係合部
材５４の延出部と第４の係合部材５８の延出部と
を結ぶ直線上に沿つて形成されている。この実施
例において、第２の案内板６２の前端および後端
は、第１図および第３図に示す如く、第２の係合
部材５４および第４の係合部材５８と夫々離間し
ている。第１の案内板６０および第２の案内板６
２は、相互に平行に配置されている。第１の案内
板６０および第２の案内板６２の夫々の中央部に
は、第１図に特に詳細に示す如く、開口６４が形
成されている。従つて、第１の案内板６０および
第２の案内板６２の夫々の中央部位は格納箱本体
１４の左側面５１から離間している。この実施例
において、格納箱本体１４、第１ないし第４の係
合部材５２，５４，５６，５８および第１と第２
の案内板６０，６２は、弾性を有したプラスチツ
クスによつて一体成形されている。従つて第１の
案内板６０および第２の案内板６２の夫々の中央
部位は、格納箱本体１４の左側面５１に沿つて上
下方向に弾性的に湾曲することが可能である。

第１の案内板６０の中央部位の上面には、第１
図および第３図に示す如く、上方に突出した第１
の係止部材６６が形成されている。第１の係止部
材６６は、左側面５１の前端と後端との中間位置
よりも前端側寄りに配置されている。第１の係止
部材６６の上面は、第３図に示す如く、前端側に
位置し後端に向かつて行くにつれて徐々に上方に
上がつていく緩斜面と、後端側に位置し、上記緩
斜面の後端と第１の案内板６０の上面とを下に凸
の曲線で結ぶ湾曲面とで構成されている。

第２の案内板６２の中央部位の下面には、第１
図および第３図に示す如く、下方に突出した第２
の係止部材６８が形成されている。第２の係止部
材６８は、左側面５１の前端と後端との中間位置
よりも後端側寄りに配置されている。第２の係止
部材６８の下面は、第３図に示す如く、後端側に
位置し、前端に向かつて行くにつれて徐々に下方
に下がつていく緩斜面と、前端側に位置し、上記
緩斜面の前端と第２の案内板６２の下面とを凸の
曲線で結ぶ湾曲面、とで構成されている。

格納箱本体１４の右壁２４の外表面、即ち格納
箱本体１４の右側面７０の前端部の上端および下
端と後端部の上端および下端には、第５図に詳細
に示す如く、第１ないし第４の被係合部材７２，
７４，７６，７８が形成されている。この実施例
において第１および第３の被係合部材７２，７６
は、右側面７０の上縁に対して略垂直方向に延出
した後延出端が下方に折曲している。また第２お
よび第４の被係合部材７４，７８は、右側面７０
の下縁に対して略垂直方向に延出した後延出端が
上方に折曲している。そして、第１の被係合部材
７２と第３の被係合部材７６との間には、第５図
に示す如く、右側面７０に対して略垂直方向に延
出した第３の案内板８０が第１の被係合部材７２
の延出部と第３の被係合部材７６の延出部とを結
ぶ直線上、即ち右側面７０の上縁に沿つて形成さ
れている。この実施例において第３の案内板８０
の前端および後端は、第５図に示す如く、第１の
被係合部材７２および第３の被係合部材７６と
夫々結合されている。

第２の被係合部材７４と第４の被係合部材７８
との間には、第５図に示す如く、右側面７０に対
して略垂直方向に延出した第４の案内板８２が第
２の被係合部材７４の延出部と第４の被係合部材
７８の延出部とを結ぶ直線上、即ち右側面７０の
下縁に沿つて形成されている。この実施例におい
て第４の案内板８２の前端および後端は、第５図
に示す如く、第２の被係合部材７４および第４の
被係合部材７８と夫々結合されている。第３の案
内板８０および第４の案内板８２は、相互に平行
に配置されている。この実施例において、格納箱
本体１４、第１ないし第４の被係合部材７２，７
４，７６，７８および第３と第４の案内板８０，
８２は弾性を有したプラスチツクスによつて一体
成形されている。

第３の案内板８０の下面には、右側面７０の前
端と後端との中間位置に下方に突出した第１の被
係止部８４が形成されている。第１の被係止部８
４の下面は下方に凸の曲線で構成されている。第
３の案内板８０の上面には、第５図に示す如く第
１の被係止部８４と対応した位置に、第１の被係
止部８４の下面と略平行な下方に凸の曲線で構成
された底面を有する凹所が形成されている。従つ
て、第１の被係止部８４は、右側面７０に沿つて
上下方向に弾性的にたわむことが可能である。

第４の案内板８２の上面には、右側面７０の前
端と後端との中間位置に上方に突出した第２の被
係止部８６が形成されている。第２の被係止部８
６の上面は上方に凸の曲線で構成されている。第
４の案内板８２の下面には、第５図に示す如く第
２の被係止部８６と対応した位置に、第２の被係
止部８６の上面と略平行な上方に凸の曲線で構成
された底面を有する凹所が形成されている。従つ
て、第２の被係止部８６は、右側面７０に沿つて
上下方向に弾性的にたわむことが可能である。

今、１対のテープカセツト格納箱１０，１０の
一方の左側面５１と他方の右側面７０とを対向さ
せ、第６図および第７図に示す如く、一方の第一
の被係合部材７２を他方の第一の案内板６０の第
一の係合部材５２直後の上面に、および一方の第
２の被係止部材７４を他方の第２の案内板６２の
第２の係合部材５４直後の下面に、夫々配置す
る。次に、他方のテープカセツト格納箱１０を一
方のテープカセツト格納箱１０の左側面５１の長
手方向に沿つて、第６図に矢印Ｂで示す如く一方
のテープカセツト格納箱１０の前端に向つて移動
させる。この時、他方のテープカセツト格納箱１
０の第２の被係止部８６の上面が一方のテープカ
セツト格納箱１０の第２の係止部材６８の下面の
緩斜面と当接し、第８図に示す如く、一方のテー
プカセツト格納箱１０の第２の係止部材６８を上
方に向つて湾曲させる。この時同時に、他方のテ
ープカセツト格納箱１０の第１ないし第４の被係
合部材７２，７４，７６，７８が第８図に示す如
く一方のテープカセツト格納箱１０の第１ないし
第４の係合部材５２，５４，５６，５８と係合す
る。

一方のテープカセツト格納箱１０の前端と他方
のテープカセツト格納箱１０の前端とが第９図に
示す如く一致した時、他方のテープカセツト格納
箱１０の第１の被係止部８４および第２の被係止
部８６の夫々が、第１０図に示す如く、一方のテ
ープカセツト格納箱１０の第１の係止部材６６お
よび第２の係止部材６８の湾曲面と当接する。上
記当接によつて、一方のテープカセツト格納箱１
０と他方のテープカセツト格納箱１０とが、第９
図に示す如く、相互の前端および後端を一致させ
た状態で、相互に連結される。

１対のテープカセツト格納箱１０，１０の第９
図に示す如き連結を解除するには、他方のテープ
カセツト格納箱１０を一方のテープカセツト格納
箱１０の左側面５１に沿つて、左側面５１の長手
方向に第９図の矢印Ｃあるいは矢印Ｃと逆の方向
に第１の係合部材５２の長手方向の長さ分だけ移
動させる。この時、連結時よりも多少大きな押圧
力を他方のテープカセツト格納箱１０の前端面あ
るいは後端面に作用させることにより、他方のカ
セツトテープ格納箱１０の第１の被係止部８４あ
るいは第２の被係止部８６が一方のテープカセツ
ト格納箱１０の第１の係止部６６あるいは第２の
係止部６８の湾曲面と当接し、上記第１の係止部
６６を下方に、あるいは上記第２の係止部６８を
上方に湾曲させ、上記第１の係止部６６と上記第
１の被係止部８４との係止および上記第２の係止
部６８と上記第２の被係止部８６との係止が解除
される。他方のテープカセツト格納箱１０が一方
のテープカセツト格納箱１０の左側面５１に沿つ
て、左側面５１の長手方向に第９図の矢印Ｃある
いは矢印Ｃと逆の方向に第１の係合部材５１の長
手方向の長さ分だけ移動した時、一方のテープカ
セツト格納箱１０の第１ないし第４の係合部材５
２，５４，５６，５８と他方のテープカセツト格
納箱１０の第１ないし第４の被係合部材７２，７
４，７６，７８との係合が、例えば第７図に示す
如く、解除されるので、１対のテープカセツト格
納箱１０，１０の相互の連結を解除できる。

この実施例において、第１ないし第４の係合部
材５２，５４，５６，５８および第１ないし第４
の被係合部材７２，７４，７６，７８の夫々の折
曲部の突端には夫々の長手方向に沿つて、第１１
図に示す如く、１対の面取り部８８が形成されて
いる。

従つて、１対のテープカセツト格納箱１０，１
０の一方の第１ないし第４の係合部材５２，５
４，５６，５８の折曲部に、他方の第１ないし第
４の被係合部材７２，７４，７６，７８の折曲部
を当接させ、１対のテープカセツト格納箱１０，
１０を相互に近接する方向に押圧すると、一方の
テープカセツト格納箱１０の第１および第２の係
合部材５２，５４と第３および第４の係合部材５
６，５８の夫々の対が、第１２図に示す如く、相
互に近接する方向に弾性的に湾曲する。また同時
に他方のテープカセツト格納箱１０の第１および
第２の被係合部材７２，７４と第３および第４の
被係合部材７６，７８の夫々の対が、第１２図に
示す如く、相互に離間する方向に弾性的に湾曲す
る。そして、１対のテープカセツト格納箱１０，
１０の相互間の距離がさらに近接することによつ
て、一方のテープカセツト格納箱１０の第１ない
し第４の係合部材５２，５４，５６，５８と他方
のテープカセツト格納箱１０の第１ないし第４の
被係合部材７２，７４，７６，７８とが第１３図
に示す如く、係合され、１対のテープカセツト格
納箱１０，１０が相互に連結される。

相互に連結されている１対のテープカセツト格
納箱１０，１０は上述したのと逆の方向に移動さ
せることにより、即ち１対のテープカセツト格納
箱１０，１０を相互に離間する方向に移動させる
ことにより、第１３図と第１２図に示す過程を経
て相互の連結が解除される。上記において、１対
のテープカセツト格納箱１０，１０の第１ないし
第４の係合部材５２，５４，５６，５８及び第１
ないし第４の被係合部材７２，７４，７６，７８
はそれらの長手方向に沿つて前後何れの向きに移
動せしめても対応する両者の係合・離脱が可能な
ように成形されている。従つて、テープカセツト
格納箱どうしの係合・離脱の操作をする場合、前
後の移動の向きを意識せずに取り扱うことができ
る。また、当該一方のテープカセツト格納箱の左
側面と当該他方のテープカセツト格納箱の右側面
とを近接させれば、一方のテープカセツト格納箱
の左側面５１では、上述の第１の案内板６０及び
第２の案内板６２によつて他方のテープカセツト
格納箱の右側面の第１及び第２の被係合部材７
２，７４または第３及び第４の被係合部材７６，
７８が案内されるので、目視によつて厳密な位置
合わせをしなくても、一方のテープカセツト格納
箱の各係合部材と他方のテープカセツト格納箱の
各被係合部材とが係合するに必要な位置に適切に
規制され、しかる後上記のように両者を長手方向
に相対移動せしめれば、難無く正規の係合がなさ
れ得る。以上はテープカセツト格納箱の左右何れ
の側面を基準としてみても実質的に同様であるこ
とは勿論である。従つて本考案のテープカセツト
格納箱どうしは手探りでも容易に係合せしめるこ
とができる。

なおこの実施例においては、第１および第３の
係合部材５２，５６が第７図に示す如く第１の案
内板６０の前端および後端から離間しており、第
２および第４の係合部材５４，５８が第７図に示
す如く、第２の案内板６２の前端および後端から
離間しているので、第１および第２の係合部材５
２，５４と第３および第４の係合部材５６，５８
のそれぞれの対の第１２図に示す如き弾性的な湾
曲が容易に行える。

次にこの考案の第２の実施例を説明する。この
実施例では、第１の実施例と構成が異なる点のみ
説明する。

この実施例の１対のリールハブ回り止め部材４
０，４２は、第１４図および第１５図に示す如
く、相互の高さが異なつている。即ち、蓋１６の
回動中心軸２０側に位置する一方のリールハブ回
り止め部材４０の底壁３８からの高さが、他方の
リールハブ回り止め部材４２の底壁３８からの高
さよりも小さくなつている。一方のリールハブ回
り止め部材４０の上記高さは蓋１６とともに第２
の位置に配置されたマイクロカセツト１２のリー
ルハブ４４の内周面に形成されている図示しない
複数の係合突起に到達し、上記図示しない係合突
起と係合できる最小限の高さである。

このような構成であると、マイクロカセツト１
２のテープカセツト格納箱１０への格納およびテ
ープカセツト格納箱１０からの離脱が容易に行え
る。

この実施例の第１および第３の係合部材５２，
５６は、第１４図および第１６図に示す如く、第
１の案内板６０の前端および後端と一体に連結さ
れている。また第２および第４の係合部材５４，
５８も第１４図および第１６図に示す如く、第２
の案内板６２の前端および後端と一体に連結され
ている。

この実施例の第１の案内板６０の上面には、第
１６図に示す如く第１の実施例の第１の係止部材
６６が形成されていない。また、第２の案内板６
２の下面には、第６図に示す如く、第１の実施例
の第２の係止部材６８の代わりに係止部材８８が
形成されている。係止部材８８は第１６図に示す
如く、左側面５１の前端と後端との中間位置に配
置され、下方に向つて凸の曲線で構成された下面
を有し、上記下面の中央部には第１６図に示す如
く、上方に凸の曲線で構成された底面を有する凹
所がさらに形成されている。

この実施例の第３および第４の案内板８０，８
２のそれぞれの上面および下面には、第１の被係
止部８４および第２の被係止部８６のそれぞれの
下面および上面と平行な曲線で構成された底面を
有する凹所が形成されていない。

今、１対のテープカセツト格納箱１０，１０の
一方の左側面５１と他方の右側面７０とを、対向
させ、第１８図および第１９図に示す如く一方の
第１の被係合部材７２を他方の第１の案内板６０
の第１の係合部材５２直後の上面に、および一方
の第２の被係止部材７４を他方の第２の案内板６
２の第２の係合部材５４直後の下面にそれぞれ配
置する。次に、他方のテープカセツト格納箱１０
を一方のテープカセツト格納箱１０の左側面５１
の長手方向に沿つて、第１８図に矢印Ｄで示す如
く一方のテープカセツト格納箱１０の前端に向つ
て移動させる。この時、他方のテープカセツト格
納箱１０の第２の被係止部８６の上面が一方のテ
ープカセツト格納箱１０の係止部材８８の、下面
の曲斜面と当接し、一方のテープカセツト格納箱
１０の係止部材８８を上方に向つて湾曲させる。
この時同時に、他方のテープカセツト格納箱１０
の第１ないし第４の被係合部材７２，７４，７
６，７８が一方のテープカセツト格納箱１０の第
１ないし第４の係合部材５２，５４，５６，５８
と係合する。

一方のテープカセツト格納箱１０の前端と他方
のテープカセツト格納箱１０の前端とが第２１図
に示す如く一致した時、他方のテープカセツト格
納箱１０の第２の被係止部８６が、第２０図に示
す如く、一方のテープカセツト格納箱１０の係止
部材８８の凹所と係合する。上記係合によつて、
一方のテープカセツト格納箱１０と他方のテープ
カセツト格納箱１０とが、第２１図に示す如く、
相互の前端および後端を一致させた状態で相互に
連結される。

１対のテープカセツト格納箱１０，１０の第２
１図に示す如き連結を解除するには、他方のテー
プカセツト格納箱１０を一方のテープカセツト格
納箱１０の左側面５１に沿つて、左側面５１の長
手方向に第２１図の矢印Ｅあるいは矢印Ｅと逆の
方向に第１の係合部材５１の長手方向の長さ分だ
け移動させる。この時、連結時よりも多少大きな
押圧力を他方のテープカセツト格納箱１０の前端
面あるいは後端面に作用させることにより、他方
のテープカセツト格納箱１０の第２の被係止部８
６が一方のテープカセツト格納箱１０の係止部８
８の湾曲面と当接し、上記係止部８８の上方に湾
曲させ、上記係止部８８と上記第２の被係止部８
６との係止が解除される。他方のテープカセツト
格納箱１０が一方のテープカセツト格納箱１０の
左側面５１に沿つて、左側面５１の長手方向に第
９図の矢印Ｅあるいは矢印Ｅと逆の方向に第１の
係合部材５１の長手方向の長さ分だけ移動した
時、一方のテープカセツト格納箱１０の第１ない
し第４の係合部材５２，５４，５６，５８と他方
のテープカセツト格納箱１０の第１ないし第４の
被係合部材７２，７４，７６，７８との係合が、
例えば第７図に示す如く、解除されるので１対の
テープカセツト格納箱１０，１０の相互の連結を
解除できる。

この実施例において、第１ないし第４の係合部
材５２，５４，５６，５８および第１ないし第４
の被係合部材７２，７４，７６，７８のそれぞれ
の折曲部の突端にはそれぞれの長手方向に沿つて
第１１図に示す如く、１対の面取り部８８が形成
されている。

従つて、第１の実施例の１対のテープカセツト
格納箱１０，１０と同様に、一方のテープカセツ
ト格納箱１０の第１ないし第４の係合部材５２，
５４，５６，５８の折曲部に、他方のテープカセ
ツト格納箱１０の第１ないし第４の被係合部材７
２，７４，７６，７８の折曲部を当接させ、１対
のテープカセツト格納箱１０，１０を相互に近接
する方向に押圧すると、第１２図に示す過程をへ
て、第１３図に示す如く、１対のテープカセツト
格納箱１０，１０を相互に連結することができ
る。相互に連結されている１対のテープカセツト
格納箱１０，１０は、上述したのを逆の方向に移
動させることにより、第１３図と第１２図に示す
過程をへて相互の連結が解除される。

ここで、上述の本考案の要旨を参照用符号をと
もなつて要約すれば以下のようになる。

即ち、テープカセツトを収納する格納箱本体１
４と、上記格納箱本体の一方の側面５１に設けら
れた係合手段と、上記格納箱本体の他方の側面７
０に設けられ上記係合手段と全く同様の当該他の
係合手段と係合・離脱し得るようになされた被係
合手段とを具備しており、 上記係合手段は、上記一方の側面５１の両長辺
にそれぞれ臨んで各長辺に実質的に平行に且つ上
記一方の側面５１の一方の短辺寄りに設けられた
第１の係合部材５２及び第２の係合部材５４、並
びに、上記一方の側面５１の両長辺にそれぞれ臨
んで各長辺に実質的に平行に且つ上記第１及び第
２の係合部材５２，５４とは所定距離だけ離隔し
て上記一方の側面５１の他方の短辺寄りに設けら
れた第３の係合部材５６及び第４の係合部材５
８、並びに、上記第１の係合部材５２と第３の係
合部材５６との間及び上記第２の係合部材５４と
第４の係合５８部材との間にそれぞれ延長されて
配設された係合案内用の第１の案内部材６０及び
第２の案内部材６２、を含んでなるものであり、 上記被係合手段は、上記他方の側面７０の両長
辺にそれぞれ臨んで各長辺に実質的に平行に且つ
上記他方の側面７０の一方の短辺寄りに設けられ
上記第１及び第２の係合部材５２，５４に各対応
するように成形された第１の被係合部材７２及び
第２の被係合部材７４、並びに、上記他方の側面
７０の両長辺にそれぞれ臨んで各長辺に実質的に
平行に且つ上記第１及び第２の被係合部材７２，
７４とは上記第１ないし第４の係合部材５２，５
４，５６，５８の何れの長手方向寸法よりも長い
距離だけ離隔して上記他方の側面７０の他方の短
辺寄りに設けられ上記第３及び第４の係合部材５
６，５８に各対応するように成形された第３の被
係合部材及び第４の被係合部材７８、並びに、上
記第１の被係合部材７２と第３の被係合部材７６
との間及び上記第２の被係合部材７２と第４の被
係合部材７８との間にそれぞれ延長されて設けら
れた係合案内用の第３の案内部材８０及び第４の
案内部材８２を含んでなるものであり、 且つ、上記各係合部材５２，５４，５６，５８
及び被係合部材７２，７４，７６，７８は、それ
らと係合されるべき当該他の同様な被係合部材・
係合部材と、各自の長手方向に沿つた何れの向き
にも相対移動せしめることにより係合・離脱し得
るように成形されているものであることを特徴と
する、テープカセツト格納箱。

従つて本考案によれば、第１及び第２の被係合
部材と第３及び第４の被係合部材との間隔が第１
ないし第４の係合部材の何れの長手方向寸法より
も長い距離だけ離隔しているために、側面におい
て結合されたテープカセツト格納箱どうしを、同
側面の長辺の略全長に亘つて移動させるようなこ
とをせずとも、係合部材の長さ寸法程度の僅かな
移動により、容易に素早く係合を解除し分離でき
る。また分離された両者を結合する場合も、同様
に、僅かな相対移動により素早く結合を完了させ
ることが出来、極めて取り扱い易い。また、結合
される１対のテープカセツト格納箱の第１ないし
第４の係合部材及び第１ないし第４の被係合部材
どうしは、それらの長手方向に沿つて前後何れの
向きを移動せしめても対応する両者の係合・離脱
が可能なように成形されているため、テープカセ
ツト格納箱どうしの係合・離脱の操作をする場
合、前後の移動の向きを意識せずに取り扱うこと
ができる。更に上記に加えて、当該一方のテープ
カセツト格納箱の左側面と当該他方のテープカセ
ツト格納箱の右側面とを近接させれば、一方のテ
ープカセツト格納箱の左側面では、上述の第１の
案内板及び第２の案内板によつて他方のテープカ
セツト格納箱の右側面の第１及び第２の被係合部
材または第３及び第４の被係合部材が案内される
ので、目視によつて厳密な位置合わせをしなくて
も、一方のテープカセツト格納箱の各係合部材と
他方のテープカセツト格納箱の各被係合部材とが
係合するに必要な位置に適切に規制され、しかる
後上記のように両者を長手方向に相対移動せしめ
れば、難無く正規の係合がなされ得る。以上はテ
ープカセツト格納箱の左右何れの側面を基準とし
てみても実質的に同様である。

上述した実施例ではこの考案を説明するための
ものであり、この考案を何んら限定するものでな
く、この考案の技術範囲内で変形、改造等の施さ
れたものも全てこの考案に包含されることはいう
までもない。

例えば、蓋１６はカンガルーポケツト部材１８
を備えていなくとも良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の第１の実施例によるテー
プカセツト格納箱およびマイクロカセツトを示す
斜視図、第２図は第１図の−線に沿つた断面
図、第３図は第１図の格納箱本体１４のみの平面
図、第４図は第１図の格納箱本体１４の左側面
図、第５図は第１図の格納箱本体１４の右側面
図、第６図は１対のテープカセツト格納箱の相互
の連結直前の段階を示す斜視図、第７図は第６図
の−線に沿う断面図、第８図は１対のテープ
カセツト格納箱の相互の連結の過程を第７図と同
じ断面で示す斜視図、第９図は１対のテープカセ
ツト格納箱が相互に連結された状態を示す斜視
図、第１０図は第９図の−線に沿つた断面
図、第１１図はテープカセツト格納箱の拡大正面
図、第１２図は１対のテープカセツト格納箱が連
結される過程を示す正面図、第１３図は１対のテ
ープカセツト格納箱が連結された状態を示す正面
図、第１４図はこの考案の第２の実施例によるテ
ープカセツト格納箱およびマイクロカセツトを示
す斜視図、第１５図は第１４図の−線に
沿つた断面図、第１６図は第１４図の格納箱本体
の左側面、第１７図は第１４図の格納箱本体の右
側面図、第１８図は１対のテープカセツト格納箱
の相互の連結直前の段階を示す斜視図、第１９図
は第１８図のXI−XI線に沿つた断面図、第２
０図は第２１図の−線に沿つた断面図、
第２１図は１対のテープカセツト格納箱が連結さ
れた状態を示す斜視図である。 １０……テープカセツト格納箱、１１……マイ
クロカセツト、１４……格納箱本体、１６……
蓋、２０……回動中心軸、５１……左側面、５２
……第１の係合部材、５４……第２の係合部材、
５６……第３の係合部材、５８……第４の係合部
材、７０……右側面、７２……第１の被係合部
材、７４……第２の被係合部材、７６……第３の
被係合部材、７８……第４の被係合部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 テープカセツトを収納する格納箱本体と、上記
   格納箱本体の一方の側面に設けられた係合手段
   と、上記格納箱本体の他方の側面に設けられ上記
   係合手段と全く同様の当該他の係合手段と係合・
   離脱し得るようになされた被係合手段とを具備し
   ており、 上記係合手段は、上記一方の側面の両長辺にそ
   れぞれ臨んで各長辺に実質的に平行に且つ上記一
   方の側面の一方の短辺寄りに設けられた第１の係
   合部材及び第２の係合部材、並びに、上記一方の
   側面の両長辺にそれぞれ臨んで各長辺に実質的に
   平行に且つ上記第１及び第２の係合部材とは所定
   距離だけ離隔して上記一方の側面の他方の短辺寄
   りに設けられた第３の係合部材及び第４の係合部
   材、並びに、上記第１の係合部材と第３の係合部
   材との間及び上記第２の係合部材と第４の係合部
   材との間にそれぞれ延長されて配設された係合案
   内用の第１の案内部材及び第２の案内部材、を含
   んでなるものであり、 上記被係合手段は、上記他方の側面の両長辺に
   それぞれ臨んで各長辺に実質的に平行に且つ上記
   他方の側面の一方の短辺寄りに設けられ上記第１
   及び第２の係合部材に各対応するように成形され
   た第１の被係合部材及び第２の被係合部材、並び
   に、上記他方の側面の両長辺にそれぞれ臨んで各
   長辺に実質的に平行に且つ上記第１及び第２の被
   係合部材とは上記第１ないし第４の係合部材の何
   れの長手方向寸法よりも長い距離だけ離隔して上
   記他方の側面の他方の短辺寄りに設けられ上記第
   ３及び第４の係合部材に各対応するように成形さ
   れた第３の被係合部材及び第４の被係合部材、並
   びに、上記第１の被係合部材と第３の被係合部材
   との間及び上記第２の被係合部材と第４の被係合
   部材との間にそれぞれ延長されて設けられた係合
   案内用の第３の案内部材及び第４の案内部材、を
   含んでなるものであり、 且つ、上記各係合部材及び被係合部材は、それ
   らと係合されるべき当該他の同様な被係合部材・
   係合部材と、各自の長手方向に沿つた何れの向き
   にも相対移動せしめることにより係合・離脱し得
   るように成形されているものであることを特徴と
   する、テープカセツト格納箱。