JPS6322016Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 組立ライン上において、作業ステーシヨンから
次の作業ステーシヨンへ物品を移動する時間は、
生産性を考えれば早ければ早い程、決められたサ
イクルタイムの間で作業の実働時間をより長く得
ることができる点において望ましい。それ故、流
れ作業を行つているコンペヤラインでは、あるス
テーシヨンで作業完了後、如何に早く次のステー
シヨンへ物品を搬送させるかが必要である。

また、従来の連続的な搬送コンベヤにおいて
は、作業者はそのコンベヤの速度と同期しながら
作業を行わねばならないため、作業性がわるくな
る傾向を有し、品質の向上にも影響を及ぼすこと
から、最近では、必ず各作業者の前で搬送物を一
旦停止させ、作業完了後次のステーシヨンへ搬送
するコンベヤシステムが多く使用されるようにな
つたが、この場合一旦停止した搬送物は再発進に
際し速度低下となつて時間を要することになる。
このような状況のため、ステーシヨンからステー
シヨンへ物品を早く送る装置が要望されており、
しかも従来のコンベヤシステムに容易に取付ける
ことができることが切望されるようになつた。

また、以上の目的に応えようとして、従来の搬
送コンベヤ自体の速度を早めたり、あるいは単に
コンベヤ速度よりも早い回転装置を組込み、ステ
ーシヨン間の移動時間の短縮を行つてきたが、コ
ンベヤ自体の速度を早めることは、騒音を発生し
たり、振動を起したりする欠点を生じ、また回転
装置だけでは回転体の高さは、例えば搬送チエー
ン、ローラなどより高くしなければならないか
ら、搬送物が回転体を乗り越えるとき、振動や騒
音を引き超したり、搬送物の曲がり、歪みなどに
よつてスリツプを起したり、確実に回転体が搬送
物と接触することができないことがあつて、はな
はだ不便であり、作用が不確実である。

この考案は、上記の欠陥に鑑みて改良を施し、
搬送物の状態に応じて送り出しに必要な程度の圧
接を図り、確実な駆動力を得られるようになした
もので、以下図面について説明する。

図面において、１はコンベヤフレームまたはそ
の他の固定部分に固着した取付ベースで、この取
付ベース１には支軸２を設け、この支軸２に各自
回動自在な第１および第２アーム３，４の上端を
嵌装する。この第１アーム３には支軸２から距離
Ｒだけ離れた位置に軸５を取付け、この軸５上に
搬送用の回転ローラ６および該ローラ６に固着し
た被動用のスプロケツト７を設ける。８，９はこ
の第１アーム３および前記第２アーム４の下端に
設けたスプロケツト。１０は取付ベース１に設置
した駆動モータ１１の軸１２に取付けた駆動用ス
プロケツト。１３は前記スプロケツト７と駆動用
スプロケツト１０との間に掛け亘した無端状の伝
動チエーンで、このチエーン１３は前記第１アー
ム３のスプロケツト８側に少し遊びをもたせて連
結する。１４は第１アーム３と第２アーム４とを
互に引き合うように連結したスプリングで、この
スプリング１４の牽引力によつて、第１、第２ア
ーム３，４上のスプロケツト８，９を以てチエー
ン１３を左右から内向に押しつけるように保つ。

第２図において、第１アーム３はその支点が基
軸２にあるので、このアーム３の下部のスプロケ
ツト８は伝動チエーン１３を左側から押してい
る。また第２アーム４も支点が基軸２にあるの
で、このアーム４の下部のスプロケツト９は伝動
チエーン１３を右側から押しており、さらにこれ
ら両アーム３，４はスプリング１４によつても伝
動チエーン１３は両外側より内側に向つて牽制さ
れているので伝動チエーン１３は張られている。
この状態で電気的信号などを受けて駆動用モータ
１１が反時計方向に回転し始めると、伝動チエー
ン１３の左側部分引張り側となるため、スプロケ
ツト１０と７の外周を直線で結んだ線上に戻ろう
とするため、第１アーム３のスプロケツト８はこ
の伝動チエーン１３の緊張によつて第５図に示す
如く外側に移動し、これに伴う第１アーム３の変
位によつて回転ローラ６は、基軸２を中心に時計
方向に角ａだけ変位し、上方に浮き上がつてパレ
ツト１５（搬送物）を押し上げ傾向に圧して搬送
物の荷重による搬送物と回転ローラ周面との間の
摩擦抵抗で搬送物を搬送し、そして搬送物の搬送
を完了すれば電気的信号などによつて駆動用モー
タ１１は停止し、伝動チエーン１３の引張り側に
及ぼしていた引張り力は弱まるので、スプリング
１４によつて第２図に示す状態に戻つて回転ロー
ラ６は搬送物の下面の通過面より下降する。な
お、以上は回転ローラ６の駆動媒体としてチエー
ンとスプロケツトとを用いたが、場合によればベ
ルトまたはロープとプーリとを駆動媒体として使
用してもよい。

この考案は、以上の如く構成したから、コンベ
ヤにおける補助駆動装置として使用して早送りが
できるし、一連の総括的駆動装置を有しないコン
ベヤにおいては、この駆動装置を適当に配置する
ことによつて、搬送物を搬送するコンベヤを構成
することができ、しかもその回転ローラ６は駆動
用モータ１１が起動すると同時に、伝動チエーン
１３の引張り側の緊張によつて上方へ浮上させる
ようになしたから、搬送物の荷重によつて搬送物
と回転ローラ６との間の摩擦抵抗により搬送物の
搬送を行う関係上、荷重の軽重に拘らずスリツプ
を防止し、簡単な構成によつて確実な搬送を行う
ので、組立ライン上における駆動装置として適切
な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係る組立ライン上におけ
る駆動装置の斜視図。第２図は、その正面図。第
３図は、同上側面図。第４図は、同上平面図。第
５図は、駆動用モータが起動して回転ローラが浮
上し、これが搬送物に圧接した搬送状態を示す正
面図である。 １……取付ベース、２……基軸、３，４……第
１、第２アーム、５……軸、６……回転ローラ、
７……被動用スプロケツト、８，９……スプロケ
ツト、１０……駆動用スプロケツト、１１……駆
動用モータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 取付ベース１に設けた基軸２に対し、第１アー
   ム３と第２アーム４の各上端を各自揺動自在に嵌
   装し、上記第１アーム３には基軸２から距離Ｒを
   隔てた位置に軸５を突設し、この軸５上に搬送用
   回転ローラ６および該ローラ６と一体に組合せた
   スプロケツト７を回転自在に装架し、別に前記取
   付ベース１に定設した駆動用モータ１１の軸１２
   に駆動用スプロケツト１０を取付けて該スプロケ
   ツト１０と、前記ローラ６のスプロケツト７とに
   渡りその引張り側に少し遊びをもたせて無端状の
   伝動チエーン１３を装架するとともに、前記第１
   アーム３と第２アーム４の各下端に軸架して各自
   回転自在にそれぞれアーム３，４に支持させた１
   個ずつのスプロケツト８および９を上記伝動チエ
   ーン１３の往動部および復動部の中間部分に各外
   側からかみ合せ、さらに第１アーム３と第２アー
   ム４との間に架したスプリング１４の弾性引張り
   力によつて前記伝動チエーン１３を両側から内側
   に向つて押圧するようになした組立ライン上にお
   ける駆動装置。