JPS6320995Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、２色の異極性トナーを用いて２色複
写する２色電子複写機に係り、特に、その転写を
良好になし得るようにした２色電子複写機に関す
るものである。

まず、この種の２色電子複写機の従来のものを
第１図により説明する。

第１図において、感光体ドラム１は、電極２
と、この電極２の外周に位置し、赤色光に高感度
を有する第１感光層３と、この第１感光層３の外
周に位置し、赤色光に感度を有しない第２感光層
４とからなる。そして、この感光体ドラム１の周
囲には、赤色光の露光を同時に行なう一次帯電器
５と、この一次帯電器５と逆極性の帯電を行なう
二次帯電器６と、これらの両帯電器５，６により
帯電された感光体ドラム１上に画像を露光する露
光部７と、トナーの一例としての赤色トナーを感
光体ドラム１上の静電潜像に現像する赤色現像器
８と、トナーの他例として黒色トナーを感光体ド
ラム１上の静電潜像に現像する黒色現像器９と、
転写前に異極性トナーを一方の極性に揃える転写
前帯電器１０と、感光体ドラム１上のトナーを複
写紙１１に転写する転写帯電器１２と、感光体ド
ラム１の電位を除去する除電帯電器１３と、トナ
ーのクリーニング装置１４と、除電用のクエンチ
ングランプ１５とがこの順に配設されており、複
写紙１１上に転写されたトナーは一対の定着ロー
ラ１６，１６により定着されるようになつてい
る。

前述した構成によれば、まず感光体ドラム１上
に一次帯電器５により赤色光を照射しつつ負極性
帯電（正極性帯電でも良い）を行ない、まらに暗
所にて二次帯電器６により逆極性帯電を行なう
と、感光体ドラム１の第２の感光層４の表面の負
の一次帯電電荷はほぼ０になるが、第１、第２の
感光層３，４の背面の誘起正電荷はそのまま残
る。そこで、露光部７において像露光を行ない、
赤色域については第２感光層４の背面の誘起正電
荷をこの層４の表面の負電荷に拘束されるものを
除いて電極２に逃がす。白色域については第１、
第２の感光層３，４の抵抗が下るから、第２感光
層４の背面の正電荷が全て逃げ、また黒色域では
そのままの状態が維持される。

このようにして形成された静電潜像上に、現像
器８，９によつて正に帯電した赤色トナー、負に
帯電した黒色トナーを当てると、赤色トナーは赤
色域での第２感光層４の表面の負電荷により付着
し、黒色トナーは黒の領域で第２感光層４の背面
に維持されている誘起正電荷による電界に引かれ
て付着し、感光体ドラム１の表面に２色分離顕像
が形成される。さらに、転写前帯電器１０により
正または負の極性の帯電を行なつて、これらの異
極性トナーを一方の極性に揃えた上で、転写前帯
電とは逆の極性の帯電を転写帯電器１２により行
なつて、複写紙１１上にトナーは移動される。

ところが、前述したように、２種の異極性トナ
ーを転写前に同極性に揃える帯電を行なうと、こ
の転写前帯電器１０と同極性のトナーについては
問題ないが、これとは逆極性のトナー、すなわち
前述した正極性のトナーは、この転写前帯電によ
つて負の極性に変えられ、第２感光層４の表面の
電荷極性と同じになり、潜像に反発して剥離し易
くなる。このため、転写前帯電によるコロナイオ
ン風や感光体ドラム１上への複写紙１１の接触な
どによつて容易に画像が乱され易くなり、良好な
画像濃度や品質が得られないという問題を有して
いた。

第２図は、従来の２色電子複写機の他の例を示
すものであるが、以下、この図について説明す
る。なお、第１図と同様の構成については説明を
省略する。

この第２図の従来例には第１図の転写前帯電器
１０がなく、代わりに一対の転写帯電器１７，１
８が配設されている。これらの転写帯電器１７，
１８は相互に逆極性の電位に帯電するようになつ
ている。

このような構成によれば、負極性帯電をなす第
１転写帯電器１７により、まず正に帯電した赤色
トナーを複写紙１１上に転写し、ついで第２転写
帯電器１８により正極性帯電を行ない、感光体ド
ラム１上に残留した負極性の黒トナーを複写紙１
１上に転写するようになつている。

しかしながら、このような構成においては、先
に複写紙１１に転写された赤色トナーの極性が、
後の転写帯電時に帯電極性と同じになり、複写紙
１１より剥離し、転写効率が低くなり画像濃度が
上らないという欠点があつた。

本考案は、前述した従来のものにおける欠点を
除去し、転写効率を高くした２色電子複写機を提
供することを目的としてなされたもので、現像装
置および転写装置の間に感光体に対向する露光装
置を配設し、感光体の潜像電位を除去して、この
潜像電位により生ずる転写への悪影響を除去する
ようにしたものである。

以下、本考案を第３図に示す実施例により説明
する。なお、前述した従来のものと同一の構成に
ついては、図面中に同一の符号を付し、その説明
は省略する。

第３図は本考案の第１実施例を示すものであ
り、異極性トナーを一方の極性に揃えるための転
写前帯電器１９の背部には露光ランプ２０が配設
されており、こ露光ランプ２０は、転写前帯電器
１９のシールドケース２１の光透過性の背面２２
を通して感光体ドラム１に白色光を照射するよう
になつている。

前述した構成によれば、露光ランプ２０により
白色光の照射を行ないながら転写前帯電器１９に
より帯電を行なうことにより、感光体ドラム１の
潜像電位がほとんどなくなり、両トナーの極性は
転写前帯電器１９の極性に揃えられる。この結
果、潜像電位の存在の故にトナーが潜像に反発し
て剥離し易いという問題が解決され、また、転写
帯電器１２による逆極性の帯電による転写も、第
１図に示す従来のものより低い転写電圧でより良
好な転写画像が得られる。

以上説明したように、本考案に係る２色電子複
写機は、現像装置および転写装置の間に感光体に
対向する露光装置を配設し、感光体の潜像電位を
除去したので、この潜像電位によるトナーの転写
に対する悪影響を防止でき、転写効率は向上し、
２色の高い画像濃度が得られるという効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ従来の２色電子
複写機を示す説明図、第３図は本考案に係る２色
電子複写機の実施例を示す説明図である。 １……感光体ドラム、５，６，１０，１２，１
３，１７，１８，１９……帯電器、８，９……現
像器、１１……複写紙、１５，２０……露光ラン
プ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 感光体に対向して配設された一対の帯電装置
   と、これらの帯電装置により帯電された感光体上
   に画像を露光する露光部と、この画像露光により
   感光体上に形成された静電潜像上に２色の異極性
   トナーにより顕像を形成する現像装置と、前記感
   光体上の顕像を逆極性帯電により複写紙に転写す
   る転写装置とを有する２色電子複写機において、
   前記現像装置および転写装置の間に配置され異極
   トナーを一方の極性に揃えるための転写前帯電器
   の背部から白色光を照射する露光装置を配設し、
   感光体の潜像電位を除去するようにしたことを特
   徴とする２色電子複写機。