JPS6227024Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電気エネルギーを電磁作用により、
往復運動エネルギーに変換させる往復駆動装置に
係り、特に、可動永久磁石式の往復駆動装置に関
するものである。

従来、この種の往復駆動装置としては、第１図
に示すように、２枚の平板ヨーク１および１ａ
に、電磁コイル２および２ａを各々配設したステ
ータ内に、図示のように極性を着磁した永久磁石
３を摺動自在に設け、電磁コイル２および２ａに
図示極性があらわれるように通電したとき、永久
磁石３が図示矢印の右方向に、また、図示極性と
逆向に通電したとき、矢印左方向に動作するもの
がある。

また、第２図に示すものは、本考案者等が実開
昭54−57317号にて提案したものであり、同図に
示すように、縦断面端面を略Ｅ形に形成したヨー
ク４内に、２個の筒状電磁コイル５および５ａを
相隣る部分に同極が発生するように配設し、ヨー
ク４内に磁極片７および７ａを有し、かつ、軸方
向に着磁してなる永久磁石６を摺動自在に設け、
筒状電磁コイル５および５ａに通電し、図示矢印
方向に動作させるものである。

しかしながら、前述の第１図に示す往復駆動装
置においては、永久磁石３に対向する側のみの電
磁コイルが動作力に寄与するのみであり、電気エ
ネルギーを往復運動エネルギーに変換する効率が
悪いという欠点がある。

また、第２図に示す装置においては、動作力が
Ｅ形ヨークと磁極片間の電磁吸引力により発生す
るので、発生推力が大きい。つまり、エネルギー
の変換効率はよいが、動作特性の線形性が悪く、
また、ストロークが長くとれないという欠点があ
る。

本考案の目的は、上述した欠点を解消したもの
で、電気エネルギーを効率よく往復運動エネルギ
ーに変換でき、また、動作特性の線形性が良好
で、かつ、小型化することができる往復駆動装置
の提供を、その目的とするものである。

本考案の特徴は、軟磁性体からなる筒状ヨーク
内にそれより短い１個の筒状電磁コイルを上記筒
状ヨークの一方の側に寄せて配置し、上記筒状ヨ
ークの中空部には、軸方向に着磁された永久磁石
の両端部に磁極片を有する可動子を、上記磁極片
の一方が、上記筒状電磁コイルと磁気的に鎖交
し、上記磁極片の他方が、上記筒状ヨーク内周面
と磁気的に短絡するように軸方向移動自在に設け
た往復駆動装置にある。

以下、本考案の実施例を、第３図に基づいて説
明する。

ここで、第３図は、一実施例に係る往復駆動装
置の縦断側面図である。

同図で、８は、軟磁性体からなる筒状ヨーク、
９は、筒状ヨーク８内の端部に寄せて設けられた
電磁コイルである。１０は、筒状ヨーク８の中空
部内に設けられた永久磁石で、軸方向に着磁され
たものであり、１１は、永久磁石１０の軸方向一
端部に固着された磁極片で、筒状ヨーク８の内周
面と磁気的に短絡するものであり、１１ａは永久
磁石１０の他端部に固着された磁極片で、筒状電
磁コイル９と磁気的に鎖交するものである。

永久磁石１０と磁極片１１および１１ａで可動
子１２が構成され、１３は、可動子１２に固着さ
れた摺動軸である。１４および１４ａは、筒状ヨ
ーク８の両端に嵌着されたヨーク側板で、１５お
よび１５ａは、それぞれヨーク側板１４および１
４ａに設けられた軸受であり、摺動軸１３を軸受
１５，１５ａに挿入することにより、可動子１２
が筒状ヨーク８内の軸方向へ摺動自在に装着され
るものである。

上記構成において、永久磁石１０の図示Ｎ極か
ら出た磁束は、磁極片１１から筒状ヨーク８を通
つて筒状電磁コイル９と鎖交し、ついで磁極片１
１ａを通つて永久磁石１０のＳ極に戻るものであ
る。

ここで、筒状電磁コイル９に図示極性の磁極が
発生するように通電すると、可動子１２に矢印Ａ
方向への推力が発生する。また、筒状電磁コイル
９に発生する磁極を上記と逆の図示（ ）内の磁
極となるように通電すると、可動子１２に矢印Ｂ
方向への推力が発生する。そして、この推力は、
基本的にはフレミングの左手の法則により、与え
られる推力に準ずるものである。

以上説明したように、本実施例に係る往復駆動
装置は、軟磁性体からなる筒状ヨーク８内の端部
に寄せて筒状電磁コイル９を設け、筒状ヨーク８
の中空部には、軸方向に着磁された永久磁石１０
の一端部に磁極片１１を、他端部に磁極片１１ａ
を、固着した可動子１２を設けたものである。

そして、磁極片１１は、筒状ヨーク８の内周面
と磁気的に短絡するように構成し、磁極片１１ａ
は、筒状電磁コイル９と磁気的に鎖交するように
構成したものである。

したがつて、次の効果を奏すものである。

(1) 電磁コイル全体が電気エネルギーと往復運動
エネルギーの交換に利用できるため効率がよ
い。

(2) 推力がフレミングの左手の法則に準ずる力で
与えられるため、動作の線形性がよい。

(3) 単一の電磁コイルを用いるため、複数の電磁
コイルを用いるものより小型化ができる。

以上述べたように、本考案は、総合して、電気
エネルギーを効率よく往復運動エネルギーに交換
でき、また、動作特性の線形性が良好で、かつ、
小型化ができる往復駆動装置を所期できるもので
あつて、実用的効果に優れた考案ということがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は、それぞれ従来の往復駆
動装置の縦断側面図、第３図は、本考案の一実施
例に係る往復駆動装置の縦断側面図である。 ８……筒状ヨーク、９……筒状電磁コイル、１
０……永久磁石、１１，１１ａ……磁極片、１２
……可動子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軟磁性体からなる筒状ヨーク内にそれより短い
   １個の筒状電磁コイルを上記筒状ヨークの一方の
   側に寄せて配置し、上記筒状ヨークの中空部に
   は、軸方向に着磁された永久磁石の両端部に磁極
   片を有する可動子を、上記磁極片の一方が、上記
   筒状電磁コイルと磁気的に鎖交し、上記磁極片の
   他方が、上記筒状ヨーク内周面と磁気的に短絡す
   るように軸方向移動自在に設けたことを特徴とす
   る往復駆動装置。