JPS632344Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はホイストシリンダのロツドの伸縮を介
して荷台を傾倒させるようにしたダンプ車のリン
ク機構併用式荷台傾倒装置に用いるリフトアーム
に関するものである。

第１図および第２図に示すリンク機構併用式の
荷台傾倒装置は基端をシヤーシーフレーム１に枢
着したホイストシリンダ２のロツド２Ａ端をクロ
スヘツド３に取付け、このクロスヘツド３の両端
を左右対峙するリフトプレート４，４に枢着し、
シヤーシーフレーム１に基端を枢着したテンシヨ
ンロツド５，５の先端を前記リフトプレート４，
４の端部に連結軸６を介して枢着し、荷台７の底
部のブラケツト８，８に取付軸９を介してリフト
プレート４，４の他端部を枢着してなり、ホイス
トシリンダ２を作動させ、ロツド２Ａを伸長させ
てクロスヘツド３を介しリフトプレート４，４を
上昇させてダンプヒンジ１０を支点とし荷台７を
回動させ、シヤーシーフレーム１後端の衝当部１
１に荷台７後端の係合部１２を衝当させて荷台７
を最大傾角状態とし、荷台７の傾伏動は前記リン
ク機構を介してなされるように形成してある。

一般に、ダンプ車は重荷重、かつ大なる衝撃を
伴いながら作業する苛酷な条件下に稼動されるた
め、前記リンク機構併用式の荷台傾倒装置におい
ては、各部、各部材に曲げモーメント、偶力ある
いは捩り応力が発生し、変形したり破損すること
がある。

このような事情からリフトプレート部分の剛性
を増し安定させるよう第２図に示すように、左右
のリフトプレート４，４を前記連結軸６、取付軸
９で連結する手段のほかに、リフトプレート４，
４の端部上面間に跨設して連杆１３を設けて剛性
を大とするよう計つたが、かかる手段では充分な
剛性は得られず各部、各部材を変形させることが
あつた。

本考案は前記の点に鑑み、リフトプレート部分
の剛性を格段と増大させるよう左右のプレートを
完全一体構造としてリフトアームとしたものであ
つて、それぞれ刳り状切欠を形成する上板部と下
板部とを上下間隔を距てて固着してなる連結部材
を設け、ホイストシリンダのロツド端を取付けた
クロスヘツド端部枢着用嵌孔と、テンシヨンロツ
ド端部枢着用嵌孔と、荷台底部枢着用嵌孔とを有
し対峙する嘴端状プレートのそれぞれ対向面に前
記連結部材の両側端面を固着するとともに前記刳
り状切欠を前記クロスヘツド端部枢支用嵌孔側に
向けてなるダンプ車の荷台傾倒装置用リフトアー
ムである。

次に本考案の実施例を第３図および第４図につ
いて説明すれば、リフトアームＡは左右対峙する
嘴端状プレート１４，１４を連結部材１５によつ
て完全一体構造としてある。

即ち、第３図および第４図に示すように、両端
に刳り状切欠１５ａ，１５ｂを形成するとともに
両側縁を平行とした長手方向に延びる鋼板を折曲
して水平状の上板部１５ｃと、この上板部１５ｃ
と上下間隔を距てた傾斜状の下板部１５ｄとを形
成した連結部材１５を設け、クロスヘツド端部枢
着用嵌孔１６を端部かつ上部寄りに設け、テンシ
ヨンロツド端部枢着用嵌孔１７を端部に設け、荷
台底部枢着用嵌孔１８を他端部に設けてなる嘴端
状プレート１４，１４を左右対峙させ、これら嘴
端状プレート１４，１４の対向面１４ａ，１４ａ
に前記連結部材１５の両側端面を溶接等して固着
させ、嘴端状プレート１４，１４と連結部材１５
とを一体としたリフトアームＡとしてある。

この場合、前記嘴端状プレート１４，１４は第
４図に示すように重量軽減のため複数の抜孔１
９，２０，２１，２２，２３を施してあり、連結
部材１５の上板部１５ｃを嘴端状プレート１４の
上縁１４ｂに沿つて並行状とし、下板部１５ｄを
下縁に沿つて並行状とし、かつ嘴端状プレート１
４の先端側に寄せて連結部材１５を配してあり、
刳り状切欠１５ａ，１５ｂによりホイストシリン
ダ２のロツド２Ａの作動が支障を来たさないよう
にしたある。

本考案は前記のように構成したから、リンク機
構併用式の荷台傾倒装置における従来の一対のリ
フトプレートに代えて本考案のリフトアームＡを
用いると、ホイストシリンダ２を作動し、ロツド
２Ａを伸長させ、クロスヘツド３を介し、テンシ
ヨンロツド５を引張させながらリフトアームＡを
上昇させダンプヒンジ１０を支点として荷台７を
起上らせる際において、プレート１４，１４を連
結部材１５により一体構造としてなるリフトアー
ムＡの剛性大なることによつて、荷台７の徒動を
可及的に防止し、また関連部分、関連部材におけ
る曲げモーメントや偶力、特に捩り応力に対して
強固であり、変形を防止することができる。

なお、前記関連部材１５は断面を変形横Ｕ字状
としたが、これに代えて第５図ａ，ｂ，ｃにそれ
ぞれ示すように断面を変形コ字状とした連結部材
１５Ａ、変形横Ｈ字状とした連結部材１５Ｂ、変
形横Ａ字状とした連結部材１５Ｃとしてもよい。

また、連結部材１５をプレート１４，１４に固
着する手段としては溶接のほか、ボルトによる固
着手段を用いてもよい。

本考案はダンプ車のリンク機構併用式荷台傾倒
装置用リフトアームとして剛性極めて大であつて
変形を防止し、関連各部、関連各部材の作動の安
定に寄与するところ大である等の実用的効果を発
揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図はリンク機構併用式荷台傾倒装置を装備
したダンプ車の側面図、第２図はリンク機構併用
式荷台傾倒装置の要部を示す斜視図、第３図は本
考案に係るリフトアームの斜面図、第４図は第３
図における−線から視た拡大断面図、第５図
ａ，ｂ，ｃはそれぞれ連結部材の変形例の断面図
である。 Ａ……リフトアーム、１……シヤーシーフレー
ム、２……ホイストシリンダ、３……クロスヘツ
ド、４……リフトプレート、５……テンシヨンロ
ツド、６……連結軸、７……荷台、８……ブラケ
ツト、９……取付軸、１０……ダンプヒンジ、１
１……衝当部、１２……係合部、１３……連杆、
１４……嘴端状プレート、１５……連結部材、１
５ａ，１５ｂ……刳り状切欠、１５ｃ……上板
部、１５ｄ……下板部、１６……クロスヘツド端
部枢着用嵌孔、１７……テンシヨンロツド端部枢
着用嵌孔、１８……荷台底部数着用嵌孔、１９，
２０，２１，２２，２３……抜孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. それぞれ刳り状切欠を形成する上板部と下板部
   とを上下間隔を距てて固着してなる連結部材を設
   け、ホイストシリンダのロツド端を取付けたクロ
   スヘツド端部枢着用嵌孔と、テンシヨンロツド端
   部枢着用嵌孔と、荷台底部枢着用嵌孔とを有し対
   峙する嘴端状プレートのそれぞれ対向面に前記連
   結部材の両側端面を固着するとともに前記刳り状
   切欠を前記クロスヘツド端部枢支用嵌孔側に向け
   てなるダンプ車の荷台傾倒装置用リフトアーム。