JPS6322653Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、往復駆動装置に係り、特に、電気エ
ネルギーを電磁作用により往復運動エネルギーに
変換させる往復駆動装置において、板ばねにより
可動子を支持することによつて、可動子の摺動抵
抗をなくした往復駆動装置に関するものである。

従来のこの種往復駆動装置においては、電磁コ
イルの中に可動子を構成する可動鉄芯を設けたソ
レノイド式往復駆動装置であるため、電気エネル
ギーを往復運動エネルギーに変換する変換効率が
悪いばかりでなく、可動子の動作特性としての線
形性が悪い欠点がある。

本考案は、このような欠点を解消したもので、
電気エネルギーを効率よく、かつ、動作特性の線
形性が良い往復運動エネルギーに変換でき、ま
た、可動子を無摺動抵抗で支持する板ばねが、ば
ね限界値に余裕をもつて製造することが所期でき
る往復駆動装置の提供を、その目的とするもので
ある。

本考案の特徴は、軟磁性体よりなる筒状ヨーク
内に、２個の筒状電磁コイルを相隣る部分に同極
が発生するように配設し、当該電磁コイル中央部
には、永久磁石または、永久磁石と磁極片よりな
る可動子を、前記２個の筒状電磁コイルの各々の
異極と鎖交するように着磁して軸方向へ移動自在
に設けた往復駆動装置において、複数個の環状板
を径方向互に反対位置にて結びつけて一体に構成
した板ばねを設け、該板ばねの最外環状板を前記
筒状ヨークに、最内環状板を前記可動子に固持し
て設けた往復駆動装置にある。

以下、本考案の実施例を、図面に基いて説明す
る。

ここで、第１図は、一実施例に係る往復駆動装
置の側面図、第２図は、その縦断正面図、第３図
は、リング状板ばねの平面図、第４図は、その側
面図である。

図で、１は、軟磁性体よりなる筒状ヨーク、
２，２ａは、２個の筒状電磁コイルで、相隣る部
分に同極が発生するように、筒状ヨーク１内に配
設されたものである。

３は、軸方向に着磁された永久磁石で、２個の
筒状電磁コイル２，２ａの中央部に設けられたも
のであり、４，４ａは、それぞれ永久磁石３の両
端部に永久磁石３を挾んで固着された磁極片であ
つて、筒状電磁コイル２，２ａの各々と異極が鎖
交するように形成されたものである。

５，５ａは、それぞれ磁極片４，４ａの端部に
固着された摺動軸であり、永久磁石３、磁極片
４，４ａで、可動子６を構成するものである。

７，７ａは、それぞれ大・中・小の環状板Ａ，
Ｂ，Ｃ，Ｄを同心円に組合せ、同一中心線上にお
いて、環状板Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄを交互に180度の径
方向反対位置で接続した板ばねであり、端部を筒
状ヨーク１に固着し、中央部を摺動軸５および５
ａにそれぞれ固着したものであつて、板ばね７，
７ａの中心部で可動子６を支持したものである。

上記構成において、第２図に示すように、可動
子６を構成する永久磁石３のＮ極の磁束は、磁極
片４を通して筒状電磁コイル２と鎖交し、また、
永久磁石３のＳ極の磁束は、磁極片４ａを通して
筒状電磁コイル２ａと鎖交するものである。

したがつて、筒状電磁コイル２，２ａに、図示
極性に磁極が発生するように通電すると、上述し
た各々の筒状電磁コイル２，２ａと鎖交している
永久磁石３よりの磁束との間に、可動子６に働く
推力が、図示矢印の左方向へ発生するものであ
る。

また、筒状電磁コイル２，２ａに発生する磁極
を、図示極性と逆になるように通電すれば、可動
子６に働く推力の方向は、図示矢印の右方向とな
るものである。

そして、発生する推力は、基本的にはフレミン
グの左手の法則により、与えられる推力に準ずる
ものである。

さらに、可動子６は可動子６に固着した摺動軸
５，５ａをそれぞれ大きさの異る複数個の環状板
Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄを接続して形成した板ばね７，７
ａの中心部で支持したものであるから、抵抗がな
く摺動することができるものである。

以上説明したように、本実施例に係る往復駆動
装置は、筒状ヨーク１内に、２個の筒状電磁コイ
ル２，２ａを、相隣る部分に同極が発生するよう
に配設し、２個の筒状電磁コイルの中央部には、
永久磁石３の両端部に永久磁石３を挾んで固着さ
れた磁極片４，４ａからなる可動子６を、２個の
筒状電磁コイル２，２ａの各々の異極と鎖交する
ように着磁して設けたものであるから、電気エネ
ルギーを効率よく、かつ、動作特性の線形性がよ
い往復運動エネルギーに変換することができるも
のである。

そして、可動子６を板ばね７，７ａで支持する
ので、摺動抵抗をなくすことができるものであ
る。

また、板ばね７，７ａは、大・中・小の環状板
Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄを同心円に組合せ、同一中心線上
において、環状板Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄを交互に180度
の径方向反対位置で接続したものであるから、ば
ね長を充分に長くとれるため、ばね板を厚くする
ことができ、したがつて、ばね限界値に余裕をも
つて製造することができるものである。

つぎに、他の実施例を、第５図に基いて説明す
る。

ここで、第５図は、他の実施例に係る往復駆動
装置の縦断正面図である。

第５図で、可動子以外の構成は、すべて第１図
および第２図に示したものと同様である。

第５図で、第１図および第２図と同符号は、同
一部分を示すものであり、８は、棒状の磁極片、
９，９ａは、それぞれが２個の筒状電磁コイル
２，２ａの中央部へ位置するように磁極片８に嵌
着された筒状の永久磁石である。

磁極片８、永久磁石９，９ａで可動子１０を構
成するものであり、永久磁石９，９ａの磁束は、
筒状電磁コイル２，２ａと異極が鎖交するように
着磁されたものである。

上記、第５図の構成による作用・効果は、第１
図および第２図の構成による作用・効果と同様で
ある。

なお、本実施例においては、可動子１０を棒状
の磁極片８に筒状の永久磁石９，９ａを嵌着した
ものであるが、永久磁石の一体品で形成して、電
磁コイル２，２ａと異極が鎖交するように着磁し
て構成してもよいことは、いうまでもない。

以上述べたように、本考案に係る往復駆動装置
は、総合して、電気エネルギーを効率よく、か
つ、動作特性の線形性がよい往復運動エネルギー
に変換でき、そして、可動子を無摺動抵抗で支持
する板ばねが、バネ限界値に余裕をもつて製造で
きる往復駆動装置を所期できるものであつて、実
用的効果に優れた考案ということができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例に係る往復駆動装
置の側面図、第２図は、その縦断正面図、第３図
は、板ばねの平面図、第４図は、その側面図、第
５図は、他の実施例に係る往復駆動装置の縦断正
面図である。 １……筒状ヨーク、２，２ａ……筒状電磁コイ
ル、３，９，９ａ……永久磁石、４，４ａ，８…
…磁極片、６，１０……可動子、７，７ａ……板
ばね、Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ……環状板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軟磁性体よりなる筒状ヨーク内に、２個の筒状
   電磁コイルを相隣る部分に同極が発生するように
   配設し、当該電磁コイル中央部には、永久磁石ま
   たは、永久磁石と磁極片よりなる可動子を、前記
   ２個の筒状電磁コイルの各々の異極と鎖交するよ
   うに着磁して軸方向へ移動自在に設けた往復駆動
   装置において、複数個の環状板を径方向互に反対
   位置にて結びつけて一体に構成した板ばねを設
   け、該板ばねの最外環状板を前記筒状ヨークに、
   最内環状板を前記可動子に固持して設けたことを
   特徴とする往復駆動装置。