JPS6322625Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は信号レベルを減衰させることなく高周
波信号を分配したり、あるいは、高周波信号回路
の接続切替えを電気信号によつて行なう高周波切
替スイツチ等に使用する高周波用同軸端子の取付
装置に関する。

一般にテレビアンテナから送り込まれる映像信
号をテレビ受像機に入力する一方、この信号を分
岐してビデオテープレコーダー（以下VTRと言
う）に取り込むには方向性結合器と呼ばれる分岐
器が用いられる。また、VTRの映像信号をテレ
ビ受像機に入力する場合には、この映像信号がテ
レビアンテナ回路に流入することの悪影響を除去
するためにテレビアンテナ回路を実質的に切離す
必要がある。

かかる高周波信号の分配または高周波信号回路
の接続切替えを行なうものに高周波切替スイツチ
が用いられる。

第１図および第２図は従来の高周波切替スイツ
チの構成を示す斜視図および部分断面図で、底蓋
１ｂとともに筐体を形成するシールドケース１の
上面にはテレビアンテナおよびテレビ受像機にそ
れぞれ接続される同軸端子１０および２０が、そ
の側面には、VTRのチユーナー及びRFコンバー
ターに接続される端子２，３が取りつけられてい
る。

また、シールドケース１の内部には切替回路を
構成する電気部品３１，３２…がプリント基板３
０に配設せられ、さらに、このプリント基板３０
には端子２，３、同軸端子１０および２０がそれ
ぞれ電気的に接続されている。さらに、シールド
ケース１のもう一つの側面に穿たれた穴１ａには
切替回路に接続された端子が突出しており、この
端子に制御信号を加えることで、高周波信号の分
配または高周波信号回路の切換えを行なうことが
できる。

ところで高周波信号の分配に際しては、分岐回
路に信号を供給した分だけ主回路の信号レベルが
減衰するいわゆる挿入損失、および、主回路と分
岐回路との電磁結合により信号レベルが減衰する
いわゆる結合損失が問題となり、高周波信号回路
の切替えに際しては、インピーダンスのミスマツ
チングによる反射が問題になる。

かかる損失および反射を少なくするために高周
波切替スイツチには種々の工夫がなされている
が、その中、同軸端子の接地においても特別な配
慮がなされている。

第２図はこの同軸端子１０の形状および取付状
態を詳細に示したもので、同軸端子１０を構成す
る中心導体１１および外殻導体１２は共にプリン
ト基板３０に半田付けされる一方、外殻導体１２
は取付ネジ１３を介してシールドケース１にも固
定される。

この場合、外殻導体１２の一端部すなわちプリ
ント基板３０のアース線に接続される接地端部１
２ｂの外径は、その他端部すなわち一点鎖線で示
したプラグ１４と係合するプラグ係合端部１２ａ
の外径よりも大きく形成されており、さらに外径
の小さいプラグ係合端部１２ａの外周には締付ネ
ジ１３およびプラグ１４と嵌合するネジが切られ
ている。かくて、ケース１に穿つた穴にこのプラ
グ係合端部１２ａを挿通させ、締付ネジ１３で締
付ることで同軸端子１０をケース１に固定すると
同時に、これら相互を電気的に接続している。

また、プリント基板３０のアース線は図示しな
い部分でシールドケース１と半田付け若しくはネ
ジ止めされている。

かくして、同軸端子１０の外殻導体１２はシー
ルドケース１に直接接地されるとともに切替回路
のアース線にも接地され、且つ切替回路のアース
線もまたシールドケース１に接地せられ、これに
よつて、前記挿入損失および結合損失を低く抑え
ている。

かかる従来の高周波切替スイツチ等に使用する
同軸端子の取付構造では、同軸端子１０（および
２０）をシールドケース１に取り付ける場合、締
付ネジ１３を廻す回数がかなり多くなり、これが
組立作業の能率を低下させるとともにねじ加工す
る部分も必然的に多くなるという欠点があつた。

本考案は、上記の欠点を除去するためになされ
たもので、同軸端子のねじ加工部分を少なくする
と同時に組立作業の能率を向上させ得る高周波用
同軸端子の接続装置の提供を目的としたものであ
る。

かかる目的を達成するための本考案の要旨とす
るところは、一端にプラグ係合部を突出させ、そ
のプラグ係合部の基端部に大径の段部を有すると
ともに前記プラグ係合部の反対側を接地端部とし
た外殻導体を有する同軸端子と、該同軸端子の接
地端部側が固定されこれと電気接続されたプリン
ト基板と、前記同軸端子及びプリント基板を内部
に収容しプラグ係合部を外部に突出させたシール
ドケースとを備え、前記同軸端子のプラグ係合部
に中央部に穴が穿たれ、かつ厚さ方向に弾性を有
する板ばねを嵌挿し、該板ばねを前記段部とシー
ルドケースの内面間に介在させるとともに該板ば
ねを圧縮した状態で前記プリント基板をシールド
ケースの内周面に係止させたことを特徴としてな
る高周波用同軸端子の取付装置に存する。

次に、本考案の実施の一例を第３図以下の図面
について説明する。尚、第１図と同一部分につい
ては同一符号を付してその説明を省略する。

第３図は本考案に使用する板ばねの一例の斜視
図である。

第３図において、板ばね１５は全体が矩形状
で、その中央部には、同軸端子のプラグ係合端部
を挿通させる穴１５ａが穿たれ、さらに、それ自
体はく字形に折曲げられている。また、板ばね１
５の四隅には、これを折曲げた側に突出する突起
１５ｂが設けられている。

この板ばね１５は第４図に示した如く、穴１５
ａに同軸端子１０のプラグ係合端部１２ａを挿通
させた状態で、しかも、接地端部とシールドケー
ス１の内壁面とで挾むようにして装着させる。す
なわち、同軸端子１０の接地端部１２ｂをプリン
ト基板３０に半田付けすることでこれらを相互に
固定し、またプリント基板３０はシールドケース
１内面に切起した爪１ｃにより抜け止めさせ、接
地端部の上端面であるプラグ係合端部１２ａの基
端部に配置された大径の段部１２ｃとシールドケ
ース１の内壁面とで板ばね１５を付勢した状態で
挾み付け、さらにプリント基板３０のアース線と
シールドケース１とを半田付け３０ａして、これ
ら全体を一体的に固定している。この場合、板ば
ね１５に設けられた突起１５ｂはシールドケース
１との接触を確実に行なうことになる。

このようにすれば、同軸端子１２とシールドケ
ース１とが板ばね１５を介して電気的に接続さ
れ、従来の締付けねじ１３が果したと同様な効果
が得られるとともに、同軸端子１０にはプラグ１
４を接続するためのねじ加工を施すだけで良く、
しかも、締付けねじ１３が不要になり、この締付
ねじを廻すという操作を省くことができる。

なお上記実施例では、矩形状に形成された板ば
ねを用いたが、これは矩形に限らず皿状のばねで
あつてもよいことは勿論であり、またプリント基
板の取付方は他の仕方を取り得る。

以上の説明によつて明らかな如く、本考案の高
周波用同軸端子の取付装置によれば同軸端子のね
じ加工部分を少なくし得ると同時に組立作業が著
しく容易化される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高周波用同軸端子の取付装置の
構成を示す斜視図、第２図はその部分断面図、第
３図は本考案による高周波用同軸端子の取付装置
の一実施例を構成する板ばねの形状を示す斜視
図、第４図は同実施の組付状態を示す断面図、第
５図は第４図中のＩ−Ｉ線断面図である。 １……シールドケース、２，３，４……端子、
１０，２０……同軸端子、１１……中心導体、１
２……外殻導体、１２ａ……プラグ係合端部、１
２ｂ……接地端部、１３……締付ねじ、１５……
板ばね、３０……プリント基板、３１，３２……
電気部品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端にプラグ係合部を突出させ、そのプラグ係
   合部の基端部に大径の段部を有するとともに前記
   プラグ係合部の反対側を接地端部とした外殻導体
   を有する同軸端子と、該同軸端子の接地端部側が
   固定されこれと電気接続されたプリント基板と、
   前記同軸端子及びプリント基板を内部に収容しプ
   ラグ係合部を外部に突出させたシールドケースと
   を備え、前記同軸端子のプラグ係合部に中央部に
   穴が穿たれ、かつ厚さ方向に弾性を有する板ばね
   を嵌挿し、該板ばねを前記段部とシールドケース
   の内面間に介在させるとともに該板ばねを圧縮し
   た状態で前記プリント基板をシールドケースの内
   周面に係止させたことを特徴としてなる高周波用
   同軸端子の取付装置。