JPS6320699Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はエスカレータの移動手摺とそれを摺
動案内する案内レールの潤滑装置に関するもので
ある。

一般にエスカレータの移動手摺の内面は帆布か
ゴムで構成されており、またこの移動手摺を案内
する案内レールは金属で構成されているので、上
記移動手摺が送行する際、移動手摺と案内レール
との接触面には、摺動摩擦が生じ、潤滑が不十分
であれば発熱摩耗及び動力の損失や移動手摺のス
リツプ、摺動音の発生など不都合な現象が生じ
る。

従来、この部分の摩擦力の低下または低い値で
一定の範囲に保つため、移動手摺やガイドレール
に潤滑剤を充填したり移動手摺を案内レールより
外し、第５図のように手作業で棒状の潤滑剤１５
等をすりつけるなどの方法が試みられている。し
かし均一に塗布することができず充分な効果が得
られない。また手作業であるため長時間の作業を
要している。

この考案は上記の欠点を解消するもので、移動
手摺と案内レールの摺動部に容易に潤滑剤を塗布
するエスカレータ移動手摺と案内レールの潤滑装
置を提供しようとするものである。

以下第１図〜第４図によつてこの考案の一実施
例を説明する。

第１図はエスカレータの移動手摺配置関係説明
図であり、１はエンドレスの可撓性環状帯より成
る移動手摺、２はローラーと電動機からなる駆動
装置である。図のＸ部は手摺１の帰り側部であ
る。

第２図は手摺装置の帰り側部の断面図であり、
３は金属性またはプラスチツク製の案内レールで
支持金具４を介して、トラス５のメンバー５Ａに
固定されている。２は案内レール３によつて摺動
案内され、横断面Ｃ字状で内面が帆布かゴムで構
成された移動手摺であり、部が案内レー
ル３と常に接触する部分であり潤滑を必要とす
る。

第３図と第４図はエスカレータ移動手摺と案内
レールの潤滑装置を示す。

６は取付金具で、Ｃ字状移動手摺２の中心線上
に位置しており、手摺装置の帰り側部（Ｘ部）の
案内レール３継目部などのように部分的に案内レ
ール３がない部分にトラスメンバー５等を利用し
て取付けられる。７は固形潤滑剤を示し、８，１
２は固形潤滑剤の保持具、９，１３は板バネで、
１０，１４は板バネを支持している金具であり、
蝶ボルト１１により取付金具６に締め込むと、固
形潤滑剤７が移動手摺２の内面の潤滑を必要とす
る部分に押し付けられる。

板バネ９，１３は付勢力が逆向きになつてお
り、第３図、第４図では第２図に示す移動手摺２
の内面部に固形潤滑剤７を押し付けることが
できる。同様に、取付金具６は移動手摺２の中心
線上に位置しているため、板バネを支持している
金具１０，１４を蝶ボルト１１をゆるめて取付金
具６のＥ側に対称に取付ければ部に固形潤滑
剤７を押し付けることができる。

したがつて潤滑剤を塗布する必要が生じた場合
は固形潤滑剤７を固形潤滑剤保持具８，１２にセ
ツトし、上記のように取付けて、エスカレータを
１周〜３周程度動かせば板バネの付勢力で均一に
塗布される。

この考案は以上説明したとおり、移動手摺を案
内レールより外さなくても潤滑装置の脱着が出来
るとともに固形潤滑剤の補給ができ、また板バネ
により固形潤滑剤がその消耗に従つて、自動的に
進出して潤滑動作し、手間がかからない効果があ
る。

なお、第３図、第４図に示した実施例において
は、移動手摺２のＢ，Ｄ部及びＡ，Ｃ部に同時に
潤滑材塗布するようになつていないが、保持具
８、板バネ９、金具１０より成る潤滑装置と、保
持具１２、板バネ１３、金具１４より成る潤滑装
置とを相互に干渉しないような位置で取付金具６
に固定したり、相互に干渉しないよう金具１０，
１４を屈曲形状として一本のねじ１１で取付金具
６に固定したりして、２個あるいは４個の潤滑装
置を取付ければ、より作業時間が短縮される。

なおこの実施例（上記一実施例を指す）では固
形潤滑剤を押し付ける構造としたが、媒体（例え
ばフエルト）に液体潤滑剤を含浸させてこれを押
し付けても同様な作用が得られることは明白であ
る。また、潤滑装置はトラスばかりでなく、手摺
近傍に位置する他の静止部材のいずれに固定して
も良い。

さらに、案内レール３は移動手摺２により覆わ
れているため、レールに直接潤滑剤を塗布するの
は困難であるが、この考案では手摺のほうに潤滑
剤を施すようにしたので、そのような困難性はな
く、手摺とレールの双方が潤滑され、また案内レ
ールの継ぎ目のような部分を利用した潤滑装置と
しているための装置ものものの構成も簡素化でき
るものである。

以上説明したとおり、この考案は、エスカレー
タの移動手摺及びこの移動手摺の移動を案内する
レールを潤滑する装置であつて、移動手摺の案内
レールとの接触部分に対向配置される潤滑剤と、
エスカレータの静止部材に固定されて案内レール
が部分的に欠除している部位に位置し、潤滑剤を
保持するとともに接触部分に押圧する保持具を備
えたエスカレータの移動手摺と案内レールの潤滑
装置であつて、エスカレータを運転状態で移動手
摺と案内レールの接触面に潤滑剤を塗布し、移動
手摺と案内レールの摩耗、摺動音の発生などの不
都合な現象が生じないようにしたものである。こ
れによつて移動手摺を案内レールより外し、手作
業で潤滑剤を塗布していた作業が容易になり、確
実に短時間で潤滑剤を塗布することができ、機器
の長寿命化につながるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案が適用されるエスカレータの
移動手摺の配置関係説明図、第２図は第１図の
−線断面図、第３図、第４図は本考案実施例の
外観図、第５図は従来の潤滑剤塗布方法の説明図
である。 １……移動手摺、５……手摺駆動装置、３……
案内レール、４……案内レールの支持金具、５…
…トラスメンバー、６……取付金具、７……固形
潤滑剤、８，１２……固形潤滑剤保持具、９，１
３……板バネ、１０，１４……板バネ保持金具、
１１……蝶ボルト、１５……棒状の固形潤滑剤。
なお、図中同一部分または相当部分は同一符号に
より示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) エスカレータの移動手摺及びこの移動手摺の
   移動を案内するレールを潤滑する装置であつ
   て、上記移動手摺の上記案内レールとの接触部
   分に対向配置される潤滑剤と、エスカレータの
   静止部材に固定されて上記案内レールが部分的
   に欠除している部位に位置し、上記潤滑剤を保
   持するとともに上記接触部分に押圧する保持具
   を備えたエスカレータの移動手摺と案内レール
   の潤滑装置。 (2) 請求の範囲第１項に記載の潤滑装置におい
   て、上記潤滑剤は弾性的に上記接触部分に押圧
   されているエスカレータの移動手摺と案内レー
   ルの潤滑装置。