JPS632208Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は連続鋳造設備における傾動機能を備え
たモールド支持枠クランプ装置に関する。

従来の連続鋳造設備においては、振動テーブル
上に載置されたモールド支持枠の四隅を上記振動
テーブルに固定する固定装置を設け、該各固定装
置の皿ばねの付勢力を所定値に設定し、この設定
付勢力によりモールド支持枠を振動テーブルに固
定している。また上記各固定装置の近傍にモール
ド支持枠の傾動装置を設け、もしも、該モールド
支持枠上に配置されているモールドの中心軸が、
このモールドの下につらなる鋳片搬送経路の中心
軸と一致しない場合には、上記各傾動装置を作動
させてモールド支持枠を適当に傾動させ、これに
よつてモールドの中心軸を鋳片搬送経路の中心軸
に一致させるようにしている。しかし、この傾動
によつて各固定装置の皿ばねの付勢力が変化する
ので、再び各皿ばねの付勢力を設定値どうりに設
定しなおさなければならない場合が生じる。また
各固定装置と各傾動装置とを別個に設けているの
で、構造が複雑となり、コストアツプになるとい
う問題点がある。

そこで本考案はかかる問題点を解消した傾動機
能を備えたモールド支持枠クランプ装置を提供す
るものである。

以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明す
る。１は振動テーブル、２は該テーブル１上に配
設されたモールド支持枠、３はモールド、４は長
片モールド５ａを支持する冷却箱であつて、その
両端は上記支持枠２上に載置され、該支持枠２に
ボルト・ナツト６止めされている。７は、両冷却
箱４を貫通するねじ棒８と、該ねじ棒８に螺合す
るナツト９と、両冷却箱４を互いに接近させる方
向に付勢する皿ばね１０とからなるモールドクラ
ンプ装置、１１はモールド短片５ｂを往復移動さ
せる幅替え装置、１２はモールド３の下方に配設
されたフートロール、１３はサポートロール、１
４はサイドガイドロールである。１５は振動テー
ブル１およびモールド支持枠２の四隅に配設され
た傾動機能を備えたモールド支持枠クランプ装置
であつて、以下、その詳細を説明する。１６は振
動テーブル１の天板の四隅に形成された貫通孔１
７と同芯状に配設されると共に該テーブル１にボ
ルト１８止めされた固定リング、１９はテーブル
１内から上記リング１６内を通ると共にモールド
支持枠２を貫通して上方へのびる貫通棒、２０は
該貫通棒１９の下端大径部１９ａと上記固定リン
グ１６との間に配設された皿ばねであつて、貫通
棒１９を下方へ付勢するものである。２１は中央
の貫通孔２１ａが上記貫通棒１９に回転自在に嵌
合すると共に上記固定リング１６上に接当する受
座であつて、上面に形成した凹部２２内には凹球
面２３を形成してある。２４は中央の貫通孔２４
ａが上記貫通棒１９に回転自在に外嵌すると共に
下面の凸球面２５が上記凹球面２３に接当する筒
状体であつて、外周面の上部には四角形、六角形
などの多角形部２６を、その下にねじ部２７をそ
れぞれ形成してある。２８はモールド支持枠２に
ボルト止めされると共に上記筒状体２４のねじ部
２７に螺合する下側ナツト、２９は同じくねじ部
２７に螺合すると共に座金３０を介して支持枠２
の上面に圧接するゆるみ止め用上側ナツト、３１
は貫通棒１９の直下において、本体３１ａがテー
ブル１に支持されると共にピストンロツド３１ｂ
の上面が貫通棒１９の下面に接近する油圧ジヤツ
キであつて、貫通棒１９を皿ばね２０に抗して持
ち上げるためのものである。３２は貫通棒１９の
上部に外嵌すると共に上記筒状体２の上面に載置
された支持リング、３３は貫通棒１９の上部のコ
ツター孔３４内に嵌入するコツターであつて、上
記リング３２および筒状体２４を介してモールド
支持枠２を振動テーブル１に固定するものであ
る。３５は把手である。

上記構成の作用を説明する。まずモールド３の
中心軸が鋳片搬送経路の中心軸と一致していない
場合には、前縁側または後縁側の２つのクランプ
装置１５の上側ナツト２９をゆるめ、次に筒状体
２４の多角形部２６に治具（図示せず）を取りつ
け、この治具によつて筒状体２４を一方向へ回転
させる。これによつて下側ナツト２８が上方また
は下方へ移動させられ、モールド支持枠２が第２
図仮想線で示すごとく傾動させられて、モールド
３の中心軸を鋳片搬送経路の中心軸に一致させる
ことができる。このように中心軸が一致したなら
ば、治具を外し、上側ナツト２９を締め付ければ
よい。またこの間、固定リング１６と貫通棒下端
大径部１９ａとの間の間隔はまつたく変わらない
から、皿ばね２０の付勢力に変化が生じることは
ない。さらに４つのクランプ装置１５をすべて作
動させて上記の傾動作用をおこなわせてもよいの
はいうまでもない。

またモールド支持枠２の固定を解除する場合に
は、油圧ジヤツキ３１を作動させて、ピストンロ
ツド３１ｂを貫通棒１９の下面に押し当て、これ
によつて皿ばね２０に抗して貫通棒１９を持ち上
げ、コツター３３をコツター孔３４から抜き取れ
ばよい。

以上述べたごとく本考案の連続鋳造設備におけ
る傾動機能を備えたモールド支持枠クランプ装置
によれば、貫通棒とばねとジヤツキとコツターと
からなるクランプ装置に対し、受座と筒状体とナ
ツトからなる傾動装置を一体的に組込んだ構成と
なつており、構成が簡素化され、コストダウンを
図ることができるものである。またモールドを傾
動させる場合には、筒状体を回転させてナツトを
上方または下方へ移動させるだけでよく操作がき
わめて簡単である。さらにその傾動作業はばねに
一切作用しないから、該ばねの付勢力が変化せ
ず、従来のようにばねの付勢力を再調整する必要
はまつたくない。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は平面
図、第２図は第１図の−矢視図、第３図は第
１図の−矢視図である。 １……振動テーブル、２……モールド支持枠、
３……モールド、１５……モールド支持枠クラン
プ装置、１６……固定リング、１９……貫通棒、
２０……皿ばね、２１……受座、２３……凹球
面、２４……筒状体、２５……凸球面、２６……
多角形部、２７……ねじ部、２８……下側ナツ
ト、２９……上側ナツト、３１……油圧ジヤツ
キ、３３……コツター。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 振動テーブル１の四隅内からそれぞれモールド
   支持枠２を貫通して上方へのびる４本の貫通棒１
   ９を設け、該各貫通棒１９を下方向に向けて付勢
   するばね２０を振動テーブル１内に設け、中央の
   貫通孔が上記貫通棒１９に回転自在に嵌合すると
   共に上記振動テーブル１に接当する受座２１を設
   け、該受座２１に球面２３を形成し、中央の貫通
   孔が上記貫通棒１９に回転自在に外嵌すると共に
   下面の球面２５が上記受座２１の球面２３に接当
   する筒状体２４を設け、該筒状体２４の外周面に
   ねじ部２７を形成し、前記モールド支持枠２に連
   結されると共に上記筒状体２４のねじ部２７に螺
   合するナツト２８を設け、前記貫通棒１９をばね
   ２０に抗して持ち上げるためのジヤツキ３１を設
   け、上記貫通棒１９の上部のコツター孔３４内に
   嵌入して上記筒状体２４を介してモールド支持枠
   ２を振動テーブル１に固定するコツター３３を設
   け、かつ上記筒状体２４の所定位置に筒状体２４
   を回転させるための多角形部２６を形成したこと
   を特徴とする連続鋳造設備における傾動機能を備
   えたモールド支持枠クランプ装置。